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しんしんと

「結婚しよう、白哉」

6番隊の執務室に入ってきて、いきなり浮竹がそう言った。

「浮竹」

「結婚式はハワイで・・・・ハワイってどこだろう?」

「ちょっと、浮竹隊長!」

恋次が、さも噛みつかんばかりの勢いで、浮竹と白哉の間に割って入る。

「阿散井副隊長は第二夫人で・・・・白哉を思っているだろうから、情けで第二夫人にしてあげよう」

「あんたねぇ!」

掴みかかりそうな勢いの恋次を、白哉が止めた。

「大丈夫だ。もうすぐ京楽が引き取りにくる」

「やあ、その通り。ごめんねぇ、うちの子がアホ言い出して。高い熱なのに歩きだして知り合いに誰かれ構わずプロポーズしていくものだから、誤解を解いていくのに苦労するんだ。ほら、帰るよ浮竹」

「京楽はペンギンと結婚して浮気するから、白哉と結婚するー」

「はいはい、日番谷隊長にも同じこと言ってたじゃない。無節操だと、嫌われちゃうよ」

浮竹は、京楽の肩に担がれて、二人は6番隊の執務室を去っていった。

「なんだったんですか、あれ」

「たまにあるのだ。浮竹は高熱を出すと、プロポーズしてくる」

「なんつー迷惑な」

「その度に面白いことを言ってくるから、けっこう楽しんでいる」

白哉が薄く笑った。

「ふふ・・・私が第一夫人で、恋次が第二夫人か。夫は浮竹では務まらぬな。それに浮竹には京楽がいることだし」

「え、そうなんですか」

「なんだ、知らなかったのか。浮竹と京楽は熟年カップルとして瀞霊廷でも有名だ。互いの羽織を間違えたり、同じ匂いさせていたりで、とても分かりやすい」

恋次はぽつりと呟いた。

「知らなかった・・・・・」

「そういえば、私たちのことも知っているようだったな。やはり、同じ湯殿に入るのが悪いのか・・・・・・」

「いえ、全然構いません!同じ匂いさせてて何が悪いんですか。それに気づいてる奴は気づいてますよ、俺たちの関係」

「やはり、隠し通せるものではないか。まぁいい、今日の夜、館で」

「はい!」

睦み合うために使う館に、夜になって呼ばれた。

夕方から湯あみをして、白哉も湯浴みしたのか、貴族として身に着けているものは全部外していた。

死覇装姿でなく、浴衣姿だった。

「隊長、すっごいエロい」

「何がだ。ただ浴衣を着ているだけであろう」

「いや、服の合わせ目から見える白い肌がたまらん。太ももちらちら見えるし・・・俺を悩殺しようとしているんすか?」

「戯言を。食事はとらぬのか」

「いえ、いただきます」

いつも、高級料理を食べて、酒を飲んだ。

今日も高級料理が並んでいたが、酒は高級酒ではなく、現世でいわれるカクテルのような類だった。

「隊長、甘いの苦手なんじゃ・・・カクテル系って甘いし」

「たまには、よいであろう。それに私の飲むカクテルは、味が濃い」

ためしに恋次が飲んでみたが、ぴり辛い味がして、飲めなかった。

「これ、酒ですか?でも一応、酒なんですよね・・・・」

「現世の飲み物は、酒でも面白いものがある」

ほどよく飲んだところで、褥に向かう。

「隊長・・・・・好きです」

「あ、恋次・・・・・」

浴衣だったので、脱がせるのは簡単だった。帯をぬき、合わせ目を広げると、白すぎる肌が目に映った。

「下着・・・・・つけてないんすね」

「どうせ、ぬがされてべとべとになる」

恋次は、白哉の薄い胸の筋肉に舌を這わせながら、鎖骨や胸にキスマークを残していく。

「んっ・・・・・」

胸の先端をかりかりとひっかくと、ピクンと白哉が反応した。

そのまま、胸から臍へ、臍から股間に舌を這わしていく。まだたっていない花茎を手でしごいて無理やりたたすと、舌を這わせた。

「ああ!」

咥内で思い切りむしゃぶられて、口に入りきらない部分は手でしごかれて、白哉は熱を恋次の口の中に注いでいた。

それをさも当たり前のように飲み込む。

「指、入れて平気ですか?」

「好きに、しろ・・・・・」

潤滑油で濡らした指を、体内に埋め込んでいく。

前立腺はなるべく触らずに、解すことに集中した。

「あ・・・・なぜ・・・・」

いつもなら、指でもきもちよくなっているのに、それがなくて不思議な感覚に白哉は陥っていた。

「いれますよ」

「んっ!」

ズチュリと音をたてて、潤滑油でたっぷり濡らした恋次の灼熱を穿たれた。

「あああ!」

前立腺をつきあげられると、待ちに待っていた快楽が押し寄せてくる。

「ああ、あ、あ!」

白哉の中はとろけるように熱く、狭かった。

一度目の熱を、白哉の腹の奥に出す。

口づけをせがんでくる白哉に、何度もキスをしながら、前立腺を突き上げた。

「ああああ!」

白哉は、後ろの刺激だけでいってしまった。

白濁した液と、とろとろとした先走りの蜜を零す。

「射精の回数、制限あるから・・・俺ので、いってください」

「ひあああ!あ、あ!」

背後から、恋次は獣のように白哉を抱いた。

「んあ!」

体位が変わったことで、中を抉られる。それがたまらなく快感を生み出した。

「ああ・・・・・」

そのまま穿たれて、白哉が口を開く。

「恋次・・・・お前の顔が見えぬ。この体位は嫌だ」

「隊長・・・・・」

普通の体位に戻して、白哉の口の中をその指で侵した。

指に、白哉はぴちゃりと舌を絡めた。

「恋次の味がする・・・・」

ぐちゅりと、結合部から水音が鳴った。

「隊長・・・・俺をあおらないでください。大切にしたいのに、酷くしたくなる」

「別に、それでも構わぬ」

「隊長・・・」

くちゅりと音をたてて、前立腺ばかりを犯すと、白哉は白濁した液を吐き出した。

「あ・・・・あああ!」

まだいけるようなので、恋次も白哉の腹の奥に熱を放ちながらも、白哉を犯した。

「あああ・・・・・頭が、変に、なる・・・・」

オーガズムも含めて、もう何度いったか分からなくなってきた。

恋次のものはまだかたくて、また犯されるのだと考えるだけで、体が喜びを覚えた。

白哉の頭が真っ白になっていく。墜ちていく。

真っ白のなったところで、意識がぷつりと途切れた。


「隊長、隊長」

ゆさぶられて、目を開けると、風呂の中だった。

どうやら恋次が運んでくれたらしく、後処理も終わっているようだった。

「すみません、やりすぎました」

「今に始まったことではないだろう」

セックスの終わりに、意識を飛ばしてしまうことが時折あった。恋次に最後まで付き合うと、体力を消耗して、その激しさに意識を飛ばした。

「体と髪は洗ったか?」

「いえ、まだです」

「では、互いを洗いあおう」

それは、白哉にとってはただの作業だが、恋次にとってはおいしい出来事でしかなかった。

スポンジで泡立てたボディソープで、白哉の体を洗っていく。

キスマークは残っているが、それ以外はしみ一つない肌だった。

シャンプーで、柔らかな白哉の黒髪を洗う。櫛でとくと、白哉は気持ちよさそうにしていた。

「今度は、私が洗おう」

白哉に体を洗われて、くぐすったさを感じた。

それから、長い灼熱色の髪を洗われた。

少しかたいが、綺麗に整えられていた。恋次にだけ、リンスをした。

「なんで俺だけリンスありなんすか」

「お前の髪には、艶が足りぬ。せっかく美しい色をして長いのだ。もっと大切にしろ」

「それは、隊長の黒髪っすよ。さらさらで・・・・隊長にもリンスしてやる」

「こら、やめんか」

「負けません」

風呂場で戯れあって、泡を全部流して、湯に浸かった。

「ふー、極楽極楽」

「年寄りくさいな」

「いいんすよ。幸せなんだから。隊長とこうしていられる時間は、とても大切ですから」

「傍にいることくらい、いつでも言えばしてやる」

「あー、もうすでに傍に大分いてもらってるんで、これ以上独り占めするとルキアになんか言われそうで」

「あれは、少し厳しいところがあるからな」

そのルキアには、今は一護がいる。朽木一護となった一護と一緒に、甘い生活をエンジョイしていた。

「愛してます、隊長」

「私も愛している、恋次」

湯からあがり、二人揃って浴衣を着た。

「少し冷えてきましたね」

「もう2月だが、寒波はまだ去っておらぬからな」

一組の布団で、横になって眠る。

恋次は腕の中に白哉を抱きこむかのように眠った。それが暖かくて、白哉も何も言わずに眠った。

しんしんと、外では雪が降ってきた。

今年もまだ寒い季節が残っている。

雪は、降り積もる。

ただ、しんしんと。





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