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好きなものは好き5

「ルキア、おい起きろルキア」

「んー。あと10分・・・・」

「今日は月曜だぞ。尸魂界に戻らないといけないんだろ」

その言葉に、ルキアはがばりと起きた。

「い、今何時だ!」

「9時前だ」

「ああああ、仕事に遅刻してしまう!朝飯はいい、このまま尸魂界に帰る!」

ルキアは慌てていた。

「弁当作ったから、もっていけ」

「すまんな、一護。一護の料理は美味いので嬉しい」

朽木家の料理人にも負けない料理の腕を、一護はもっていた。

弁当を手に、死覇装姿のルキアは穿界門をあけてもらい、尸魂界に帰っていった。

「ふう・・・・また金曜まで、お別れか」

少し寂しいが、また金曜に会えると思うだけで元気がわいてくる。

朝食を食べ、一護は今日は大学が休みなので一日中バイトをいれていた。駅前のラーメン店でバイトしていた。

高校時代に働いていた、なんでも屋のうなぎ屋はやめてしまった。

今はひよりがバイト員として存在している。

「さて、俺もバイトに行くか・・・」

家を出ようとして、穿界門が開いた。

「なんだ?」

ルキアが現れる。

「どうしたんだよ。忘れ物か何かか?」

「忘れていた・・・今日は、瀞霊廷は祝日なのだ。仕事がない」

帰ってきたルキアは、どさりとベッドに横になった。

「俺、今日はバイトだから。ルキアも一緒にくるか?」

「ああ。前に日雇いで雇ってもらったラーメン店のバイトだな?」

いつもはバイトを入れない土日の、ルキアとの大切な時間に、インフルエンザがバイトたちの間で流行ってしまい、ピンチヒッターとして一護がバイトに出かけたことがある。

ルキアは、長い時間一人でいるのもなんだからと、一護のバイト先で記憶置換を使って給仕係として働いた。

その時の記憶は店長にまだあり、ルキアはバイトしているということになっている。

ただ、本当にたまにしか働きにこないが。

「自分の食費くらい、自分で稼がねばな」

いつも出している食費は、死神として与えられた給料の中からだしているが、貨幣価値が違うので、現世のほうがものが安い。給料自体は、死神のほうが高いが。

危険手当も含まれているし、ルキアは13番隊の副隊長であり、実質13番隊のTOPだ。

浮竹が亡き今、ルキアを隊長にという声が高くなっている。

隊長になってしまうと、今までのような生活が出来るか分からなくて不安だった。

「じゃあ、死覇装着替えて普通の私服着て、ラーメン店行こうぜ」

ルキアと手を繋ぎながら、ラーメン店まで歩いた。

店は繁盛している様子で、ルキアがバイトに入るというと、店長は喜んで迎え入れてくれた。

「醤油ラーメン一丁!」

給仕係として世話しなく働くルキアの姿は新鮮で、ラーメン店の制服も似合っていた。

昼休憩になり、賄いにラーメンを食べて、一息つく。

「バイトしながらでも、一護と一緒にいるだけで幸せにになる」

そんなことを言うルキアに、我慢ができずにルキアを抱きしめていた。

「男の客が、お前を目で追っているのが嫌だ」

「それ言えば、女の客が貴様を目で追っているのが不快だ」

こつんと額をぶつけあって、クスクスと笑いあった。

「まぁ、お互い仕方のないことだ」

「そうだな」

バイトが終わったのは、夜の9時だった。

24時間開いているスーパーで食材を買って、ルキアと手を繋いで帰路につく。

「今日はエビチリと麻婆豆腐な」

「腹が減った。早く帰って作ってくれ」

自宅に帰ると、一護は慣れた手つきで夕飯を作った。

それをペロリと平らげて、ルキアは風呂に先に入った。その後、一護も風呂に入った。

夜の11時になっていた。

まだ髪が湿っているルキアの髪を、ドライヤーで乾かしてやった。

二人で、抱きしめ合いながら、ベッドに横になる。

「こんな日が、毎日続けばいいのにな。まぁ、流石に無理だろうけど」

ルキアを抱きしめる手に力をこめて、自分のほうに抱き寄せる。

「鼓動の音がするな」

トクントクンと脈打つ一護の心臓の音が、聞こえてきた。

「好きだぜ、ルキア。愛してる」

「私も、貴様を好きで愛してる」

唇が重なった。

明日は大学で、ルキアも死神の業務があると分かっていたが、互いを脱がしあって睦み合った。

「んあ!」

濡れた声を出すルキアの声がもっと聞きたくて、優しくしながらも征服していく。

「ああ、一護!」

「ルキア・・・・」

何度も体を重ね合った。

次の日、ルキアはやや寝不足気味で、腰が痛いようだった。

「すまねぇ、無茶させすぎたな」

「構わぬ。私も求めたのだから」

抱擁しあい、触れるだけのキスをして、ルキアは今度こそ本当に尸魂界に帰って行った。

「昨日のルキア、かわいかったなぁ」

頬が緩むのを感じた。

金曜にまた現世にきたら、思い切り甘やかしてやろう。好物の白玉餡蜜も作って。そう思う一護であった。

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