好きから始まる物語 ルキアと一護の一日
結局、2人は死神に戻ってしまった。
長い生を重ねるだろう。記憶置換で、周囲の人間には老化しないことを不思議に思わせないようにしていた。
「なぁルキア・・・・好きだぜ」
「ん・・・・いちごおお」
寝室で、体を重ねていた。
「あ、一護・・・・」
「好きだ、ルキア・・・」
「私も好きだ、一護・・・」
今、ルキアのお腹の中には、一護とルキアの愛の結晶が宿っていた。
次の日、遅くまで睦みあっていたせいで、寝坊した。
「んー、一護、好き・・・・・・」
むにゃむにゃいうルキアを寝かせたまま、一護はその日の仕事を始めた。
黒崎家の通帳は、ルキアの義兄である白哉のせいで、億をこえる金が貯蓄されている。
仕事をしなくても生きていけたが、暇すぎるので、仕事は続けていた。
「いちごお?」
寝ぼけ眼のルキアを抱き締めて、膝の上に座らせた。
「なんなのだ、貴様・・・・・・」
「んー。甘い時間もほしいと思って」
「そんなに白玉餡蜜が食いたいのか。仕方ないな・・」
立ち上がろうとしたルキアを制して、膝の上に乗せたままにする。
「どうしたというのだ」
「好きだから、こうしてる」
「ん・・・・いちごお」
甘ったるい空気。ルキアから、一護に舌の絡まるキスをしてきた。
「誘ってる?」
「ち、違う!」
「あーもう、なんでこんなにかわいいんだよ、ルキア!」
膝の上に乗ったたままのルキアを抱き締めた。
「一護・・・・・」
「ルキア・・・・」
また、唇が重なった。
ちゅっと、触れるだけのキスを繰り返す。
「抱かないのか?」
「昨日抱いたばかりだ」
「そうであったな」
ルキアを抱き締める。シャンプーの甘い香りがした。
「一護、貴様は太陽のようだな」
「そういうルキアは月みたいだ」
「ふふ・・・互いに存在しないと、生きていけぬところとか、そっくりではないか」
ルキアを抱き締めたまま、一護は平らなルキアの腹を撫でた。
「男の子かな?女の子かな?」
「多分ではあるが、男の子であると思うのだ」
「名前はもう決めてある。男の子なら、一勇、女の子なら苺花・・・・」
ルキアを座らせて、その膝に寝転んで、お腹をなでたあと、胸の服のボタンを外して、醜く残ってしまったルキアの胸の傷跡を触り、口づけた。
「なぁ。傷跡消す整形手術受けれるとしたら、どうする?」
「私はこのままで良い・・・・この傷も、貴様と過ごした時間の証だ」
「そうか・・・・」
一護は、それ以上傷跡のことは何も言わなかった。
お腹を撫でる。
「ふふ・・・くすぐったい」
「もっと触っていいか?」
「ああ、もっと触ってくれ。きっと、お腹の中の子に伝わる。貴様の愛が」
暖房の利いた部屋で、ルキアと丸くなって横になる。
ルキアを腕の中で抱きしめる形で。
「愛している、一護・・・・・・」
「俺も愛してる、ルキア・・・・・」
互いの体温を共有し合った。
こんな場面、恋次が見たら真っ赤になって卒倒するだろう。
甘い甘い時間だった。
「ん、一護、もう少しそっちにいってもいいか?」
「ああ、来いよ」
ルキアを抱き寄せる。
ルキアの細い体を抱き締めながら、一護は砂糖みたいに甘いルキアとの時間を楽しむ。
「ああ、一護、暖かい・・・・・」
「ルキアもあったかいな・・・・・」
互いの体温が気持ちよかった。
「あれほど寝たのに、また眠くなってきた・・・・・」
「寝ていいぜ。俺も、ちょっと眠い・・・・・・」
二人は、ソファーの上で、猫のように丸くなって眠った。
「ああ、もうこの二人は・・・・・」
やってきた恋次は、猫のように丸くなって眠る二人に毛布をかけてやり、伝令神機をオフにする。
今日は、一護とルキアが籍を入れた、いわゆる結婚記念日だ。
今日くらい、虚退治は自分が引き受けてやろうと思った。
「ん・・・いい匂いがする・・・・」
ルキアが目を開けると、台所からコトコトと音がしてきた。
「お、ルキア起きたか。今日は俺が飯作るから。メニューは中華スープ、キムチチャーハンに、エビチリ、エビマヨ、麻婆豆腐に杏仁豆腐だ」
「今日は、豪勢なのだな」
「結婚記念日だからな」
「え、そうなのか?」
「ああ。白哉が籍を入れた日だ」
籍をいれて2年目になる。
「兄様が勝手に籍をいれてしまったからな。結婚したという気がいまいち分からぬ」
「でも、こうして一緒にいると、結婚したって気にならないか?」
「どうであろう・・・・」
ルキアを抱き締める。
「永遠の愛を、お前に」
「永遠に愛を、貴様に」
唇が重なる。
「ふふ・・・・・」
「はは・・・・・」
お互いの額に額をぶつけあい、包容を続ける。
「貴様は、空気でさえ甘い。どこもしこも甘くて、蜂蜜のようだ」
「それはお前だろ。ああ、甘いな・・・・・」
耳をかじってやった。
「ひゃん!」
変な声が出た。
「もっと、声、聞かせて?」
「貴様、作りかけの夕飯はどうするのだ!」
「そうだった!」
一護が鍋の中を見る。幸いなことに、焦げてはいなかった。
「おい、一護、ルキア」
「わあ!」
勝手に入ってきた恋次に、ルキアが顔をしかめた。
「たわけ!勝手に入ってくるなと何度言えば分かるのだ!」
「ちゃんとチャイム押した!」
「そうか?聞こえなかった」
「どうせイチャイチャラブラブしてたんだろ?」
「恋次!」
「はははははは!今日はお前らの結婚記念日だから、特別にこの地域の虚退治を引き受けてやったんだよ!こういう日に限って虚はよく出やがるし・・・」
「恋次も食べていけ。私の愛しい夫は、料理も得意なのだ」
「ああ、確かに一護の作る飯がうめぇからな」
恋次も、まるで家族の一員だ。
来年になると、また家族が増える。
「兄様は、元気にしているか?」
「元気すぎて、この前雑魚の虚相手に卍解して、ぎったぎたにしてた」
「兄様も、ストレスがたまっているのであろうか・・・そうだ、一護、麻婆豆腐を皿に入れてラッピングしてくれ」
「どうするんだ?」
皿にいれてラッピングした麻婆豆腐を、恋次に押し付ける。
「兄様は辛いものが好きだからな。恋次、これを兄様に渡してくれ」
「分かった」
白哉は、それを尸魂界で受け取り口にして、目を見開いた。
「恋次。黒崎一護に、このメニューのレシピをメモしたものをよこせと、言っておけ」
「分かりました、隊長」
白哉は現世にこそあまりこないが、伝令神機で義妹のルキアとはよくやりとりをしていた。
「幸せなったのだな、二人とも・・・・・・」
白哉は満足げに微笑んだ。
そして次の年。
ルキアは男児を産み、「一勇」と名付けられるのであった。
好きから始まる物語
fin
長い生を重ねるだろう。記憶置換で、周囲の人間には老化しないことを不思議に思わせないようにしていた。
「なぁルキア・・・・好きだぜ」
「ん・・・・いちごおお」
寝室で、体を重ねていた。
「あ、一護・・・・」
「好きだ、ルキア・・・」
「私も好きだ、一護・・・」
今、ルキアのお腹の中には、一護とルキアの愛の結晶が宿っていた。
次の日、遅くまで睦みあっていたせいで、寝坊した。
「んー、一護、好き・・・・・・」
むにゃむにゃいうルキアを寝かせたまま、一護はその日の仕事を始めた。
黒崎家の通帳は、ルキアの義兄である白哉のせいで、億をこえる金が貯蓄されている。
仕事をしなくても生きていけたが、暇すぎるので、仕事は続けていた。
「いちごお?」
寝ぼけ眼のルキアを抱き締めて、膝の上に座らせた。
「なんなのだ、貴様・・・・・・」
「んー。甘い時間もほしいと思って」
「そんなに白玉餡蜜が食いたいのか。仕方ないな・・」
立ち上がろうとしたルキアを制して、膝の上に乗せたままにする。
「どうしたというのだ」
「好きだから、こうしてる」
「ん・・・・いちごお」
甘ったるい空気。ルキアから、一護に舌の絡まるキスをしてきた。
「誘ってる?」
「ち、違う!」
「あーもう、なんでこんなにかわいいんだよ、ルキア!」
膝の上に乗ったたままのルキアを抱き締めた。
「一護・・・・・」
「ルキア・・・・」
また、唇が重なった。
ちゅっと、触れるだけのキスを繰り返す。
「抱かないのか?」
「昨日抱いたばかりだ」
「そうであったな」
ルキアを抱き締める。シャンプーの甘い香りがした。
「一護、貴様は太陽のようだな」
「そういうルキアは月みたいだ」
「ふふ・・・互いに存在しないと、生きていけぬところとか、そっくりではないか」
ルキアを抱き締めたまま、一護は平らなルキアの腹を撫でた。
「男の子かな?女の子かな?」
「多分ではあるが、男の子であると思うのだ」
「名前はもう決めてある。男の子なら、一勇、女の子なら苺花・・・・」
ルキアを座らせて、その膝に寝転んで、お腹をなでたあと、胸の服のボタンを外して、醜く残ってしまったルキアの胸の傷跡を触り、口づけた。
「なぁ。傷跡消す整形手術受けれるとしたら、どうする?」
「私はこのままで良い・・・・この傷も、貴様と過ごした時間の証だ」
「そうか・・・・」
一護は、それ以上傷跡のことは何も言わなかった。
お腹を撫でる。
「ふふ・・・くすぐったい」
「もっと触っていいか?」
「ああ、もっと触ってくれ。きっと、お腹の中の子に伝わる。貴様の愛が」
暖房の利いた部屋で、ルキアと丸くなって横になる。
ルキアを腕の中で抱きしめる形で。
「愛している、一護・・・・・・」
「俺も愛してる、ルキア・・・・・」
互いの体温を共有し合った。
こんな場面、恋次が見たら真っ赤になって卒倒するだろう。
甘い甘い時間だった。
「ん、一護、もう少しそっちにいってもいいか?」
「ああ、来いよ」
ルキアを抱き寄せる。
ルキアの細い体を抱き締めながら、一護は砂糖みたいに甘いルキアとの時間を楽しむ。
「ああ、一護、暖かい・・・・・」
「ルキアもあったかいな・・・・・」
互いの体温が気持ちよかった。
「あれほど寝たのに、また眠くなってきた・・・・・」
「寝ていいぜ。俺も、ちょっと眠い・・・・・・」
二人は、ソファーの上で、猫のように丸くなって眠った。
「ああ、もうこの二人は・・・・・」
やってきた恋次は、猫のように丸くなって眠る二人に毛布をかけてやり、伝令神機をオフにする。
今日は、一護とルキアが籍を入れた、いわゆる結婚記念日だ。
今日くらい、虚退治は自分が引き受けてやろうと思った。
「ん・・・いい匂いがする・・・・」
ルキアが目を開けると、台所からコトコトと音がしてきた。
「お、ルキア起きたか。今日は俺が飯作るから。メニューは中華スープ、キムチチャーハンに、エビチリ、エビマヨ、麻婆豆腐に杏仁豆腐だ」
「今日は、豪勢なのだな」
「結婚記念日だからな」
「え、そうなのか?」
「ああ。白哉が籍を入れた日だ」
籍をいれて2年目になる。
「兄様が勝手に籍をいれてしまったからな。結婚したという気がいまいち分からぬ」
「でも、こうして一緒にいると、結婚したって気にならないか?」
「どうであろう・・・・」
ルキアを抱き締める。
「永遠の愛を、お前に」
「永遠に愛を、貴様に」
唇が重なる。
「ふふ・・・・・」
「はは・・・・・」
お互いの額に額をぶつけあい、包容を続ける。
「貴様は、空気でさえ甘い。どこもしこも甘くて、蜂蜜のようだ」
「それはお前だろ。ああ、甘いな・・・・・」
耳をかじってやった。
「ひゃん!」
変な声が出た。
「もっと、声、聞かせて?」
「貴様、作りかけの夕飯はどうするのだ!」
「そうだった!」
一護が鍋の中を見る。幸いなことに、焦げてはいなかった。
「おい、一護、ルキア」
「わあ!」
勝手に入ってきた恋次に、ルキアが顔をしかめた。
「たわけ!勝手に入ってくるなと何度言えば分かるのだ!」
「ちゃんとチャイム押した!」
「そうか?聞こえなかった」
「どうせイチャイチャラブラブしてたんだろ?」
「恋次!」
「はははははは!今日はお前らの結婚記念日だから、特別にこの地域の虚退治を引き受けてやったんだよ!こういう日に限って虚はよく出やがるし・・・」
「恋次も食べていけ。私の愛しい夫は、料理も得意なのだ」
「ああ、確かに一護の作る飯がうめぇからな」
恋次も、まるで家族の一員だ。
来年になると、また家族が増える。
「兄様は、元気にしているか?」
「元気すぎて、この前雑魚の虚相手に卍解して、ぎったぎたにしてた」
「兄様も、ストレスがたまっているのであろうか・・・そうだ、一護、麻婆豆腐を皿に入れてラッピングしてくれ」
「どうするんだ?」
皿にいれてラッピングした麻婆豆腐を、恋次に押し付ける。
「兄様は辛いものが好きだからな。恋次、これを兄様に渡してくれ」
「分かった」
白哉は、それを尸魂界で受け取り口にして、目を見開いた。
「恋次。黒崎一護に、このメニューのレシピをメモしたものをよこせと、言っておけ」
「分かりました、隊長」
白哉は現世にこそあまりこないが、伝令神機で義妹のルキアとはよくやりとりをしていた。
「幸せなったのだな、二人とも・・・・・・」
白哉は満足げに微笑んだ。
そして次の年。
ルキアは男児を産み、「一勇」と名付けられるのであった。
好きから始まる物語
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