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京楽と浮竹と海燕と 実は起きてる

「起きろおおおおおおお」

「起きてる」

ずさーー。

海燕は、いざ布団をひっぺがそうと思って、気合をこめてやってきたのに、浮竹がもう起きていて、畳の上を滑った。

「遊んでいるのか?」

「まだ8時・・・・隊長がこんな時間起きるなんて、明日は雨か・・・」

「失礼なやつだな。昨日はすることもなく夜の8時に寝たんだ。そしたら、朝に目覚めてしまった」

「とりあえず、お湯をはったたらいを用意しますから、顔を洗って着替えてください」

海燕がたらいを用意している間に、浮竹はいつもの死覇装と隊長羽織に着替えた。やがて、お湯の入ったたらいが置かれる。

お湯で顔をあらって、タオルでふく。

まだ水が冷たい時期なので、お湯にされていた。冷たい水だと、熱を出す可能性があるからと。

まさに、副官の鏡とまでいえる気遣いだった。

「朝餉、準備します」

しばらくして、朝餉がやってくる。

焼き魚に味噌汁、たくあんにご飯。いつもより、大分しけていた。

「今日はやけに質素だな」

「13番隊の隊舎の一部で水漏れがおこって、畳のはりかえとか、屋根の修理とかに金がかかって、朝食だけしばらく質素になります」

「そうか。それなら、仕方ないな」

13番隊では、京楽が食事に金を出してくれているが、それは昼餉と夕餉に回された。

隊長だけ朝餉から豪華なものを食べていると知ったら、一部の隊士から差別だと声があがるだろうからだ。

隊士の食事も、京楽の金のお陰で大分いいものを食わせてやれるようになった。

昔は、夕飯も焼き魚に味噌汁、ご飯にデザートと漬物がつくくらいの質素さだった。

それが今や、カニ鍋だの、天丼だの、ちらし寿司だの・・・大分変わった。

「何これ、質素だねぇ」

いきなりやってきた京楽が、せっかくだから一緒に食べようと用意していた海燕の席に座り、勝手に質素だと言いながら、朝餉を食べだした。

「京楽隊長、何質素とかいいながら食べてるんですか。それにそれ、俺のですよ」

「ああ、悪かったねぇ。つい、用意されてたから僕の分かと思った」

かなり嘘だった。

「はぁ。自分の分の朝餉、運んできます」

「ねぇ、浮竹。こんな質素な食事平気なの?」

「ん?ああ、京楽に金を出してもらう前はこんなかんじだったから、慣れている」

「慣れって怖いね」

海燕が、自分の分の食事を運んできて、食べだした。

浮竹が、隙を見てたくあんを盗んでいく。

それに無言でいると、浮竹がつまらなさそうにしていた。

「海燕、それ俺のだ盗るなとか言わないのか」

「言ったところで、何になるっていうんですか。たくあんの一きれくらいで怒るほど、貧乏性じゃありません」

「じゃあ僕も」

京楽も、海燕の皿からたくあんを盗んだ。

「こらそこ、何人のたくあん盗んでるんだ!」

「え、ちょっと、浮竹の時と態度が全然違うんですけど!」

「おかえしです」

海燕は、焼き魚をもっていってしまった。

「ああ、メイン料理が!」

「隙を見せるからです」

「何おう?」

「なんですか、何か文句でもあるんですか」

ギャーギャー文句の言い合う二人を殴って、浮竹はまた食事をしだした。

「痛い」

「痛いです」

「食事中は騒ぐな」

二人揃って、「はい」と答えてしょげた。

京楽がやってきたのは、ただの気まぐれかと思ったら、ちゃっかり書類仕事を持ってきていた。

たまに、京楽は仕事をもってきて雨乾堂で過ごす。

浮竹の傍にいたいからだ。

浮竹も浮竹で、そんな京楽をごく当たり前のように受け止めていた。

「さて、今日もたまには仕事を頑張るぞー」

「頑張れ、京楽」

浮竹の応援に、京楽はばりばりと仕事をはじめるが、1時間もすればだらけてきた。

雨乾堂で一緒に仕事をしていた海燕は、だらけるのが早いなと思った。

すると、浮竹が京楽の耳打ちする。

「最後まで頑張ったら、俺を抱いていいぞ」

「おっしゃー!やる気充填!」

海燕は苦笑する。そんなことで、本気で仕事にとりかかる京楽がおかしかった。

恋人同士なので、睦み合うのは当たり前だが、1週間に一度と決めてあるのだ。それを覆す浮竹の言葉に、京楽は本気になって仕事に取り組んだ。、

やがて、昼餉の時間になり、いつも通りの質素ではないメニューの昼餉を食べた3人は、休憩した後また仕事にとりくんだ。

3時の休憩がくる前に、京楽はその日の仕事を終わらせた。

「終わったー!」

「俺ももうすぐ終わる。待っていてくれ」

やがて仕事が皆終わり、3時の休憩時間で今日の業務は終了となった。

「京楽隊長、くれぐれのうちの隊長に無理はさせないように!」

「分かってるって」

海燕は、雨乾堂から去っていった。

「さて、浮竹。言った言葉、忘れてないよね?」

「こんな日が高いうちからするのか?」

「正確には、君の気が変わらないうちかな。好きだよ、浮竹」

去る間際、海燕は布団をしいていった。

それを知って、浮竹は紅くなった。

「海燕のやつ・・・聞こえてたのか」

「いただきます」

「ん・・・ふあっ・・・」

いきなり舌が絡まるキスをされた。

「んん・・・・」

服の上から輪郭をなぞるように動かれて、隊長羽織と死覇装を脱がされた。

薄い筋肉しかついていない胸を撫でまわされる。

「あっ・・・・」

先端を口に含まれて、声が漏れた。

「声、ちゃんと聞かせて?」

「ああっ!」

すでに反応していた花茎を手でしごかれて、何も考えられくなる。

たらたらと先走りの蜜を零していたそこは、あっけなくいってしまった。

「あああ!」

京楽は、潤滑油を指につけて、蕾に指を入れる。

「んあ!」

前立腺がある部分を指でいじられた。

「んーーー!」

ぐりっと指を折り曲げられて、浮竹は生理的な涙を零した。

くちゃくちゃと音をたてて、後ろをいじられる。やがて指は引き抜かれて、怒張したものが宛がわれた。

「ああ!!」

引き裂かれていく。痛みはあるが、快感もある。

前立腺ばかりを突き上げられて、浮竹は二度目になる熱を放っていた。

「んあああ!・・・ひう!」

最奥をこじあけられて、京楽が熱を吐きだした。

じんわりと腹の奥深くで広がっていく熱をかんじて、浮竹はぼんやりとする。

「んっ!」

ズルリと一度引き抜かれて、また前立腺を突き上げられて最奥まで入ってくる。

「ひああああ!」

悲鳴に近い声が出た。

「春水・・愛してる・・・・キスを・・・・」

「十四郎、僕も愛してるよ・・・」

浮竹の望み通り、何度でも口づけを与えた。

こじあけた最奥が、締め付けてくる。

「ここ、いいの?」

「あ、わららない・・・」

「君は、ここが弱いものね」

前立腺ばかり刺激されて、浮竹は頭が真っ白になった、

「んーーー!あああ!」

三度目の熱を吐きだす頃には、京楽も二度目の熱を浮竹の中に放っていた。

まだ日は高かったので、二人で湯あみをした。

腹の奥に出されたものをかき出す。とろりと、白い精液が流れていった。

体と髪を洗い、湯船に浸かる。

「体、大丈夫?」

「んー。腰が痛い」

「いつも通りだね」

二人して、互いの水分をバスタオルでふきあって、髪をかわかす。

「今日は泊まっていくけど、いいかい?」

「ああ」

夕餉の時間まで、睦み合うような真似ごとを続けていた。

「入りますよ、いいですか?」

「ああ、海燕、いいぞ」

許可を得て、夕餉を海燕がもってきてくれた。今日のメニューは天ぷらだった。

大きな海老が2匹分ついていた。

「天ぷら、俺結構好きなんだよな」

「僕の分の海老も、1匹食べる?」

「いいのか?」

「うん」

「じゃあ、遠慮なく」

浮竹を甘やかす京楽を、海燕は一緒に夕餉をとりながら、ただ見ていた。

「海燕君、今日は泊まるから」

「そうですか」

「地獄蝶、七緒ちゃんに飛ばしておかないと・・・・」

「では、俺はここで。お疲れ様でした」

「海燕、お疲れ」

「お疲れ様」

夕餉を下げて、海燕の長い一日が終わる。

また明日、意地汚く寝る浮竹を起こしにこよう。そう決意する海燕だった。




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