一護がルキアを好きな理由4
ルキアは、昔はよく押入れを利用していたが、一護が霊圧を取り戻し、大戦が終わった後からまた高校に通いだしたのだが、最近はずっと一護のベッドで一緒に眠っていた。
付き合いだす前から一緒のベッドで眠っていたが、お互い少し離れて眠っていた。
付き合いはじめて、一護はルキアの細く小さな体を抱き寄せるようにして眠るようになった。一護には言っていないが、けっこう恥ずかしのだ。
意を決して、一護に言ってみた。
「眠るときのが体勢が恥ずかしいのだが、なんとかならぬか?」
「俺はルキアに触れていたいんだ。今のままがいい。恥ずかしいくらいいいじゃねぇか」
「でも」
「いいから、寝るぞ」
電気を消す。
真っ暗になった。
一護の腕が、ルキアの腰に回されて、一護は自分の方にルキアを抱き寄せた。
「なんだよ、緊張してるのかよ」
その強張った体を解すように、頭を撫でてやる。
ルキアは安堵して、体から力を抜いた。
「何も取って食うわけじゃねーんだから」
一護は、自分の胸にルキアの手を当てた。
「ほら、俺ドキドキしてるだろ?」
「ああ・・・・」
「ルキアと接するだけでこうなるんだ」
「私のせいなのか」
「そう。だから、責任とってくれ」
キスをされた。
ルキアの胸も高鳴る。
結局、その日もそれ以上進展せず、朝を迎えた。
「ふあー」
次の日は、土曜で休日だった。
二人とも、10時までだらだら寝た。
起こしてくれる人がいなかったのだ。
父親はが学会で出張、妹の双子は従妹の家にお泊りだ。
「今日は親父は出張で、妹たちは従妹の家に泊まるから、明日まで俺と二人きりだぞ」
「え」
ルキアが真っ赤になった。
「どうしたんだ?」
「すすすす、するのか?」
「何を」
「その体を重ねたり・・・・・」
「しねーよ。どっからそんな話がわいてくるんだよ」
「だってこの雑誌に書いてある」
ルキアが出してきた雑誌は、くだたないゴシップ雑誌で、男子は二人きりになると途端に襲ってくる飢えた獣だと書かれていた。
「そんなくだたない雑誌、真に受けるのはやめろ」
「でも」
「俺は抱かねーよ。お互い、高校卒業まで清い関係でいようと誓ったじゃねーか。俺は、お前との卒業旅行では抱くけど、それ以外は抱かない」
「そうか」
ルキアは期待と不安が入り混じっているような表情をしていた。
「それより、貴様は受験勉強はいいのか?」
「合格率75%だ。大丈夫だ」
「でも、残りの25%は落ちるのであろう?」
「心配しすぎなんだよ」
一護が受験予定の大学はそこそこ頭のいいレベルだったが、今の一護の成績なら75%合格のB判定を模試でもらった。
一護は、もともと頭がいい。テスト勉強も一夜漬けなどせず、授業をまともに受けている限り成績はよかった。5段階評価で平均4だ。3以下はとったことがない。
一護は、霊圧が戻るまで、受験勉強をきちっとしていた。だが、受験勉強をしてもテストの成績は変わらず、ちゃんと睡眠をとって授業を受けたほうがテストの成績はよかった。
だから、授業はきっちり受ける。塾などに通うこともなかった。
「今日は二人きりだから、リビングルームに行こうぜ」
普段はいちゃつけない場所で、ルキアを膝の上に乗せて、一護はご満悦だった。
「ルキア、かわいい」
「ひゃう」
耳をかじるとそんな声を出した。
「耳弱い?」
「そんなこと・・・きゃう!」
耳に息をふききかけ、舌を入れると、ルキアは真っ赤になって縮こまった。
「俺が悪かったって。そう硬くなるなよ」
「お返しだ!」
ルキアが、一護の耳をかんだ。
「あいててて、本気で噛むな!」
「しかし、この雑誌には・・・」
「ああもう、そういうのいいから。いいか、今から雑誌とかで知った情報は真に受けないこと。それから、嫌なら嫌ってはっきりいうこと」
「分かった」
「ルキア、こっちこいよ」
「ふあ・・・・・」
ルキアを抱き締めて、キスをした。
浅く深く何度もキスを繰り返していると、ルキアの目がとろんとしてきた。
「ルキア?」
「貴様、反則だぞ・・・」
ぽふりと、一護の膝に寝転がってきた。
「ルキア、かわいい」
ルキアのあたまを撫でてやりながら、その柔らかい黒髪を触る。サラサラと指の間を零れていった。
「今日の夕飯、どうする?」
「ああ、私が作ろう」
「お前、飯作れたのか?」
「たわけ!いくら4大貴族の姫君と呼ばれているといっても、おなごだ。一通りのことは学んだ」
「じゃあ、今日はルキアが夕飯作ってくれ」
昼飯は、一護が炒飯を作ってくれた。嫌になるくらい、美味しかった。絶対、ルキアより一護の料理の腕のほうがいい。
やがて夕方になり、食量を買い出しに近くのスーパーまでいった。今日はカレーだった。カレーは簡単なので、一護も安心した。
カレーの上に乗せるのだと、完成されたエビフライとカツを二人分買った。
帰宅すると、ルキアは材料をきり鍋に入れていく。カレールーを彫り込んでしばらくすると、いい匂いが漂ってきた。
「よし、完成だ!」
「炊飯器にスイッチ入ってないけど、白飯は」
「あ、忘れていた」
「今からたくのも時間かかるし、スーパーでレンジでチンできる白飯買ってくるか」
二人でスーパーにいき、レンジで白飯を温めて、カレーをかけると上にエビフライとカツを乗せた。見た目は美味しそうだ。
一護は、恐る恐るスプーンで一口食べる、ちょうどよい辛さで、美味しかった。
「うん、けっこう美味い」
「そうであろう。私は、やればできるのだ」
「それより、風呂は?」
「ああっ、お湯を出しっぱなしだった!」
一護は溜息を出した。やっぱり、お姫様なのだ。
ルキアと一護は、互いにバスタオルを巻きながら、一緒の風呂に入った。下着姿を見飽きているので、今更裸に近い恰好をされても、意識しない限り何も感じなかった。
意識してしまうとアウトだ。ルキアの裸とか、恥ずかしすぎてみていられない。
ルキアの髪を、一護が洗ってやった。妹たちが使っているシャンプーで。いつもルキアの髪から甘い匂いがする発生源はここだったのかと、新発見した。
今度は、ルキアが一護の髪を洗ってくれる。
「あ、ちょっと待ってくれ。そっちのシャンプー、匂いが甘すぎるからこっちの薬用シャンプー使ってくれ」
「文句の多い奴だな」
そう言いつつも、髪を洗ってくれた。
背中の流しあいもした。ルキアが先に風呂からあがり、パジャマに着替えて一護の部屋にいった。次に一護があがって、パジャマを着て部屋に入る。
「髪、乾かしてやるよ」
ドライヤーで、ルキアの髪をかわかしてやり、一護も自分の髪をかわかした。
寝るまで、まだだいぶ時間があった。
「ホラームービでも見るか」
適当に録画しておいたホラームービー、死霊の腸(はらわた)というリメイク映画を見た。
「ひいいいい!」
悪霊が乗りついて、次々に仲間が死んでいく。その血まみれのスプラッタなシーンに、ルキアがかたかたと震えて、一護に抱き着いた。
「血が・・・・」
「つくりものだ。CGさ」
「それでも、怖い」
「ここで見るのやめとくか?」
「続きが気になるではなか!最後まで見る!」
怖がりのわりには、ルキアも物好きだ、
最後まで見終えて、主人公も死んだ映画に、なんともいえない寂寥感と恐怖をかんじた。
「い、一護・・・・あれは、成仏したのか?」
「死霊か?成仏してねーんじゃねぇかな。もともと、呪文で蘇ったものだから」
「虚になるのならいい・・・・しかし、西洋の悪霊は悪魔になるのであろう?」
「そうだっけ。西洋なんだから、尸魂界の範囲ではないだろし。ま、作り者だからどうでもいいじゃねーか」
「よくないたわけ!怖くて眠れぬではないか!」
「俺がいるだろ?」
ルキアの頭を撫でて、胸にかき抱いていると、ルキアの恐怖心も紛れたのか、大人しくじっとそうしいた。
間近に、アメジストの瞳があった。
「これ、やるよ」
一護が、机の引き出しから何かを取り出した。
小さな花形カットされた、アメジストのついたヘアピンが2つあった。
「かわいい・・・・・」
「親父にお年玉もらったから、その金とバイトでためた金で買った」
金細工でできており、それなりに値段がしそうだった。
「よいのか、こんな高そうなもの」
「お前にだから、あげたいんだよ。少し早いけど、誕生日おめでとう、ルキア」
「ありがとう、一護」
一護は、ルキアの髪をそのヘアピンで留めてやった。
二人は、傍に寄り添いあいながら、出会った頃のことを語った。
ルキアとの出会いは突然で。いろいろと語り合っていると、寝る時間になって、二人で1つのB度の上で丸くなって眠った。
一護がルキアを好きな理由。
かわいいけど凛々しくてかっこよくて、強い。
それも外せなかった。
- トラックバックURLはこちら