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一護がルキアを好きな理由6

最後の1か月を切った。

今日も、ルキアのスカートは短かった。

階段を昇っていると、パンツが見えた。もう、羊毛のフェルトパンツをはいておらず、普通のパンツだった。

「ルキア、パンツ見えてる」

「貴様、嬉しいのであろう」

「他のやつに見せたくないから、スカート抑えろ」

「仕方のないやつだな」

「それはこっちの台詞だ」

すれ違った男子たちが、パンツが見えなくなったルキアに舌打ちを打っていた。

「おい、そこのお前ら」

「ひいいい、黒崎!逃げろおおおお」

蜘蛛の子を散らすように逃げていく。

相変わらず、ルキアは男子に人気が高い。

パンツが見えても、何も言わないのだ。男子生徒が、盗撮ことしなかったが、一護のいないところでは、ルキアのパンツが見えるか見えないかを巡って、熾烈な争いを続けていた。

「なぁ、ルキア、頼むかから階段を昇り降りするときはスカートの裾を押さえてくれ。それだけでパンツがなかなかに見えなくなる」

「貴様は、私のパンツを見たいのであろう?」

「そうだけど、他の男子生徒にまで見えるから」

「そんなもの、放っておけばよい」

「それができねぇから、頼んでるんじゃねぇか!」

「まぁそう怒るな。今度から気をつける」

「ほんとかよ・・・・」

この前も、同じような会話をして、スカートを押さえるとか言ってたのに、このざまだ。

ふと、井上とすれ違った。

「黒崎君、話があるの。後で屋上にきて」

「ああ・・・・・・」

放課後、井上の呼び出されて屋上にまできた。

「黒崎君を朽木さんなんかに渡さない!」

井上が手にしてたのは、記憶置換だった。

「何を・・・」

「黒崎君、あなたは私の恋人なの。いい?朽木さんのことは忘れて別れて」

「あ・・・・・・」

「黒崎君、私のこと好き?」

「ああ、好きだ」

「朽木さんとは、別れてくれる?」

「それは・・・・パンツだ」

「え?」

井上が、首を傾げる。

「井上、何をしている!それは記憶置換だな!一護に使ったのか!」

ルキアが、一護の凄まじい霊圧の乱れに気づいて、屋上にきていた。

「違うの、朽木さん、これは!」

「記憶置換を渡せ。人間がもっていい代物ではない」

素直に記憶置換を、ルキアに手渡して、井上はたくさん泣きながら走り去ってしまった。

「一護・・・・元に戻れ」

記憶置換を使う。

「あれ?俺どうしたんだ・・・・ルキア?」

「一護、井上に何の記憶を操作されようとした?」

「ルキアのことを、忘れろって。井上とは恋人同士だって・・・・少しだけど、そんな気分になってた。最悪だ」

「井上には、後で灸をすえておく」

「ルキアと別れろって言われて・・・・俺、パンツって答えてた」

「はぁ?」

ルキアが、素っ頓狂な声を出す。

「俺の心の底にルキア=パンツって解釈があるみたいだ」

「貴様、このたわけが!」

一護の顔に、蹴りをかます。

「あ、パンツ見えた。黒で白のチャッピーの柄いりか・・・・・」

「貴様はパンツ星人か!」

「ルキアのパンツは特別なんだよ!」

どんな特別だ。そう言いたかったが。

「貴様がほとんど記憶をいじられていなくてよかった・・・・」

もしも、一護に嫌いだ別れようと、言われたことを想像するだけでも寒気がした。

「貴様は私のものだ・・・・・」

「ああ。ルキアは俺のものだ」

互いに抱き締めあった。

いつも一緒にいられる時間は1か月を切った。

1日1日を大切に過ごしていく。

その日、井上に浦原から記憶置換を買ったことを聞き、もう2度とこんな真似をしないと約束させた。

「私、諦めないよ。朽木さんが尸魂界に帰ったら、黒崎君と付き合ってみせる」

「ふふ・・・・好敵手というわけか。あいにくだが、私も土日はこちら側へ来ることが決まっている。私は消えるわけではない」

「そんな・・・・・・」

井上は、また涙を零した。

「一護は渡さない。例え井上にでもだ」

昔のルキアなら、井上の思いを優先させて身を引いただろう。

だが、今はもう一護にメロメロなのだ。一護がいない世界など、考えらえない。一護がいて、初めてルキアはこの世界に存在するのだ。

井上は、ルキアの頬を叩いて、逃げていった。

「ふふ・・・・恋に狂ったか。まぁ、しょせんは井上も女というわけか」

教室に戻ると、一護が神妙な顔で机に座っていた。

「どうした、一護」

「井上が、付き合ってくれないと死ぬと言い出した」

「それで、貴様はどうしたのだ」

「ルキアとは別れられない。死ぬなら勝手にしろって言ってやった」

一護は、眉を顰めていた。

「ふふ・・・井上も、こんな男の何処が良いんだか」

「おいルキア、それはないだろう」

「すまぬすまぬ。一護は、私だけを見てくれるのだな」

「当たり前だろ。お前の恋人だ」

その日も、手を握り合って帰宅した。

夜寝る時間になって、ふとルキアがいないことに気づいた。

伝令神機がなっていた。

虚退治だろう。

すぐにルキアは帰ってきた。

13番隊の副隊長に昇進しただけあって、かなり強くなっているようだった。

卍解も習得済みだ。

いつか、隊長になるんろうなぁと思いながら、義骸に入ったルキアを抱き寄せた。

「すまぬ、起こしてしまったか」

「いいんだよ。虚退治の時は俺も起こせ。一緒にいく」

「もう、お前の手を煩わせるような虚はいない。私も強くなった。私一人で十分だ」

「念には念のためだよ。前、素早い奴が出ただろ。あんな時もある」

「分かった・・・今度から、寝ている貴様を叩き起こして連れていく」

「ああ」

ルキアの頭を撫でて、抱き締めたままベッドにころんと横になった。

「ルキアの匂いがする・・・」

「恥ずかしい奴だな・・・・・」

そう言いつつ、ルキアも満更ではなさそうだっった。

一護がルキアを好きな理由。

素直じゅないように見えて、けっこう素直。

どこまでも優しい。





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