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寝たいだけ寝る

「いい加減に起きろおおおおおおお」

海燕は般若になっていた、

「いやだ、あと5分なんて言わずに、5時間寝る!」

「どれだけ寝るつもりなんだああああああああ」

「日が沈むまで!」

「仕事しろおおおおおおおおお」

「気が向いたら!」

「あーもう、好きにしてください。俺しーらないっと」

そう言って、海燕は布団のへばりついていた浮竹を放置して、雨乾堂から出た。

朝飯がいらないのはよくあることだが、昼飯も何も言ってこないので、雨乾堂に様子を見に行く。

浮竹は眠っていた。

「いい加減おきろおおおおおおおおお」

「まだ寝るうううううううううう」

また、浮竹は布団にへばりついた。

「ああもう、好きにしろおおおおおおお」

毛布を浮竹の体にかけた。

今日は午後から冷え込むからだ。

季節は冬になろうとしていた。

海燕は、隊舎で黙々と仕事をした。

ふと、浮竹のことが気になった。遅くても昼飯はいつも食べたいといってくる時間なのに、何もいってこない。

まさか、発作?

それとも高熱で動けないとか。

考えれば考えるほど思考は悪い方へ悪い方へと進んでいき、隊舎を飛び出していた。

「隊長!大丈夫ですか!?」

「ぐーーーーー」

ずさぁ。

海燕は、顔面から畳につっこんだ。

「まだ寝てやがんのかああああああああ!!!」

ついには、切れて布団を奪いとった。毛布もだ。

「寒い!眠い!腹減った!」

「いい加減に、頼むから起きてください・・・・・」

「ん・・まだ4時か」

「あのなぁ。もう4時ですよ!あんた、何時間寝たんだ」

「えーと。16時間くらい」

「寝すぎだあああああああ!!」

「何、最高26時間寝たことがある」

「病で?」

「全然元気な時に」

「だらだらしすぎだああああああああ!!!」

浮竹の頭を、殴った。

「暴力反対!もっかい寝るから、布団返してくれ」

「いーえ、いい加減起きてもらいます」

「そうだよ、いい加減起きなよ、浮竹」

京楽が、暖簾をかき分けて入ってきた。

「京楽か・・・・仕方ないなぁ、起きてやろうじゃないか。海燕、喜べ」

「起きて当たり前だああああああああ!!・・・・・・・疲れた。俺、帰ります。探さないでください」

「おい、海燕!?」

「もう好きなだけ寝てください。知りません」

「俺を置いていくのか!?」

「はい」

まるで、愛する者との別れのようで、京楽は良い顔をしなかった。

「まぁまぁ、どうせ家に帰宅するだけでしょ」

「副官辞めます」

「海燕!本気なのか!」

浮竹が、慌てだす。

「こんな手のかかる上官いりません」

「ちゃんと起きるから!そんなこと言わないでくれ!」

「ちゃんと、朝の8時には起きますか?」

「起きる!」

「仕事もちゃんとしますか?」

「京楽じゃあるまいし、さぼったりため込むことは元からほとんどない!」

京楽が、少し痛いところを突かれた顔になった。

「薬もちゃんと飲んで、熱が下がったからって勝手に甘味屋まで行ったりしませんか?」

「しない!全部、お前の言う通りにするから、副官を辞めるなんて言わないでくれ!」

涙を浮かべて抱き着いてくる浮竹に、海燕も長い溜息を零した。

「分かりました。副官はこのまま続けます・・・・・でも、俺のいいつけ、ちゃんと守ってくださいね」


次の日。

「起きろおおおおおおおおおお」」

「いやだああああああ!!!」

そんな二人のやり取りを見て。

「だめだこりゃ・・・・・・」

そういう、京楽の姿があった。


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