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酔うとこうなる

「ああ、いい加減に起きてください」

「もう少し・・・」

「さっきそう言って、15分経ちましたよ。真冬じゃあるまいし、春くらいしゃんとできないんですか」

海燕に布団をとられ、ゴロゴロと畳の上を転がる浮竹。でも、寝ていた。

「ああ、全くこの上司は!」

ふと、浮竹が起き出す。

「そうだ、海燕、花見に行こう」

「唐突ですね」

「海燕とは何十年と一緒にいるけれど、一緒に花見したことないからな」

「どうせ、京楽隊長も誘うんでしょう」

「う、どうして分かった」

浮竹がうわずった声をあげた。

「あんたの思考回路は単純だから」

「でも、京楽がいないと美味い飯と酒にありつけない!」

「こればかりは、京楽隊長に同情します」

でも、13番隊の食事に金を出してくれているこには感謝していた。

お陰で浮竹に、美味しい物を食べさせることができる。

「いつ花見にいくんですか」

「思い立ったらすぐ行動だ。今日行くぞ」

「ええ、今日の仕事は!」

「そんなもの、明日に回せばいい」

「そんな無茶苦茶な」

浮竹は、伝令神機をとりだして、浮竹に花見に行くと告げ、弁当と酒の用意を頼んだ。

「よし、近場で白哉の家で花見にしよう」

「ええ!朽木隊長のお屋敷で、花見するんですか」

「遠出するのがめんどくさい」

「あんたは・・・本当に怠惰だな」

「褒めても何も出ないぞ」

「呆れてるんです!」

こうして、浮竹と京楽とう海燕は、朽木邸で白哉の許しを得て花見をしだした。

「白哉の屋敷の桜は凄いだろう!」

「何、隊長が自慢してるんですか!」

「俺と白哉の仲だからな」

酒を飲んでいた、京楽がぴくりと動く。

「浮気は、だめだよ?」

「白哉とはそんなんじゃないと何度言ったら分かるんだ」

「だって、仲が良すぎなんだもん」

「まあ、酒でも飲め」

京楽を黙らせるために、京楽の杯に酒を満たした。

「おっとっと・・・零れる」

「さぁ、ぐいっと」

京楽は、勧められるままに酒を飲んだ。

海燕と浮竹も、酒を飲んでいくが、お互い果実酒だった。

「海燕君、こっちも飲んでみなよ」

京楽の酒が杯に注がれる。

それを飲み干して、海燕は驚いた顔をした。

「なんだこの酒・・・・・強いけど、めちゃめちゃ美味い!」

「そりゃ、高級酒だからね。樽1つ分で100万」

「たけぇ・・・俺の給料がとんじまいそうだ」

「気にいったのなら、もっと飲むといいよ」

京楽に酒を注がれて、次々と飲んでいく。

酔うことはないのかと思っていたら、ぱたりと飲むのをやめた。

「浮竹隊長好きですーー!」

「ええええ!」

海燕が、浮竹に抱き着いていた。

そして、あろうことか、京楽の目の前でキスをしたのだ。

「おい、海燕酔っているのか」

「京楽隊長も好きです!」

固まっていた京楽に抱き着いて、キスをする。

「えええ!海燕、しっかりしろ」

海燕は、酔うと誰にでもキスをするのだと、初めて知った。

京楽は、酒を飲んで、海燕とのキスをなかったことにした。

「君のところの副官、今後酒を飲まさないほうがいいね」

「いや、一緒に飲んだことは何度かあるが・・・・・酔っぱらった姿を見るのは初めでだ。そうか。キス魔になって、誰にでも愛を告げるのか・・・」

海燕はしまいには寝てしまった。

「どうしよう、これ」

「まぁ、まだ僕たち花見をし始めたところなんだから、しばらく放置しておこう」

京楽の言葉で、海燕は放置された。

「やっぱり、高級酒といっても、京楽の酒を飲むものじゃないな。強すぎてすぐに酔ってしまう」

浮竹は、果実酒だけを飲んでいた。

ちらりちらりと桜の雨がふり、杯の中に落ちた。

「風流だねぇ。綺麗だ」

「ああ、綺麗だな」

「僕は、景色もだけど、桜の雨の下にいる君も綺麗だと思う」

「また恥ずかしいことを・・・」

その後料理を口にした。

京楽家お抱えの料理人の作った重箱入りの弁当で、美味かった。

「海燕にも食べさせてやりたかったな」

「また、花見に誘えばいいさ」

「そうだな」

浮竹と京楽は撤収した。

朽木家の庭には、酔っぱらった海燕が放置されていた。

「はっくしょん・・・あれ?隊長?」

一人放置されたのだと気づいて、なんて上官だと思いながら、雨乾堂に帰ると、酔ってキス魔になり、浮竹と京楽に好きだと抱き着いてキスをしたことを教えられて、顔を蒼くするのであった。


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