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一護がルキアを好きな理由7

土曜になり、ハイキングに行くことになった。

「ふんふーーん」

ルキアは、機嫌よさそうに荷物をリュックに詰め込んでいく。

「ルキア、置いていくぞー」

「あ、待て!」

一護が作った特製弁当を大切にしまいこんで、リュックを背負う。

動きやすいいつものワンピースに、山を登るので、上着を着た。一護とお揃いで、色違いのパーカーだった。

いうもの靴とは違う、運動靴をはいた。

バスで山の麓まで昇り、後は自分たちの足が頼りだった。

標高600メートルくらいで、そんなに急な坂道があるわけでもなかったが、長い時間坂道を歩いていると、足が痛くなった。

「一護、足が痛い。少し休憩しよう」

「がんばれ、もう少しで休憩所だ」

「分かった」

痛む足を叱咤しながら、坂道を登っていくと、休憩所についた。

トイレがあって、自販機があった。

水筒はもってきていたが、中身は残り少なかった。

「ほら」

自販機で買ったスポーツドリンクを渡されて、ごくごくと飲んだ。

喉が渇いていた。

1時間ほど休憩して、また坂道を登る。

やっとのことで、山頂に辿り着いた。

「ふー。空気が綺麗だな」

山頂から見える景色はよかった。

「お腹すいた・・・・昼飯にするか、一護」

「ああ」

草っぱらにシートをしいて、寝転がって少し休憩した後に、ぐーっとお腹がなって、一護特製のお弁当場箱をあける。

ごはんの上に、一護の顔があった。

「かわいくて、もったいなくて食べられぬ・・・」

「そんなもの、いつでもまた作ってやるから、普通に食べろ」

「本当だな!?来週の学校にもってくるお弁当も作ってくれ」

「分かったよ」

いつもは購買部でパンを買うか、食堂で済ますのだが、ルキアたっての願いであれば、一護も弁当を作るための少しの早起きくらい、苦ではない。

ふと、ルキアが伝令神機で白哉と連絡をとっていた。

「一護特製のお弁当なのです、兄様」

「黒崎一護の料理の腕はいいのか?」

「はい、兄様。兄様も、機会がれば一度食べてもらいたいです。それと、ミアは元気にしていなすか?」

ミアとは、ルキアがこの前買った子猫の名前だった。

「子犬のような性格の子猫だ。とてもやんちゃで、ルキア、そなたを見ているようだ」

「ミアの品種は、子犬のような性格らしいのです。兄様、しばらくそちらに帰れぬ私の代わりに、遊んでやってください」

「にゃああああ」

「ミア?」

「にゃおおお」

白哉が交代する。

「元気そうであろう?」

「はい。安心しました」

「また、何かあればかけてこい。何かなくてもいいが」

「はい、兄様!」

ルキアは、白哉専用の伝令神機を持っていた。

重度のブラコンで、週に2~3回は会話をしているし、メールでのやりとりもある。

「さて、いただきます」

一護の顔を食べていく。髪は薄く焼いた卵焼きだった。

「んーおいしい」

エビチリが入っていた。

ルキアはエビチリが大好きだ。

他にもエビマヨ、カレーコロッケ、焼きそば、鮭の塩焼きが入っていた。

「どれも美味しい・・・・」

ルキアは時間をかけて味わって食べた。余分に買っておいたスポーツドリンクを飲んで、シートの上に寝転がる。

「ああ、いい天気だし、このまま寝てしまいたい」

「2時間したら、下山するから。寝るなよ」

「分かっておる!」

突風がふいて、ルキアのワンピースが捲れた。

「ピンクか・・・・・・」

パンツ星人の一護は、ルキアのパンツの色を確かめて嬉しそうだった。

「貴様、むっつりすけべであろう?」

「健全な男子だ。好きな恋人のパンツは見たくなる」

「兄様に聞いてみよう」

「うわ、それはやめろ!」

「どうしてだ?」

「お前のパンツを毎度見ていると知られたら、斬られそうだ」

「兄様はそこまで・・・でも、兄様のことだ。斬りそうだな。仕方ない、やめておこう」

ほっとする一護。

2時間たち、下山の時間になった。

頂上からの風景を、伝令神機で写真に収め、白哉にメールで送るルキア。

本当に、ブラコンだ。白哉も白哉でシスコンだし。

まぁ、それもルキアのかわいいところだ。

下山する途中、ルキアが足をくじいた。

「おい、大丈夫かよ!?」

「軽くひねっただけだ・・・・いたたた」

一護は、荷物をルキアにもたせて、ルキアをおんぶした。

「もう少しで山の麓だ」

「すまぬ、一護」

「いいんだよ。回道かけておいたか?」

「ああ。この程度の捻挫なら、1時間ほどで治りそうだ」

「そうか、良かった」

ルキアも回道が使えぬわけではないが、小さな怪我くらいしか癒せない。

山の麓までつき、一護から降りて、荷物を一護にもたせたままバスに乗った。

帰宅して、一護が念のために湿布をはって包帯を足に巻いてくれた。

「うむ。明日には治っているはずだ。それより、あさっての月曜は一護特製の弁当を頼むぞ!」

食い意地がはっているわけではないが、一護の手作り弁当がとても気に入ったらしいルキアは、念をおしてきた。

「わーったよ。ちゃんと作ってやるから、今日と明日はあんまり足動かさないようにしろよ」

「うむ」

ルキアは、言われた通り日曜はあまり動かなかかった。夜になり、湿布を外す。

「回道のお陰でもあってか、もういいようだ」

「そうか。よかったな」

「明日の弁当は」

「どれだけ食い意地がはってんだ。分かったから」

ルキアの頭を撫でて、抱き締めながらベッドに横になった。

「昨日はめっちゃ疲れたけど、あんまり眠れなかったんだ。今日は早めに寝る・・・・・」

「おい、一護!一護!」

揺さぶっても、一護は起きなかった。

ルキアは、一護の下から這い出て、一護に毛布をかけてやった。

「ふふ・・・・こうしておると、年相応の少年に見えるのだな」

安らかな顔で眠る一護をの隣にルキアは座って、携帯ゲームをしていた。そのうち眠くなって、一護の腕の中に入るようにもぐりこんで、一緒のベッドで眠るのだった。

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