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夜に恋して

浮竹十四郎。年齢、14歳。

肺の病を患っており、体が弱いが見た目がとても綺麗なので、色子ばかりを集めた桜王茶屋の陰間茶屋で、一番の売れっ子だった。

源氏名は、翡翠。夜に恋をする色子。

翡翠のように綺麗な緑色の目をしているからが、名前の由来だった。

浮竹は、体を売っても心は売らない。

どんな上客が愛を囁いても適度に受け流し、まして身請け話が出ると、自分から断った。

全ては、今から3年前に起因していた。

京楽春水という、花街に浸る上流貴族がいた。年齢は20歳。年若く、まだ妻帯していないこともあって、玉の輿を狙う遊女は多かった。

適度に遊びなれしていた京楽は、遊女ばかり相手にしていたのに、その日は珍しく陰間茶屋にきていて、色子を買っていた。

雪と呼ばれる、当時のナンバー1の色子であった。

浮竹はそれを見ながら、いつかこんな上客が自分にもつけばいいなぁと思っていた。当時、浮竹はまだ色子として売られてきたばかりで、体の弱さのせいもあって、主に簡単な雑用を任されていた。

「雪」

浮竹が、京楽を見送った雪の名を呼ぶ。

「ああ、翡翠。京楽の旦那、翡翠のこと気になるみたいだよ。あの色子を指名したいって言って、茶屋の主の旦那様が悩んでた」

「俺を、指名?」

「そう。でも、翡翠まだ茶屋に慣れていないからね。まだ11だしね。客を取るんは少し早いんじゃないかってのが、旦那様の考えだよ」

確かに、浮竹は当時11歳で幼かった。

精通さえまだ迎えていない。

色子の春を売る期間は短く、20をいくつか過ぎたころには、皆年季があけたり身請けされたりで、茶屋から去っていく。

本当なら、10から客をとることもできるのだが、浮竹は体が弱いので、茶屋の主も苦悩しているようだった。もし、体を売って、取返しがつかなくなるほど、肺の病が悪化しないかが心配だった。

浮竹の肺の病はうつらないが、なかなか治ることもなかった。売られる前よりは、少しよくなっていたが。

売られた頃は、両親にろくに食事も与えてもらえなかったうえに、医者にも診せてもらえずに、知り合いだった茶屋の主が、浮竹を買い取った。

茶屋の主の名は朽木白哉。

元色子で、貴族であったが、没落してしまい今は陰間茶屋の主をしていた。

「白哉、俺は来年で12になる。そろそろ、客をとりたい。白哉に借金をしたままなのは、いやだ」

「だが、翡翠、兄は体が弱い。もし、病が.悪化したら・・・」

「その時はその時だ。どのみち、両親に捨てられかけていたのを救ってくれたのは白哉だ。白哉が俺を買ってくれなかったら、俺は病と飢えで死んでいた。恩返しがしたい。俺に、色子をやらせてくれ」

「わかった。兄がそこまでいうなら、明日から色子として店に出てもらう」

「ああ」

そして、雪を買いに来た京楽と出会う。

「君は?新しい子?」

「翡翠という。しばらく前に茶屋の主人に買われて、その借金を返すために色子になった」

「本名は?」

「浮竹十四郎。下級貴族だが、一応は貴族だ」

「へぇ・・・・君みたいな綺麗な子がいたなんて、驚きだね。君を指名してもいいかい?」

「雪を買いにきたんじゃ?」

「今日は違う子を選ぼうを思ってたんだよ。君がいい。翡翠、今日はボクのものになって」

話はとんとん拍子でまとまって、京楽はすぐに浮竹の上客になった。

まだ精通も迎えていない浮竹は、女のようにオーガズムでいき、その体は幼いが故の中性に似ていて、京楽を喜ばせた。

雪から、客の喜ばせ方を教えてもらっていて、それが役に立った。

京楽は、週末がくると必ず浮竹を買いにきた。1年経つ頃には、京楽は浮竹を好きになっていたし、浮竹も京楽を好きになっていた。

上流貴族だけに、いつか自分を身請けしてくれるのではと思っていた。

京楽が、ぱったりこなくなったのは、浮竹が13になった誕生日の日だった。京楽から、身請け話が出ていたが、すっかりこなくなってしまったので、それも消えてしまった。

「京楽・・・・俺に飽きたのか?」

浮竹は、涙を流すが、主である白哉に慰められ、他の客もとるように勧められた。

他の客をとると、皆、浮竹の虜になった。

「翡翠、桜花屋の花魁が遊びにきているぞ」

「ああ、今いく」

色子の相手は、何も男性ばかりではない。たまに女性客もとったし、同じ花街の遊女に買われることもあった。

「元気にしてた?」

「ああ。ただ、少し昔の常連を思い出していただけだ。恋愛感情があった。花街での色恋沙汰はご法度なのにな」

「あら、そういえば、最近また京楽の旦那が花街に来てるって知ってた?」

「え、そうなのか」

浮竹を買った花魁は、浮竹に抱かれながら、話をする。

「なんでも、兄が死んで、とても花街に通えるような状態じゃなかったらしいわよ。当主には結局ならずに、いとこに家督を譲ったみたい。大金と引き換えに」

「そうか・・・・・・・・」

それから数日後、京楽は実に2年ぶりに浮竹を買いにきた。

「翡翠。ボクにまだ思いが残っているなら、身請けされて」

「え?」

「家督を譲る代わりに、君を買うだけの金をもらった。当主になったら絶対に翡翠を身請けなんてできないだろうし、ボクは当主なんてむいてないからね。君を買ってもまだまだ裕福に暮らせるだけの金はある」

「京楽・・・・・会いたかった。好き、なんだ」

「うん。ボクもずっと会いたかった。でも、屋敷から出ることを禁じられていてね。抜け出しても、君を買う金ももたせてもらえなかった」

「身請けの話を出しておきながら、いきなりいなくなるから、飽きられたのかと思った」

「そんなことあるわけないよ!ボクは翡翠、君がいればそれだけでいい」

「十四郎と、呼んでくれ。俺の本当の名だ」

「十四郎・・・・・抱いて、いいかい?」

「ああ。俺を買ったのはお前だ。好きにするといい」


「必ず、身請けをするから」

「ああああ!!」

浮竹を激しく突き上げながら、熱にうなされたかのように、京楽は身請けすると浮竹の耳元で囁いた。

「んあああ、奥はだめえええ」

「奥、相変わらず弱いんだね?」

京楽は、浮竹の奥に入り込み、抉って中をかきまぜる。

「ひああああん!!!」

「思い出すねぇ。君が精通を迎えたの、ボクと寝ている時だったね」

「やああああん」

「こっちも、もう出せるでしょ。ほら、一緒にいこう」

「ああああ、京楽」

「春水って呼んで?十四郎」

「あ、春水!」

浮竹は、大きく中いきをしながら、京楽に前をいじられて、京楽と一緒にいっていた。

京楽は浮竹の胎の奥に、浮竹は京楽の手の中に、精液を吐き出していた。

「んあああ。今、いったばかりだから・・・・ひゃん」

耳を甘噛みされて、胸の先端を舐め転がされる。

「やぁ、くすぐったい」

「ふふ、君は変わらないね。確かに伸長も伸びたし、外見はまだ女の子みたいだけど、だいぶ男性らしくなってきた」

「あ、幼いままの俺が好きなのか?」

「ううん。ただ、成長したなぁと思っただけだよ」

「ひああああ!奥はらめえええ」

浮竹を、時間をたっぷりかけて愛して、浮竹は軽くまどろみながら、京楽の黒い癖のある黒髪を撫でた。

「俺は、お前に身請けされたい・・・・・」

「うん。明日には、もう自由だからね。茶屋の主人の白哉くんには金を払っているし、了承もとってあるから」



次の日になって、浮竹は起きると着替えせられていて、馬車の中だった。

「あれ、ここは!?」

「君が眠ったままだったから、勝手に荷物全部まとめたよ。ここは馬車の中。僕の屋敷に行くところだよ。君はボクに身請けされたの」

「まだ、白哉や雪にさよならを言っていない」

「それは、ひとまず君の肺を医者に診てもらって、手術終わった後でね。君の病は、大金さえだせば治るそうだよ」

「治る・・・・・俺の病が?」

「うん。ただ、身請けの額よりも高いから、誰も治せなかっただけで」

「春水、俺はそこまで価値があるのか?」

「価値はあるよ。ボクが、人生で唯一愛した人だから」

「春水・・・・・・」

「十四郎、愛しているよ」

「俺も、愛してる」


それから、浮竹は入院して肺の手術を受け、無事完治した。

健康になったその足で、桜王茶屋に行き、白哉に久しぶりに会って話をした。雪とも会い、みやげだと、西洋のアイスクリームをあげると、大層喜ばれた。

「浮竹、兄は今幸せか?」

「ああ。白哉、幸せだ」

「なら、よいのだ。京楽春水。浮竹を泣かせるなよ」

「うん、分かってるから。女と結婚はしないし、身内だけになるけど、浮竹と・・・・翡翠と、結婚する」

「京楽、本気か!」

「ああ、まだ教えてなかったね。この国は同性婚も認められているからね。浮竹を、名実ともにボクだけのものにするよ」

「春水・・・・・・・」

「十四郎、帰ったら褥に行こうか」

浮竹は、白哉たちの前で京楽がそういうものだから、赤くなってしまった。

「幸せにな、浮竹」

「ああ。白哉も、無理はしないように」

夜に恋する色子は、夜ではなく京楽春水という男に恋するのだった。




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