奴隷竜とSランク冒険者15
「邪教徒?」
「そうじゃ。今回、王国騎士団と一緒にSランク冒険者も、邪教徒の施設を叩くのに趣くとになったのじゃ」
冒険者ギルドのギルドマスターの山じいは、そう言って京楽と浮竹に参加を願い出た。
「白哉君や恋次君、それに他のSランク冒険者もくるの?」
「そうじゃ」
「そう。じゃあ、僕らだけでないってわけにはいかないね」
「邪教徒・・・・・何か、悪いことでもしたのか?この王国は、大地母神マザーサラを信仰しているが、他の宗教にも寛容なんだろう?」
「それがな。生贄として人間や亜人、精霊族を捧げたりして、邪教と認定された宗教でな。イレイア教というのじゃが」
「イレイサ教・・・・・」
浮竹が奴隷時代、イレイサ教の人間に血を抜かれたことがあって、それを思い出して浮竹は眉をしかめた。
「どうしたの、浮竹」
「昔、イレイサ教の信者がよく俺の血液を盗んでいっていた。きっと、金にかえて教団に捧げていたんだろうな」
「はい、壊滅決定。僕の浮竹を傷つけていたなら話は早い」
「春水、お主十四郎のことになると態度がかわるをなんとかせんか」
「無理ですー。奴隷時代とはいえ、浮竹から血を奪って売っていたなんて許せない。それで、その邪教徒の砦はどこ」
「明日、9時にこの冒険者ギルドにこい。王国の騎士団も合流する手はずになっておる」
「明日かぁ。僕は今すぐ壊滅させたいんだけどね」
「あくまで、生きて捕らえるためじゃ。くれぐれも短気はおこさぬように」
「分かったよ、山じい」
あんまり分かったようなかんじじゃないが、京楽はとりあえず明日暴れることにした。
明日の9時になり、Sランク冒険者も多く、王国騎士団のメンバーと合わせると人数は軽く百人をこえた。
「そんなに大規模な砦なの?」
「イレイサ教徒が七百人はいる本拠地だそうだ」
事情をよく聞いていた白哉が答える。
「殺しちゃまずいのかな?」
「武器や魔法で襲ってくる相手はなるべく無力化せよと言われてるが、殺してもかまわないぞうだ」
「そっかー。殺して大丈夫なんだー」
「兄は、くれぐれも暴れないようにと、ギルドマスターから見張りを頼まれている」
「ちぇっ。山じいも余計なことを・・・・・」
「京楽?俺のことはいいんだぞ。昔のことだから」
「だめ。昔も今も関係ない。君を傷つけた相手がいるなら、僕は全力で仕返しするよ」
「だから、くれぐれも暴れないように」
白哉も一緒に行動することになった。恋次もいる。
浮竹、京楽、白哉、恋次は、イレイサ教の本拠地へと、王国騎士団と共に乗り込んだ。
そこにあったのは、洗脳されていかれた信者と、生贄として捧げられていた人間や亜人、精霊族の躯だった。
「う、腐ってる・・・・いつの生贄だろ、これ」
「病気が広がる可能性があるのお。躯には火をつけろ。この教団そのものも灰にする」
王国騎士団の団長は、四楓院夜一といって、褐色の肌をもつ美女だった。
「そなたらには、洗脳された信者を外に誘導してもらいたい」
「仕方ないねぇ」
「行くぞ、京楽」
目が虚ろな信者たちを無理やり歩かせて、立てないものは抱えて教団の外に出る。
「おや、十四郎ちゃんんじゃないか」
三十代後半くらいの教団の幹部らしき者が、浮竹に声をかけてきた。
「う・・・・あ・・・・」
浮竹の様子がおかしかった。
「来る・・・な・・・・・・」
「君、君が昔浮竹の血を勝手に抜いて売ってた信者?」
「ああ、十四郎ちゃんは奴隷として買われていっちゃたんだね。そうだよ、たくさん稼がせてもらったよ。十四郎ちゃんはかわいかったなぁ。血を抜かないでって泣いて」
舌なめずりをする幹部は、武器はもっておらず、両手を後ろでくくられていて、連行される途中だった。
「ヘルレクイエム」
「は?何をした」
「せいぜい、苦しむことだよ。君に、悪夢のような痛みを何度も感じる魔法をかけた」
「は?・・・・・・ぎゃあああああ、痛い痛い!」
「なんだ、うるさい、静かにしろ!」
王国の騎士団の一人に気絶させられて、その幹部は一時楽になった。
だが、目覚めればまたしばらくの間、痛みを感じるだろう。
「浮竹、もう大丈夫?あいつはいなくなったよ」
「ん・・・・・もう、俺の血を抜かない?」
「そんなやつ、もうどこにもいないよ」
「京楽・・・分かっていたんだ。あいつがいるんじゃないかって。でもいないと言い聞かせてきたけど、やっぱり欠席すればよかった。しばらく、悪夢を見そうだ」
「じゃあ、悪夢も見ないようにスリープの魔法でしばらくの間眠りにつかせてあげる」
「京楽は、恩人だな」
「そんなことはないよ。君も、僕の立場だったら、何かしたでしょう?」
「そうだな。俺のように血を抜かれて痛い思いや怖い思いをさせた奴がいたなら、竜化して引き裂いていた」
浮竹の目は本気だった。
「うわお、過激。僕の方が大人しいね」
「ヘルレクイエムの魔法をかけたんだろう?」
「そうだよ?一週間は激痛が続くだろうね。でも、生きていられるだけましじゃない?」
「あの魔法の痛みは耐え切れなくなったら死んでしまう」
「知ってるよ?だからかけたの」
「京楽・・・・・・・」
「僕は君を傷つける者なら、容赦なく殺すよ?」
「すまない・・・俺が、お前の手を汚させた」
浮竹が顔を伏せる。
「そんな顔しないで。僕が自分の意思でやってることで、君は何も感じなくていいよ」
「京楽・・・・・」
「浮竹・・・・・・」
「兄らは、まだ教団関係者の移動が終わっていないことを、念頭に入れるように」
白哉の冷えた言葉で、我に返る。
「あははは。洗脳された信者の保護、続けようか」
「そ、そうだな」
とろつくろうが、白哉の冷えた眼差しはこたえた。
イレイサ教の本拠地は灰になり、洗脳されていた信者は保護されて病院や施設に入れられて、幹部の主だった面子はかどわかしや生贄にした殺人の罪で極刑となった。
噂で、イレイサ教の幹部の一人が痛い痛いと叫びながら狂い死んだと聞いて、京楽は冷たく笑うのだった。
「そうじゃ。今回、王国騎士団と一緒にSランク冒険者も、邪教徒の施設を叩くのに趣くとになったのじゃ」
冒険者ギルドのギルドマスターの山じいは、そう言って京楽と浮竹に参加を願い出た。
「白哉君や恋次君、それに他のSランク冒険者もくるの?」
「そうじゃ」
「そう。じゃあ、僕らだけでないってわけにはいかないね」
「邪教徒・・・・・何か、悪いことでもしたのか?この王国は、大地母神マザーサラを信仰しているが、他の宗教にも寛容なんだろう?」
「それがな。生贄として人間や亜人、精霊族を捧げたりして、邪教と認定された宗教でな。イレイア教というのじゃが」
「イレイサ教・・・・・」
浮竹が奴隷時代、イレイサ教の人間に血を抜かれたことがあって、それを思い出して浮竹は眉をしかめた。
「どうしたの、浮竹」
「昔、イレイサ教の信者がよく俺の血液を盗んでいっていた。きっと、金にかえて教団に捧げていたんだろうな」
「はい、壊滅決定。僕の浮竹を傷つけていたなら話は早い」
「春水、お主十四郎のことになると態度がかわるをなんとかせんか」
「無理ですー。奴隷時代とはいえ、浮竹から血を奪って売っていたなんて許せない。それで、その邪教徒の砦はどこ」
「明日、9時にこの冒険者ギルドにこい。王国の騎士団も合流する手はずになっておる」
「明日かぁ。僕は今すぐ壊滅させたいんだけどね」
「あくまで、生きて捕らえるためじゃ。くれぐれも短気はおこさぬように」
「分かったよ、山じい」
あんまり分かったようなかんじじゃないが、京楽はとりあえず明日暴れることにした。
明日の9時になり、Sランク冒険者も多く、王国騎士団のメンバーと合わせると人数は軽く百人をこえた。
「そんなに大規模な砦なの?」
「イレイサ教徒が七百人はいる本拠地だそうだ」
事情をよく聞いていた白哉が答える。
「殺しちゃまずいのかな?」
「武器や魔法で襲ってくる相手はなるべく無力化せよと言われてるが、殺してもかまわないぞうだ」
「そっかー。殺して大丈夫なんだー」
「兄は、くれぐれも暴れないようにと、ギルドマスターから見張りを頼まれている」
「ちぇっ。山じいも余計なことを・・・・・」
「京楽?俺のことはいいんだぞ。昔のことだから」
「だめ。昔も今も関係ない。君を傷つけた相手がいるなら、僕は全力で仕返しするよ」
「だから、くれぐれも暴れないように」
白哉も一緒に行動することになった。恋次もいる。
浮竹、京楽、白哉、恋次は、イレイサ教の本拠地へと、王国騎士団と共に乗り込んだ。
そこにあったのは、洗脳されていかれた信者と、生贄として捧げられていた人間や亜人、精霊族の躯だった。
「う、腐ってる・・・・いつの生贄だろ、これ」
「病気が広がる可能性があるのお。躯には火をつけろ。この教団そのものも灰にする」
王国騎士団の団長は、四楓院夜一といって、褐色の肌をもつ美女だった。
「そなたらには、洗脳された信者を外に誘導してもらいたい」
「仕方ないねぇ」
「行くぞ、京楽」
目が虚ろな信者たちを無理やり歩かせて、立てないものは抱えて教団の外に出る。
「おや、十四郎ちゃんんじゃないか」
三十代後半くらいの教団の幹部らしき者が、浮竹に声をかけてきた。
「う・・・・あ・・・・」
浮竹の様子がおかしかった。
「来る・・・な・・・・・・」
「君、君が昔浮竹の血を勝手に抜いて売ってた信者?」
「ああ、十四郎ちゃんは奴隷として買われていっちゃたんだね。そうだよ、たくさん稼がせてもらったよ。十四郎ちゃんはかわいかったなぁ。血を抜かないでって泣いて」
舌なめずりをする幹部は、武器はもっておらず、両手を後ろでくくられていて、連行される途中だった。
「ヘルレクイエム」
「は?何をした」
「せいぜい、苦しむことだよ。君に、悪夢のような痛みを何度も感じる魔法をかけた」
「は?・・・・・・ぎゃあああああ、痛い痛い!」
「なんだ、うるさい、静かにしろ!」
王国の騎士団の一人に気絶させられて、その幹部は一時楽になった。
だが、目覚めればまたしばらくの間、痛みを感じるだろう。
「浮竹、もう大丈夫?あいつはいなくなったよ」
「ん・・・・・もう、俺の血を抜かない?」
「そんなやつ、もうどこにもいないよ」
「京楽・・・分かっていたんだ。あいつがいるんじゃないかって。でもいないと言い聞かせてきたけど、やっぱり欠席すればよかった。しばらく、悪夢を見そうだ」
「じゃあ、悪夢も見ないようにスリープの魔法でしばらくの間眠りにつかせてあげる」
「京楽は、恩人だな」
「そんなことはないよ。君も、僕の立場だったら、何かしたでしょう?」
「そうだな。俺のように血を抜かれて痛い思いや怖い思いをさせた奴がいたなら、竜化して引き裂いていた」
浮竹の目は本気だった。
「うわお、過激。僕の方が大人しいね」
「ヘルレクイエムの魔法をかけたんだろう?」
「そうだよ?一週間は激痛が続くだろうね。でも、生きていられるだけましじゃない?」
「あの魔法の痛みは耐え切れなくなったら死んでしまう」
「知ってるよ?だからかけたの」
「京楽・・・・・・・」
「僕は君を傷つける者なら、容赦なく殺すよ?」
「すまない・・・俺が、お前の手を汚させた」
浮竹が顔を伏せる。
「そんな顔しないで。僕が自分の意思でやってることで、君は何も感じなくていいよ」
「京楽・・・・・」
「浮竹・・・・・・」
「兄らは、まだ教団関係者の移動が終わっていないことを、念頭に入れるように」
白哉の冷えた言葉で、我に返る。
「あははは。洗脳された信者の保護、続けようか」
「そ、そうだな」
とろつくろうが、白哉の冷えた眼差しはこたえた。
イレイサ教の本拠地は灰になり、洗脳されていた信者は保護されて病院や施設に入れられて、幹部の主だった面子はかどわかしや生贄にした殺人の罪で極刑となった。
噂で、イレイサ教の幹部の一人が痛い痛いと叫びながら狂い死んだと聞いて、京楽は冷たく笑うのだった。
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