兎年だから
「・・・・何をそんなに見ている」
「な、なんでもありません!」
恋次がじっと見ていたのは、白哉の頭の上にある兎耳だった。
なんでも、ルキアが一護に飲ませようとしていた薬いりのお茶を、間違って飲んでしまったらしい。涅マユリの薬で、解毒剤はなく、3日もすれば自然と消えるとのことで。
でも、真面目な白哉は病欠でもないので、その程度のことで仕事は休まないと言って、出てきたのだ。
6番隊の皆が、白哉の兎耳を見ていた。
ああもう。
隊長は俺のなのに。
恋次は不満たらたらだった。確かに、兎耳を生やした隊長は愛らしい。でも、元から整った顔立ちで目立つのに、更に目立って、女死神でなく男死神からもくる視線が鬱陶しかった。
6番隊の隊士を集めての連絡は終わり、白哉が執務室に向かって歩きだす。それにつられて、たくさんの隊士たちが動いた。
「あの、朽木隊長その耳は本物ですか?」
「よかったら触らせて・・・・」
ギロリと、氷の眼差しで睨まれて、一般隊士たちは動けなくなっていた。
席官数名は、白哉の言動に慣れているので、3席の理吉などは平然と白哉を受け入れていた。
以前、猫耳を生やしてやってきたことがあった。あれは、一護がルキアに飲ませようとした茶を、間違えて飲んだせいだった。
一護とルキアは、思いあっているのはいいが、たまに互いに変な薬を飲ませようとする。それを間違って、とばっちりで白哉が薬を飲んでしまうことが多い。
一度、一護とルキアに文句を言おうと決めた。
「そんなにこの耳が気になるのか」
「はい」
兎耳は真っ白で、内側がピンク色だった。
「特別だ。触ってもよい」
「ほんとですか!」
恋次は喜んだ。
さっそくと、白哉の背後に回る。
「思ったより、冷たいですね」
兎耳の外側は、ふわふわの毛でおおわれていたが、思ったほど体温がなかった。もっと暖かいものだと勘違いしていたので、不思議に思った。
「うさぎは汗をかく機能が発達していない。細かな血管が行き渡った耳を外気にさらし、放熱して体温を調節している。だから、少し冷たくて当たり前なのだ。冷たすぎるのは体温が下がっている証だから、気をつけねばならぬが」
「隊長、物知りですね!」
「子供の頃・・・兎を飼っていた」
「隊長が!」
今からでは、想像もできない。
子供の頃の隊長もかわいかったんだろうなぁと、想像する恋次。
もふもふしていると、白哉が言う。
「もういいだろう、いい加減にしろ恋次」
「いや、もう少しだけ・・・骨ないし、なんかすべすべしてきもちいい・・・・」
「んっ・・・・・」
「え?隊長?」
恋次の聞き間違いかと思った。
「もういいであろう、耳をあまり触るな」
「もう少し・・」
「ん・・・あっ・・・・」
君間違いではなかった。白哉は、兎耳を触られて感じていたのだ。
「隊長、きもちいいですか?」
こりこりしている兎耳を、撫でまわすと、白哉は真っ赤になった。
「も、もうやめろ。恋次!」
怒られて、恋次はぱっと兎耳から手を離した。
その代わり、白哉を抱き締める。
「恋次、仕事中だ・・・・」
「少しくらい、いいじゃないっすか・・・」
白哉を抱き締めて、唇を重ねると、白哉の兎耳がぴこぴこと動いた。
深く口づけると、また動いた。
「隊長の兎耳、一緒に動くんですね。すっげーかわいい」
「あ、勝手に・・・・」
恋次は、兎耳をかじった。
「ひゃっ」
「隊長?感じた?」
「このたわけが!」
まるで、ルキアのような台詞だ。
白哉は真っ赤になって、恋次を払いのけた。
「兎耳がとれるまで、接触禁止だ!」
「ええ、まじですか」
けれど、その言葉もむなしく、白哉は結局次の日恋次おいしくいただかれてしまうのであった。
「な、なんでもありません!」
恋次がじっと見ていたのは、白哉の頭の上にある兎耳だった。
なんでも、ルキアが一護に飲ませようとしていた薬いりのお茶を、間違って飲んでしまったらしい。涅マユリの薬で、解毒剤はなく、3日もすれば自然と消えるとのことで。
でも、真面目な白哉は病欠でもないので、その程度のことで仕事は休まないと言って、出てきたのだ。
6番隊の皆が、白哉の兎耳を見ていた。
ああもう。
隊長は俺のなのに。
恋次は不満たらたらだった。確かに、兎耳を生やした隊長は愛らしい。でも、元から整った顔立ちで目立つのに、更に目立って、女死神でなく男死神からもくる視線が鬱陶しかった。
6番隊の隊士を集めての連絡は終わり、白哉が執務室に向かって歩きだす。それにつられて、たくさんの隊士たちが動いた。
「あの、朽木隊長その耳は本物ですか?」
「よかったら触らせて・・・・」
ギロリと、氷の眼差しで睨まれて、一般隊士たちは動けなくなっていた。
席官数名は、白哉の言動に慣れているので、3席の理吉などは平然と白哉を受け入れていた。
以前、猫耳を生やしてやってきたことがあった。あれは、一護がルキアに飲ませようとした茶を、間違えて飲んだせいだった。
一護とルキアは、思いあっているのはいいが、たまに互いに変な薬を飲ませようとする。それを間違って、とばっちりで白哉が薬を飲んでしまうことが多い。
一度、一護とルキアに文句を言おうと決めた。
「そんなにこの耳が気になるのか」
「はい」
兎耳は真っ白で、内側がピンク色だった。
「特別だ。触ってもよい」
「ほんとですか!」
恋次は喜んだ。
さっそくと、白哉の背後に回る。
「思ったより、冷たいですね」
兎耳の外側は、ふわふわの毛でおおわれていたが、思ったほど体温がなかった。もっと暖かいものだと勘違いしていたので、不思議に思った。
「うさぎは汗をかく機能が発達していない。細かな血管が行き渡った耳を外気にさらし、放熱して体温を調節している。だから、少し冷たくて当たり前なのだ。冷たすぎるのは体温が下がっている証だから、気をつけねばならぬが」
「隊長、物知りですね!」
「子供の頃・・・兎を飼っていた」
「隊長が!」
今からでは、想像もできない。
子供の頃の隊長もかわいかったんだろうなぁと、想像する恋次。
もふもふしていると、白哉が言う。
「もういいだろう、いい加減にしろ恋次」
「いや、もう少しだけ・・・骨ないし、なんかすべすべしてきもちいい・・・・」
「んっ・・・・・」
「え?隊長?」
恋次の聞き間違いかと思った。
「もういいであろう、耳をあまり触るな」
「もう少し・・」
「ん・・・あっ・・・・」
君間違いではなかった。白哉は、兎耳を触られて感じていたのだ。
「隊長、きもちいいですか?」
こりこりしている兎耳を、撫でまわすと、白哉は真っ赤になった。
「も、もうやめろ。恋次!」
怒られて、恋次はぱっと兎耳から手を離した。
その代わり、白哉を抱き締める。
「恋次、仕事中だ・・・・」
「少しくらい、いいじゃないっすか・・・」
白哉を抱き締めて、唇を重ねると、白哉の兎耳がぴこぴこと動いた。
深く口づけると、また動いた。
「隊長の兎耳、一緒に動くんですね。すっげーかわいい」
「あ、勝手に・・・・」
恋次は、兎耳をかじった。
「ひゃっ」
「隊長?感じた?」
「このたわけが!」
まるで、ルキアのような台詞だ。
白哉は真っ赤になって、恋次を払いのけた。
「兎耳がとれるまで、接触禁止だ!」
「ええ、まじですか」
けれど、その言葉もむなしく、白哉は結局次の日恋次おいしくいただかれてしまうのであった。
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