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好きから始まる物語 ルキアとの再会

「またか・・・・」

ルキアは、一護のベッドで眠っていた。

そのルキアを腕の中で抱き締める形で、一護も眠った。

高校卒業まであと4か月。

それが、一護に残された時間だった。

一護は、ルキアのことが好きだった。

でも、ルキアはそういうわけじゃなくて、一護をただの大切な仲間として見ていた。

好きだと、告げたかった。だが、ルキアの傍にはすでに恋次がいた。

「なぁ、お前と恋次ってできてるのか?」

「な、たわけ!そのようなものではない。恋次は家族だ」

ルキアは頬を朱くしたが、恋次とできているわけでもなさそうだった。

これって、もしかしたら脈あるんじゃね?

そう思って、冗談のように囁いてみた。

「俺がお前のこと・・・その、異性をとして見ているかもしれないと言ったらどうする?」

「たわけ!そんな冗談は、顔だけにしろ」

ただの冗談として取られた。

ああ、脈なんてなさそう。

好きといっても、断られると思った。だから、思いをひた隠しにしていた。これ以上好きにならないようにと言い聞かせながら、高校生活を送った。

毎日、一緒に登下校を繰り返した。

一緒の部屋で眠り、一緒の家で生活した。

たまに、恋次が遊びにきた。

「おう、一護、元気にしてるか?」

「よお、恋次。お前こそ元気か?」

恋次に、相談した。

「なぁ。恋次はルキアのこと好きなんだろ」

恋次は真っ赤になったが、否定しなかった。

「そりゃ、ずっと一緒にいるしな。でも、告白したけど、家族としてしか見られないって、断られちまった」

「恋次でも無理なのか・・・・・」

「なんだ、お前ルキアに告白したいのか?」

「ああ」

頷くと、恋次は渋い顔をした。

「どうだろうなぁ。お前のこと、特別のように見てるきもするけど」

「でも、この前「俺がお前のこと・・・その、異性をとして見ているかもしれないと言ったらどうする?」って聞いたら、冗談は顔だけにしろって言われた」

「くーーーー、ルキアの奴きついな。でも、ルキアはお前のこと好きだと思っていたんだけどなぁ」

「ルキアの心の中には、誰も住んでいないのかな」

「どうだろうな。俺もしつこく何度かアプローチしたが、全部無視された」

ルキア。朽木ルキア。

例え拒絶されても、お前のことが好きだ。

でも、断られるのが怖くて、ルキアと同じ場所にいながら、結局好きだと言えぬまま。日々を過ごしていった。、



高校を卒業して、ルキアは尸魂界に帰った。

一護は、井上と同じ大学に進んだ。茶虎は別の大学に通いながら、プロボクサーとして、石田は医師の卵として難関大学の医学部に進んだ。

ルキアは、ちっとも顔を見せてくれなかった。伝令神機のメルアドの交換先さえ教えてくれなかった。

一護は諦めていた。

ルキアは、死神。高値の花。

ルキアと別れて2か月が経つ頃、ずっと前から好きだと伝えられて、井上と付き合いだした。

ルキアのことを好きだと、井上は知っていた。

ただ、それでもいいと、井上は言ってくれた。

井上と付き合い、ルキアのことを忘れようとした。つきあって1年目、一護は井上を抱いた。どんなに井上を抱いても、ルキアのことを忘れられなかった。

「ごめんな、井上。俺、まだルキアのこと、忘れられそうにない」

「うん、それでもいいの。黒崎君が私の傍にいてくれるなら・・・・・・私、どんなことだってするよ」

井上はかわいかった。

一護のためならなんでもしてくれた。


「井上・・・・・・いつか結婚しよう」

もう、ルキアのことは忘れよう。

そう思った。

井上は、その言葉に凄く喜んでくれた。

貯金をはたいて、婚約指輪を買った。

アメジストをあしらったもので、まるでルキアの瞳のようだった。

「しっかりしろよ俺・・・・ルキアのことは忘れちまえ」

何度も自分に言い聞かせた。

指輪を贈ると、井上は泣いていた。

アメジストがルキアの瞳の色だから買ったなんて、毛ほどにも知らない様子だった。

ああ。

ルキア、ルキア、ルキア。

もう一度会いたい。声を聞きたい。抱きしめたい、

でも、かなわぬ願い。

ルキアが尸魂界に戻り、現世を去って3年が経とうとしていた。井上との交際は順調で、父親と妹たちに、婚約していることを教えた。

「え、ルキアちゃんは?」

夏梨がそんなことを言った。

一護は眉を顰めて言った。

「俺とルキアはそんなんじゃねーよ」

もう、戻ってこないのだ、あの愛しいアメジストは。



それから3日後のこことだった。

浦原に頼まれて、浦原商店にきていた。

「いやー、黒崎サンすみませんね。どうしてもあなたに会いたいという人がいるものですから」

「もったいつけるなよ」

「朽木サーン」

「え」

一護は固まった。

現れたのはルキアだった。3年前と何一つ変わらぬ姿。

「一護・・・・元気にしておったか」

心を鬼にする。

「ルキア、何の用だよ」

「ふ・・・3年はあっとう間のようで長いか。あの頃の私は、恋愛をすれば発病する特殊なウィルスに感染していた。最近、やっと治ったのだ」

ルキア、ルキア、ルキア。

恋愛をすれば発病する特殊なウィルス?

じゃあ、俺のことを?

「貴様が・・・・・ずっと好きだった、一護」

今更だ。

何す勝手なこと言ってるんだよ。

俺には井上がいる。

「だが、一護は井上のことが好きなようだし。だた、会って想いを告げておきたかったのだ。恋次の想いもあるし、私は身を引くよ。さらばだ、一護。ああ、メルアドを教えておく。会いにくるとこは滅多にないだろうが、せめて友人として傍にさせてくれ」

ルキアを抱き締めていた。

「一護?」

「遅いんだよバカ野郎!どれだけ待たせれば気が済むんんだよ!俺は・・・・昔からずっと、お前のことが好きだった。今でも好きなんだよ!」

こう答えると、ルキアはアメジストの瞳から涙をたくさん零した。

「そうか・・・そうか・・・私たちの心は、通じ合っておったのだな・・・・」

もう、ルキアしか見えない。

井上のことなんて、どうでもよくなっていた。





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