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一護とルキア番外編 一護の誕生日

「一護!誕生日おめでとう!」

ルキアが、一護に抱き着いた。

「え、ああ、もうそんな季節か。道理で暑くなってきたわけだ」

「一勇と苺花は?」

「兄様と家人に面倒を見てもっておる。今日は久しぶりに二人きりだ」

「ああ、俺何歳になったんだろう?」

「さぁ・・・確か、30か31あたりではなかろうか」

「俺も年食ったなぁ・・・見た目は十代のまま変わらねーけど」

ルキアを抱き上げた。

「ひゃあ」

ルキアは、一言に抱き上げられて、くるくると回されて、変な声をあげていた。

「こ、こら一護!」

「今日は俺の誕生日なんだろ。贈り物にルキアをくれよ」

その言葉に、ルキアは真っ赤になった。

「ちゃんと、贈り物は用意しておる!」

「また、チャッピーのなんかか?」

「そうだ。チャッピー抱き枕だ!限定生産品で予約までしたのだぞ!」

ルキアは一護から離れると、寝室の隅に置いてあったラッピングされた抱き枕をもってきた。

それを、一護は包装紙をはがして中身を見る。

ふわふわの羽毛の鳥がはいっていて、触り心地もよかった。

「お、けっこういい品じゃねーか」

「だから言ったであろう。限定生産品だと」

「柄があれだけど、ありがとな、ルキア」

ルキアに触れるだけのキスをする。

「私が欲しいのか、一護?」

ルキアが、潤んだアメジストの瞳で見つめてくる。

「ああ、ルキアが欲しい」

「仕方のないやつだ・・・・・・」

一護に抱き着いて、キスをする。

その先が続けられずにいると、一護のほうから触ってきた。

「あールキアの匂いがする」

ルキアを抱きよせて、しいた布団の上に寝転んだ。

「ひゃう」

耳を甘噛みされて、変な声が出た。

「相変わらず、耳弱いのな」

「ば、ばか者!このたわけが!」

お返しとばかりに、一護の肩に噛みついた。

死覇装を互いに脱がしていこうとして、苺花がじっとこちらを見てきているのに気づき、一護とルキアは動きを止めた。

「何してるの、母様、父様」

「い、いやこれはだな、暑いから互いの服を脱がしあってたんだ」

「じゃあ私も混ざる~」

苺花が寝室に入ってきたせいで、睦みあうのはなしになった。

残念だが、苺花が寝入った頃にしようと、一護が耳打ちをルキアにした。

「苺花、おいで」

「父様、今日誕生日なんでしょう?」

「そうだぞ」

「これ、私が描いたの!父様の顔!」

お世辞にもうまいとはいえないが、その絵をもらって一護は微笑んだ。

「これ・・・・俺だよな?こっちのは・・・弓親さんか?」

「そうだよー。私、父様と同じくらいいチカさんが好きだから、描いたの!」

「そうか。ありがとな」

頭を撫でてやると、えへへと笑った。

「一勇は?」

「一勇なら、もう寝ちゃったよ。明日学校で遠足があるからって、早めに寝ちゃった」

「おお、そういえばそうであったな。まぁ、私の弁当より朽木家の料理人の弁当のほうがうまいから、弁当は料理人に任すか」

「ねぇ、父様」

「なんだ?」

「今日は私も一緒に寝ていい?」

ルキアと顔を合わせあう。

「一護、またの機会にしよう。私たちは夫婦なのだから、いつでも時間は作れる」

「ああ、そうだな」

こうして、苺花を挟んで川の字で寝た。

「ん・・・・・」

触れてくる一護に、ルキアが目を覚ます。

「どうした?」

「ちょっと、ルキア成分を補充したくなって」

「たわけが・・・・」

ルキアの布団の中に、一護は入った。

そのまま、ルキアを抱き締めて、腕の中に閉じこめる。

「ふふ・・・・現世にいた頃を思い出すな、この寝方」

よく、一護のベッドで、ルキアを抱き寄せて一護は眠った。そんな時の体勢にそっくりだった。

「好きだ、ルキア」

「私もだ、一護」

互いを抱き締めあい、何度かキスをしてから、二人は眠いについた。

次の日、遠足だという一勇を早めに送り出して、苺花も初等部送り出して、やっと一息つく。

今日は、仕事は午後からだった。

半休をもらっていた。

「なぁ、時間あるからいいか?」

腰を抱き寄せられて、こんな朝からと思いつつ、昨日体を重ねるものだと思ってドキドキしていたのだ。

「仕方ない、今日だけだぞ」

「よっしゃ!」

一護は、小さくて細いルキアを抱き上げた。

白哉も、仕事に出かけていない。

家人に、寝室に近寄らないように言いつけて、二人は体を重ねた。

「ん・・・」

「ああ、起きたか?」

避妊はきちんとしていたが、久しぶりでルキアは意識を飛ばしていた。

「もうすぐ1時だ。俺たちも、仕事に出かけないと」

「たわけ。朝から盛りおってからに」

「でも、ルキアも満更じゃなかっただろ?何度もいってたじゃないか」

「恥ずかしいから、そのようなこと口にするな」

ぽかりと叩かれて、一護は笑った。

「ああ、幸せだなぁ。ルキアと出会ってよかった・・・・」

「それはこちらの台詞だ、一護」

互いに服をきて、時間がきたので瞬歩で13隊の執務室に移動した。副隊長である仙太郎が、先に仕事をしていた。

「おはようございます、朽木隊長。それに朽木3席も」

「ああ、おはよう」

「よお、先に仕事しててくれたのか。ありがとな」

この前行われた隊首会で、一護を副隊長にするという動きがあったが、肝心の一護が断った。

仙太郎の能力は十分だし、副隊長なんて任されても、ルキアのサポートを完全にできないし、慣れていない副隊長になるよりは、今のままでいいと判断したのだ。

「ルキア、昼飯忘れてただろう。3時の休憩に飯にしようぜ。朽木の料理人から、弁当二人前もらってきてるから」

「すまぬ。昼ぬきでもいいだが、夕刻になる前に腹がすくからな」

二人は、職場でいちゃついてるつもりはないのだが、周囲から見るといちゃついているにしか見えないらしい。

高いところの荷物をとろうとして、一護の身長でも届かないので、ルキアを肩車して荷物をとった。

ふと見えたルキアの鎖骨に、いっぱいキスマークが残っていて、仙太郎はルキアに耳打ちした。

「隊長、鎖骨のキスマーク見えてます!襟をもっと絞めてください!」

「こら、一護!見えるような場所には、あれほど痕を残すなと言ったであろう!」

「鎖骨のとこなんて、普段見えないだろ」

「見えないようで、時折見えるのだ!」

「わーったよ。今度から気をつけるから!」

「全く・・・・・・」

「仲が良いようで、何よりです」

仙太郎の言葉に、ルキアは朱くなりながらも頷いた。

「あれは、私の自慢の夫なのだ」

「隊長、うなじにもキスマークが・・・・・」

「こらぁ一護!うなじにもキスマークをつけたのか!」

ぽかぽかと、一護を叩くルキア。

それに、苦笑して反抗らしき反抗もせず、好きにさせている一護。

ああ、この夫婦は何年何十年たっても変わらないのだなと、思うのであった。









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