猫がにゃあ
「知り合いから、猫を預かったのだ」
6番隊の執務室で、綺麗なその白猫は、にゃあと鳴いて白哉にすり寄っていた。
「ぐ・・・猫のくせに、俺の隊長を誘惑するとは・・・」
「お前、頭は大丈夫か?猫に嫉妬しておるのか?」
白猫は、オッドアイで、金色と青色の目をしていた。
「この種のオッドアイの猫は寿命が短かかったり、耳が聞こえなかったりと弱いのだ」
「く、かわいいけど、隊長は俺のものだ!」
恋次は白猫を抱き上げると、隊首室に連れて閉じ込めてしまった。
ちゃんと、トイレとエサと水は置いてきた。
恋次の行動に、白哉は目を丸くしていた。
「本当に、猫になど嫉妬していたのか」
「猫でも、隊長に甘えるのは俺の特権です!」
白哉は薄く笑った。
恋次の行動が、とても幼く見えたのだ。
「にゃあにゃあー」
「鳴いている。一匹では寂しいのだろう」
そう言って、白哉はせっかく恋次が閉じ込めた猫を、隊首室のドアを開けて、外にだしてしまった。
「隊長!」
「なんだ」
「猫になんて構わないで、俺に構ってください」
「お前など、いつでも構える。だが、この猫は今日しかいない」
「明日にはいなくなるんですか?」
「そうだ。ちなみに、名は「オレンジ」だそうだ。恋次と響きが似ているので気に入っている」
「今日だけですからね」
「何がだ」
「隊長が、俺以外と親密になるの」
「子供か、お前は」
苦笑されてしまった。
それでも、オレンジという名の白猫は、恋次にも懐いてすり寄ってきた。
「こうして俺にだけ懐いてば、いいんですけどね」
白哉が、猫に現世の猫にあげるのに流行っている、チュールをあげてみた。
面白いほどによく食べた。
「そうか。このえさが好きなのか」
もう1つチュールをあげた。
その姿を、恋次は悶々と見ていた。
チュールを食べ終わると、猫はうたた寝をはじめてしまった。
しかも、文机に向かった白哉の膝の上でだ。
我慢できなくて、猫を抱えて自分の膝に乗せた。
猫はにゃあと鳴いたが、すぐに恋次の膝の上で寝てしまった。
「かわいいけど・・・隊長の膝の上はアウト」
白猫に語って聞かせるが、肝心の白猫は夢の中だ。
その日、恋次は仕事をこなしたが、いつもの3割ほど遅かった。
「猫になど、現を抜かしておるからだ」
「違う。猫に構う隊長に現を抜かしていたんです」
「お前は・・・・んんっ」
噛みつくようなキスをされた。
「恋次・・・・・」
もう一度、キスをする。今度は、舌が絡まる深いキスだ。
「んっ・・・・はあっ・・・・」
恋次は、白哉を抱き締めた。
「猫にだって嫉妬します。俺の隊長に触れていいのは、俺だけだ」
「お前は、そんなに嫉妬深かったか?」
「そうですよ。同じ屋敷に住んでいる一護にだって、嫉妬しています」
ルキアと結婚して、死神になった一護は、黒崎という性を捨てて、朽木一護になった。
「一護は、ルキアと同じでただの家族だ・・・・」
「それでも、嫉妬してしまいます。俺も隊長の屋敷に住みたい」
「四六時中盛ったお前といるのはきつい」
白哉は、冗談なんか本気なのか分からない言葉を口にした。
「俺のこと、重荷ですか?」
「軽くはない。だが、重荷と感じたこともない」
「隊長、好きです。愛してる」
「ん・・・・恋次、私もだ」
「にゃあああ」
猫はもともと夜行性だ。活発になってきた猫を抱き抱えながら、恋次は白哉を家まで送り、夕飯を御馳走になった。
「おう、恋次元気か?」
食堂で、そう一護に聞かれて、恋次は一護にデコピンをした。
「いってぇ」
「元気に決まっているだろう」
「そうか。ならよかった」
「たわけ、貴様夕飯をただ飯で食っておきながら、態度がでかいぞ!」
ルキアが噛みついてくる。
恋次は、ルキアを適当にあしらって、白哉の部屋までくると、白哉を抱き締めた。
「恋次・・・」
「ああ、やっぱ俺一人暮らしが正解ですね。隊長が毎日傍にいたら、盛って身がもたねぇ」
触れるだけの口づけをして、恋次は自宅に帰ることにした。
白哉が、屋敷の玄関まで送ってくれた。
「今日は夕飯ごちそうさまでした。じゃあ、また明日、執務室で」
「ああ」
白哉の見送りに感謝して、そのまま恋次は自宅まで戻った。
一人で住むには大きな館だ。たまに手入れのために人を雇う。
食事をして、風呂に入って寝る以外に、使い道のない館だった。
朽木邸で過ごせればいろいろと面白いだろうが、白哉はすぐ隣にいるとつい盛ってしまいそうになる。
俺も若いなと、恋次は思った。
次の日、執務室は静かだった。
「おはようございます、隊長」
「おはよう」
猫がいない執務室は、こんなに静かだったのかと思うほど、静かだった。
「にゃあ」
「え、何処から!」
「すまぬ、恋次。知り合いが病気にかかり、しばらくの間預かってくれと頼まれたのだ」
「隊長の屋敷では、だめなんですか」
「ああ、そういえばそれでもいいのか・・・・・」
恋次は頭を抱えた。
わざとではないだろうが、猫を傍に置いておきたいのだろう。
名も気に入ったといっていた。オレンジ。恋次の名前の響きがある。
「俺も大人です。猫には嫉妬しないようにします」
「そうか。ならばよかった」
「しばらくって、どのくらいですか」
「半月ほどだなな」
「やっぱ前言撤回。猫にだって、嫉妬します」
半月も白夜に構われる猫に嫉妬する。
猫はそれを知らず、ただかわいい姿でにゃあと鳴くだけだった。
。
6番隊の執務室で、綺麗なその白猫は、にゃあと鳴いて白哉にすり寄っていた。
「ぐ・・・猫のくせに、俺の隊長を誘惑するとは・・・」
「お前、頭は大丈夫か?猫に嫉妬しておるのか?」
白猫は、オッドアイで、金色と青色の目をしていた。
「この種のオッドアイの猫は寿命が短かかったり、耳が聞こえなかったりと弱いのだ」
「く、かわいいけど、隊長は俺のものだ!」
恋次は白猫を抱き上げると、隊首室に連れて閉じ込めてしまった。
ちゃんと、トイレとエサと水は置いてきた。
恋次の行動に、白哉は目を丸くしていた。
「本当に、猫になど嫉妬していたのか」
「猫でも、隊長に甘えるのは俺の特権です!」
白哉は薄く笑った。
恋次の行動が、とても幼く見えたのだ。
「にゃあにゃあー」
「鳴いている。一匹では寂しいのだろう」
そう言って、白哉はせっかく恋次が閉じ込めた猫を、隊首室のドアを開けて、外にだしてしまった。
「隊長!」
「なんだ」
「猫になんて構わないで、俺に構ってください」
「お前など、いつでも構える。だが、この猫は今日しかいない」
「明日にはいなくなるんですか?」
「そうだ。ちなみに、名は「オレンジ」だそうだ。恋次と響きが似ているので気に入っている」
「今日だけですからね」
「何がだ」
「隊長が、俺以外と親密になるの」
「子供か、お前は」
苦笑されてしまった。
それでも、オレンジという名の白猫は、恋次にも懐いてすり寄ってきた。
「こうして俺にだけ懐いてば、いいんですけどね」
白哉が、猫に現世の猫にあげるのに流行っている、チュールをあげてみた。
面白いほどによく食べた。
「そうか。このえさが好きなのか」
もう1つチュールをあげた。
その姿を、恋次は悶々と見ていた。
チュールを食べ終わると、猫はうたた寝をはじめてしまった。
しかも、文机に向かった白哉の膝の上でだ。
我慢できなくて、猫を抱えて自分の膝に乗せた。
猫はにゃあと鳴いたが、すぐに恋次の膝の上で寝てしまった。
「かわいいけど・・・隊長の膝の上はアウト」
白猫に語って聞かせるが、肝心の白猫は夢の中だ。
その日、恋次は仕事をこなしたが、いつもの3割ほど遅かった。
「猫になど、現を抜かしておるからだ」
「違う。猫に構う隊長に現を抜かしていたんです」
「お前は・・・・んんっ」
噛みつくようなキスをされた。
「恋次・・・・・」
もう一度、キスをする。今度は、舌が絡まる深いキスだ。
「んっ・・・・はあっ・・・・」
恋次は、白哉を抱き締めた。
「猫にだって嫉妬します。俺の隊長に触れていいのは、俺だけだ」
「お前は、そんなに嫉妬深かったか?」
「そうですよ。同じ屋敷に住んでいる一護にだって、嫉妬しています」
ルキアと結婚して、死神になった一護は、黒崎という性を捨てて、朽木一護になった。
「一護は、ルキアと同じでただの家族だ・・・・」
「それでも、嫉妬してしまいます。俺も隊長の屋敷に住みたい」
「四六時中盛ったお前といるのはきつい」
白哉は、冗談なんか本気なのか分からない言葉を口にした。
「俺のこと、重荷ですか?」
「軽くはない。だが、重荷と感じたこともない」
「隊長、好きです。愛してる」
「ん・・・・恋次、私もだ」
「にゃあああ」
猫はもともと夜行性だ。活発になってきた猫を抱き抱えながら、恋次は白哉を家まで送り、夕飯を御馳走になった。
「おう、恋次元気か?」
食堂で、そう一護に聞かれて、恋次は一護にデコピンをした。
「いってぇ」
「元気に決まっているだろう」
「そうか。ならよかった」
「たわけ、貴様夕飯をただ飯で食っておきながら、態度がでかいぞ!」
ルキアが噛みついてくる。
恋次は、ルキアを適当にあしらって、白哉の部屋までくると、白哉を抱き締めた。
「恋次・・・」
「ああ、やっぱ俺一人暮らしが正解ですね。隊長が毎日傍にいたら、盛って身がもたねぇ」
触れるだけの口づけをして、恋次は自宅に帰ることにした。
白哉が、屋敷の玄関まで送ってくれた。
「今日は夕飯ごちそうさまでした。じゃあ、また明日、執務室で」
「ああ」
白哉の見送りに感謝して、そのまま恋次は自宅まで戻った。
一人で住むには大きな館だ。たまに手入れのために人を雇う。
食事をして、風呂に入って寝る以外に、使い道のない館だった。
朽木邸で過ごせればいろいろと面白いだろうが、白哉はすぐ隣にいるとつい盛ってしまいそうになる。
俺も若いなと、恋次は思った。
次の日、執務室は静かだった。
「おはようございます、隊長」
「おはよう」
猫がいない執務室は、こんなに静かだったのかと思うほど、静かだった。
「にゃあ」
「え、何処から!」
「すまぬ、恋次。知り合いが病気にかかり、しばらくの間預かってくれと頼まれたのだ」
「隊長の屋敷では、だめなんですか」
「ああ、そういえばそれでもいいのか・・・・・」
恋次は頭を抱えた。
わざとではないだろうが、猫を傍に置いておきたいのだろう。
名も気に入ったといっていた。オレンジ。恋次の名前の響きがある。
「俺も大人です。猫には嫉妬しないようにします」
「そうか。ならばよかった」
「しばらくって、どのくらいですか」
「半月ほどだなな」
「やっぱ前言撤回。猫にだって、嫉妬します」
半月も白夜に構われる猫に嫉妬する。
猫はそれを知らず、ただかわいい姿でにゃあと鳴くだけだった。
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