エンシェントエルフとダークエルフ
その世界は、まだ出来立ての世界だった。
世界の名を、フレイアといった。
女神フレイアが治める、作られたばかりの世界では、全てが自由であった。
やがて時が経ち、女神フレイアはある二人の人物を、存在を変えてフレイアの世界へと召還した。
それは、アビスの世界のヴァンパイアマスターの浮竹と、ヴァンパイアロードであり、神喰らいの魔神である京楽だった。
今の浮竹はエンシェントエルフで、京楽はダークエルフだった。
エンシェントエルフは普通のエルフより耳が長かった。ダークエルフは褐色の肌をしているが、京楽の場合肌は普通の白さを保っていて、普通のエルフ、ウッドエルフに見えた。
浮竹と京楽は伴侶であり、このフレイアの世界にきてもそれは変わらなかった。
ただ、ヴァンパイアであった頃の記憶は失っていた。
力も圧倒的なまでにあったが、普通のエンシェントエルフの魔力とダークエルフの魔力を与えられていた。
ロスピア王国の隣にある、イアラ帝国の冒険者ギルドで、Bランクの冒険者として二人で活動していた。
「浮竹、魔力回復のポーションの元になる、マナの花の採取依頼が出ているよ」
「お、それはいいな。マナの花は、ちょうどBランクの依頼だ。オーガどもの住む村の近くに生えるんだよなぁ。オーガはあまり群れないが、たまに集落を築くとそこに生えてくる」
「いっそ、オーガに気づかれないように花だけ採取する?」
「いや、オーガの退治依頼も出ていただろう」
「うん。Bランクだね」
浮竹は入手したばかりの魔力を帯びたミスリルの剣を撫でた。
ミスリルの武器は高い。
Aランクの冒険者でやっと持てるといったかんじだ。
それを、浮竹はエンシェントエルフの村から出る時に、選別としてもらったのだ。
「浮竹は魔法剣士だから剣はいるけど、僕は魔法使いだから、杖を新調したいな」
「オーガの住処に行く前に、この前の報酬でもらった金で、杖を慎重しにいこう」
ダークエルフだと分かると、人間もエルフも他の種族も、いい顔をしない。なので、皮膚の色が普通の色で褐色でないのをいいことに、京楽は種族を普通のウッドエルフと偽っていた。
「あんた、ダークエルフだね?」
魔法の武器防具の店にやってくると、店の主人がそう言ってきた。
「うん・・・ウッドエルフって通してるけど、本当はダークエルフなんだ。ダークエルフに売る武器防具はないってかんじ?」
「いいや、種族が珍しいから声をかけてみただけじゃ。好きな武器防具を選べ。ダークエルフは
魔法の適性が高い。魔力を高めたいなら、その右隣にある杖たちがおすすめじゃ」
「あ、これいいね!」
杖の先端部に、青い魔石がはめ込まれいる、木製の杖だった。
「それは掘り出し物じゃぞ。といっても、中古品じゃがな。なんと、木製の部分は世界樹の木で作られているのじゃ」
「金貨4枚じゃな」
「うーん高い・・・・もう少しなんとかならない?」
「今の手持ちが金貨20枚・・・・そうだ、前の杖を下取りしてもらったらどうだ?」
「うん。愛用していたから、魔力の循環にはいい杖だと思うんだ」
京楽が前の杖を見せると、店の店主は身を乗り出してきた。
「おお、これはまた特殊は・・・・守りの魔法が付与されている杖じゃな。金貨2枚で引き取ってやってもよいぞ」
「じゃあ、これを引き取ってもらって、そっちの中古の杖をもらうとして、差額の金貨2枚を祓うよ」
「うむ。よい商いじゃった」
後日、京楽が売り払った杖が金貨10枚という値段で売られるを、知らぬ二人であった。
「じゃあ、オーガの拠点までいくか」
「一番近くの町まで、乗り合い馬車でいこう」
乗り合い馬車を乗り継いで、3日かけて移動し、一番近い村で一日だけ休息を入れると、その日は宿がないということで、村長の家に泊めてもらった。
オーガの被害にあったことがある村で、オーガを倒してくれる相手をずっと探していたそうで、やってきた浮竹と京楽を快く迎えてくれた。
「じゃあ、出発する」
「じゃあね。帰りも寄るから、よろしくね」
「どうが、女神フレイア様の加護があらんことを」
二人は、オーガの村に向かって歩きだした。
オーガは基本狩猟を行って生活しているが、モンスターだけでなく人間や家畜も食う。
ゴブリンのようにすぐに増える種族ではないし、そこそこ強いのでBランクが適正だった。
「先手必勝だ!」
浮竹がミスリル銀の剣を抜き放ち、門番をしていたオーガの首を斬り裂いて、悲鳴を与える暇もなく殺した。
「ファイアボール!」
集落の木の建物に次々と火の魔法で炎をつけていく。
「マナの花を燃やさないようにしろよ!」
「わかってるよ!周辺のフィールドには、結界を張ってあるから!」
浮竹は、襲い掛かってくるオーガを斬り捨てていく。
「ウォーターボール!!」
浮竹を背後から襲おうとしたオーガの頭部を水で包んで、窒息死させた。
「ウォーターボール!」
浮竹も京楽も、それが一番手っ取り早いと、ウォーターボールの魔法で、敵を窒息死させていった。
「GYAOOOOOOO!!」
「オーガキングだ!気をつけろ」
「ウォーターボール!」
オーガキングは身震いするだけで水の玉を弾けさせた、
「ウォータースピア!」
「GYOOOOO!!」
京楽の放った水の槍は、オーガキングの腹を貫いていた。
「いまだよ、浮竹!」
暴れまわるオーガキングに右肩を切られたが、致命傷ではないのでまず、剣で両目をつぶした。
「GAAAAAAAAA!!」
「エンチャントファイア!」
ミスリルの剣に火を付与して、硬いオーガの皮を斬り裂き、心臓を突き刺す。
それでもオーガキングは倒れなかった。
むちゃくちゃに振り回す剣で、浮竹は左足を切られた。
「ヒール!」
「助かる、京楽!」
「ライトニングボルト!」
先に目を潰して正解だった。
オーガキングは体全体を焦げさせながらも、浮竹を殺そうとする。
「いい加減、死ね!」
浮竹が放った剣は、オーガキングの首を刎ねていた。
それぞれ、倒したオーガから魔石を取り出し、討伐の証拠とする。
「あった、マナの花だよ」
「これだけあると、俺たちの分も確保できそうだな」
浮竹と京楽は、咲いている分だけマナの花を大量につみとって、アイテムポケットにしまいこむ。
オーガたちの魔石も、アイテムポケットの中だった。
アイテムポケットの中では時間が経たない。素材になりそうなモンスターを放り込んだり、料理を保存しておけた。
「さぁ、最寄りの村まで戻って、馬車で町まで戻ろう」
「うん、そうだね。あ、肩の傷、血は止まってるけど一応治しておくね。ヒール」
「ありがとう、京楽」
「ううん、僕のほうこそ。こんな、ダークエルフを拾ってくれるなんて、君くらいだよ」
ダークエルフと同じ褐色の肌をもたないからと、一族のつまはじき者として捨てられていた京楽を拾ったのは、エンシェントエルフの浮竹だった。
どっちも、まだ子供だった。
大人たちの都合で閉じ込められていた京楽を救ったのは、浮竹だった。エルフの森を抜け出して、人間の町で冒険者を始めた。
それでも、あくまで帰るのはエルフの森で。
大人になったダークエルフは、置いておけない、処刑すると言い出した他のエンシェントエルフから京楽を守るように、エルフの森を抜け出した。
村長に見つかり、罰せられると思ったが、選別だとミスリルの剣をもらった。
子供の頃から冒険者稼業を、牢屋からたびたび抜け出す京楽としていたので、ランクはB、そこそこのランクになっていた。
「オーガキングまでやっつけたし、金貨20枚は固いね」
「マナの花もあるからな。全部で35枚はいくんじゃないか」
「じゃあ、しばらく高い宿にでも泊まる?」
「いや、宿は今のままでいい。ただ、浴場に行きたいな」
「じゃあ、お風呂セット買おうか」
「そうだな」
浮竹と京楽は、冒険者ギルドでオーガ討伐の報告をして、魔石を買い取ってもらった。報酬金が金貨20枚、魔石が金貨3枚で売れた。
マナの花は金貨ちょうど15枚で買い取ってもらえた。
考えていたより3枚金貨が多かったので、ちょっと奮発して高めにお風呂セットを買ってみた。
公共浴場で、泡だらけになって、浮竹と京楽は笑いながら長い髪も洗った。
帰り際に、宿の部屋に別れる前に口づけをしあった。睦み合うことがないわけではなかったが、エルフはそういう欲求が薄いので、たまにだった。
公共浴場は安くもなく高くもない値段で、浮竹と京楽は最低週に2日は入っていた。着ている服を洗濯に出すこともできるが、金がかかるので自分たちで洗った。
今泊まっている宿は、中クラスで、夕食はついていないが、朝食はついていた。
そんな宿屋を数カ月借りているので、もはや我が家も同然のようになっていた。
「おはよう、浮竹さん京楽さん」
「ああ、おはよう、女将さん」
「おはようございます、女将さん」
「今日も冒険者ギルドで仕事かい?」
朝食を用意してくれる女将さんに感謝しつつ、今月分の宿代を払った。
それぞれ、1日銀貨2枚の宿なで、月に金貨6枚を払い、二人で12枚払った。
できれば自宅をもちたかったが、保証人もいないし、冒険者ということで危険と隣り合わせなので、家を借りることもできなかった。
「浮竹、抱きしてめていい?」
宿を出ると、京楽が甘えてきたので、浮竹は許可をした。
「大好きだよ、浮竹。ダークエルフの僕なんなの傍にいてくれて、ありがとう」
「俺も大好きだ、京楽。ダークエルフとか、そういうのは関係ない」
二人は触れるだけのキスをして、冒険者ギルドに今日の仕事を探しに出かけるのであった。
世界の名を、フレイアといった。
女神フレイアが治める、作られたばかりの世界では、全てが自由であった。
やがて時が経ち、女神フレイアはある二人の人物を、存在を変えてフレイアの世界へと召還した。
それは、アビスの世界のヴァンパイアマスターの浮竹と、ヴァンパイアロードであり、神喰らいの魔神である京楽だった。
今の浮竹はエンシェントエルフで、京楽はダークエルフだった。
エンシェントエルフは普通のエルフより耳が長かった。ダークエルフは褐色の肌をしているが、京楽の場合肌は普通の白さを保っていて、普通のエルフ、ウッドエルフに見えた。
浮竹と京楽は伴侶であり、このフレイアの世界にきてもそれは変わらなかった。
ただ、ヴァンパイアであった頃の記憶は失っていた。
力も圧倒的なまでにあったが、普通のエンシェントエルフの魔力とダークエルフの魔力を与えられていた。
ロスピア王国の隣にある、イアラ帝国の冒険者ギルドで、Bランクの冒険者として二人で活動していた。
「浮竹、魔力回復のポーションの元になる、マナの花の採取依頼が出ているよ」
「お、それはいいな。マナの花は、ちょうどBランクの依頼だ。オーガどもの住む村の近くに生えるんだよなぁ。オーガはあまり群れないが、たまに集落を築くとそこに生えてくる」
「いっそ、オーガに気づかれないように花だけ採取する?」
「いや、オーガの退治依頼も出ていただろう」
「うん。Bランクだね」
浮竹は入手したばかりの魔力を帯びたミスリルの剣を撫でた。
ミスリルの武器は高い。
Aランクの冒険者でやっと持てるといったかんじだ。
それを、浮竹はエンシェントエルフの村から出る時に、選別としてもらったのだ。
「浮竹は魔法剣士だから剣はいるけど、僕は魔法使いだから、杖を新調したいな」
「オーガの住処に行く前に、この前の報酬でもらった金で、杖を慎重しにいこう」
ダークエルフだと分かると、人間もエルフも他の種族も、いい顔をしない。なので、皮膚の色が普通の色で褐色でないのをいいことに、京楽は種族を普通のウッドエルフと偽っていた。
「あんた、ダークエルフだね?」
魔法の武器防具の店にやってくると、店の主人がそう言ってきた。
「うん・・・ウッドエルフって通してるけど、本当はダークエルフなんだ。ダークエルフに売る武器防具はないってかんじ?」
「いいや、種族が珍しいから声をかけてみただけじゃ。好きな武器防具を選べ。ダークエルフは
魔法の適性が高い。魔力を高めたいなら、その右隣にある杖たちがおすすめじゃ」
「あ、これいいね!」
杖の先端部に、青い魔石がはめ込まれいる、木製の杖だった。
「それは掘り出し物じゃぞ。といっても、中古品じゃがな。なんと、木製の部分は世界樹の木で作られているのじゃ」
「金貨4枚じゃな」
「うーん高い・・・・もう少しなんとかならない?」
「今の手持ちが金貨20枚・・・・そうだ、前の杖を下取りしてもらったらどうだ?」
「うん。愛用していたから、魔力の循環にはいい杖だと思うんだ」
京楽が前の杖を見せると、店の店主は身を乗り出してきた。
「おお、これはまた特殊は・・・・守りの魔法が付与されている杖じゃな。金貨2枚で引き取ってやってもよいぞ」
「じゃあ、これを引き取ってもらって、そっちの中古の杖をもらうとして、差額の金貨2枚を祓うよ」
「うむ。よい商いじゃった」
後日、京楽が売り払った杖が金貨10枚という値段で売られるを、知らぬ二人であった。
「じゃあ、オーガの拠点までいくか」
「一番近くの町まで、乗り合い馬車でいこう」
乗り合い馬車を乗り継いで、3日かけて移動し、一番近い村で一日だけ休息を入れると、その日は宿がないということで、村長の家に泊めてもらった。
オーガの被害にあったことがある村で、オーガを倒してくれる相手をずっと探していたそうで、やってきた浮竹と京楽を快く迎えてくれた。
「じゃあ、出発する」
「じゃあね。帰りも寄るから、よろしくね」
「どうが、女神フレイア様の加護があらんことを」
二人は、オーガの村に向かって歩きだした。
オーガは基本狩猟を行って生活しているが、モンスターだけでなく人間や家畜も食う。
ゴブリンのようにすぐに増える種族ではないし、そこそこ強いのでBランクが適正だった。
「先手必勝だ!」
浮竹がミスリル銀の剣を抜き放ち、門番をしていたオーガの首を斬り裂いて、悲鳴を与える暇もなく殺した。
「ファイアボール!」
集落の木の建物に次々と火の魔法で炎をつけていく。
「マナの花を燃やさないようにしろよ!」
「わかってるよ!周辺のフィールドには、結界を張ってあるから!」
浮竹は、襲い掛かってくるオーガを斬り捨てていく。
「ウォーターボール!!」
浮竹を背後から襲おうとしたオーガの頭部を水で包んで、窒息死させた。
「ウォーターボール!」
浮竹も京楽も、それが一番手っ取り早いと、ウォーターボールの魔法で、敵を窒息死させていった。
「GYAOOOOOOO!!」
「オーガキングだ!気をつけろ」
「ウォーターボール!」
オーガキングは身震いするだけで水の玉を弾けさせた、
「ウォータースピア!」
「GYOOOOO!!」
京楽の放った水の槍は、オーガキングの腹を貫いていた。
「いまだよ、浮竹!」
暴れまわるオーガキングに右肩を切られたが、致命傷ではないのでまず、剣で両目をつぶした。
「GAAAAAAAAA!!」
「エンチャントファイア!」
ミスリルの剣に火を付与して、硬いオーガの皮を斬り裂き、心臓を突き刺す。
それでもオーガキングは倒れなかった。
むちゃくちゃに振り回す剣で、浮竹は左足を切られた。
「ヒール!」
「助かる、京楽!」
「ライトニングボルト!」
先に目を潰して正解だった。
オーガキングは体全体を焦げさせながらも、浮竹を殺そうとする。
「いい加減、死ね!」
浮竹が放った剣は、オーガキングの首を刎ねていた。
それぞれ、倒したオーガから魔石を取り出し、討伐の証拠とする。
「あった、マナの花だよ」
「これだけあると、俺たちの分も確保できそうだな」
浮竹と京楽は、咲いている分だけマナの花を大量につみとって、アイテムポケットにしまいこむ。
オーガたちの魔石も、アイテムポケットの中だった。
アイテムポケットの中では時間が経たない。素材になりそうなモンスターを放り込んだり、料理を保存しておけた。
「さぁ、最寄りの村まで戻って、馬車で町まで戻ろう」
「うん、そうだね。あ、肩の傷、血は止まってるけど一応治しておくね。ヒール」
「ありがとう、京楽」
「ううん、僕のほうこそ。こんな、ダークエルフを拾ってくれるなんて、君くらいだよ」
ダークエルフと同じ褐色の肌をもたないからと、一族のつまはじき者として捨てられていた京楽を拾ったのは、エンシェントエルフの浮竹だった。
どっちも、まだ子供だった。
大人たちの都合で閉じ込められていた京楽を救ったのは、浮竹だった。エルフの森を抜け出して、人間の町で冒険者を始めた。
それでも、あくまで帰るのはエルフの森で。
大人になったダークエルフは、置いておけない、処刑すると言い出した他のエンシェントエルフから京楽を守るように、エルフの森を抜け出した。
村長に見つかり、罰せられると思ったが、選別だとミスリルの剣をもらった。
子供の頃から冒険者稼業を、牢屋からたびたび抜け出す京楽としていたので、ランクはB、そこそこのランクになっていた。
「オーガキングまでやっつけたし、金貨20枚は固いね」
「マナの花もあるからな。全部で35枚はいくんじゃないか」
「じゃあ、しばらく高い宿にでも泊まる?」
「いや、宿は今のままでいい。ただ、浴場に行きたいな」
「じゃあ、お風呂セット買おうか」
「そうだな」
浮竹と京楽は、冒険者ギルドでオーガ討伐の報告をして、魔石を買い取ってもらった。報酬金が金貨20枚、魔石が金貨3枚で売れた。
マナの花は金貨ちょうど15枚で買い取ってもらえた。
考えていたより3枚金貨が多かったので、ちょっと奮発して高めにお風呂セットを買ってみた。
公共浴場で、泡だらけになって、浮竹と京楽は笑いながら長い髪も洗った。
帰り際に、宿の部屋に別れる前に口づけをしあった。睦み合うことがないわけではなかったが、エルフはそういう欲求が薄いので、たまにだった。
公共浴場は安くもなく高くもない値段で、浮竹と京楽は最低週に2日は入っていた。着ている服を洗濯に出すこともできるが、金がかかるので自分たちで洗った。
今泊まっている宿は、中クラスで、夕食はついていないが、朝食はついていた。
そんな宿屋を数カ月借りているので、もはや我が家も同然のようになっていた。
「おはよう、浮竹さん京楽さん」
「ああ、おはよう、女将さん」
「おはようございます、女将さん」
「今日も冒険者ギルドで仕事かい?」
朝食を用意してくれる女将さんに感謝しつつ、今月分の宿代を払った。
それぞれ、1日銀貨2枚の宿なで、月に金貨6枚を払い、二人で12枚払った。
できれば自宅をもちたかったが、保証人もいないし、冒険者ということで危険と隣り合わせなので、家を借りることもできなかった。
「浮竹、抱きしてめていい?」
宿を出ると、京楽が甘えてきたので、浮竹は許可をした。
「大好きだよ、浮竹。ダークエルフの僕なんなの傍にいてくれて、ありがとう」
「俺も大好きだ、京楽。ダークエルフとか、そういうのは関係ない」
二人は触れるだけのキスをして、冒険者ギルドに今日の仕事を探しに出かけるのであった。
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