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28話補完小説

「俺は・・・・あんたを止めるためにここにきたんだ。あんたを止めて、尸魂界も現世も虚圏を、全部守るために!」

「無駄だ。全部観えている」

「うおおおおおおおお!!月牙天衝!」

天鎖斬月を握り、月牙天衝を何度も放つが、ユーハバッハにはきかない。

「ああああああ!!!!」

修行でパワーアップしたはずの月牙天衝をはじかれて、弓で攻撃される。

それを斬月ではじいていくが、数が多く威力が高い。

「俺は、お前を倒して・・・・・・」

「全てを守るか。手遅れだ」

ユーハバッハは、霊王を見せた。

「霊王は死んだ。お前になす術は最早ない」

ユーハバッハの言葉通り、霊王を封じ込めた水晶には剣がささっていた。

「剣をぬいて霊王を救うか。抜くがいい。お前にならそれができよう。お前自身の手で尸魂界を滅ぼすがいい」


「なんだ・・・・・どうなっている!剣が・・・」

霊王を、真っ二つにしていた。

ざっと、自分のしでかしたことの大きさと絶望に、地面に膝をつける。


俺が。

俺の手が、霊王を殺した。

信じられなかった。

自分の中に流れる滅却師の血が、ざわめく。


ユーハバッハに操つられたような状態だったとはいえ、俺が霊王を殺し、世界を終わらせようとしている。


「さぁ、一護よ。共に観よう。尸魂界の終焉を」

「俺は・・・・俺は・・・」

「言ったはずだ。手遅れだと。ここに現れたお前自身の手で、霊王は止めをさされるのだから」

ユーハバッハの言葉が遠くにかんじる。

「どうしてだ・・・・どうして俺は斬った?どうしてこの剣は俺の手を離れねぇんだ?」

一護は、不敵な笑みを浮かべるユーハバッハに切りかかった。

「我が聖文字はA。全知全能。全ての未来を見通し、全ての力を奪い、与える。わが剣に宿る我が霊圧をお前に与えることもできる。その流れ込んだ私の力が、お前の血に呼びかけたのだ。
許せぬはずだ許せぬはずだ。お前に滅却師の血が流れるのならば、お前は霊王をきらなければならぬ!」

ユーハバッハは叫んだ。

人間であり、滅却師であり、フルブリンガーであり、死神であり、虚である。

その存在こそが、唯一霊王を死に至らしめるのだと。


俺は。

俺は、無力なのか。

俺の手で、世界を壊すというのか。


ああ。

どうか。


世界よ、壊れないでくれ。


「私は、私の手で新たな世界を創造する」

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