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一護がルキアを好きな理由10

一護が好きだった。

その太陽のような髪の色も、屈託なく笑う笑顔も、好きだと囁いてくる甘い声も、少年にしては鍛えあげられた体も。

一護を好きな理由はいっぱいある。

優しいところとか、強くて守ってくれることとか。

抱かれるなら、絶対に一護がいいと思った。

150年以上生きてきたが、誰かに抱かれたいと思ったのは初めてだった。

一護と付き合う前に、何度かお見合いをさせられたが、いまいちピンとこなかった。

心の中には一護が住んでいた。

空白の1年7カ月は厳しかった。寂しくて、何度か一護の姿だけを見ていたが、よくその隣には井上がいて、醜い嫉妬という心を始めて知った。

一護に霊圧が戻り、再会を果たすが、好きだという前に大戦が始まった。

終わった今でも、大戦の爪痕は大きい。上司であった浮竹十四郎も死んだ。本来ならば、高校へなど通わせてもらえる身の上ではなかった。

13番隊副隊長であり、隊長代理であった。

一護の我儘で、4か月だけ現世にいられることになった。

お互いを好きだと確認して、付き合いだして、恋人同士になった。体の関係はまだなかったが、卒業旅行で、処女を失うことになる。

怖くはなかった。

だって、相手は愛する一護だ。きっと、とろけるほどに優しくしてくれる。

興味を起こして、エロ本なるものを購入し、読んでいると一護に取り上げられた。

「こんなくだらないもので、間違った知識をつけるなよ?」

そう言って、返してくれた。

こんなことをするのかと、赤くなった。

知識では知っていたが、いざ自分の身になると、硬くなった。

こんなことこで、一護を喜ばせられるのかと思った。

一護が好きそうな下着をわざと選び、着ていたが、一護に自然体のままでいいと止められた。

「ルキア・・・愛してる」

一護にそう言われると、胸が高鳴って、心臓がドキドキした。

自分だけなのかと思ったが、一護もの心臓もドキドキしていた。

「一護・・・好き」

そう言うと、一護は頭を撫でて、優しいキスヲしてくれた。


尸魂界に、一度里替えを兼ねて戻った。

一護とは、1日だけの別れであったが、辛かった。

「黒崎一護は、13番隊の3席についてもらう」

白哉の声を、ぼんやりと聞いていた。

「はい、兄様・・・・・・・」

段取りは着々と進んでいて、一護は卒業旅行が終わると同時に現世を去り、死神となることが決まっていた。

「兄様、いつか一護と籍を入れてもいいですか?」

「考えておく」

きっと、白哉のことだ。

許してくれるだろう。

「一護・・・・貴様のいない世界は、こんなにも色がない」

朽木邸では、早めの梅の花と寒椿が同時に咲いていた。

「ルキア、これを・・・・・・・」

白哉に、櫛を渡された。

「兄様、これは?」

「緋真が愛用していた櫛だ」

「そんな大切なもの、頂けません!」

「ルキア、そなたに使って欲しいのだ。これは緋真の遺言でもある、ルキアによい人ができたら、この櫛で髪をとかして愛されて欲しいと・・・・・」

「姉様の・・・・・・」

ジワリと浮かんだ涙は、大粒の涙になった。

「兄様、兄様!」

白哉に縋りつき、泣くと、白哉はとんとんとその背を叩き、あやしてくてた。

「私は、4大貴族でありながら、人間を愛してしまいました。死神になるとしても、身分も何もありません」

「そのよなこと、よいのだ。貴族の掟をまげて緋真を娶り、そなたを義妹として養子に迎え・・・・もう、朽木家は貴族の掟に縛られない」

「兄様、私は緋真姉様のように、兄様を置いていきません。兄様の傍で、一護と暮らします」

「そうか・・・・よいのか?貴族としての柵(しがらみ)がついて回るぞ」

「私も、覚悟を決めました。一護の元に嫁ぐ代わりに、一護を婿養子とします」

一護なら、きっとその選択を受け入れてくれる。

ああ、一護。

今すぐに会いたい。

抱き締めて、貴様の太陽の匂いを感じたい。

「籍を、いれるのを許そう。結婚式も盛大に行おう」

「兄様?」

「愛する義妹が選んだ男なのだ。貴族としての全てを叩きこんでやろう」

すまぬ、一護。

兄様に、火をつけてしまったようだ。

「朽木一護として生きる覚悟があるのか、その性根に叩きこんでやろうぞ」

白哉は薄く微笑んだ。

兄様は美しい。

男とは思えぬ美貌に、細い体をしている。

朽木家に跡取りをと、何度も後妻をとれと言われても、白哉は決して首を縦にはふらない。

緋真だけを愛していた。

「梅の花の季節がやってきたな・・・・・・・」

「庭には、見事な紅梅があります」

「緋真は梅が好きだった。緋真のために、この朽木家の梅は植えられた」

「そうだったのですか・・・・」

「そのヘアピンは、黒崎一護が買い与えたのか?」

「そうです、兄様」

「よく似合っている。そなたの瞳はまさにアメジスト」

「兄様・・・・・」

その日、本当に久しぶりに白哉と一緒に、梅を見ながら酒を口にした。

現世では未成年扱いで、酒は飲めなかった。

明日の現世いきに差し障りがあるといけないので、量は少なめに飲んだが、白哉は思ったより深酒をして酔ってしまった。

「ルキアにも、愛しい相手ができるのか・・・・時間が経つのは、早いものだ。そなたを養子に迎えたのが、昨日のことのように感じる」

「兄様、愛しています」

「私もルキア、そなたを愛している」

二人の義兄妹は、寄り添い合いながら、夜を過ごした。


「では、兄様、行ってまいります!」

「くれぐれも、風邪など引かぬように」

「はい!」

穿界門が開かれる。

断界を通りぬけえると、目と鼻の先に、黒崎家があった。

窓から一護の部屋に入る。

「ああ・・・一護の匂いがする・・・・」

ルキアは、2日高校を欠席した。病欠ということになってた。実際は、里帰りだったのだが。

誰もいない黒崎家で、一人ルキアは一護の部屋で、一護のパジャマを胸に抱きながら眠った。

「あれ、ルキア帰ってきてたのかよ・・・・・眠ってるのか?」

スースーと、静かな寝息が聞こえた、

「ルキア、かわいいな・・・・」

恋人の部屋で、恋人のパジャマを胸に抱きながら眠るルキアは、行動もだが見た目が凄くかわいかった。


一護がルキアを好きな理由。

とにかく、かわいい。


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