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僕はそうして君におちていく13

私は、小さかった。

私は、愛されていた。

私も、愛していた。

私は世界。私は死神が嫌いだ。

私は楔。あるいは人柱。

私は霊王。

霊王は私。

小さき者。

右腕。

私は殺される。ユーハバッハに。

けれど、私は私を宿した者に蘇る。

私の右腕を、宿らせた者の中に、私は宿る。


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大戦があった。

長い平和を脅かした藍染の反乱から約2年後。

大戦があった。

多くの死神が死んだ。

霊王もまた、ユーハバッハの手により、死んだ。

そして、世界はゆっくりと崩壊していく。

浮竹は、自分の肺に宿らせたミミハギ様を解放して、神掛を行った。

世界の崩壊は止まった。

浮竹は、死ぬはずであった。

けれど、そこに呪いがあった。霊王の呪い。

己の右腕を宿らせた者にの中に、霊王は宿った。

浮竹は、霊王になった。

霊王になった浮竹は、尸魂界の瀞霊廷にいることはできなかった。

零番隊の守る、霊王がいるべき霊王宮へと移動を余儀なくされた。

霊王になった浮竹に課せられたのは、世界に在り、ただ見守ること。

私は霊王。俺は霊王。私は俺。俺は私。

混合する意識の狭間で、浮竹はまどろみながら思う。

愛した人がいた。愛していた。いや、今も愛している。

隻眼の、鳶色の瞳をした男。

総隊長と、呼ばれる者。


私は、夢を見る。

京楽という名の男に、愛される夢を。

そして、私は願う。

また、京楽に会いたいと。

その腕に抱かれたいと、浅ましい欲を抱く。


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「霊王につきましては、ご機嫌うるわしゅう・・・・・・」

「堅苦しいことはいい。俺がお前を呼んだんだ。お前も、霊王ではなく俺をただの浮竹として接しろ」

「しかし、今の君は霊王だ。僕なんかが、触れていいはずがない」

「だから、それもなんとかする。今、霊王の意識は眠っている。ここにいるのは、ただのお前に愛された、浮竹十四郎だ。京楽、俺を抱け」

霊王の意識を身体の隅に追いやった浮竹は、京楽を見た。

京楽の瞳には、死んだはずの浮竹が、霊王として生きているという喜びがあった。

本当は、触れることは禁忌。

まして、霊王をその手で抱くなど、存在を汚すようなものだ。

けれど、霊王でもある浮竹はそれを欲していた。

私は、俺は、浮竹十四郎。総隊長、京楽春水に愛された、1人の死神。

「俺を、抱け」

「言われるままに・・・・」

京楽は、十二単の衣をきた浮竹を胸にかき抱き、衣を脱がしていく。

やや乱暴に口づけると、浮竹は自分から唇を開いて、京楽の熱い舌を受け入れた。

十二単の衣を全部脱がせるのは、重労働だった。

やっと肌着になった浮竹の最後の服を脱がす。

「あっ」

体の全体を愛撫して、薄い胸に舌を這わせて、先端を口に含んで転がすと、浮竹は声を出していた。

何度も交わったせいで、すでに性感帯となっていた。

京楽は、浮竹の花茎を口に含んだ。

「ああっ」

浮竹がのけ反る。

弱い部分を舐めあげながら、潤滑油に濡れた指を蕾に居れた。

「あ、前も後ろもなんて、あ、あ、ああああ!!」

浮竹は、びくんと痙攣して、京楽の口の中で果てていた。

「やっ、いってるから、いってるから!」

前立腺をこりこり刺激されて、オーガズムでいってしまっていた。

「も、いいから・・・・・こい、春水」

「だめだよ。もっと、とろとろになるまで解さなないと。大事な霊王の体に、傷なんてつけれないからね」

「やあっ」

「ああ、いいね、その視線。ぞくぞくする」

睥睨するような、霊王としての顔に、京楽は支配するという優越感を抱いた。

霊王が、自分の下で乱れ、啼いている。

誰もが崇める、あの霊王が。

「あ、春水・・・・・」

切なそうに見つめられて、京楽も我慢ができなくなった。

「挿れるよ」

「んっ」

カリの部分がズッと音をたてて入り込むと、あとはずるずると中に侵入していくだけだった。

「ああああ!」

引き裂かれる痛みと快感に、生理的な涙が零れる。

その涙を吸い上げて、京楽は浮竹に口づける。

「ひあ!」

何度も入口まで引いて、奥まで突き上げた。

「ああ!」

ごりっと音がして、京楽のものが浮竹の最奥である結腸に入ったのがわかる。

「君の奥が、きゅんきゅんしてる。ぶちまけるから、全部飲んでね」

「あああ!」

ごりごりと奥を、前立腺をすりあげて突き上げられて、浮竹は精液を迸らせていた。

同時に、京楽も浮竹の奥で、熱い熱を放った。


「ん・・・・俺は、意識を失っていたのか?」

「大丈夫、浮竹?」

「ああ。体を清めてくれたのか」

「うん。ご満足かな、霊王様」

「ああ、下等な死神に抱かれて満足だ」

そこは霊王宮。

普通なら、零番隊や身の回りの世話をする者だけが立ち入りを許される場所。

そんな場所に、京楽はいた。

浮竹・・・・霊王は、月に一度、霊王宮に京楽を招きいれた。

京楽は、呼ばれると禊を行い、自分の身を清浄にしてから、霊王である浮竹と会った。

霊王である浮竹は、瀞霊廷をその眼(まなこ)で見ていたが、暇であった。

何より、愛しい者が傍にいないことが不安だった。

「京楽春水、霊王のお召しに参上仕りました」

「よくきたな。私は・・・・俺は、霊王であると同時に浮竹十四郎である。堅苦しい言葉遣いはいらない」

「じゃあ、浮竹。また、会いにきたよ。月に一度だもの。今日は、君が嫌っていっても抱くよ。とろとろになるまで、愛してあげる」

私は、俺は、恋をしている。

隻眼の鳶色の瞳をした、この男に。

遠い昔から、好きだった。

出会ってから、ずっとずっと。

「俺を抱け、春水」

霊王としての意識を眠らせて、浮竹は十二単の衣を引きずって、京楽と共に寝所に向かう。

十二単は、霊王である浮竹の正装であった。

美しい布に包まれた浮竹もまた、美しかった。

昔のような中性的な容姿を保ったままで。

これからも、霊王である浮竹が望む限り、許されし月に一度逢瀬を重ねる。


私は、俺は、霊王。

けれど、死神であった。

この男を、愛している。

そして、愛されていた。


「愛しているよ、十四郎」

「俺もだ、春水」

霊王は、今日も霊王宮で月に一度の愛を囁き囁かれる。

どんなに汚しても、霊王は清らかだった。不浄なる存在にはなりえなかった。

浮竹十四郎。

それは、私の残滓が残した、かわいい私の器にして、私そのもの。俺そのもの。

私は生きる。

俺は生きる。

霊王として。

京楽に愛された、浮竹十四郎として。



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