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奴隷竜とSランク冒険者43

「今日は新月だな。ハイエルフの俺とダークネスインフェルノドラゴンの京楽ところにいって、フルムーンドラゴン姿の俺を見せて脅かせよう」

そう言いだした浮竹は、半分眠っている京楽を引きずって、ワープポータルに入る。

新月となり、ドラゴン化した浮竹は、自分の体をみた。

「ぴぎゃああ!?」

30メートルはあるはずの、フルムーンドラゴンの姿を見せようと思っていたのに、ちびドラゴンになっていた。

「ぴいぴい」

これじゃあ、驚かせれない。

「んー、浮竹、ここハイエルフの君の家?」

「ぴいぴい」

「え?新月なのに、フルムーンドラゴンの姿になるはずが、ちびドラゴンになったって?そりゃ、進化しても君は年齢的にはまだまだ子ドラゴンなんだから、仕方ないよ」

「ぴぎゃ!」

そう言う京楽を、ドラゴンの尻尾で殴った。

「ちょっと、ちびだからって尻尾で攻撃は禁止だよ。ちびでもドラゴンなんだよ。破壊力がある。ボクじゃなきゃ、首の骨が折れてたよ」

「ぴぴい」

「え、折れてしまえばよかったのに?そりゃないよ浮竹~」

『人の家の前で、何痴話喧嘩してるんだ?』

ハイエルフの浮竹が、扉をあけて出てきた。

「お、フルムーンドラゴンの俺・・・・かわいいなぁ。もっふもふだ」

ハイエルフの自分に捕まって、もふもふされて、浮竹はハイエルフの自分に魔法をかける。

「スリープ」

『ははははは、俺には状態異常系の魔法は効かない・・・・・・ぐーーー』

突然地面に倒れて寝出したハイエルフ浮竹に、京楽が心配そうな声を出す。

「ちょっと、浮竹。ダークネスインフェルノドラゴンのボクが、黙ってないよこれ」

『浮竹?』

ちょうどそこへ、ダークネスインフェルノドラゴンの京楽がやってきて、地面で眠っているハイエルフの浮竹を抱き上げる。

今日は、人型を維持できるらしかった。

『フルムーンドラゴンの君がしたの?』

「ぴぎゃ」

『浮竹には、状態異常無効化の加護がついているはずなんだけどね。さすが、進化してフルムーンドラゴンになっただけはあるね?』

「ぴーぴー」

『え、お腹減った?仕方ないねぇ、家にあがっていいよ』

ハイエルフの浮竹は、しばらくして気が付いた。

その時には、浮竹がピザを食べたついでに酒を飲んでしまい、酔っ払って所かまわずアイシクルブレスを出していた。

『わあああ、俺の家が氷漬けに!』

『浮竹、とめてあげて。ボクの言葉聞いてくれない』

「浮竹、ハイエルフの君が起きたよ。もう、いい加減に落ち着きなさい」 

『スリープ!』

さっきやられた仕返しだとばかりに、眠りの呪文をかけると、浮竹は地面に丸くなって眠ってしまった。

「なんだ、このかわいい生き物は・・・・」

京楽だけでなく、ハイエルフの浮竹も、ダークネスインフェルノドラゴンの京楽も、3人とももふりたがっていた。

それくらいに、もふもふでもこもこだった。

「じゃんけんにしない?じゃけんで最初に勝った人は一番にもふる。あとは浮竹が目覚めるまで、順番にもふろう」

『それ、のった』

『ボクも、フルムーンドラゴンのチビをもふれる機会なんてないだろうから、賛成』

3人はじゃんけんした。

一番に勝ったのハイエルフの浮竹で、早速浮竹をもふりまくり、枕にしてみたりしていた。

「ぴいい・・・・」

『ね、寝言か・・・びっくりした』

さすがに枕にしたと知ったら、怒るだろうと思った。

「次はボクね。ふふふ・・・浮竹、かわいい」

浮竹の体に顔を埋めて、思い切りもふもふした。

最後に、ダークネスインフェルノドラゴンの京楽がもふった。

『う、なんて手に優しいさわり心地なんだ。癖になりそうだよ』

ダークネスインフェルノドラゴンの京楽は、普段浮竹をもふっていないので、今日はもふりまくった。

「ぴぎゃ?」

浮竹が気づくと、皆避のせいで、眠っていた。

「ぴぎゃああああ!!!」

寂しくなった浮竹は、3人にアイシクルブレスを吐いて、氷漬けにして怒られるのであった。

「ぴいぴいい」

「はいはい。とりあえず、アイシクルブレスを戦闘時以外に吐くのはやめようね?」

もっともな京楽の言葉に、怒られてしょんぼりしていた浮竹は、その背に飛び移る。

「わ、重く・・・・・ない。君って、羽毛で覆われてるせいか、体重軽いよね」

「ぴーぴ」

「フルムーンドラゴンの作りは鳥に似てるって?そうなんだ。はじめて知った」

「ぴーぴ」

「ふんづけて殺す時は重力魔法を使ってる・・・・へえ・・・なんか、いらない知識が増えた気がする」

「ぴーぴぎゃ」

「安心しろ、お前はぺしゃんこにしたりしない?ぺしゃんこにされたら、ボク死んじゃうよ」

「ぴーぴ」

「死んじゃダメだ?だったら、ぺしゃんこにしないでね」

「ぴぴい」

浮竹と京楽は、氷漬けにされた部屋の氷を取り除いているハイエルフの浮竹とダークネスインフェルノドラゴンの京楽の気もしならないで、いちゃつくのであった。







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