奴隷竜とSランク冒険者8
今日は満月の日だ。
素直な尻尾の半竜人姿の浮竹を見たくて、京楽は日の出とともにスタンバイしていた。
「ん~。おはよう」
「おはよう」
「あ、今日は満月か。半竜人化して、外に出れないな」
ぺたんと尻尾を伏せる。
「室内デートしよ」
「室内デート?」
「そう。まぁ、ただいちゃいちゃするだけなんだけけど」
「お断りだ!」
そう言いながらも、浮竹の尻尾は嬉しそうにぶんぶん振られていた。
「え、だめぇ?」
「う・・・・だめじゃ、ない」
ぶんぶん。
勢いのいい尻尾は、京楽の足に当たった。
「ぬおおおおおお」
思わぬ激痛に、京楽は蹲る。
「京楽?し、尻尾があたったのか?」
「いや、なんのこれしき。愛の力の前では・・・・ヒーリング」
「愛の力の前とか言いながら、癒しの魔法使うな」
つーんと浮竹はすねた。
「今日は、ガトーショコラのケーキ作ってあげるから」
ぶんぶん。
嬉しそうに動く尻尾に苦笑しながら、京楽と浮竹は満月の日は室内で過ごすことに決めるのだった。
「ガトーショコラケーキ、まだか?」
「あと5分待って。上にチョコレート味の生クリーム乗せるから」
浮竹はチョコレートが大好きだ。
甘い物が好きなので、よく京楽が甘いお菓子を作ってくれた。
作れない忙しい時は、店で買って、冷蔵庫にストックしておく。
ダンジョンにもぐって、宿に帰れない日なんかは、アイテムポケットに入れたりしていた。
「ほら、お待ちどうさま。ガトーショコラケーキだよ」
「お、うまそうだな」
浮竹は、フォークを丁寧に使って、ガトーショコラケーキを食べる。
「ん・・・苦いが、上にのってるチョコ味の生クリームがあまくって、まっちする」
「ガトーショコラケーキは苦い味が売りだからね。もっと甘いケーキがよかった?」
「これはこれでいい。ほろ苦いけど美味しい」
浮竹は、椅子に座りながら尻尾をぶんぶん振っていた。
「京楽、お前は食べないのか?」
「ああ、君の分だけ作ったから」
「仕方ない。口をあけろ」
浮竹の言う通りに口をあけると、浮竹は自分の食べていたガトーショコラケーキを一口京楽の口に放り込んだ。
「こ、これが俗に言うあーん・・・・・」
「あーん?なんだ、それは」
「気にしないで」
京楽は、ほわほわしていた。
「桃の天然水だよ。ほのかに甘いよ。飲んでごらん」
「ん、確かに僅かに甘い」
桃の天然水をもらい、浮竹の尻尾はもうぶんぶんしっぱなしであった。
「おいしかったかい?」
「ふん、まぁまぁだな」
ツンデレな言い方とは裏腹に、尻尾は嬉しそうにぶんぶん振っている。
そんな浮竹の尻尾を、京楽は好きだった。
「ねぇ、僕のこと好き?」
「なんだ、突然」
「好き?嫌い?」
「普通・・・・・・」
ぶんぶんぶんぶん。
尻尾の振り方を見て、京楽は浮竹に口づけた。
「ん・・・・・・」
「ふふ、ほろ苦い。ガトーショコラの味がするね」
「この桃の天然水というの、おかわりはないのか」
「それ、今冬だから冷凍した桃から果汁をしぼって天然水と混ぜているからね。けっこう高いんだよ。あと2本しか、ストックがないよ」
「じゃあ、1本くれ」
「仕方ないねぇ」
京楽は、冷蔵庫をあけてよく冷えた桃の天然水を浮竹に渡した。
浮竹は、それを一口含んで、京楽にくちづけて、中身を流しこむ。
「んっ・・・・・」
京楽は、浮竹の舌をとらえてゆっくりと自分の舌で絡めとる。
「んあっ」
つっと、銀の糸をひいて舌が出ていく。
「その気になった?」
「ばか、こんな昼からそんな気になるか!」
尻尾はぶんぶん振っていないので、浮竹にその気がないと分かって、京楽は手を出すのは夜にしようと決める。
「時間はいっぱいあるしね。この前、君が気にしていた小説の最新作買っておいたよ」
「お、読みたい」
ぶんぶんと尻尾を振って、浮竹は京楽から小説の最新刊をもらって、読んでいく。
その間、暇なので京楽は少し手のこんだ夕飯を作り始めた。
「ふあ~、もう夕方か。腹減った」
「今日はいろいろ作ったよ。美味しく食べてね?その後、僕がおいしく浮竹を食べちゃうから」
「む、俺を抱く気か」
「だめ?」
「だめ・・・・・じゃ、ない」
尻尾はゆっくりと振っていた。
京楽の作った手の込んだ夕飯をゆっくり食べて、風呂に入り、髪をかわかしていると、京楽が浮竹の部屋に入ってきた。
片付いてはいるが、魔導書が床につまれていたりで、広い部屋は少し狭く感じた。
「おいで、浮竹」
「ん・・・・・・・」
京楽に抱き寄せられて、長い白髪がさらさらと零れる。
「大好きだよ、浮竹。ずっと、僕の傍にいてね」
「京楽・・・・・お前は、半竜人の俺を抱くが、この姿、不気味じゃないのか?」
「全然。すごく綺麗だよ。尻尾は素直だし」
「むう・・・・」
「ふふ、かわいい」
「あっ」
尻尾の先を握られて、思わず甘い声を出す。
「美味しく食べちゃっていい?」
「お前になら・・・いい」
浮竹は目を閉じる。
京楽が衣服を脱いで、覆いかぶさってくる。
「愛してる・・・・・・」
浮竹はそっと呟いて、目を開ける。
京楽の鳶色の瞳と視線が合った。
「ふふ、頬が赤いね。緊張してる?」
「そ、そんなことない。はじめてじゃないし・・・・それより、加減しろよ?お前に本気を出されて抱かれた次の日は、癒しの魔法がないと腰が痛い」
「分かってるよ。優しくするから・・・・・」
ちゅっと、額に口づけられて、浮竹も京楽の額に口づける。
夜はまだはじまったばかり。
奴隷竜であった浮竹と、Sランク冒険者の京楽の夜は、更けていくのだった。
素直な尻尾の半竜人姿の浮竹を見たくて、京楽は日の出とともにスタンバイしていた。
「ん~。おはよう」
「おはよう」
「あ、今日は満月か。半竜人化して、外に出れないな」
ぺたんと尻尾を伏せる。
「室内デートしよ」
「室内デート?」
「そう。まぁ、ただいちゃいちゃするだけなんだけけど」
「お断りだ!」
そう言いながらも、浮竹の尻尾は嬉しそうにぶんぶん振られていた。
「え、だめぇ?」
「う・・・・だめじゃ、ない」
ぶんぶん。
勢いのいい尻尾は、京楽の足に当たった。
「ぬおおおおおお」
思わぬ激痛に、京楽は蹲る。
「京楽?し、尻尾があたったのか?」
「いや、なんのこれしき。愛の力の前では・・・・ヒーリング」
「愛の力の前とか言いながら、癒しの魔法使うな」
つーんと浮竹はすねた。
「今日は、ガトーショコラのケーキ作ってあげるから」
ぶんぶん。
嬉しそうに動く尻尾に苦笑しながら、京楽と浮竹は満月の日は室内で過ごすことに決めるのだった。
「ガトーショコラケーキ、まだか?」
「あと5分待って。上にチョコレート味の生クリーム乗せるから」
浮竹はチョコレートが大好きだ。
甘い物が好きなので、よく京楽が甘いお菓子を作ってくれた。
作れない忙しい時は、店で買って、冷蔵庫にストックしておく。
ダンジョンにもぐって、宿に帰れない日なんかは、アイテムポケットに入れたりしていた。
「ほら、お待ちどうさま。ガトーショコラケーキだよ」
「お、うまそうだな」
浮竹は、フォークを丁寧に使って、ガトーショコラケーキを食べる。
「ん・・・苦いが、上にのってるチョコ味の生クリームがあまくって、まっちする」
「ガトーショコラケーキは苦い味が売りだからね。もっと甘いケーキがよかった?」
「これはこれでいい。ほろ苦いけど美味しい」
浮竹は、椅子に座りながら尻尾をぶんぶん振っていた。
「京楽、お前は食べないのか?」
「ああ、君の分だけ作ったから」
「仕方ない。口をあけろ」
浮竹の言う通りに口をあけると、浮竹は自分の食べていたガトーショコラケーキを一口京楽の口に放り込んだ。
「こ、これが俗に言うあーん・・・・・」
「あーん?なんだ、それは」
「気にしないで」
京楽は、ほわほわしていた。
「桃の天然水だよ。ほのかに甘いよ。飲んでごらん」
「ん、確かに僅かに甘い」
桃の天然水をもらい、浮竹の尻尾はもうぶんぶんしっぱなしであった。
「おいしかったかい?」
「ふん、まぁまぁだな」
ツンデレな言い方とは裏腹に、尻尾は嬉しそうにぶんぶん振っている。
そんな浮竹の尻尾を、京楽は好きだった。
「ねぇ、僕のこと好き?」
「なんだ、突然」
「好き?嫌い?」
「普通・・・・・・」
ぶんぶんぶんぶん。
尻尾の振り方を見て、京楽は浮竹に口づけた。
「ん・・・・・・」
「ふふ、ほろ苦い。ガトーショコラの味がするね」
「この桃の天然水というの、おかわりはないのか」
「それ、今冬だから冷凍した桃から果汁をしぼって天然水と混ぜているからね。けっこう高いんだよ。あと2本しか、ストックがないよ」
「じゃあ、1本くれ」
「仕方ないねぇ」
京楽は、冷蔵庫をあけてよく冷えた桃の天然水を浮竹に渡した。
浮竹は、それを一口含んで、京楽にくちづけて、中身を流しこむ。
「んっ・・・・・」
京楽は、浮竹の舌をとらえてゆっくりと自分の舌で絡めとる。
「んあっ」
つっと、銀の糸をひいて舌が出ていく。
「その気になった?」
「ばか、こんな昼からそんな気になるか!」
尻尾はぶんぶん振っていないので、浮竹にその気がないと分かって、京楽は手を出すのは夜にしようと決める。
「時間はいっぱいあるしね。この前、君が気にしていた小説の最新作買っておいたよ」
「お、読みたい」
ぶんぶんと尻尾を振って、浮竹は京楽から小説の最新刊をもらって、読んでいく。
その間、暇なので京楽は少し手のこんだ夕飯を作り始めた。
「ふあ~、もう夕方か。腹減った」
「今日はいろいろ作ったよ。美味しく食べてね?その後、僕がおいしく浮竹を食べちゃうから」
「む、俺を抱く気か」
「だめ?」
「だめ・・・・・じゃ、ない」
尻尾はゆっくりと振っていた。
京楽の作った手の込んだ夕飯をゆっくり食べて、風呂に入り、髪をかわかしていると、京楽が浮竹の部屋に入ってきた。
片付いてはいるが、魔導書が床につまれていたりで、広い部屋は少し狭く感じた。
「おいで、浮竹」
「ん・・・・・・・」
京楽に抱き寄せられて、長い白髪がさらさらと零れる。
「大好きだよ、浮竹。ずっと、僕の傍にいてね」
「京楽・・・・・お前は、半竜人の俺を抱くが、この姿、不気味じゃないのか?」
「全然。すごく綺麗だよ。尻尾は素直だし」
「むう・・・・」
「ふふ、かわいい」
「あっ」
尻尾の先を握られて、思わず甘い声を出す。
「美味しく食べちゃっていい?」
「お前になら・・・いい」
浮竹は目を閉じる。
京楽が衣服を脱いで、覆いかぶさってくる。
「愛してる・・・・・・」
浮竹はそっと呟いて、目を開ける。
京楽の鳶色の瞳と視線が合った。
「ふふ、頬が赤いね。緊張してる?」
「そ、そんなことない。はじめてじゃないし・・・・それより、加減しろよ?お前に本気を出されて抱かれた次の日は、癒しの魔法がないと腰が痛い」
「分かってるよ。優しくするから・・・・・」
ちゅっと、額に口づけられて、浮竹も京楽の額に口づける。
夜はまだはじまったばかり。
奴隷竜であった浮竹と、Sランク冒険者の京楽の夜は、更けていくのだった。
PR
- トラックバックURLはこちら