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僕は君の瞳の色の名を知らない8

山じいの茶会に招かれた。

浮竹はともかく、京楽は正座に足がしびれてもじもじしていた。

「春水、ちゃんと座らんか!」

「あー、無理!僕、正座苦手なんだよ」

足を崩す京楽に、山じいのげんこつが飛ぶ。

「十四郎を見よ。綺麗に正座の姿勢を保っておるじゃろうが」

「浮竹は浮竹、僕は僕だよ」

あぐらをかきはじめる京楽に、もう一度げんこつをするが、山じいも諦めているのか正座をしろとはそれ以上言ってこなかった。

浮竹は、綺麗な所作で茶を飲み、茶菓子を食べる。

本来なら、上流貴族である京楽のほうが、こういったことを嗜むはずなのだが、京楽は茶道や華道、書道などめんどくさいと、興味さえ見せない。

浮竹がよくお世話になっている、4番隊隊長の卯の花の姿もあった。

「卯の花隊長、お元気ですか?」

「そういう浮竹さんも、お元気そうで。最近は入院しなくなり、ほっとしています」

「最近は、暑さも大分和らいで、過ごしやすい季節になっているので。夏風邪も今年はひかなかったし、比較的体調がいい日が続いています」

「それが長続きするとよいですね」

卯の花は、ぺこりとお辞儀をして、去っていった。

京楽と浮竹も去ろうとすると、山じいに呼び止められた。

「お主ら、もう卍解を習得しておるな?」

「なんのことかなぁ、山じい」

「わしの目は欺けんぞ」

「先生・・・・」

「学院生徒でありながら、卍解をすでに習得しているとなると、死神になって欠員が出たらすぐに隊長じゃろうな。お主らには100年ほどは席官として地道に歩んでいってほしかったが、それも無理なようじゃ。お主らのもつ霊圧は、すでに隊長格じゃ」

「ほめすぎじゃないかなぁ」

「先生、俺たちはまだ4回生ですよ。隊長だなんて、そんな」

京楽と浮竹の笑顔が、引きつっていた。

死神となって、しばらくはのらりくらりと人生を歩みたかったが、備わっている器と霊圧がそれを許してくれそうになかった。

すでに、斬魄刀はある。

浮竹は双魚理を。京楽は花天狂骨を。

卍解は、確かにできた。まだ未完成ではあるが。

「山じい、隊長云々は死神になってからしようよ」

「そうです、先生。卒業まであと2年もあるんです。早すぎます」

「6年の学院じゃが、お主らのように才に恵まれた者をいつまでも生徒として燻らせるのも気が引ける。そのうち、スキップ制度をもうけて、才能があれば学生生活を短縮させることを考えておるのじゃ」

「それはいいね、山じい。正直、もう今の授業は受けてももう意味がない気がするんだ。早くに卒業できるようになるなら、それにこしたことはないよ」

「うむ」

山じいも、納得した。

「じゃあ、山じいまたね」

「先生、また稽古をつけてくださいね」

「分かっておる」

もうすでに、浮竹と京楽は自分たち以外で生徒の中で剣術に秀でた者はおらず、いつも京楽と浮竹が組まされていた。

山じいの特訓は、とても過酷だが、成長に必要なものだと二人とも分かっていた。


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「ねぇ、浮竹」

「なんだ?」

「学院を卒業して死神になったら、お互い忙しくなるだろうね」

「仕方ないことだろう」

「そうだね。こうやって、いちゃつく日々もなかなかとれないんだろうなぁ」

京楽は、浮竹を膝に座らせて、その長くなった白髪を手ですいていた。

「ねぇ。これ、もらってくれる?」

ふと京楽が取り出したものは、翡翠をあしらったペアリングだった。

「こんなの・・・恥ずかしくて、つけれない」

「そう言うと思って、チェーン用意しておいたんだ。これに通して、首にかけようよ。一緒に」

「また、高かったんじゃないのか」

「それは義業秘密v」

浮竹は、ちょっとしぶい顔をしながらも、喜んでくれた。

浮竹を抱きしめていると、京楽はその温かさに安堵を覚える。

「ねぇ。死神になっても、僕より先に逝かないでね」

「それはこっちの台詞だ」

浮竹をベッドに押し倒すと、浮竹は目を閉じた。

口づけの雨を降らしながら、衣服を脱がしていく。

「んんっ・・・・・・」

うなじと鎖骨に、キスマークを残した。

首筋は目立つので、だめだと言われている。

「あ・・・・」

胸の先端を指がかすめると、浮竹は切ない声を出した。

「ここ、きもちいい?」

ゆっくりと摘まみあげると、ぞくぞくとした感覚が浮竹を襲った。

「んっ・・・・きもちいい・・」

「浮竹は、随分と淫乱になちゃったね。胸で感じるなんて」

「そうさせたのは、お前だろうがっ」

浮竹が熱い吐息を吐くと、京楽はぺろりと自分の唇を舐めた。

潤滑油をとりだして、浮竹のものにも自分のものにも注ぎ、指も潤滑油で濡らし、蕾を解していく。

「ふふふ、君のここ、びしょぬれだね」

「お前のせいだろうがっ!」

潤滑油を零すからだと叫んでやりたかった。

「ぬるぬるして、気持ちいい?」

浮竹の花茎を手でしごき、勃起させるとにゅるにゅると潤滑油の滑りをかりて、いつもより動きが早くなる。

「んあっ!」

びゅるびゅると、精子が勢いよく浮竹の腹にはねた。

指を蕾の中に入れて、動かしていく。

「あ!」

びくんと、浮竹が痙攣する。そこが、浮竹のいい場所だと知っているので、執拗に攻めた。

「やっ、もう・・・・・・あ、早く、来い!」

「いれるよ」

ずるりと指が引き抜かれて、京楽のものが宛がわれる。

「あああああ!!!」

一気に引き裂かれて、浮竹は涙を零していた。

「ごめん、痛い?」

「大丈夫だ・・・・」

瞳は涙で濡れていたが、それは快感によるものだった。

「あ、あ・・・・んあっ」

ゆっくりと、強弱をつけて、京楽のものが出入りする。

中は潤滑油のせいで動くとぬるぬるしていたが、熱くて締め付けてくる。

「君の中・・・すごいね。うねってる」

胎が疼いた。

浮竹は、京楽を求める。

「あ、もっと・・・・春水、春水!」

「僕はちゃんとここにいるよ、十四郎」

水の膜をはった、緑の瞳と目が合う。

「あ・・・」

ぽろりと、大きな瞳から涙が零れ落ちた。

「快感で・・・・・あたまが、変に、なる・・・・・」

京楽は、浮竹の弱いところばかりをすりあげて、先に浮竹が達してしまった。

「あ、あ、お前も・・・・・俺の中でいけ」

「うん、僕ももう限界かも」

じゅぷじゅぷと音を立てて、浮竹を犯す。

「胎の奥が、疼くんだ。お前で、満たしてくれ」

「ん・・・・いくよ。受け取って、僕の熱を」

「あ・・・・・ああああ!!!」

京楽は、浮竹の最奥まで入り込むと、精子を浮竹の胎に注ぎこんだ。

「あ・・・・好きだ、春水」

「僕も大好きだよ、十四郎」

抱きしめ合い、口づけを交わす。

浮竹はぐったりとなった。いつも交わった後はこうなる。京楽が、濡れたタオルで浮竹の体を綺麗にふいて、バスタオルをひいて中にだしたものをかき出した。

「ほんとはもう1回したいけど、無理そうだね」

「今日は、1回きりにしてくれ」

「うん」

京楽はベッドのシーツをかえて、浮竹を抱きしめる。

「また明日、抱いていい?」

「体調がよければな」

最近の京楽は、がっつかない。穏やかだ。



僕はね。

君の瞳の色の名前を、本当は、知っているんだよ。




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