永遠
双子は3歳になった。
双子の七五三が終わると、また月日は流れていく。
双子は7歳になり、死神学院初等科に通っていた。
父と母である京楽と浮竹は、異例のスピードで出世し、隊長になっていた。
「ああもう、兄さんこんなに汚して!母さんになんて言えばいいの!」
「うるさいなー春は。適当でいいじゃねぇか」
「よくない」
春は、隊長として多忙な両親の母である浮竹に甘やかされて育っていた。白は、少し春よりも厳しく育てられた。
ちなみに、白が兄で、春が妹だ。
父である京楽は、二人を溺愛していた。
京楽と浮竹は結婚していたが、名前は変えなかった。
二人も京楽隊長がいたら、ややこしくなるだろうとの、当時の未来を思い浮かべての策だった。
京楽と浮竹は、隊長として恙なく仕事をこなしている。
双子の子以外に、浮竹と京楽は子を作らなかった。
たくさんいてもそれはそれで幸せだが、隊長までなってしまって一緒に過ごす時間がなかなかとれないからである。
双子の育児を任せていた付き人に、双子は今も世話をされている。
夜になって帰ってくる京楽と浮竹のうち、特に浮竹に双子は本を読んでくれと強請った。
たくさんの本を、浮竹は読んで聞かせた。
春はΩで、白はαだった。
春は女の子なので、浮竹ほど苦しい人生を歩まずにすむだろう。
それでもΩであるのは変わりないので、いずれ年が思春期を迎えヒートを迎えた時のために、いつかΩのことについて話さねばならないだろう。
だが、まだ7歳だ。
まだまだ先の話。
浮竹は、またヒートになっていた。
京楽と館にこもり、双子は別の館で付き人に世話をされた。父と母に会いたいと最初は泣いていたが、段々慣れて、3カ月に1回のヒート期間を、双子は当たり前のように受け入れた。
-------------------------------------
「あ、あ、あ、春水!」
Ω特有のフェロモンにあてられて、興奮していた京楽は、久しぶりに味わう浮竹の肌を堪能していた。
いつもは隊長の仕事で忙しく、休みの日は体を休ませることが先決で、浮竹の病弱さもあって最近互いにセックスしていなかったのだ。
「んあ・・・・・・」
すでに熱い楔を打ち込まれている浮竹は、長い白い髪を畳の上に乱して、京楽の背中に爪をたてていた。
「君の中・・・すごいね」
「あ、もっと奥に・・・・・もっとくれ・・・お前の子種を、もっともっと・・・・」
アフターピルを飲むので、中出ししても問題はない。
ぱんぱんと肌がぶつかり合う音を立てて、二人は獣のように交じりあった。
「んう・・・」
深い口づけを受ける。
口内を舌で犯して、どちらの者かもわからぬ唾液が、糸を引いた。
「んあっ」
ドチュンと深くまで挿入されて、ビクンと浮竹の体が弓ぞりになる。
「あああ!!!」
ドライでいったのに追い打ちをかけるように、浮竹のものに手をそえて、しごきあげると、薄い精液を吐いて、浮竹は二重にいってしまい、息を乱した。
「やあああ、変になる・・・・やっ」
「十四郎、愛しているよ」
「俺も愛してる、春水・・・・ああ!」
京楽のものが出入りする。
もう何度目かも分からない精液を浮竹の最奥に出して、京楽は満足したのかズルリとひきぬいていった。
白濁した液体が、浮竹の太ももを伝い、溢れてくる。
ばかみたいに出した。溢れるほどに。
浮竹も満足したようで、その日はもう後は風呂に入って情事の後を流して、食事をして眠るだけだった。
ヒート期間はいつもこうだ。
飽きるほど交わりあって、食事をして風呂に入り、眠るだけ。
浮竹の眠る時間は長い。
ヒート期間は子を成そうとするために、熱にうなされるように求めてくる。
それに応えるのが、番としての京楽の役割だった。
隊長であっても、ヒート休暇は認められているので、二人はヒート期間になると館にこもった。
「なぁ、京楽」
「なんだい、浮竹」
「もう一人、子が欲しいって言ったら、どうする?」
「二人でも大変なのに、まだ欲しいの?」
「うーん。二人に弟か妹を与えてやりたいんだ」
「そう。じゃあ、明日はアフターピルなしだね」
浮竹の願いを京楽はほとんど叶えてくれる。
子供が10人欲しいと言ったら、きっと産んでもいいというだろう。
死神の生きる時間は長い。
浮竹は病弱であるが、京楽お抱えの薬師と4番隊のお陰で、最近は熱を出すこともなく、発作もおきていない。
いつか、浮竹は先に逝くだろう。
京楽は、残された子といつまでも幸せでいてほしいと思う。
今は、せいいっぱい生きよう。
愛しい京楽と、愛しい子たちと一緒に。
「我儘をいっていいか」
「なんだい」
「俺が死んでも、俺だけを愛してくれ。他に妻を娶らないでくれ」
縁起でもない。
そう京楽は言いたかったが、いつか浮竹が先に逝くのは病弱なことから分かっていた。4番隊の卯の花にも、普通の死神のように長くは生きられないと言われている。
「誓うよ。君だけを永遠に愛する。子供たちは別だけど、君だけが僕の大切な人だ」
「ありがとう・・・・・・」
浮竹は、涙を流して京楽を抱きしめた。
ああ。
罪深い。
でも、それを望む。
永遠に近い時間を生きるだろう京楽を、一人にしてしまう時がきても、子供たちがいる。
それが、せめてもの俺が贈れるお前への愛の証。
fin
双子の七五三が終わると、また月日は流れていく。
双子は7歳になり、死神学院初等科に通っていた。
父と母である京楽と浮竹は、異例のスピードで出世し、隊長になっていた。
「ああもう、兄さんこんなに汚して!母さんになんて言えばいいの!」
「うるさいなー春は。適当でいいじゃねぇか」
「よくない」
春は、隊長として多忙な両親の母である浮竹に甘やかされて育っていた。白は、少し春よりも厳しく育てられた。
ちなみに、白が兄で、春が妹だ。
父である京楽は、二人を溺愛していた。
京楽と浮竹は結婚していたが、名前は変えなかった。
二人も京楽隊長がいたら、ややこしくなるだろうとの、当時の未来を思い浮かべての策だった。
京楽と浮竹は、隊長として恙なく仕事をこなしている。
双子の子以外に、浮竹と京楽は子を作らなかった。
たくさんいてもそれはそれで幸せだが、隊長までなってしまって一緒に過ごす時間がなかなかとれないからである。
双子の育児を任せていた付き人に、双子は今も世話をされている。
夜になって帰ってくる京楽と浮竹のうち、特に浮竹に双子は本を読んでくれと強請った。
たくさんの本を、浮竹は読んで聞かせた。
春はΩで、白はαだった。
春は女の子なので、浮竹ほど苦しい人生を歩まずにすむだろう。
それでもΩであるのは変わりないので、いずれ年が思春期を迎えヒートを迎えた時のために、いつかΩのことについて話さねばならないだろう。
だが、まだ7歳だ。
まだまだ先の話。
浮竹は、またヒートになっていた。
京楽と館にこもり、双子は別の館で付き人に世話をされた。父と母に会いたいと最初は泣いていたが、段々慣れて、3カ月に1回のヒート期間を、双子は当たり前のように受け入れた。
-------------------------------------
「あ、あ、あ、春水!」
Ω特有のフェロモンにあてられて、興奮していた京楽は、久しぶりに味わう浮竹の肌を堪能していた。
いつもは隊長の仕事で忙しく、休みの日は体を休ませることが先決で、浮竹の病弱さもあって最近互いにセックスしていなかったのだ。
「んあ・・・・・・」
すでに熱い楔を打ち込まれている浮竹は、長い白い髪を畳の上に乱して、京楽の背中に爪をたてていた。
「君の中・・・すごいね」
「あ、もっと奥に・・・・・もっとくれ・・・お前の子種を、もっともっと・・・・」
アフターピルを飲むので、中出ししても問題はない。
ぱんぱんと肌がぶつかり合う音を立てて、二人は獣のように交じりあった。
「んう・・・」
深い口づけを受ける。
口内を舌で犯して、どちらの者かもわからぬ唾液が、糸を引いた。
「んあっ」
ドチュンと深くまで挿入されて、ビクンと浮竹の体が弓ぞりになる。
「あああ!!!」
ドライでいったのに追い打ちをかけるように、浮竹のものに手をそえて、しごきあげると、薄い精液を吐いて、浮竹は二重にいってしまい、息を乱した。
「やあああ、変になる・・・・やっ」
「十四郎、愛しているよ」
「俺も愛してる、春水・・・・ああ!」
京楽のものが出入りする。
もう何度目かも分からない精液を浮竹の最奥に出して、京楽は満足したのかズルリとひきぬいていった。
白濁した液体が、浮竹の太ももを伝い、溢れてくる。
ばかみたいに出した。溢れるほどに。
浮竹も満足したようで、その日はもう後は風呂に入って情事の後を流して、食事をして眠るだけだった。
ヒート期間はいつもこうだ。
飽きるほど交わりあって、食事をして風呂に入り、眠るだけ。
浮竹の眠る時間は長い。
ヒート期間は子を成そうとするために、熱にうなされるように求めてくる。
それに応えるのが、番としての京楽の役割だった。
隊長であっても、ヒート休暇は認められているので、二人はヒート期間になると館にこもった。
「なぁ、京楽」
「なんだい、浮竹」
「もう一人、子が欲しいって言ったら、どうする?」
「二人でも大変なのに、まだ欲しいの?」
「うーん。二人に弟か妹を与えてやりたいんだ」
「そう。じゃあ、明日はアフターピルなしだね」
浮竹の願いを京楽はほとんど叶えてくれる。
子供が10人欲しいと言ったら、きっと産んでもいいというだろう。
死神の生きる時間は長い。
浮竹は病弱であるが、京楽お抱えの薬師と4番隊のお陰で、最近は熱を出すこともなく、発作もおきていない。
いつか、浮竹は先に逝くだろう。
京楽は、残された子といつまでも幸せでいてほしいと思う。
今は、せいいっぱい生きよう。
愛しい京楽と、愛しい子たちと一緒に。
「我儘をいっていいか」
「なんだい」
「俺が死んでも、俺だけを愛してくれ。他に妻を娶らないでくれ」
縁起でもない。
そう京楽は言いたかったが、いつか浮竹が先に逝くのは病弱なことから分かっていた。4番隊の卯の花にも、普通の死神のように長くは生きられないと言われている。
「誓うよ。君だけを永遠に愛する。子供たちは別だけど、君だけが僕の大切な人だ」
「ありがとう・・・・・・」
浮竹は、涙を流して京楽を抱きしめた。
ああ。
罪深い。
でも、それを望む。
永遠に近い時間を生きるだろう京楽を、一人にしてしまう時がきても、子供たちがいる。
それが、せめてもの俺が贈れるお前への愛の証。
fin
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