呪いの藁人形
朝起きると、京楽と目があった。
京楽はパンツ一丁で、どじょうすくいの踊りをしていた。
本来ならば叱責すべきであろうが、パンツはちゃんとはいていたし・・・・って、はいてるパンツは浮竹のものだった。
「破道の4、白雷」
「あじゃぱ!」
「ふん」
朝から恒例の如く京楽を鬼道で焦がして、今日は朝飯はなしで登校した。
少し遅れて、いつの間にか着替えた京楽が追ってくる。
「待ってよ浮竹!」
「ぱんつ、はきかえてきただろうな?」
「ううん、そのまま。浮竹のぱんつ♪ごふっ」
鳩尾に蹴りを入れてやった。
それでも京楽は、パンツをはきかえる気はないようで、浮竹の跡を追って学院に登校した。
「よお、変態京楽。今日も変態か?」
「おはよう!今日も変態だよ♪」
浮竹が溜息を大きく吐いた。
最近、京楽は自分が変態であると認めている。友人に変態行為を見られても躊躇しないし、こうやって友達にからかわれても動じない。
器は大きいが、変態な意味でなので、ちっとも嬉しくはないし、いっそこのまま滅べとか思ったりした。
「浮竹も大変だなぁ。京楽に惚れられるだけならいい、けど。当の京楽がこれだからな」
浮竹の尻をなでだした京楽を背負い投げして、浮竹は教室に戻った。
次は鬼道の授業だった。
詠唱する言霊を学び、理解し、全員で訓練所に移動して、的にあてる。
浮竹と京楽は、的を粉々に破壊した。
「相変わらずだな、浮竹、京楽」
教師が、二人の腕をほめる。
詠唱破棄していたが、それでも絶大な威力だった。
「僕は、浮竹を守るために腕を磨いています」
「そうか。親友を守るためか」
教師は、浮竹と京楽の仲を知らない。
ただいつもつるんでいるので、二人は親友同士だと思っていた。
まぁそれには変わりないのだが、京楽には「変態」を忘れてはいけない。あと、浮竹に妄信的にまで惚れていることも。
鬼道も、将来虚を駆逐するためというより、浮竹を守るために学んでいた。
その日の授業が全て終わり、靴を履き替えようとして、京楽が息を飲んだ。
「どうした、京楽」
京楽の靴をみると、犬のうんこが入れられてあった。
「ぶふっ」
吹き笑ってしまった。
どんないじめだ、これ。
「酷い!こんなことする奴も酷いけど、それを笑う浮竹も酷い!」
「すまない。あまりにも強烈な嫌がらせだったんでな」
「やっぱりこれ、いじめかなぁ?」
「さぁ、どうだろう。ただの嫌がらせの可能性も高いが」
毎日続くようなら、いじめだろう。
だが、京楽はいじめを受けるような性格はしていないのだが。
確かに変態で、常識はずれではあるが、浮竹以外に変態の余波がいくことは珍しい。
次の日、朝登校すると、靴にやっぱり犬のうんこ・・・・しかもほやほやが入れられてあった。
「酷い!僕のこのカッコよさに嫉妬しての嫌がらせ・・・・・・」
「あほか。それより、少しだが霊圧の名残が残っている。辿ろう」
「え、そんなの見えるの?」
浮竹は、京楽より霊圧探査能力が高かった。
「こっちだ」
教室をぐるっとまわって体育館を過ぎ去って、道場に辿り憑いた。
「どういう道順を行っているんだ・・・・・」
犯人の足取りも、かなり奇妙なものだった。
道場の壁に、何かを打ち付けている女生徒を発見する。
「あの子だ」
「ああ、あの子は・・・・・・先月僕が大好きだといってきて、僕が浮竹が大好きな変態だっていったら、それでもいいっていうから3日だけ付き合って、僕が浮竹しか見ないからそれが嫌になったといって別れた女子生徒!」
「細かい説明文だな。とにかく声をかけてみよう」
「あれ、呪いの藁人形?・・・・・・ガクブル」
京楽は、虚や幽霊はどうってことないのだが、呪いとかオカルトちっくなものが苦手だった。
「浮竹、頼む!」
「嫌がらせを受けているはお前だろうに・・・・・」
「僕、呪いとかそういうのに弱いんだ!」
「仕方ないな・・・・・そこの君」
「なんじゃいわりゃああ!あ、京楽め!呪い殺してやるううううう」
なぜか木ではなく、道場の壁に呪いの人形をうちつけている女生徒は、京楽を見て怒りを募らせてひときわ大きく藁人形に釘を打ち付けた。
「うっ」
「京楽!?」
「だめだ、呪いが効いてきた・・・・・」
「んなばかな・・・・」
「浮竹・・・・はぁはぁ・・・僕にキスをしてくれ。そうしたら愛のパワーで治りそうなんだ」
「そんなばかな・・・・っておい、本当に大丈夫か?」
「だめだ、このまま呪われて僕は死ぬんだ・・・・・・」
気分的な問題だろうと思ったが、浮竹は仕方なく倒れた京楽を抱き寄せて、ふれるだけの口づけをした。
「んんっ!」
すると、京楽がむちゅーーと吸い付いてきた。
「んっ」
離そうにも、深く口づけられて離れない。
浮竹は、頭突きをした。
「おぶっ!・・・・・ふふふ、浮竹と久しぶりのキスとハグだーーーーもういいよ、美香ちゃん」
「え、あそうですか?じゃあ、あたしはこれで失礼しますね。お幸せに。きゃっ、京楽先輩と浮竹先輩のキスシーン生でみちゃった」
呪いの藁人形を抱えて、釘を抜いて去っていく女生徒を見る。
「お幸せに~」
「ばいばい、また頼むねー」
「はーい。こんなことであんなに多額のお小遣いもらえるなら、また頑張ります」
「・・・・・・・・京楽?」
「え、いや、浮竹、これはね、あのそのね・・・・・」
会話を理解する限り、美香ちゃんと呼ばれた女生徒は京楽にお小遣いをもらって、呪いの藁人形をうちつけていたり、京楽の靴に犬のうんこを入れたりしたのだろう。
「焦げとくか?」
にっこり。屈託なく笑う浮竹。でも、目が笑っていない。
逃げの体制に入った京楽を、足で素早く蹴り倒す。
バキボキと、拳をならして、とりあえず顎に一発かます。
「ぼ、暴力反対!」
「そうだな。俺の拳も痛くなるし・・・・・・破道の4、白雷」
どごーーーーん。
道場の床に穴があいた。
学院の生徒の中でも、教師を抜くほどの鬼道の達人である浮竹に、こんがりと焦がされた京楽は、それでも満足そうに微笑んでいた。
「焦げたけど・・・・君とのキスとハグをもらって僕は嬉しい・・・・きゅう」
そのまま倒れた京楽は、道場を壊したということで後に弁償する羽目になるのであった。
京楽はパンツ一丁で、どじょうすくいの踊りをしていた。
本来ならば叱責すべきであろうが、パンツはちゃんとはいていたし・・・・って、はいてるパンツは浮竹のものだった。
「破道の4、白雷」
「あじゃぱ!」
「ふん」
朝から恒例の如く京楽を鬼道で焦がして、今日は朝飯はなしで登校した。
少し遅れて、いつの間にか着替えた京楽が追ってくる。
「待ってよ浮竹!」
「ぱんつ、はきかえてきただろうな?」
「ううん、そのまま。浮竹のぱんつ♪ごふっ」
鳩尾に蹴りを入れてやった。
それでも京楽は、パンツをはきかえる気はないようで、浮竹の跡を追って学院に登校した。
「よお、変態京楽。今日も変態か?」
「おはよう!今日も変態だよ♪」
浮竹が溜息を大きく吐いた。
最近、京楽は自分が変態であると認めている。友人に変態行為を見られても躊躇しないし、こうやって友達にからかわれても動じない。
器は大きいが、変態な意味でなので、ちっとも嬉しくはないし、いっそこのまま滅べとか思ったりした。
「浮竹も大変だなぁ。京楽に惚れられるだけならいい、けど。当の京楽がこれだからな」
浮竹の尻をなでだした京楽を背負い投げして、浮竹は教室に戻った。
次は鬼道の授業だった。
詠唱する言霊を学び、理解し、全員で訓練所に移動して、的にあてる。
浮竹と京楽は、的を粉々に破壊した。
「相変わらずだな、浮竹、京楽」
教師が、二人の腕をほめる。
詠唱破棄していたが、それでも絶大な威力だった。
「僕は、浮竹を守るために腕を磨いています」
「そうか。親友を守るためか」
教師は、浮竹と京楽の仲を知らない。
ただいつもつるんでいるので、二人は親友同士だと思っていた。
まぁそれには変わりないのだが、京楽には「変態」を忘れてはいけない。あと、浮竹に妄信的にまで惚れていることも。
鬼道も、将来虚を駆逐するためというより、浮竹を守るために学んでいた。
その日の授業が全て終わり、靴を履き替えようとして、京楽が息を飲んだ。
「どうした、京楽」
京楽の靴をみると、犬のうんこが入れられてあった。
「ぶふっ」
吹き笑ってしまった。
どんないじめだ、これ。
「酷い!こんなことする奴も酷いけど、それを笑う浮竹も酷い!」
「すまない。あまりにも強烈な嫌がらせだったんでな」
「やっぱりこれ、いじめかなぁ?」
「さぁ、どうだろう。ただの嫌がらせの可能性も高いが」
毎日続くようなら、いじめだろう。
だが、京楽はいじめを受けるような性格はしていないのだが。
確かに変態で、常識はずれではあるが、浮竹以外に変態の余波がいくことは珍しい。
次の日、朝登校すると、靴にやっぱり犬のうんこ・・・・しかもほやほやが入れられてあった。
「酷い!僕のこのカッコよさに嫉妬しての嫌がらせ・・・・・・」
「あほか。それより、少しだが霊圧の名残が残っている。辿ろう」
「え、そんなの見えるの?」
浮竹は、京楽より霊圧探査能力が高かった。
「こっちだ」
教室をぐるっとまわって体育館を過ぎ去って、道場に辿り憑いた。
「どういう道順を行っているんだ・・・・・」
犯人の足取りも、かなり奇妙なものだった。
道場の壁に、何かを打ち付けている女生徒を発見する。
「あの子だ」
「ああ、あの子は・・・・・・先月僕が大好きだといってきて、僕が浮竹が大好きな変態だっていったら、それでもいいっていうから3日だけ付き合って、僕が浮竹しか見ないからそれが嫌になったといって別れた女子生徒!」
「細かい説明文だな。とにかく声をかけてみよう」
「あれ、呪いの藁人形?・・・・・・ガクブル」
京楽は、虚や幽霊はどうってことないのだが、呪いとかオカルトちっくなものが苦手だった。
「浮竹、頼む!」
「嫌がらせを受けているはお前だろうに・・・・・」
「僕、呪いとかそういうのに弱いんだ!」
「仕方ないな・・・・・そこの君」
「なんじゃいわりゃああ!あ、京楽め!呪い殺してやるううううう」
なぜか木ではなく、道場の壁に呪いの人形をうちつけている女生徒は、京楽を見て怒りを募らせてひときわ大きく藁人形に釘を打ち付けた。
「うっ」
「京楽!?」
「だめだ、呪いが効いてきた・・・・・」
「んなばかな・・・・」
「浮竹・・・・はぁはぁ・・・僕にキスをしてくれ。そうしたら愛のパワーで治りそうなんだ」
「そんなばかな・・・・っておい、本当に大丈夫か?」
「だめだ、このまま呪われて僕は死ぬんだ・・・・・・」
気分的な問題だろうと思ったが、浮竹は仕方なく倒れた京楽を抱き寄せて、ふれるだけの口づけをした。
「んんっ!」
すると、京楽がむちゅーーと吸い付いてきた。
「んっ」
離そうにも、深く口づけられて離れない。
浮竹は、頭突きをした。
「おぶっ!・・・・・ふふふ、浮竹と久しぶりのキスとハグだーーーーもういいよ、美香ちゃん」
「え、あそうですか?じゃあ、あたしはこれで失礼しますね。お幸せに。きゃっ、京楽先輩と浮竹先輩のキスシーン生でみちゃった」
呪いの藁人形を抱えて、釘を抜いて去っていく女生徒を見る。
「お幸せに~」
「ばいばい、また頼むねー」
「はーい。こんなことであんなに多額のお小遣いもらえるなら、また頑張ります」
「・・・・・・・・京楽?」
「え、いや、浮竹、これはね、あのそのね・・・・・」
会話を理解する限り、美香ちゃんと呼ばれた女生徒は京楽にお小遣いをもらって、呪いの藁人形をうちつけていたり、京楽の靴に犬のうんこを入れたりしたのだろう。
「焦げとくか?」
にっこり。屈託なく笑う浮竹。でも、目が笑っていない。
逃げの体制に入った京楽を、足で素早く蹴り倒す。
バキボキと、拳をならして、とりあえず顎に一発かます。
「ぼ、暴力反対!」
「そうだな。俺の拳も痛くなるし・・・・・・破道の4、白雷」
どごーーーーん。
道場の床に穴があいた。
学院の生徒の中でも、教師を抜くほどの鬼道の達人である浮竹に、こんがりと焦がされた京楽は、それでも満足そうに微笑んでいた。
「焦げたけど・・・・君とのキスとハグをもらって僕は嬉しい・・・・きゅう」
そのまま倒れた京楽は、道場を壊したということで後に弁償する羽目になるのであった。
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