夕日
夕暮れに染められた空は、オレンジ色をしていてとても綺麗だった。
まるで、一護の髪のようだった。
「綺麗だな・・・・」
「ああ、そうだな」
丘の上で、風に吹かれながら夕暮れに染まっていく街を見下ろしていた。
「明日、なんだよな?」
「ああ。明日で、現世を去る」
いつものワンピースを風に翻して、ルキアは一護を見つめていた。
「あのさ」
「あのな」
「なんだよ。さっきにそっちが言えよ」
「貴様のほうこそ、先に言えばよかろう!」
風がさわさわと、吹き抜けていく。
「わーったよ。俺からな」
「ふん」
ルキアは、草の絨毯の上に腰を下ろした。
寝転がっていた一護は、あ、パンツ見えたとか思ったが、口にはださなかった。絶対ボコられるから。
「俺、お前のことが好きだ」
「そうか。私も貴様のことが好きだ」
恋い焦がれて、尸魂界に帰ってしまう大切な友人に、そっと恋の告白をしたつもりだったのだが、何故か両思いということが発覚した。
「な!いつから!」
「貴様が、尸魂界に私を助けにきてくれた頃からだ」
一緒の部屋で暮らしていた。
同じベッドでルキアを抱きしめて眠るのが、一護の小さな幸せだった。
「好きでもない相手と、同じベッドで眠るような真似はせんわ、たわけ!」
「あーーーーー」
街を見落ろす。
オレンジ色はいつの間にか、紅色から紫色に変わろうとしていた。
好きだ。
そう告白するのが、遅すぎただろうか。
でも、まだルキアは隣にいる。
一護はルキアを抱き寄せた。
「何をする!」
ぐいっと手をひっぱられたせいで、寝そべった一護の上に乗りかかるよな体勢にさせられたルキアが声をあげる。
「やっぱ我慢するの無理」
「たわけ・・・・」
ルキアの唇に、唇を重ねていた。
触れるだけのキス。
「月に数回は、こっちこいよ。でさ、付き合わねぇ、俺たち」
「交際か?しかし、私は死神で貴様は人間・・・・」
高校を卒業して、1週間経った日だった、その日は。
一護は大学進学が決まっており、一人暮らしを始める予定だった。
もう荷物は大分まとめて、アパートに届けてあるので、あとは荷物ほどきをするだけだった。家電やらベッドやらはすでに備え付けていた。
「いいじゃねぇか。俺と付き合っちまえ」
「一護・・・・・」
「離れていても、心は繋がってる」
「たわけ・・・・・・」
ルキアのほうから、一護にキスをしてきた。
触れるだけのものではなくて、唇をなぞってくる舌の動きに、一護は口を開けて舌を絡めあい、深く深く口づけた。
「はぁっ・・・・」
「ルキア、かわいい」
「たわけ!」
ぎゅっと、一護がルキアを抱きしめる。
「4月から・・・・月に数回なら、現世にきてやる」
「ルキア」
交際OKでいいんだよな?
そう小さく付け足してくる一護に、ルキアは顔を真っ赤に染めて夕日を見た。
「ああもう!夕日のせいで顔が赤くなる!」
「はは、耳まで真っ赤!」
「それは貴様も同じであろう!」
「ああ、俺も赤いな。ルキアとキスして交際OKもらえたから」
一護は、キーホルダーのついた鍵を、ルキアに握らせた。
「これは?」
「俺が来週から住むことになってるアパートの部屋の合鍵。住所教えなくても、霊圧さぐって俺のとこにくればいい」
「それではまるで通い妻のようではないか!」
「ルキア、好きだ」
「ひゃっ」
耳を甘くかじられて、ルキアはまた真っ赤になった。
「一護、貴様!」
「ルキアかわいー。真っ赤」
「たわけ、貴様のせいだ!」
「うん。帰るか」
「ああ、そうだな」
二人手を繋ぎ合いながら、黒崎家へと帰宅する。
翌日からルキアが尸魂界に帰るということで、その日はお別れ会みたいな流れになった。
「こっちこいよ」
いつも一護のベッドで抱きしめられながら寝るのだが、彼氏彼女の仲になったと思うと、ちょっと恥ずかしかった。
そんなルキアをお構いなしにひっぱって、腕の中に抱き込むと、一護はゴロリとベッドに横になった。
「襲ったりしねーから」
「わかっておるわ!」
一護は優しい。
とても甘い。
ルキアはぎゅっと目をつぶって、一護の胸に顔を埋めた。
「好きだ」
「俺も」
明日には、ルキアは尸魂界に帰る。
でも、月に数回現世に一護に会いにきてくれる。
会えない時は、メールか電話をすればいい。
そんな甘い未来になるとは思わなかった二人は、ベッドの中でクスクスと笑いあった。
じゅれあう子猫のようだった。
夕日はとっくに沈み、空の色は暗いが晴れ渡っていた。
その日の夕日のオレンジ色の鮮やかさを、二人は忘れることはできなかった。
まだ見えぬ未来だが、幸せが、続いていそうだった。
まるで、一護の髪のようだった。
「綺麗だな・・・・」
「ああ、そうだな」
丘の上で、風に吹かれながら夕暮れに染まっていく街を見下ろしていた。
「明日、なんだよな?」
「ああ。明日で、現世を去る」
いつものワンピースを風に翻して、ルキアは一護を見つめていた。
「あのさ」
「あのな」
「なんだよ。さっきにそっちが言えよ」
「貴様のほうこそ、先に言えばよかろう!」
風がさわさわと、吹き抜けていく。
「わーったよ。俺からな」
「ふん」
ルキアは、草の絨毯の上に腰を下ろした。
寝転がっていた一護は、あ、パンツ見えたとか思ったが、口にはださなかった。絶対ボコられるから。
「俺、お前のことが好きだ」
「そうか。私も貴様のことが好きだ」
恋い焦がれて、尸魂界に帰ってしまう大切な友人に、そっと恋の告白をしたつもりだったのだが、何故か両思いということが発覚した。
「な!いつから!」
「貴様が、尸魂界に私を助けにきてくれた頃からだ」
一緒の部屋で暮らしていた。
同じベッドでルキアを抱きしめて眠るのが、一護の小さな幸せだった。
「好きでもない相手と、同じベッドで眠るような真似はせんわ、たわけ!」
「あーーーーー」
街を見落ろす。
オレンジ色はいつの間にか、紅色から紫色に変わろうとしていた。
好きだ。
そう告白するのが、遅すぎただろうか。
でも、まだルキアは隣にいる。
一護はルキアを抱き寄せた。
「何をする!」
ぐいっと手をひっぱられたせいで、寝そべった一護の上に乗りかかるよな体勢にさせられたルキアが声をあげる。
「やっぱ我慢するの無理」
「たわけ・・・・」
ルキアの唇に、唇を重ねていた。
触れるだけのキス。
「月に数回は、こっちこいよ。でさ、付き合わねぇ、俺たち」
「交際か?しかし、私は死神で貴様は人間・・・・」
高校を卒業して、1週間経った日だった、その日は。
一護は大学進学が決まっており、一人暮らしを始める予定だった。
もう荷物は大分まとめて、アパートに届けてあるので、あとは荷物ほどきをするだけだった。家電やらベッドやらはすでに備え付けていた。
「いいじゃねぇか。俺と付き合っちまえ」
「一護・・・・・」
「離れていても、心は繋がってる」
「たわけ・・・・・・」
ルキアのほうから、一護にキスをしてきた。
触れるだけのものではなくて、唇をなぞってくる舌の動きに、一護は口を開けて舌を絡めあい、深く深く口づけた。
「はぁっ・・・・」
「ルキア、かわいい」
「たわけ!」
ぎゅっと、一護がルキアを抱きしめる。
「4月から・・・・月に数回なら、現世にきてやる」
「ルキア」
交際OKでいいんだよな?
そう小さく付け足してくる一護に、ルキアは顔を真っ赤に染めて夕日を見た。
「ああもう!夕日のせいで顔が赤くなる!」
「はは、耳まで真っ赤!」
「それは貴様も同じであろう!」
「ああ、俺も赤いな。ルキアとキスして交際OKもらえたから」
一護は、キーホルダーのついた鍵を、ルキアに握らせた。
「これは?」
「俺が来週から住むことになってるアパートの部屋の合鍵。住所教えなくても、霊圧さぐって俺のとこにくればいい」
「それではまるで通い妻のようではないか!」
「ルキア、好きだ」
「ひゃっ」
耳を甘くかじられて、ルキアはまた真っ赤になった。
「一護、貴様!」
「ルキアかわいー。真っ赤」
「たわけ、貴様のせいだ!」
「うん。帰るか」
「ああ、そうだな」
二人手を繋ぎ合いながら、黒崎家へと帰宅する。
翌日からルキアが尸魂界に帰るということで、その日はお別れ会みたいな流れになった。
「こっちこいよ」
いつも一護のベッドで抱きしめられながら寝るのだが、彼氏彼女の仲になったと思うと、ちょっと恥ずかしかった。
そんなルキアをお構いなしにひっぱって、腕の中に抱き込むと、一護はゴロリとベッドに横になった。
「襲ったりしねーから」
「わかっておるわ!」
一護は優しい。
とても甘い。
ルキアはぎゅっと目をつぶって、一護の胸に顔を埋めた。
「好きだ」
「俺も」
明日には、ルキアは尸魂界に帰る。
でも、月に数回現世に一護に会いにきてくれる。
会えない時は、メールか電話をすればいい。
そんな甘い未来になるとは思わなかった二人は、ベッドの中でクスクスと笑いあった。
じゅれあう子猫のようだった。
夕日はとっくに沈み、空の色は暗いが晴れ渡っていた。
その日の夕日のオレンジ色の鮮やかさを、二人は忘れることはできなかった。
まだ見えぬ未来だが、幸せが、続いていそうだった。
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