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一護がルキアを好きな理由3

週末になった。

「デートしようぜ」

「デート?今までもしてきたであろう」

二人で、学校帰りにファミレスに寄ったり、マクドナルドに寄ったりと、例をあげてくる。あとは、食材の買い出しやら衣服を買いに行ったり。

「まぁ服を買うのはデートに近かったけど、すぐ帰っちまったしな。1日中、二人で外でどこかに行こう」

一護は、今月大学受験を控えている。志望校の合格率は75%。それなりに頭のいい大学で、一護は勉強を常日頃からしていたので、受験勉強のために必死になることはなかった。

もともと、一護は頭がいい。塾などに通わなくても、5段階の成績表は4が平均で、3以下などとったことがない。

受かれば、4月から晴れて大学生だ。

でも、その時は隣にルキアがいない。

だから、高校生活はルキアと居られるだけいたかった。

「そうだな・・・・水族館に行きたい」

「分かった。行こう」

時計は、午前10時を指していた。

「他に行きたいところは?」

「去年みたクリスマスツリーとイルミネーションをもう一度見てみたい」

「それは、今年の最後な。ルキア、卒業しても俺に会いにきてくれよ?」

「勿論そうするに決まっているであろう!なんのために、貴様と付き合っていると思っているのだ!」

怒りだすルキアを宥めて、上着を着せてマフラーを巻いた。

「今年は暖冬っていうけど、寒いことには変わりないからな」

外に出ると、身を切るような寒い風がふいていた。

だが、氷雪系の斬魄刀を操るルキアには、少しの寒さくらいどうってことはなかった。

「一護、貴様そんなに寒いのか?」

「ああ」

ルキアは、自分が巻いていたマフラーを一護に巻いた。

「ルキア?」

そして、手袋をした手を握りしめ合い、寄り添うあう。

「こうすれば、少しは暖かいであろう。子供の頃、流魂街でよく恋次とこうして寒気をしのいだものだ」

「まさかとは思うけど、未だに恋次とそうしてるとかないよな?」

「う・・・・・・」

「恋次だからって許さないぞ。お前は、俺の彼女なんだ。恋次も男だ。劣情を抱かれないようしろよ」

「それは貴様くらいであろう!こんな私を好きなどというのは・・・・」

「いいや、恋次もルキアのことが絶対好きだ」

ルキアは真っ赤になって、一護から離れようとしたが、一護はルキアをきつく抱きしめた。

「でも、恋次にルキアは渡さねぇ。ルキアは俺の恋人だ」

「一護、人が見ている」

ちらちらと集まる視線に顔を朱くしながらも、水族館に向けて電車で20分ほど揺られた。

「わああ」

大きな水槽があった。

サメが泳いでいた。

「一護、これは人を襲うのであろう?飼育しても大丈夫なのか?」

「サメは滅多に人を襲わねーよ」

「そうなのか?」

「さめがしょちゅう人襲ってたら、ニュースになるだろ」

「それもそうか・・・・・・」

奥へ奥へと進んでいく。

海月がいた。

「これは・・・優雅で、綺麗で、心が洗い落されそうだ」

「海月(くらげ)っていうんだ。現世の海には多い。深海じゃ、綺麗な光を放つ種類もあるが、触手に毒があるから、夏場に海で海月がわくと海に入れなくなる」

「綺麗な物には毒がある・・・・・というやつか」

「ま、そんなとこだな」

次のに進むと、アマゾンコーナーだった。

「うわあ」

見たことこともないような、光輝く魚たちがいた。

「美しいな・・・・・・」

他にも、古代魚もいたが、ルキアはネオンテトラやグッピーがいるほうばかりにはりついていた。

「こんな綺麗な魚、見たことがない。生きる宝石だな」

「ほら、次いくぞ」

「もう少し、ここに居たい」

1時間は熱帯魚の水槽に張り付いていたが、流石に飽きたのか、次へ行こうと言った。

次は、ラッコがいる水槽だった。隣にはペンギン、アザラシ。

海に住む動物たちだった。

「うわぁ、かわいいなぁ」

ラッコに一目惚れしたらしいルキアに、帰りにラッコのぬいぐるみでも買ってやろうと思った。

ぐー。

ルキアの腹の虫がないて、ルキアは真っ赤になった。

「もう2時か・・・・水族館の屋上に、確かレストランがあったはずだから、そこで腹ごしらえしようか」

「うむ」

メニューを見る。どれもファミレスの3倍以上の値段がした。財布の残りを見ながら、スパゲッティを2人前注文した。

「なんでもよかったよな?」

「食えれば文句はいわぬ」

値段が高いだけあって、美味しかった。

「うむ、美味であった」

「お陰で財布が寒くなってきた」

「金ならもっておるぞ」

チャッピーのリュックから、100万円の札束を出すルキアから札束を奪い、リュックに詰め込んだ。

「なんなのだ!」

「こんな場所で、そんな大金ちらつかせたら危ないだろ」

「そうであった。貧乏人の一護には、大金であったのだな」

「貧乏人は余計だ!」

二人で、最後はイルカショーを見た。よく訓練されていて、かわいかった。ルキアはイルカも気に入ったようで、どちらのぬいぐるみを買うか迷った。

お土産コーナーにいき、ルキアにラッコとイルカどっちのぬいぐるみが欲しいと聞くと、自分で買うからいらないと言い出した。

確かに、一護の財布は残りが少なかったが、奮発してイルカのペンダントを買った。

ルキアにとっては安物だろうがと思っていたが、ルキアはとても喜んでくれた。

「今日で一番嬉しかった!」

そうはしゃぐルキアがかわいくて、抱きしめてキスをした。

「一護・・・・好きだ。ずっと、好きでいてくれ」

「当たり前だろ。俺がお前を手放さねーよ」

夕飯を食べたかったが、もう金が尽きたので、大人しく黒崎家へと帰る。

「一兄お帰り」

「おみやげだぞ」

ルキアは、遊子と夏梨に、イルカのキーホルダーをあげた。

喜ぶ双子の妹みて、心が和んだ。

寝る間際になって、ルキアがパジャマを脱ぎだした、

「おい、どうするつもりだよ!」

「見てみろ!これが私の好む下着だ」

ピンクの、フリルやレースのない下着だった。でもチャッピー柄で、けっこうかわいかった。

「いちいち、見せなくていいから。誘ってんのかよ?」

「な、違う、たわけ!」

「いいからパジャマ着ろ。お前を好きだって言ってる男の前で堂々と下着見せたりなんて、誘ってるとしか思えないぞ、普通」

「貴様は、違うだろう?」

「あのな。俺は我慢してるの。他の男だったら、すでに食われてるぞ」

パジャマを着たルキアを腕の中に抱き寄せて、耳を噛んだ。

「ひゃう!」

「ルキア?」

「ち、違うぞ、なんでもないのだ!」

「そうかそうか、耳が弱いのか」

「きゃうん!」

耳に息を吹きかけられて、舌を入れられて、気づくとルキアは一護の脳天に肘打ちをしていた。

「おい、一護、一護!?」

一護は、結局朝まで目を覚まさなかった。

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