恋というもの
「冬か・・・・・」
季節は冬。
椿の花が咲いていた。
ちらりちらりと、空から雪が降ってきた。
「隊長、そんな薄着で大丈夫ですか」
「心配ない」
身を切るような寒さはしたが、この程度で風邪を引くようなやわな体ではない。
実の兄のように慕っている浮竹なら、きっと風邪を引いてこじらせてしまうだろうが。
「これ、着てください」
ふわりと、暖かな体温に包まれた。
「このような安物・・・・・」
恋次が着ていた、安物の着物の上着だった。
「でも、暖かいでしょう?」
「それは・・・・」
確かに、暖かかった。
「恋次の匂いがする・・・・」
そういうと、恋次は顔を朱くしてこういった。
「誘ってるんすか?」
「何故そうなる」
頭痛がしそうだった。
ただ、本当のことを言っただけで、盛るまで盛りのついた雄猫のようだ。実質は犬に近いが。
「今日は、抱かせぬからな」
「えー」
「この前、抱いたばかりであろう」
恋次が、椿の花を手折ってきた。
何をするのかと見ていいたら、白哉の髪に飾った。
「何を・・・・・」
「あんたは、髪飾りや簪贈っても受け取ってくれないから。これなら、つけていても平気でしょう?どうせすぐに散ってしまう」
飾られた椿と同じ椿を見る。
濃い紅色をしていた。
それは、白い肌に少し長い黒髪の白哉によく似あった。
「このような、安物中の安物・・・・・」
金さえかかっていない。ただだ。
「手折られる椿がかわいそうだ。今後、このような真似はするな」
「えー」
何が不満なのか、恋次は先ほどから不満の声をばかりをあげていた。
「今日は、隊長の誕生日だけど・・・何にも用意できなかったから」
「ああ、そういえば誕生日であったか・・・・・忘れていた」
もう、何歳になったのか忘れてしまった。
200をこしたあたりから、年を数えるのを止めてしまった。
「誕生日、おめでとうごいます」
「礼だけは言っておく」
今日は、何か辛いものが食べたい・・・・黒崎一護が教えてくれた、「麻婆豆腐」なるものを料理人に作らせようと決める。
6番隊執務室を後にして、朽木家に帰る途中まで、恋次がついてきた。
「何故、ついてくる」
「いや、ルキアにちょっと用があって」
「そうか」
ルキアは、今黒崎一護と付き合っている。
白哉と恋次のような爛れた関係ではなく、純愛だ。
純愛。
緋真がいた頃は、そんな気持ちもあった。
だが、死別してもう心に決めた。誰も恋愛感情で愛さないと。
ルキアのことは愛している。家族愛だ。
恋次のことは好きだし、逢瀬を重ねているが、愛しているとは言えないでいた。
恋次と一緒に夜を共にすると、時折もやもやとしたよく分からない感情を抱いた。
それがなんなのであるか、分からない。
分からぬままでいいのだと思う。
分かってしまったら、爛れていてるし、この関係も終わりだ。
「兄様、その椿は?よく似合っています」
家につくと、ルキアにそう言われて、椿を髪に飾ったままなのだと気づいて、ルキアの髪にかざった。
「ルキアのほうが似合う」
それは本当だった。
義妹であるルキアは美しい。緋真によく似ている。
「ルキア、その椿は隊長のものだ」
「なんだ、恋次!貴様、朽木家にまでくるとは、よほど兄様が恋しいのだな」
「な、そんなんじゃねーよ!」
「ふーん。兄様、誕生日おめでとうございます」
ルキアは、現世のカラムーチョという、最近白哉がはまっている菓子をいっぱいいれた包みをププレゼントしてきた。
辛い物が好きな白哉のために、わざわざ現世まで・・・・そう思うと、自然と笑みが零れた。
「兄様、ご機嫌ですね」
「恋次、お前はもう下がれ。ここは朽木家だ」
「隊長、好きです」
抱き締められた。
「ルキアが見ている。やめよ」
「それでも、あんたが好きだ」
さすがに義妹の前で、睦みあう真似事をされるのが嫌で、恋次と距離をとる。
「いつか、あんたを攫っていく」
「ふ・・・できるものなら」
恋次は、朽木家を後にした。
「兄様、この椿、お返しします」
なんともいえない感情に支配されて、ルキアに頼んでその椿を氷漬けにしてもらい、氷室で保存することにした。
「この感情は、なんなのであろう」
もやもやしている。
でも、分からなくていいのだ。
分かってしまえしまえば、もうお前とはいられぬのだから。
私が愛するのは、亡き緋真のみ。
それだけが全て。
季節は冬。
椿の花が咲いていた。
ちらりちらりと、空から雪が降ってきた。
「隊長、そんな薄着で大丈夫ですか」
「心配ない」
身を切るような寒さはしたが、この程度で風邪を引くようなやわな体ではない。
実の兄のように慕っている浮竹なら、きっと風邪を引いてこじらせてしまうだろうが。
「これ、着てください」
ふわりと、暖かな体温に包まれた。
「このような安物・・・・・」
恋次が着ていた、安物の着物の上着だった。
「でも、暖かいでしょう?」
「それは・・・・」
確かに、暖かかった。
「恋次の匂いがする・・・・」
そういうと、恋次は顔を朱くしてこういった。
「誘ってるんすか?」
「何故そうなる」
頭痛がしそうだった。
ただ、本当のことを言っただけで、盛るまで盛りのついた雄猫のようだ。実質は犬に近いが。
「今日は、抱かせぬからな」
「えー」
「この前、抱いたばかりであろう」
恋次が、椿の花を手折ってきた。
何をするのかと見ていいたら、白哉の髪に飾った。
「何を・・・・・」
「あんたは、髪飾りや簪贈っても受け取ってくれないから。これなら、つけていても平気でしょう?どうせすぐに散ってしまう」
飾られた椿と同じ椿を見る。
濃い紅色をしていた。
それは、白い肌に少し長い黒髪の白哉によく似あった。
「このような、安物中の安物・・・・・」
金さえかかっていない。ただだ。
「手折られる椿がかわいそうだ。今後、このような真似はするな」
「えー」
何が不満なのか、恋次は先ほどから不満の声をばかりをあげていた。
「今日は、隊長の誕生日だけど・・・何にも用意できなかったから」
「ああ、そういえば誕生日であったか・・・・・忘れていた」
もう、何歳になったのか忘れてしまった。
200をこしたあたりから、年を数えるのを止めてしまった。
「誕生日、おめでとうごいます」
「礼だけは言っておく」
今日は、何か辛いものが食べたい・・・・黒崎一護が教えてくれた、「麻婆豆腐」なるものを料理人に作らせようと決める。
6番隊執務室を後にして、朽木家に帰る途中まで、恋次がついてきた。
「何故、ついてくる」
「いや、ルキアにちょっと用があって」
「そうか」
ルキアは、今黒崎一護と付き合っている。
白哉と恋次のような爛れた関係ではなく、純愛だ。
純愛。
緋真がいた頃は、そんな気持ちもあった。
だが、死別してもう心に決めた。誰も恋愛感情で愛さないと。
ルキアのことは愛している。家族愛だ。
恋次のことは好きだし、逢瀬を重ねているが、愛しているとは言えないでいた。
恋次と一緒に夜を共にすると、時折もやもやとしたよく分からない感情を抱いた。
それがなんなのであるか、分からない。
分からぬままでいいのだと思う。
分かってしまったら、爛れていてるし、この関係も終わりだ。
「兄様、その椿は?よく似合っています」
家につくと、ルキアにそう言われて、椿を髪に飾ったままなのだと気づいて、ルキアの髪にかざった。
「ルキアのほうが似合う」
それは本当だった。
義妹であるルキアは美しい。緋真によく似ている。
「ルキア、その椿は隊長のものだ」
「なんだ、恋次!貴様、朽木家にまでくるとは、よほど兄様が恋しいのだな」
「な、そんなんじゃねーよ!」
「ふーん。兄様、誕生日おめでとうございます」
ルキアは、現世のカラムーチョという、最近白哉がはまっている菓子をいっぱいいれた包みをププレゼントしてきた。
辛い物が好きな白哉のために、わざわざ現世まで・・・・そう思うと、自然と笑みが零れた。
「兄様、ご機嫌ですね」
「恋次、お前はもう下がれ。ここは朽木家だ」
「隊長、好きです」
抱き締められた。
「ルキアが見ている。やめよ」
「それでも、あんたが好きだ」
さすがに義妹の前で、睦みあう真似事をされるのが嫌で、恋次と距離をとる。
「いつか、あんたを攫っていく」
「ふ・・・できるものなら」
恋次は、朽木家を後にした。
「兄様、この椿、お返しします」
なんともいえない感情に支配されて、ルキアに頼んでその椿を氷漬けにしてもらい、氷室で保存することにした。
「この感情は、なんなのであろう」
もやもやしている。
でも、分からなくていいのだ。
分かってしまえしまえば、もうお前とはいられぬのだから。
私が愛するのは、亡き緋真のみ。
それだけが全て。
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