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健康とミニフィギュア

最近の体体重計ではいろいろ測れて、京楽は自分の体脂肪の高さに仰天した。

すぐに4番隊にいき、精密検査を受けると、確かに体脂肪は少し高いが、健康体であると言われた。ただ、酒の飲みすぎで体脂肪が増えているのだろうから、酒は控えめにするようにと言われた。

「はぁ・・・・・・・」

「どうしたんだ、京楽」

京楽は、浮竹と飲み交わしあっていたのだが、あまり飲んでいないようだった。

「お前が飲まないなんて、明日槍でも降るんだろうか」

「病院でさぁ。お酒の飲み過ぎっていわれた。酒を控え目にするようにって。体脂肪が、ちょっと高くなってた」

「控えろと言われたわりには、酒飲んでるな」

「うん。禁酒なんて僕には無理・・・・・」

ちびちびと飲んでいく。

「しばらく、いつもの半分以下でいこうと思う」

「いつまで続けられるか、だな。運動もしたほうがいいぞ。そうだ、毎朝俺とウォーキングをしよう」

「ねぎたない君が、朝早くに起きるとは思えない」

「う、それは・・・・・じゃあ、午後に」

「そうだね。いつも書類仕事ばかりだから最近運動してないし」

そういうことで、次の日の死神の業務が終わる6時から少し休憩をとって、6時半~7時の間を瀞霊廷を散策しながらウォーキングを繰り返した。

京楽はお陰で体脂肪がぐっと減った。

その体重計に浮竹も乗り、体脂肪と体重が減っているのにぎょっとする。

「筋肉をつけるための動いていたつもりなのに・・・卯ノ花隊長から、これ以上痩せるなって言われてるのに痩せてしまった」

「まぁ、食事の量をちょっと増やすとか工夫すればいいよ」

「お前の体重と体脂肪を分けてほしい」

「君と足して2で割ったら、ちょうどよさそうな健康体ができあがりそうだね」

そのまましばらくの間、ウォーキングを続けた。

京楽はもう気にすることなく酒を飲み、浮竹は夕飯を少し多めにとることで、体重維持を図るっていた。

「ああ、健康っていいなぁ」

京楽は幸せそうだったが、浮竹は違った。

「夜のウォーキングでこれまで3回風邪をひいた。俺には、ウォーキングが向いていないのだろうか」

「浮竹は病弱だから。健康体になろうと足掻いても、だめなのかもしれないね」

「やはりそうか・・・明日から、ウォーキングはなしにする」

「うん。僕も体重も体脂肪も減ったから、しばらくウォーキングは休むよ」

こうして、二人の健康な生活はまた元の不健康な生活に戻った。

しばらくして、また体重計の乗ってみた。

京楽の体脂肪は増えていた。

浮竹は、一時は体重が増えたのだが、また軽くなって細くなっていた。

「ウォーキング・・・・またはじめるかなぁ」

「一人じゃ辛いだろう。俺もまたすることにする」

「浮竹は無理しないでね!」

こうして、また毎日夕刻に二人はウォーキングをした。

お陰で京楽の体脂肪はまた減り、浮竹は待望の体重を増やすことに成功した。

「ウォーキングの他にも、ストレッチや筋肉トレーニングをしているんだ」

「道理で、ちょっと筋肉ついたわけだ」

お互い、体を重ねあっているので、ちょっとしか変化はすぐには分からないが、しなやかな筋肉をもつ浮竹の体が、無駄のない筋肉を少しつけたかんじだった。

「体重が増えて喜んでいるなんて、女性死神連中に知られたら、リンチに合いそうだ」

「それ、言えてる」

女性は、常に体重と戦っている。

「久しぶりに、飲み交わさない?今日は満月だし・・・・」

「いいな。飲もうか」

しばらくの間、酒を控えていた京楽だったが、その日は好きなだけ飲んだ。

浮竹も、京楽と付き合って、果実酒を浴びるように飲んで、酔いつぶれた。

「きょおらくーーーーー!俺の酒が飲めないのかー!」

「ちょっと、浮竹飲みすぎだよ」

「お前の酒をよこせーーー!」

酔っ払いにしては素早い速度で、京楽の酒の瓶を手に入れた浮竹は、中身をごくごくと飲んだ。

「あーあ・・・・・」

「ういっ。世界が廻る・・・・・・・・・ZZZZ]

京楽に抱き着いて、眠りこんでしまった愛しい浮竹の頭を撫でた。

白い髪が、サラサラと零れていく。

「本当に、君って子は・・・」

お互い、もう若くはない。

それでも、院生時代から変わらない愛を誓い合っている。

京楽は、布団を1組しいて、その上に浮竹を寝かせると、その隣にもぐりこみ、布団を被った。

すぐには眠れなかったが、1時間ほどして京楽も眠りについていた。

「ふあーよく寝たー」

次の日は休日だったので、昼過ぎまで怠惰に眠った。

「ああ、もう朝・・・っていうか、昼だね。酒飲み過ぎちゃったみたい」

海燕がいなくなり、二人を起こす者もいなくなったので、よく寝過ごした。

遅めの昼餉を食べて、甘味屋までいき、駄菓子屋で菓子をかって、浮竹は新しくでたブリーチのミニフィギュアのガチャガチャに夢中になった。

「出たーーーー!幻のウルキオラ!」

「ウルキ・・・?誰それ」

「一護君が倒した、十刀’(エスパーダ)の一人さ」

「破面か。どうりで知らないわけだ」

京楽は、興味を失ったように、ウルキオラのミニフィギュアを見た。

「この純白と黒のくっきり分かれた姿がかっこいい・・・」

「ちょっと、そのウルキなんとかに惚れてるとかいいださないでね!?」

「いや、普通にかっこいいぞ」

京楽は、浮竹の手からウルキオラのミニフィギュアを奪うと、口づけていた。

「んん・・・・・」

「惚れてないよね?」

「バカ・・・・俺が惚れているのも、好きなのも、愛してるのもお前一人だ」

その言葉に満足して、浮竹にミニフィギュアを返そうとして、そのあまりの出来のよさに関心をもった。

「このミニフィギュア、浮竹のもあるの?」

「ああ、あるぞ」

「よし、とってやる」

結局、京楽までガチャガチャにはまるのであった。



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