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10話補完小説

宙に舞い散る血。

「これにて、おしまい」

出される最後の言葉。

「おい、死ぬな。まだ足りねぇんだよ」

まだ戦い足りない。

まだ血を求てていたい。

「死ぬなあああ!」

更木が叫んだ。

ふふ・・・・・子供みたい。

役目を果たして死ねることの、なんたる幸福でることか。

「私は幸せでずよ、更木隊長。あなたの手にかかって死ねるなら、本望です」

「回道でなんとならねぇのか!」

「なるなら、とっくにかけています」

唇が、重なった。

「更木隊長?」

「好きなんだ。死ぬな」

「ふふ・・・・ありがとう。でも、先に逝きます」

「卯ノ花!」

「八千流と呼んでください」

「八千流・・・・・・」

「最強の剣八よ。私の名はあなたに受け継がれた。あなたは幼い頃にしてしまった戦闘への枷を外した。私の後を継ぐのは、あなたしかいない---------------」

「八千流、頼むから死なないでくれ」

「ふふ・・・・想い人にそう言われるのは心地よいですね」

少しずつ、動きが鈍くなっていく。

瞳に光がなくなっていく。

「つまらねーな。これで終わりなのかよ・・・・」

卯ノ花の体を抱き締めた。

命の匂いも味も、酷く甘美だった。

自分の斬魄刀が呼びかけてくる。その声を、初めて聞いた。

ああ----------------卯ノ花は、これのために俺に斬られて、命を落としたのか。

そう思うと、不思議な感覚だった。


「卯ノ花隊長が、逝ったか・・・・・・」

膨大な霊圧がかき消えた。

これで、護廷13隊の隊長のうち二人を失ったことになる。

「卯ノ花隊長は、更木隊長のために散ったのか」

まだ納得ができてない浮竹は、更木に対して怒っていた。

「何故、愛し合っているのに、剣を交じわせる必要があるんだ」

「それら彼らにしか分からないよ。斬りあうことが、愛情表現に近いんじゃないかな」

「どうか、している・・・」

浮竹は思った。

卯ノ花の回道はまだまだ必要なのだ。

「卯ノ花隊長、何故あなたは、自ら死を-----------------」

無暗から、更木一人が出てきた。、

「卯ノ花は中にいる。葬式でも、してやってくれ」

更木の霊圧は、今まで以上で、無暗に入る前とは別人のようだった。

「満足はしたかい?」

京楽が声をかける。

「ああ?満足するわけねーじゃねぇか!早く敵をぶった斬りたいぜ」

「頼もしいな・・・・・・」

浮竹の言葉に、むず痒そうな顔をしていた。

「俺は行く。じゃあな」

「卯ノ花隊長の遺言だ。これを」

血まみれの更木の体を癒すための、飲む薬を渡された。

それを口にすると、たくさんの傷跡が全て塞がっていた。

「卯ノ花・・・・愛していた・・・・」

もう、過去形だ。

卯ノ花烈は死んだs。

「ちょっくら行ってくるわ」

「何処へ?」

「敵のところへ。また侵攻してくるんだろう?」

「だが、いつになるかわからないぞ」

「この、目覚めたばかりの斬魄刀と会話もしなきゃいけねぇ。じゃあな」

消えていく更木の姿を、浮竹は見守っていた。

「卯ノ花隊長。あなたの魂は、きちんと更木隊長に受け継がれているよ」

京楽はそう言って、無暗の中に入り、卯ノ花の遺体を抱き上げた。

「葬儀になるね。山じいに続いて卯ノ花隊長か。次は誰が死ぬんだろう」

京楽も浮竹も、次が浮竹になるとは思ってもいなかった。

卯ノ花の死に顔はとても安らかで。

幸せに、満ちていた。

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