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七夕

「一護、七夕だぞ」

ルキアは、その日、笹をもって一護との寝室にやってきた。

「うわ、でけぇ。なんだよ、その笹」

「朽木家で伐採したものだ」

小柄なルキアに対して、笹は大きく、重いだろうにどこにそんな力があるのか、笹をどさりと部屋に置く。

「こんなの、7月7日までだろ。いらねーだろ」

「そんなことはないぞ!笹に願いを書くと、願いはかなうのだ!」

そりゃな。

どこかの義兄が、甘いから毎年義妹の願いを叶えてやってるもんな。

そんなことは、口には出さないでおいた。

今年の、ルキアの願いは。

(一護との子供がほしい)だった。

さすがの白哉でも、かなえられないだろう。

こればかりは、運を天に任せるしかない。

でも、笹には他にも願い事がかかれていた。

(ちゃっぴーの新作リュックサックがほしい)

(ちゃっぴーのペンライトがほしい)

(ちゃっぴーの布団がほしい)

「どこまでもちゃっぴー尽くめだな」

「笹に願いをかくと、叶うのだ。ほぼ90%」

こんな義妹をもつ白哉を、憐れんだりはしない。

朽木家の財力をもって、白哉はルキアの願いを叶える。売っていないチャッピーのグッズだろうからして、きっと作るのだ。

「義兄様にも、何か願いを書いてもらおう。一護もついでだから、何か書いておけ」

ぺっと、1枚の紙をよこされる。

一護は・・・・。

(白哉と仲良くできますように)

と書いたのを、笹に飾った。

白哉の願いを書いた短冊を、ルキアは笹に飾った。

「何々・・・・辛いものが食べたい・・・・なんだそりゃ。いつでも食えるだろ」

朽木家の財力をすれば、現世の辛い食べ物の手に入るだろう。

「義兄様・・・・今度現世に行ったとき、キムチでも買ってきます!」

白哉の願いは、そうそうにルキアによって叶えられそうだった。

「一護は・・・・ははん、義兄様と仲良くなりたいのか。どれ、私が・・・・・」

「いらんことするな!頼むから、余計なことはするな!」

「むー」

ふてくされるルキアはかわいかったが、白哉との微妙な仲をこじれさせられたら元も子もない。


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笹が、外に飾られた。

白哉が、口早に家のものたちに何かを命令していた。

チャッピーのグッズがどうたらの話だった。

「よお、白哉」

「兄か・・・・兄との仲は、このままでいいと、私は思っている」

「うん、まぁなんていうかお互い喧嘩みたいなことはできるだけやめようぜ」

「それは兄次第だ」

「あーうん、そうだな」

やっぱり、白哉って苦手だ。

そう思う一護だった。


後日、ちゃっぴーの新作リュックサックにペンライト、布団を手に入れたルキアは嬉しそうにしていた。

そして白哉に現世から持ち帰ったキムチをあげて、義兄妹は、とても幸せそうだった。

ただ一人、一護だけがぽつんと取り残されているのであった。




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