一護がルキアを好きな理由5
卒業まで、いよいよ1か月となった。
一護は志望大学を受験し、見事に受かった。
春からは、大学生だが、あまり嬉しそうじゃなかった。
「ルキアがいなくなっちまう」
いつも、当たり前に隣にいたルキアは、尸魂界に戻ってしまうのだ。
「あー。こうしていちゃつけるのも、あと1か月かぁ」
一護の部屋で、膝枕をしてもらい、耳かきをしてもらっていた。
「反対側も頼む」
「なぁ。何故、私は一護の耳かきをさせられておるのだ?」
「彼氏彼女の間だろ。それくらいいいじゃないか」
「貴様だけ気持ちよくなるなんてずるい!」
「じゃあ俺がルキアの耳かきをしてやるよ」
「よかろう。させてやろう」
尊大な態度だが、素直で可愛かった。
「む、これは気持ちいいな・・・・」
「だろ。絶対癖になるって」
反対側の耳かきもしてもらって、ルキアはご満悦だった。
日曜だった。
「デートでもするか?」
「別段、行きたいとことがあるわけでもない」
「まぁ、俺冬服新しいの買いたいし、デパートでもいくか。白玉餡蜜おごってやるよ」
「仕方ない、ついていってやろう。感謝しろ」
めっちゃ尊大な態度だが、それも一護にとってルキアが好きな理由の一つだ。
尊大な態度をとるが、けっこう素直でかわいい。
これも外せない。
デパートにくると、冬物の衣服が処分セールをしていた。いつもの半額で、欲しいと思っていた服の他にもいくつか服を買う。
ルキアは、マーメイワンピースを見て、それを手にとって試着室で着替えた。
冬用なので、長袖で生地も厚いが、それだけでは寒いだろう。ダウンのジャケットも選んで、一緒に着てみた。
「似合ってるじゃねーか。買ってやりたいとこだけど、まだバイト代入ってきてない・・・・」
「貴様に買ってもらわずとも、自分で買える」
チャッピーのリュックから100万円の札束をとりだして、それを会計のレジに置いた。
レジ店員が、引き攣った笑みを浮かべていた。
「そんなにいらねーよ。1万円札が1枚あればいい」
「そういうものなのか。安いな」
1万円を払うと、冬物のセール中なので5500円のお釣りが返ってきた。
それを、チャッピーのリュックに直す。
「ほら、腹減ったろ。レストラン行こうぜ」
「貴様、金がないのであろう。今日は私がおごってやる」
「う・・。確かに、白玉餡蜜おごるくらいの金しかない・・・・・」
この前水族館にいったのと、ルキアの誕生日用にヘアピンを買ったことで、貯めていた金はけしとんでしまった。
特にヘアピンは金細工だったので、金が飛んだ。
でも、安物をプレゼントしても喜ぶだろうが、朽木家の姫君なのだ。相応のものをあげたあかった。
今日も、ルキアは髪を一護があげたヘアピンで留めていた。
最近毎日つけてくれる。学校にもつけていき、井上なんかにすごく羨ましがられていた。一護からもたったのだと、嬉し気にいうルキアに、井上は一護に何かいいたそうな顔をしていたが、結局何も言ってこなかった。
ルキアは、普通のレストランではなく高級レストランに入った。
「おい、ルキア、いいのかよ」
「たまには私がおごってやると言っているだろう。金はあるのだ。好きなだけ食べればよい」
一護は、ならばと遠慮せずに松阪牛のステーキを頼んだ。
ルキアも同じものを頼んだ。
「んー流石に高いだけあってうまいな」
一応、白玉餡蜜も置いてあるみたいだが、普通のレストランの2倍以上の値段がした。
その白玉餡蜜を、一護の分も含めて2人分注文する。
やってきた白玉餡蜜に顔を輝かせるルキア。ペロリと平らげて、まだ食べている一護の白玉餡蜜をみて、こう言う。
「白玉を食べやろう」
「素直に欲しいっていえよ」
「欲しいからよこせ」
「率直すぎだ・・・・・」
食べかけの白玉餡蜜を、ルキアが食べていく。
お勘定は、5万円になった。
恐るべし、松阪牛のステーキ・・・・・。
ルキアにあげたヘアピン2つより高かった。
「今日はもうすることがないな」
「ペットショップにでもよるか?」
「おお、それはよいな。飼えぬが、見ているだけで心が和む」
デパートの1階にある、大型のペットショップまで足を伸ばした。
「たっけぇ・・・・」
子犬、特に子猫の値段に驚く。
20万は当たり前、中には100万をこしてる子もいた。
「ぬう、この子は私の全財産では買えぬ子なのだな」
100万円の値札がケージに貼られた子猫を見る。
「でも、分割払いとかできるし・・・・・・」
「決めた。こっちの子を買う」
「え、おい。俺んちはペット無理だぞ」
「何も、貴様の家で飼うわけではない。朽木家で飼うのだ」
伝令神機で白哉に電話をかける。
「兄様、飼いたい子猫がおります。買ってそちらに送りますので、私が尸魂界に帰還するまでの間、ちよに世話を頼めますか」
ちよは、尸魂界の朽木家で、白哉には清家がいるように、主に面倒を見てくれる女性だった。
「よかろう」
そんな、白哉の声が聞こえた。
ルキアが選んだ子猫は、スコティッシュフォールドの雌猫だった。
愛らしいくりくりした目と、垂れた耳がかわいい茶色の毛並みの子猫だった。
いろいろと説明を受けて、もう予防接種は終わっていることを確認し、30万をその場で一括で支払って、キャリーケージに入れて、黒崎家ではなく浦原の店にいった。
浦原商店では、裏の空き地に静かに白哉が佇んでいた。
「兄様!」
「ルキア、元気にしておるか」
「この子猫を頼みます。スコティッシュフォールドという種類で、血統書つきです」
「ほう。よい血筋の猫なのだな」
キャリーケージから出して、白哉は子猫を抱き抱えた。
「耳が垂れておるのか。なかなかに愛らしい」
穿界門が開けられる。
「尸魂界への帰還まであと1か月・・・黒崎一護、ルキアを頼む」
「ああ、分かってるよ白哉」
白哉は、茶色い毛並みの子猫を抱いて、尸魂界に戻ってしまった。
「なぁ、いいのか?えさとか猫の砂とか買わなくて」
「それくらい、尸魂界のペットショップでも買える。ただ、犬猫の品種は少なくて、現世でしか買えぬ種類のペットがほとんどだ」
「そうか。でもなんで、急に猫なんか・・・・・・」
「ではないか」
「え?」
「あと1か月が経ってしまうと、毎日貴様の隣にはいれぬではないか!寂しさを紛らわすためだ。何か文句でもあるのか!」
「ルキア・・・。1か月経ったら、土日はこっちにくるんだろう?」
「そうだ。それでも、毎日貴様の隣のいれぬのは寂しい・・・・・」
ルキアを胸にかき抱いていた。
「ふあ・・・・」
舌が絡むキスをして、一護はルキアの耳元で囁く。
「1年7か月の空白を我慢したんだ。あの頃を思えば、週に2回しか会えないなんて、どうということはねぇよ」
「一護は、私が傍にいなくて平気だというのか?」
「誰もそんなこといってねーだろ。できることなら、全てを捨ててお前の元にいきたい」
「一護・・・」
ルキアは、全てを捨てろと言おうとした。死神化できる方法があるのだ。
でも、まだ1か月の時間があるし、一護には家族がいる。
いつか、死神化できるからと言って、人間であるか死神になるかを選ばせようと思うのだった。
一護は志望大学を受験し、見事に受かった。
春からは、大学生だが、あまり嬉しそうじゃなかった。
「ルキアがいなくなっちまう」
いつも、当たり前に隣にいたルキアは、尸魂界に戻ってしまうのだ。
「あー。こうしていちゃつけるのも、あと1か月かぁ」
一護の部屋で、膝枕をしてもらい、耳かきをしてもらっていた。
「反対側も頼む」
「なぁ。何故、私は一護の耳かきをさせられておるのだ?」
「彼氏彼女の間だろ。それくらいいいじゃないか」
「貴様だけ気持ちよくなるなんてずるい!」
「じゃあ俺がルキアの耳かきをしてやるよ」
「よかろう。させてやろう」
尊大な態度だが、素直で可愛かった。
「む、これは気持ちいいな・・・・」
「だろ。絶対癖になるって」
反対側の耳かきもしてもらって、ルキアはご満悦だった。
日曜だった。
「デートでもするか?」
「別段、行きたいとことがあるわけでもない」
「まぁ、俺冬服新しいの買いたいし、デパートでもいくか。白玉餡蜜おごってやるよ」
「仕方ない、ついていってやろう。感謝しろ」
めっちゃ尊大な態度だが、それも一護にとってルキアが好きな理由の一つだ。
尊大な態度をとるが、けっこう素直でかわいい。
これも外せない。
デパートにくると、冬物の衣服が処分セールをしていた。いつもの半額で、欲しいと思っていた服の他にもいくつか服を買う。
ルキアは、マーメイワンピースを見て、それを手にとって試着室で着替えた。
冬用なので、長袖で生地も厚いが、それだけでは寒いだろう。ダウンのジャケットも選んで、一緒に着てみた。
「似合ってるじゃねーか。買ってやりたいとこだけど、まだバイト代入ってきてない・・・・」
「貴様に買ってもらわずとも、自分で買える」
チャッピーのリュックから100万円の札束をとりだして、それを会計のレジに置いた。
レジ店員が、引き攣った笑みを浮かべていた。
「そんなにいらねーよ。1万円札が1枚あればいい」
「そういうものなのか。安いな」
1万円を払うと、冬物のセール中なので5500円のお釣りが返ってきた。
それを、チャッピーのリュックに直す。
「ほら、腹減ったろ。レストラン行こうぜ」
「貴様、金がないのであろう。今日は私がおごってやる」
「う・・。確かに、白玉餡蜜おごるくらいの金しかない・・・・・」
この前水族館にいったのと、ルキアの誕生日用にヘアピンを買ったことで、貯めていた金はけしとんでしまった。
特にヘアピンは金細工だったので、金が飛んだ。
でも、安物をプレゼントしても喜ぶだろうが、朽木家の姫君なのだ。相応のものをあげたあかった。
今日も、ルキアは髪を一護があげたヘアピンで留めていた。
最近毎日つけてくれる。学校にもつけていき、井上なんかにすごく羨ましがられていた。一護からもたったのだと、嬉し気にいうルキアに、井上は一護に何かいいたそうな顔をしていたが、結局何も言ってこなかった。
ルキアは、普通のレストランではなく高級レストランに入った。
「おい、ルキア、いいのかよ」
「たまには私がおごってやると言っているだろう。金はあるのだ。好きなだけ食べればよい」
一護は、ならばと遠慮せずに松阪牛のステーキを頼んだ。
ルキアも同じものを頼んだ。
「んー流石に高いだけあってうまいな」
一応、白玉餡蜜も置いてあるみたいだが、普通のレストランの2倍以上の値段がした。
その白玉餡蜜を、一護の分も含めて2人分注文する。
やってきた白玉餡蜜に顔を輝かせるルキア。ペロリと平らげて、まだ食べている一護の白玉餡蜜をみて、こう言う。
「白玉を食べやろう」
「素直に欲しいっていえよ」
「欲しいからよこせ」
「率直すぎだ・・・・・」
食べかけの白玉餡蜜を、ルキアが食べていく。
お勘定は、5万円になった。
恐るべし、松阪牛のステーキ・・・・・。
ルキアにあげたヘアピン2つより高かった。
「今日はもうすることがないな」
「ペットショップにでもよるか?」
「おお、それはよいな。飼えぬが、見ているだけで心が和む」
デパートの1階にある、大型のペットショップまで足を伸ばした。
「たっけぇ・・・・」
子犬、特に子猫の値段に驚く。
20万は当たり前、中には100万をこしてる子もいた。
「ぬう、この子は私の全財産では買えぬ子なのだな」
100万円の値札がケージに貼られた子猫を見る。
「でも、分割払いとかできるし・・・・・・」
「決めた。こっちの子を買う」
「え、おい。俺んちはペット無理だぞ」
「何も、貴様の家で飼うわけではない。朽木家で飼うのだ」
伝令神機で白哉に電話をかける。
「兄様、飼いたい子猫がおります。買ってそちらに送りますので、私が尸魂界に帰還するまでの間、ちよに世話を頼めますか」
ちよは、尸魂界の朽木家で、白哉には清家がいるように、主に面倒を見てくれる女性だった。
「よかろう」
そんな、白哉の声が聞こえた。
ルキアが選んだ子猫は、スコティッシュフォールドの雌猫だった。
愛らしいくりくりした目と、垂れた耳がかわいい茶色の毛並みの子猫だった。
いろいろと説明を受けて、もう予防接種は終わっていることを確認し、30万をその場で一括で支払って、キャリーケージに入れて、黒崎家ではなく浦原の店にいった。
浦原商店では、裏の空き地に静かに白哉が佇んでいた。
「兄様!」
「ルキア、元気にしておるか」
「この子猫を頼みます。スコティッシュフォールドという種類で、血統書つきです」
「ほう。よい血筋の猫なのだな」
キャリーケージから出して、白哉は子猫を抱き抱えた。
「耳が垂れておるのか。なかなかに愛らしい」
穿界門が開けられる。
「尸魂界への帰還まであと1か月・・・黒崎一護、ルキアを頼む」
「ああ、分かってるよ白哉」
白哉は、茶色い毛並みの子猫を抱いて、尸魂界に戻ってしまった。
「なぁ、いいのか?えさとか猫の砂とか買わなくて」
「それくらい、尸魂界のペットショップでも買える。ただ、犬猫の品種は少なくて、現世でしか買えぬ種類のペットがほとんどだ」
「そうか。でもなんで、急に猫なんか・・・・・・」
「ではないか」
「え?」
「あと1か月が経ってしまうと、毎日貴様の隣にはいれぬではないか!寂しさを紛らわすためだ。何か文句でもあるのか!」
「ルキア・・・。1か月経ったら、土日はこっちにくるんだろう?」
「そうだ。それでも、毎日貴様の隣のいれぬのは寂しい・・・・・」
ルキアを胸にかき抱いていた。
「ふあ・・・・」
舌が絡むキスをして、一護はルキアの耳元で囁く。
「1年7か月の空白を我慢したんだ。あの頃を思えば、週に2回しか会えないなんて、どうということはねぇよ」
「一護は、私が傍にいなくて平気だというのか?」
「誰もそんなこといってねーだろ。できることなら、全てを捨ててお前の元にいきたい」
「一護・・・」
ルキアは、全てを捨てろと言おうとした。死神化できる方法があるのだ。
でも、まだ1か月の時間があるし、一護には家族がいる。
いつか、死神化できるからと言って、人間であるか死神になるかを選ばせようと思うのだった。
PR
- トラックバックURLはこちら