奴隷竜とSランク冒険者13
「ふう、今回のダンジョン探索はマジックアイテムがたくさんでたね」
「ああ。金になるな」
「うん。いくらになるか楽しみだね」
京楽と浮竹は、Sランクダンジョンを踏破した帰り道に、冒険者ギルドに寄った。
マジックアイテムをたくさん買いとってもらい、白金貨13万枚を手にした。
「久しぶりに、外で食事しないか」
「いいね。高級レストランにでも行こうか」
街を歩いていると、浮竹と京楽そっくりの人物が、向こう側からやってくる。
「あ、お前、なんでこの世界に!夢の中じゃないのに!」
浮竹が、変身能力をもつ、夢の中で出会う浮竹に話しかける。
『あ、ドラゴンの俺!気づいたら、この世界にいたんだ!ここはすごいな!魔法とかあるんだな!それに、見たこともない種族がいっぱいだし、絵本の通りでびっくりだ!』
「びっくりしたのは俺のほうだ」
「僕がいる・・・・・・」
『ボクがいるね・・・・・』
京楽たちは、鏡を見るように不思議そうにしていた。
「京楽、こっちが夢によく出てくるもう一人の俺で、そっちは連れの京楽らしい」
『こっちの浮竹も、かわいいね。でも、ボクの浮竹が一番かわいいけどね』
「僕の浮竹が一番かわいいよ!」
不毛な言い争いをする京楽たちを放置して、浮竹たちは市場に行くことにした。
「待ってよ、浮竹!」
『浮竹、だめだよ一人で出歩いちゃ。世界が違うんだから』
「京楽たち、仲良くしろ」
『そうだぞ、京楽。俺たちみたいに、仲良くなれ』
道すがら、違う世界の浮竹と京楽は、こっちの世界でいわゆる異世界召還されたのだと知る。
術者はいなくて、気づいたらこっちの世界にいたそうだ。
「勇者が召還される以外にも、普通の人間が召還されることもあるし、普通にすぐに戻ることもある。多分、今回は後者だろう。こっちの世界にいられる時間は限られているだろうから、とりあえず買い物だ!」
浮竹は、もう一人の浮竹の手を引っ張って、洋服屋に入っていった。
「あ、これ似合いそうだな。でも、こっちの青も捨てがたい」
『服、買ってもらっていいのか、ドラゴンの俺。この店、凄く高そうなんだが』
「金なら腐るほどある。どうせなら、いい服を買ってやりたい」
『これ、絹じゃないか!高いだろう』
「金は腐るほどある」
「そっちの浮竹には、こういう服が似合うんじゃない?」
京楽がチョイスした服を、もう一人の浮竹は気に入ったようで、それに着替えた。
『どうだ、似合っているか?』
『「かわいい・・・・・」』
京楽たちは、はもっていた。
「うん、バッチリ似合っているぞ。そっちの京楽も、好きな服を選ぶといい。買ってやる」
『じゃあ、お言葉に甘えて・・・・』
異能力者の京楽は、もう一人の浮竹の服と対になるような服を買って、着ることにした。
ぐうううう。
もう一人の浮竹の腹が鳴って、もう一人の浮竹は顔を真っ赤にする。
「ちょうど、高級レストランに行こうかとさっきまで京楽と話していたところなんだ。おごってやるから、お前たちも来い」
『ドラゴンの浮竹におごられるのって、なんか不思議な感覚』
「浮竹も僕も、Sランク冒険者だからね。君たちよりは金持ちのはずだよ」
『ドラゴンの俺、凄いんだな』
「全部、京楽が俺を買ってくれたおかげだ」
高級レストランへいく道の途中で、浮竹は自分が元奴隷であり、京楽に買われて幸せになっていることを話した。
『つらかっただろう、ドラゴンの俺。でも今は、冒険者の京楽がいて、安心だな!』
「ああ。京楽がいてくれるから、俺は生きている。ほんとははく製にするとかという話も出ていたんだ」
『ドラゴンのはく製は迫力があるだろうが、ドラゴンの俺がはく製になるなんて嫌だ!』
もう一人の浮竹は、ぎゅっと浮竹に抱き着いた。
「着いたぞ。もう一人の俺、もう今の俺は大丈夫だから安心しろ。好きなコースを頼むといい」
文字が読めないので、浮竹と京楽に翻訳してもらって、異世界の浮竹と京楽は本日のおすすめコースを選んだ。
シャトーブリアンのステーキとか、トリュフたっぷりの海鮮パスタとか、おいしいが高そうなものばかりでてきた。
『うまいが、お金が気になる・・・・』
『ボクも手持ちはあるけど、こっちの世界とじゃあ通貨が違うものね』
財布を見る異能力者の京楽。
一方、浮竹はもう一人の浮竹を見た。
「パフェ食うか?」
『パフェ!?食べる!』
「こっちの世界にしかないフルーツを使っている。多分、そっちの世界では味わえない味だぞ」
『楽しみだ!』
『あ、ボクの分もお願い』
『京楽、パフェはうまいもんな!』
『うん、そうだね』
やってきたパフェは、紫色の甘い見たことのないフルーツをふんだんに使っていて、おいしいが元の世界では味わえない不思議な味がした。
「会計は僕がもつよ。浮竹に支払わせるわけにはいかないからね」
京楽が、全員分の会計を払う。
白金貨が数百枚飛んでいく。
『白金貨・・・・確か、通貨で一番高い・・・・はう』
その金額を考えて、もう一人の浮竹は軽い眩暈をおこした。
「気にするな、もう一人の俺。俺たちはSランク冒険者だ。白金貨なんて、月に数百万枚うまくいけば溜めれる」
『すごいな、ドラゴンの俺と冒険者の京楽は』
レストランを出て、浮竹たちが泊まっている高級宿にくる。
『また、高そうな宿だな・・・・・』
その時、ぱぁぁぁと異世界の浮竹と京楽の足元が輝いた。
その時、もう一人の浮竹は直観した。
『もう、元の世界に戻るようだ。また、夢の中でいいから会おう、ドラゴンの俺』
「これみやげにもっていけ!」
浮竹が、この世界にしかない果実を盛り合わせたフルーツバスケットを、もう一人の浮竹に渡す。
『何から何まで、ありがとうな!』
『浮竹が世話になったね。まぁボクも世話になったんだけど』
「そっちの浮竹を幸せにしなよ、異世界の僕!」
『当たり前だよ』
光はぱぁぁあと輝いて、異世界の浮竹と京楽はいなくなってしまった。
「不思議な体験だったな」
「うん。でも、君のいう夢の中の浮竹に出会えてよかったよ」
「さて、風呂にでも入るか」
「僕も一緒に入る」
「変なこと、するなよ?」
「ふふ、それはどうだろうねぇ・・・・・」
浮竹と京楽は、普通の日常に戻っていくのだった。
「ああ。金になるな」
「うん。いくらになるか楽しみだね」
京楽と浮竹は、Sランクダンジョンを踏破した帰り道に、冒険者ギルドに寄った。
マジックアイテムをたくさん買いとってもらい、白金貨13万枚を手にした。
「久しぶりに、外で食事しないか」
「いいね。高級レストランにでも行こうか」
街を歩いていると、浮竹と京楽そっくりの人物が、向こう側からやってくる。
「あ、お前、なんでこの世界に!夢の中じゃないのに!」
浮竹が、変身能力をもつ、夢の中で出会う浮竹に話しかける。
『あ、ドラゴンの俺!気づいたら、この世界にいたんだ!ここはすごいな!魔法とかあるんだな!それに、見たこともない種族がいっぱいだし、絵本の通りでびっくりだ!』
「びっくりしたのは俺のほうだ」
「僕がいる・・・・・・」
『ボクがいるね・・・・・』
京楽たちは、鏡を見るように不思議そうにしていた。
「京楽、こっちが夢によく出てくるもう一人の俺で、そっちは連れの京楽らしい」
『こっちの浮竹も、かわいいね。でも、ボクの浮竹が一番かわいいけどね』
「僕の浮竹が一番かわいいよ!」
不毛な言い争いをする京楽たちを放置して、浮竹たちは市場に行くことにした。
「待ってよ、浮竹!」
『浮竹、だめだよ一人で出歩いちゃ。世界が違うんだから』
「京楽たち、仲良くしろ」
『そうだぞ、京楽。俺たちみたいに、仲良くなれ』
道すがら、違う世界の浮竹と京楽は、こっちの世界でいわゆる異世界召還されたのだと知る。
術者はいなくて、気づいたらこっちの世界にいたそうだ。
「勇者が召還される以外にも、普通の人間が召還されることもあるし、普通にすぐに戻ることもある。多分、今回は後者だろう。こっちの世界にいられる時間は限られているだろうから、とりあえず買い物だ!」
浮竹は、もう一人の浮竹の手を引っ張って、洋服屋に入っていった。
「あ、これ似合いそうだな。でも、こっちの青も捨てがたい」
『服、買ってもらっていいのか、ドラゴンの俺。この店、凄く高そうなんだが』
「金なら腐るほどある。どうせなら、いい服を買ってやりたい」
『これ、絹じゃないか!高いだろう』
「金は腐るほどある」
「そっちの浮竹には、こういう服が似合うんじゃない?」
京楽がチョイスした服を、もう一人の浮竹は気に入ったようで、それに着替えた。
『どうだ、似合っているか?』
『「かわいい・・・・・」』
京楽たちは、はもっていた。
「うん、バッチリ似合っているぞ。そっちの京楽も、好きな服を選ぶといい。買ってやる」
『じゃあ、お言葉に甘えて・・・・』
異能力者の京楽は、もう一人の浮竹の服と対になるような服を買って、着ることにした。
ぐうううう。
もう一人の浮竹の腹が鳴って、もう一人の浮竹は顔を真っ赤にする。
「ちょうど、高級レストランに行こうかとさっきまで京楽と話していたところなんだ。おごってやるから、お前たちも来い」
『ドラゴンの浮竹におごられるのって、なんか不思議な感覚』
「浮竹も僕も、Sランク冒険者だからね。君たちよりは金持ちのはずだよ」
『ドラゴンの俺、凄いんだな』
「全部、京楽が俺を買ってくれたおかげだ」
高級レストランへいく道の途中で、浮竹は自分が元奴隷であり、京楽に買われて幸せになっていることを話した。
『つらかっただろう、ドラゴンの俺。でも今は、冒険者の京楽がいて、安心だな!』
「ああ。京楽がいてくれるから、俺は生きている。ほんとははく製にするとかという話も出ていたんだ」
『ドラゴンのはく製は迫力があるだろうが、ドラゴンの俺がはく製になるなんて嫌だ!』
もう一人の浮竹は、ぎゅっと浮竹に抱き着いた。
「着いたぞ。もう一人の俺、もう今の俺は大丈夫だから安心しろ。好きなコースを頼むといい」
文字が読めないので、浮竹と京楽に翻訳してもらって、異世界の浮竹と京楽は本日のおすすめコースを選んだ。
シャトーブリアンのステーキとか、トリュフたっぷりの海鮮パスタとか、おいしいが高そうなものばかりでてきた。
『うまいが、お金が気になる・・・・』
『ボクも手持ちはあるけど、こっちの世界とじゃあ通貨が違うものね』
財布を見る異能力者の京楽。
一方、浮竹はもう一人の浮竹を見た。
「パフェ食うか?」
『パフェ!?食べる!』
「こっちの世界にしかないフルーツを使っている。多分、そっちの世界では味わえない味だぞ」
『楽しみだ!』
『あ、ボクの分もお願い』
『京楽、パフェはうまいもんな!』
『うん、そうだね』
やってきたパフェは、紫色の甘い見たことのないフルーツをふんだんに使っていて、おいしいが元の世界では味わえない不思議な味がした。
「会計は僕がもつよ。浮竹に支払わせるわけにはいかないからね」
京楽が、全員分の会計を払う。
白金貨が数百枚飛んでいく。
『白金貨・・・・確か、通貨で一番高い・・・・はう』
その金額を考えて、もう一人の浮竹は軽い眩暈をおこした。
「気にするな、もう一人の俺。俺たちはSランク冒険者だ。白金貨なんて、月に数百万枚うまくいけば溜めれる」
『すごいな、ドラゴンの俺と冒険者の京楽は』
レストランを出て、浮竹たちが泊まっている高級宿にくる。
『また、高そうな宿だな・・・・・』
その時、ぱぁぁぁと異世界の浮竹と京楽の足元が輝いた。
その時、もう一人の浮竹は直観した。
『もう、元の世界に戻るようだ。また、夢の中でいいから会おう、ドラゴンの俺』
「これみやげにもっていけ!」
浮竹が、この世界にしかない果実を盛り合わせたフルーツバスケットを、もう一人の浮竹に渡す。
『何から何まで、ありがとうな!』
『浮竹が世話になったね。まぁボクも世話になったんだけど』
「そっちの浮竹を幸せにしなよ、異世界の僕!」
『当たり前だよ』
光はぱぁぁあと輝いて、異世界の浮竹と京楽はいなくなってしまった。
「不思議な体験だったな」
「うん。でも、君のいう夢の中の浮竹に出会えてよかったよ」
「さて、風呂にでも入るか」
「僕も一緒に入る」
「変なこと、するなよ?」
「ふふ、それはどうだろうねぇ・・・・・」
浮竹と京楽は、普通の日常に戻っていくのだった。
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