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再婚

「ルキア、好きだ」

「ふ、冗談も休み休みにしておけ。貴様には井上がいるであろうが」

「離婚した」

その言葉に、ルキアが目を見開く。

「結婚して、まだ1か月であろう!?」

「ああ。でも気づいたんだ。ずっとルキアが好きだって。井上‥‥‥織姫を愛していると思っていたけど、違った。俺が愛していたのはルキア、お前だ」

「やめよ。私には恋次が」

「恋次と、うまくいってないんだろ?」

「何故それを知っている」

「恋次から聞いた」

「恋次、あやつめ‥‥‥‥」

ルキアは、大きくため息をついた。

「白状する。一護、貴様のことがずっと好きだった。しかし貴様は人間。同じ人間である井上と結婚するのが一番だと思って、思いを隠していた。恋次と結婚すれば、この恋心も消えるであろうと思っていた」

「ルキア‥‥」

一護は、ルキアの華奢な体を抱きしめた。

「私はもう、体は恋次のものになってしまった。それでも、私を好きでいてくれるか?」

「俺も、井上‥‥織姫を抱いちまった。それでも、お前が好きだ」

一護とルキアは、どちらともなしに衣服を脱がし合いながら、キスをする。

「恋次と離婚する」

「恋次のやつ、頷いてくれるか?」

行為が終わり、一護はルキアをただ抱きしめていた。

「ん‥‥貴様が中に出したものがあふれてきた」

「風呂、入るか」

「ああ」

そこは、一護が一人暮らしをはじめたアパートだった。

翻訳家になったので、外に仕事に行くことはあまりない。一時は井上がおしかけてきたが、今では誰もこない。

「なぁ。お前さえよければ、このアパートで一緒に暮らさないか」

「しかし、仕事が」

「ああ。週末だけ現世にきてくれればいいから」

「まるで、通い妻だな?」

「そうだな」

一護とルキアは一緒に風呂に入り、そこでも行為に及んだ。

「この義骸は子を産める。もしかしたら、孕んだやもしれぬな」

「そしたら、産んでくれるか?」

「もしも、できていたのであればな」

ルキアは一度 尸魂界にもどった。

いろいろとごたごたがあり、結局ルキアは恋次と離婚した。そして、現世で一護と再婚した。

「子が、いるのだ。腹のなかに」

「まじか。男の子か女の子かどっちだろう」

「ふふ、こんな最低な二人の間にも、子は平等に生まれるのだな」

ルキアは、まだ膨らんでもいない腹部を愛しそうに撫でる。

一護も、ルキアの腹部を撫でた。

「ルキア。幸せになろう」

「うむ。恋次と誓いあったからな。一護と幸せになると」

「俺もだ。井上と誓った」

ルキアは、尸魂界で普段暮らし、13番隊隊長を務めながら、週末になると現世の一護のアパートで過ごした。

やがて、月日も経ち、二人の間に子が生まれた。

子は、死神だった。

一護は、自分から代行ではなく、本物の死神になることを選び、現世の家を引き払って、尸魂界でルキアと一緒に暮らし始めた。

「ルキア、おはよう」

「おはよう、一護。朝食はできておるぞ」

ルキアは、朽木家からよこされた家政婦を雇い、隊長としての忙しい日々と母としての忙しい日々も送っていた。

一護は、話し合いの結果、ルキアのいる13番隊へしばらくの間死神業務に慣れるために配属が決まり、二人は1日ほぼ一緒にいた。

「おぎゃあ、おぎゃああ」

泣き出した子供をあやして、ルキアは家政婦に後のことを頼む。

「では行ってくる。一護、先に行くぞ」

「待ってくれよ。俺も行くから」

歪な愛の形から始まったが、今は幸せだった。

「ルキア、好きだ」

「ああ、私も好きだ、一護」

二人の死神は、再婚して幸せになった。

不幸にしてしまった人はいたけれど、そちらも新しい出会いを得て幸せになっていく。



「子を、もう一人作らぬか」

「いいのか?」

「苺花だけでは、かわいそうに思えてな」

子は女の子で、苺花と名付けられ、2歳になっていた。

「今度は、男の子がいいな」

「ふふ、そればかりは分からぬ」

一護とルキアはキスをして、乱れ合っていく。

今までずっと避妊していたが、その日から避妊しなかった。

やがて半年が経ち、ルキアは懐妊した。

「子は、男の子だそうだ」

「そうか!愛してるぜ、ルキア」

「私も愛している、一護」

浮気から始まった恋であったが、幸せになれた。離別した相手も、今は幸せになっていた。

幼い苺花を連れて、白哉の元にたまに顔を見せにいく。

「ルキア、今幸せか?」

「はい、兄様」

「黒崎一護、これからもルキアを幸せにできるか」

「魂をかけて誓う。幸せにし続ける」

「そうか‥‥‥‥」

白哉はルキアが離婚を決めた時、叱責しなかった。

本人たちの問題であると、恋次とルキアに任せて、一護と再婚すると言い出した時は天を仰いだが、今では一護も家族であった。

「いつまでも、幸せにな」

「はい、兄様」

「白哉も、幸せになれよ」

「ふ、兄は相変わらずだな。まぁよい。では、ルキアまた会う時まで」

「はい」

「またな、白哉」

愛の形は人それぞれ。

結婚してから、違う誰かが好きだったと気づいてしまった。

もう、手遅れかもしれないと思いつつも、相手に本当の気持ちを伝えて理解してもらった。

再婚という形になるが、ルキアと一護は幸せだった。

その幸せは長く続くのであった。




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