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一護がルキアを好きな理由2

高校生活も、残ることあと2か月になった。

相変わらずルキアは短いスカートをはいている。この寒い中、見ているこっちまで寒くなってきた。

階段を上ると、パンツが見えた。

「ルキア、パンツ見えてる」

「いいのだ」

「俺が良くねーよ!」

「よく見るがよい!」

羊毛のフェルトパンツだった。

見せてもいいパンツ。普通のパンツの上にはいているのだろう。ぬくいし、見られても平気だし一石二鳥だとは、一護は思わなかった。

「いくら見せてもいいパンツだからって、見せるんじゃねーよ。太ももとか、けっこう際どいラインも見えるんだからな!」

「貴様、私のパンツを見ながらそんなことをずっと思っていたのか!この変態め!」

「だから、スカートの丈が短すぎるんだってば!」

「私はこの長さがちょうどいいのだ!」

「はぁ・・・・・」

もう、何を言っても、スカート丈を直すつもりもないのだろう。

卒業まであと2か月だ。

一護が見張っていれば、大丈夫だろう。


ある日、一護は屋上に、井上に呼び出された。

「用ってなんだよ」

「あのね!私、黒崎君のことが好きなの」

「ごめん。俺、ルキアと付き合ってるんだ」

「え」

しばしの沈黙。

「朽木さんと別れて、私と付き合って・・・・・・」

「できるわけねーだろ。じゃあな」

井上は、その場に頽れて泣きだしてしまった。

それを偶然みたたつきに、襟を絞めあげられた。

「何、織姫泣かしてやがんだ!」

「井上が、俺のこと好きだっていうから、ルキアと付き合っているっていって無理だろいっただけだ。何か悪いことでもしたっていいたいのかよ」

「それは・・・」

たつきが、一護の襟を離した。

「あ、織姫!」

泣きながら去っていく井上を、たつきが追っていく。

用は済んだとばかりに、屋上に続く階段から教室に移動した。


「でさー、一護やつってばこーんな顔でさ」

啓吾の言葉に、ルキアがお腹をかかえて笑っていた。スカートが揺れる。パンツが見えそうで見えなかった。

「なんの話しやがんだ、啓吾」

「げ、一護!なんでもないんだ!」

「お前も、子供の頃は弱かったのだな。たつきにやられて泣きだすなど、今の一護からは想像もできない」

「ああ、子供の頃か。お袋が死ぬ前は泣き虫だったけど、死んでからは俺が二人の妹を守るんだって無茶したさ」

「一護の母君は、滅却師だったな」

「ああ」

「滅却師?」

啓吾が分からないという顔をするが、説明は省いた。

「貴様は、本当に稀な存在だ。死神と滅却師のハーフであり、その身に虚を宿している」

「こんな俺は、嫌いか?」

「そんなわけなかろう」

啓吾がいる前で、お互いを抱き締めあった。

「ちょ、ちょっと二人、いくらできてるからって人前ではないでしょ!」

「あ、すまねぇ、啓吾いたのか」

「忘れていた」

「うるとら酷いーーーーーー!!!!」

そう言って、啓吾が走り去ってしまった。

放課後の教室だった。

ルキアは机の上に座り、足をぶらぶらさせていた。

パンツが見えそうで・・・見えなかった。

残念なような、安心するような。

一護が付き合い始めて気づいていなければ、今頃ルキアはパンツの写真を盗撮され続けていただろう。中には、不埒な輩も出てくるかもしれない。

まぁ、今のルキアには鬼道も使えるし、心配はいらないかもしれないが。

「なぁ。二泊三日の温泉、草津の湯にしたんだ。いいだろ?」

「貴様と行けるなら、何処でもよい」

近場の温泉でも、ルキアは悦びそだった。

また1日が終わろうとしていた。

「なぁ、おごるからファミレス行こうぜ」

「白玉餡蜜はあるか!?」

「ああ、あったはずだ。行くか?」

「行くに決まっておろう。さっさと準備をしろ」

ルキアが、鞄をもって走り出す。

「待てよ!」

スカートが翻る。パンツが見えた。

「ルキア、パンツ見えてるから!」

「見せれるパンツだから良いのだ!」

「そういう問題じゃねぇ!」

ルキアの後を追って、一護も走りだす。

二人の距離は、遠いようでとても近い。

ファミレスにくると、二人で白玉餡蜜を食べた。ルキアはすぐに食べ終わり、一護の食べている白玉餡蜜ばかり見てくるから、ため息交じりに言った。

「残り、やるよ」

「いいのか!?」

目を輝かせるルキアを、一護は微笑みながら見ていた。

一護がルキアを好きな理由はいっぱいある。

でも、この純真無垢なところは外せなかった。


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