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僕はそうして君におちていく外伝2

浮竹が霊王になって、100年が経った。

浮竹の姿は変わらず、若すぎるわけでもなく老いたわけでもない、隊長の頃の姿のままだった。

京楽は、少しだけ年をとった。

でも、見た目の変化はほとんどなかった。

山本総隊長は2千年を生きた。

京楽もまた、2千年は生きるだろう。

けれど、霊王である浮竹は年齢を重ねても死なない。不死であった。

いつか、別れがくる。

それを事実と受け止めないように、月の一度の逢瀬を重ねて100年が経っていた。

まだまだ、京楽は浮竹のことを愛していて。

浮竹もまた、京楽のことを愛していた。

「昨今の死神は、霊圧が高い者が多いな。上流階級や4大貴族も、子供が多く生まれているのは、先代の霊王の呪いが消えたせいか」

前の代の霊王は、尸魂界全体に呪いをかけていた。

上流貴族ほど、子を作れない呪いだった。

下級貴族である浮竹は、8人兄弟であった。

4大貴族に近くなるほど、子は作りにくかった。

かつて、朽木白哉は妻をもった。緋真という妻は、子を産むことなく死んでしまった。

霊王の呪いなければ、子を産んでいただろう。

白哉には実の兄弟も姉妹もいなかった。それも呪いの影響であった。

ルキアを義妹にして、白哉はルキアの子に朽木家を継がせることにしているようだった。

「たまには、お前以外とも会いたいな。白哉や、日番谷や」

「僕じゃ不満かい?」

「いや、懐かしく感じるだけで、お前がいてくれるだけで、俺は満足だ」

もしも、京楽と会うのが1年に1回なら。もしも、京楽と会えなくなったら。

気が狂ってしまう。

そう思った。

京楽がいるお陰で、霊王として生きようと思えるのだ。

この尸魂界を、世界を支える柱として、神として贄になろうと。

浮竹は、霊王の力を利用して、世界に霊力を降り注いだ。

それは大地を潤し、死神の力を増して、瀞霊廷は今までにないほどの繁栄を謳歌していた。

瀞霊廷は、貴族だらけの場所ではなくなった。多くの流魂街からの者が、死神となり、力をつけて出世していった。

大戦の傷跡はもうない。

ただ昔、霊王と先代の総隊長が殺されたというだけの、昔話になっていた。

完全に復興を遂げた瀞霊廷で、総隊長である京楽は、仕事をしながら、次に浮竹と会える日を楽しみにしていた。

少し日時をずらして、冬の真っただ中、浮竹の誕生日に会えるように調節していた。

浮竹と会ったら、翡翠の簪をあげようと、大前田のところでかった、金細工のかわいい小鳥の形をあしらった鈴のついた、翡翠の簪が入った箱を、大切そうに何度も撫でた。

「早く君に会いたいよ、浮竹」

その日、瀞霊廷はしんしんと降り積もる雪によって、閉ざされた。

霊王の住まう霊王宮には、雪は降らない。

なので、京楽は自分で作った雪兎を、特殊な金属にいれて保存し、浮竹と会えたその日にプレゼントした。

翡翠の簪も渡した。

「お前が、つけてくれ」

「うん。ああ、似合っているよ」

翡翠の簪は、チリンチリンと、動くたびに小さな音を立てた。

十二単の衣をまとった浮竹に、よく似合っていた。軽く髪を結い上げて、まるで天女かと思うほど、美しかった。

「雪か・・・・次に瀞霊廷に降りるのは4年後だな。霊王の力で、雪を降らせてしまおうか」

「そんなこと、できるの?」

「できない。さすがに天候だけは、どうにもならない」

その言葉に、京楽はクスリと笑って、浮竹を抱きしめた。

「君は霊王だから、なんでもできそうなんだけどね」

「一人の男の心を、射止めておくだけで精一杯だ」

「僕の心は、ずっと君だけのものだよ」

「俺が霊王になってもう100年か・・・月日が過ぎるのは早いな」

「そうだね」

瀞霊廷も尸魂界も平和だった。

小さないざこざはあれど、大きな戦いはなく、霊王である浮竹を狙う輩もいなかった。

「誕生日、おめでとう」

「ああ、ありがとう」

京楽が自分でつくった雪兎をプレゼントすると、浮竹は思った以上に喜んでくれた。霊王の力で雪を霊子に変えて、いつまでも溶けないようにして、寝室にあるテーブルに飾った。

「お前がくれたものは全部嬉しいが、この雪兎はとても嬉しい。霊王宮の外はいつも春の気候で、雪が降らないから」

「いつも春なら、君の体にもいいね」

霊王になった時に、肺の病は癒えた。同時に病弱であった体も健康体に戻った。

月に一度の逢瀬が、肺の病や熱が出るから無理、というのはなくて正直嬉しかった。でも、時折浮竹は熱を出した。

病弱であった体の名残が、霊王になってもまだ付きまとっていた。

春の気候は、浮竹の体にとてもよかった。

「春水、俺を抱いてくれ」

浮竹は、自分から京楽を押し倒していた。

「わお、熱烈だね。大歓迎だよ」

「月に一度しか会えないんだ。体が疼く」

霊王になる前は、週に一度は抱かれていた。月に一度は、少ないけれど、霊王である浮竹が京楽に会うには限度がいった。

霊王は清浄なる存在。

いくら、霊王を抱いて同じような清浄の気を宿した京楽でも、浮竹を抱くことは汚すに等しい。

それでも、浮竹は京楽に抱かれたがった。

院生時代に覚えた浅ましい欲は、霊王になっても消えなかった。

隊長になってから、ずっと京楽に抱かれてきた。京楽に抱かれるのは、好きだった。

「いいよ。おいで、十四郎」

すり寄ってくる浮竹を抱きしめて、京楽は苦労して十二単を脱がせながら、浮竹の白い肌にキスマークを残して、花を咲かせていった。

「んっ」

胸の先端を甘噛みされて、ぴりりと浮竹はしびれる体をもてあます。

今から抱かれるという思いに、花茎はだらだらと先走りの蜜を零して、京楽が与えてくれる快感に夢中になった。

「ああ!」

やんわりと手でしごかれて、たまっていた体はあっけなく吐精していた。

「随分早いね。たまってた?」

「俺は、自分でぬいたりしてないから・・・たまってる。もっとお前をくれ」

「十四郎、愛してるよ」

深く口づけると、浮竹は京楽の背中に手をまわした。

「んっ、春水、俺も、愛して・・・ああっ」

京楽は、潤滑油を手に浮竹の蕾に指を侵入させた。

まだ心の準備が整っていなかった浮竹は、いきなり入ってきた指に驚いて、びくんと体をはねさせた。

「きつい?」

「いや、いきなりで驚いただけだ。続けていいぞ」

「うん」

蕾をぐちゃぐちゃと解して、指を3本まで増やした。

ぬるりと、そこに京楽の舌がはいってきて、浮竹は声をあげた。

「やっ、何を!」

「君はここも甘いんだね」

浮竹は、霊王になってから体が甘くなった。純度の高い霊子で構築された体は、とにかく甘かった。

秘所に舌をはわして、浮竹を刺激しつつ、京楽は服を脱いだ。

ぎんぎんにそそり立った己のものを、浮竹の腰にすりよせる。

「あ!」

それで犯されるのだと、浮竹は期待で体が疼いた。

「挿れるよ。力ぬいて」

「ああああ!!!」

一気に引き裂かれて、けれど痛みはなく、快感に頭が真っ白になった。

ぐぽんと結腸にまで入ってきた京楽を強く締め付けて、京楽はそれに眉を寄せる。

「んっ、君を味わいたいけど、いきなりだけど出そうだ。奥に注ぐから、孕んでね」

「あ、出して!春水の子種、俺の奥にいっぱい」

びゅるびゅると、京楽は浮竹の奥で弾けた。

「ああ!」

何度も何度も突き上げられて、浮竹は精液を零しつつ、乱れた。

オーガズムでいくことを覚えた体は、射精しながら同時に中いきをして、浮竹は呼吸を荒くする。

「あっ、や、もれる、やだ、やだ!」

「潮でしょ。十四郎、大丈夫」

「あ、や!」

潮をふきあげて、浮竹は最奥の結腸にごりごりと京楽のものが押し付けられるのを認識しながら、またオーガズムでいっていた。

「やぁ、奥は、奥は弱いから、やぁっ!」

「でも、いいんでしょ?好きだよね、奥をごりごりされるの」

「いやぁ」

前立腺をすりあげられて、最奥もつかれて、浮竹は啼くことしかできなかった。

「ねぇ、浮竹。太もも、閉じられる?」

「え?」

「素股やってみたい」

「あ・・・・うん」

浮竹は、広げていた足を閉じた。

そこに、京楽は怒張したままの己を、背後から浮竹の閉じられた浮竹の太ももにはさんで、sexをしているように、出し入れを繰り返した。

「気持ちいい?」

「うん、最高だよ。浮竹の中もいいけど、これもすごく気持ちいい」

京楽は、浮竹の太ももに精液を散らした。

「まだいけるよね?今日の日のために、涅隊長から特製の精強剤作ってもらって飲んできたから。まだまだ、付き合ってもらうよ」

「あ、や・・・・・壊れる」

「壊れるくらい、抱いてあげる」



「やぁっ、もうやっ・・・許してぇ」

「僕は、まだいけるよ。十四郎もがんばって」

最奥に侵入してきた京楽を締め上げながら、浮竹は泣いていた。

泣かせてしまったことに罪悪感を抱きながらも、浮竹を抱けるのは月に一度だけなので、京楽は思うまま浮竹を貪った。

結局、京楽は7回はいった。

それに付き合わされた浮竹は、意識を飛ばしてぐったりしていた。

「ごめんね、十四郎」

あげた翡翠の簪は畳の上に転がっていた。

浮竹を抱き上げて、風呂に入らせた。かなり無理をさせてしまったみたいで、いつもなら覚醒するのに、浮竹は眠ったままだった。

京楽に汚されても、浮竹の存在は清いままで、逆に京楽が清められた。


浮竹の長い髪を、京楽は乾かしていた。

風呂で浮竹の中に吐いたものをかき出すと、とろとろと零れていき、自分でもよくこんなに出したものだと思った。

「ん・・・京楽?」

3時間ほどして、浮竹が気づいた。

「浮竹、大丈夫?」

「うあ・・・腰が痛すぎる。回道かけとこう」

霊王であるが、死神の頃に覚えた鬼道や回道は使えた。

やがて、腰の痛みもとれた浮竹は、京楽に身を寄せて、甘い京楽という名の毒に浸る。

「俺は、気を失っていたのか」

「うん。ごめんね、ちょっとやりすぎちゃった」

「まぁいい。俺も、気持ちよかったし」

京楽と交わるのは、一種の毒。

それを霊王の力で浄化して、そして交じりあう。

京楽は霊王である浮竹を抱きすぎて、その体は清浄なる者に近くなっていて、霊王しか出入りできない空間でも入ることができた。

その気になれば、霊王宮にも侵入できるだろうが、後が怖いのでそれはしなかった。

「今の京楽なら、穢れも払えるな。今度、霊王宮で尸魂界の穢れを払う祭事がある。使いをよこすから、お前も参加しろ。清める者は多いほうがいい

「浮竹に会えるなら、参加するよ。でも、僕ってそんな力あるの?」

「俺を散々抱いたせいでな」

「なんだか不思議な感覚。君を抱けるのは嬉しいけど、そんな風になるなんて思ってもみなかった」

霊王である浮竹は、世界の柱。世界そのもの。神。

そんな浮竹に触れることが許されるのは、この世界では京楽だけ。京楽だけが浮竹のいる霊王宮まで来ることができて、浮竹を抱くことができた。

院生時代に覚えた浅ましい欲は、隊長になって想いが通じあったことで具現化し、浮竹が霊王となった今でも続いていた。

「浮竹、おいで。髪結ってあげる。翡翠の簪も飾ってあげる」

浮竹は、素直に京楽の傍にやってきた。

螺鈿細工の櫛で、浮竹の長い長い白髪を梳りながら、髪の一部を結い上げて、翡翠の簪を飾った。

ちりんちりん。

浮竹が動くたびに、ついている金の鈴が軽やか音をたてる。

今まで、たくさんの贈り物をしてきたが、浮竹は受け取っても大切にしまいこむ性質で、翡翠の簪は常に身に着けられるので正解だった。

「京楽がまたくる次の月まで、これを京楽だと思って大切にする」

霊王は、下界を見ることができる。

京楽が恋しくなったら、浮竹は時折下界にその眼(まなこ)を向けて、京楽を見つめていた。

見ることはできるけれど、近くにいれない。そのもどかしさが、苦しかった。

月に一度の逢瀬は、浮竹の我儘から始まった。京楽に会えないなら自害すると、首に剣をあてて本当に頸動脈の近くをかき切った。

慌てた零番隊が、京楽を浮竹の元に送り届けてきた。

月に一度、と決めて、浮竹は京楽と出会えるようになった。

本当は、下界に降りたいのだけど、霊王は虚の特上の餌なので、霊王を損なうことは世界を失うことなので、10年に一度の祭事にだけ、下界に降りることを許された。

護廷13隊の隊長副隊長が見守る中で祭事を行う。

護廷13隊が揃っていれば、虚の心配もない。

といっても、霊圧を消して浮竹は京楽と、下界に降りた後も睦み合っていた。霊王としての力がを制御するのは簡単ではない。

それでも、京楽の隣に居たい一心で、コントロールを可能にした。

「また、会いにきてくれ。今度は1月の半ばだ」

「正月の祝いもの、持ってくるね」

「ああ、楽しみにしている」

霊王宮では、四季の祭りごとがない。それでも、霊王である浮竹を喜ばせようと、身の回りの世話をする者たちは、下界の季節の祝い事を真似てくれた。

大晦日には、年越しそばを食べて、正月には、餅を焼いて食う。

しめ縄を飾り、年明けを祝った。

でも、隣に京楽がいないので、浮竹はいつもどこか寂しそうだった。

京楽がきた次の日から数日は、浮竹は上機嫌で、身の回りの世話をする者も零番隊も、そんな浮竹をみて、ほっと心を穏やかにするのであった。

当代の霊王は、総隊長の死神に夢中である。

霊王宮のある天界で、それを知らぬ者はいなかった。

それほどに、霊王である浮竹は京楽に夢中だった。

霊王なった時から、100年経った今でも、そしてこれからもそれは変わらない。

悠久の時を、二人は逢瀬をを楽しみながら、生きていく。














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