忍者ブログ

プログ

小説掲載プログ
10 2024/11 14 2324 27 28 29 30 12

卯ノ花の想い

「斬りあいを続けましょう、更木隊長」

「へっ、そうこなくっちゃな!」

「卍解・・・・・皆尽」

卯ノ花の霊圧が一気にあがった。

それをさも楽しそうに、更木が受け止める。

「これは私の罪--------------」

「何言ってやがんだ!もっと斬りこんでこい!」

皆尽によって、卯ノ花は全身に負ってい傷を回復させた。

「へっ、上等じゃなねぇかよ」

一方の更木は、血にまみれで傷だらけた。

卯ノ花は、皆尽の能力で、更木の怪我を癒した。

「てめぇ、なんのつもりだ」

「あなたと、少しでも長く戦っていたい。血が騒ぐのです。初代剣八としての血が」

「ぬかしてろ!」

「あなたとの戦いは、甘い痺れのようだ」

「随分と、官能的な言葉を吐きやがるな」

キンキンカキン。

斬魄刀と斬魄刀をぶつけ合った。

「きっと、私は心の何処かで、あなたを愛してたんでしょうね」

更木が、悲しそうな顔をした。

「そんな府抜けた感情で、俺に勝つつもりか!」

「いいえ----------------勝つのは、あなただ」

何度も斬り結び合った。

卯ノ花が癒してくれた傷以上の傷を負っていた。出血のしすぎで、体がふらつく。

ザシュリと、卯ノ花の胸を貫いた更木の斬魄刀。

「おい・・・・・・・・」

「もう、私もおしまいのようですね。もっとあなたと戦っていたかった。でも、あなたは私を倒した。私の屍をこえていきなさい」

「卯ノ花!」

「愛しています、更木剣八。あの世で、待ってますよ。いつか、迎えにいきますから」

「卯ノ花ーーーーー!!!」

鮮血を散らして、卯ノ花はこと切れた。

「馬鹿野郎・・・・・・俺も、てめぇを好きだったんだよ」

物言わぬ屍となった、卯ノ花に口づける。

血の味はとても甘美だった。


「この霊圧は・・・・・・!」

浮竹が、無暗から出てきた血だらけで満身創痍の更木を見た。腕の中には、血まみれの卯ノ花がういた。

「どけよ」

「卯ノ花隊長をどうするつもりだ!」

「どうもしねぇよ。4番隊に届けるだけだ」

「更木隊長、それはあまりにも--------------」

「うるせぇ。どうしようと俺の勝手だ。俺は、卯ノ花が好きだったんだ。殺して、気づいた」

「更木隊長・・・・・・・・」

「いかせてやりなよ、浮竹」

「でも、今卯ノ花隊長の死を知られると、指揮が・・・・」

「もう、そんなこと言ってられないくらいにがたがたなんだ。これ以上、最悪の事態にはならないさ」

更木は、卯ノ花の遺体と共に消えた。

「俺に耐えれない。好きな相手を殺すなんて」

「そりゃ、浮竹は優しいからね」

「優しいとか優しくないとかの問題じゃない!更木隊長は正気なのか?愛する女性を手にかけて----------」

「そうするしか、更木隊長は答えられなかったんだよ。卯ノ花隊長も、斬りあいでしか感情をぶつけれなかった。凄く不器用なんだよ」

「なんて悲しい愛し合い方なんだ・・・・・」

「誰もが、僕や浮竹のようになるとは限らないからね」

「でも、悲しすぎる!」

ぽたりと、卯ノ花を思って、涙が零れた。

「君が泣くことはないよ。これは卯ノ花隊長が選んだ道。泣くことは、卯ノ花隊長を侮辱する事になる」

「でも・・・」

震えている浮竹を抱き締めて、とんとんと背中を叩いてやった。

まるで、赤子をあやすかのように。

「俺は卯ノ花隊長が好きだった。恋愛感情ではないけれど、とても好きだった」

「うん。辛いね」

「卯ノ花隊長は、安からかにいけただろうか」

「さっき顔を見たでしょ。凄く満足そうな顔をしていた」

「京楽、もし俺が-------------」

言葉は、そこで止まった。

もし俺が、あんな風に死んだら、泣いてくれるか?

そう言おうとして、縁起でもないと、考え直す。

護廷13隊の死神は、 尸魂界のために死なば本望。

卯ノ花は、更木を目覚めさせることが、尸魂界の今後の戦いに必要となると知って、命を散らせた。

「卯ノ花隊長、どうか安らかに。先生のもとで、待っていてください」

いずれ、俺も尸魂界のために命を散らすだろう。

その時は、京楽と笑って別れよう。

そう思う浮竹であった。

拍手[0回]

PR
URL
FONT COLOR
COMMENT
Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
PASS

TRACK BACK

トラックバックURLはこちら
新着記事
(11/26)
(11/25)
(11/25)
(11/22)
(11/21)
"ココはカウンター設置場所"