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好きなものは好き8

金曜になって、やってきたルキアはエプロン姿だった。

何を思ったのか、今日の夕飯は自分が作ると言い張った。

「別に、夕飯がどっちが作るのでもいいけどよ」

「たわけ!恋人は、普通女のほうが飯を用意するというではないか!」

「ルキアは、そういうことにこだわらないだろ?」

「それもそうだが・・・・たまには、貴様に手料理を食べさせてやりたい」

ルキアが選んだメニューはカレーライス。小学生でも気軽に作れる、失敗するほうが珍しいメニューだった。

シーフードカレーに福神漬け、サラダ、あとは自分の好物の白玉餡蜜を作った。

「これって、ルキアが白玉餡蜜を食いたかっただけじゃないのか?」

「たわけ!作ってもらっておきながら、その言い分はなんだ!食わせてやらんぞ!」

「俺が悪かった」

一護は腹が減っていたので、素直に謝った。

「ん・・・シーフードカレーもたまにはいいな。美味いぜ」

「そうであろう、そうであろう。私とて料理くらい、できるのだ!」

自分で作ったシーフードカレーを、自分でもなかなかの出来だと言いながら平らげて、ルキアは白玉餡蜜を大目に食べた。

「ぐ・・・・食べすぎた」

「そりゃ、あんだけ食えばな・・・・・」

シーフードカレーを2杯食べて、白玉餡蜜を3杯食べたのだ、ルキアは。

「流魂街にいた時に、こんな思いをしたかったな・・・・・」

ふと、ルキアが流魂街にいた頃の話を聞いた。

いつもスリなどの犯罪に手を染めて、生きていた。恋次を残した仲間は、全て殺されてしまった。

「ルキア・・・今は、俺がいるだろ?」

「ああ。今は、一護がいる。恋次もいたけどな」

恋次という言葉に、一護はピクリと反応する。

「恋次のこと、まだ好きか?」

「好きだが、家族としてだ。兄様を愛しているように、恋次もまた愛している」

「そっか。でも、恋愛感情では俺だけを見ろ。お前は、俺のものだ。永遠に」

「永遠か・・・・」

ルキアは、うっとりとした。

永遠に、一護の傍に在れるのなら、それはそれで幸せだろう。

まぁ、この世界に事象で永遠など存在しないが、想いはせめて永遠になる。

「一護、大好きだ」

その日のルキアは、一護に甘えた。

一護も、ルキアを甘やかせた。

抱き締めて、優しくその黒髪を撫でて、キスをする。

エンゲージリングを光に透かせて、お互いに微笑んだ。

「想いは永遠か・・・・・」

「そうだ。たとえ体が朽ちても、想いだけは永遠だ」

「朽ちることのない愛を、お前に」

「同じく、朽ちることのない愛を貴様に」

その日の夜は、睦み合った。

朝起きると、自分が裸なのに気づいて、ルキアは真っ赤になって慌てて脱ぎ散らかした服を着た。

一護はまだ寝ていた。

「一護、起きろ!朝だぞ!」

「んー・・・・・」

一護が起きる。一護は、ボクサーパンツをはいていた。

「なぜ、貴様だけ裸ではないのだ!私は裸だったのだぞ!」

「いや、裸で寝るって抵抗感あったから」

「それは私とて同じだ!貴様、さては私を抱いた後にこそこそと下着を身に着けたな!」

「こそこそしてねーよ。めっちゃ大胆にはいたから。ルキアは俺が裸のほうがよかったのか?俺の裸を見たいのか?」

「うぐ・・・そういうわけでは・・・・・・」

一護は服を着て、ルキアを抱きしめた。

「昨日のお前、すげーかわいかった」

「な、たわけ!そういうことを、口にするな!」

ルキアは真っ赤になって、一護を殴った。

頭をぽかりと思い切り殴られて、一護がふてくされる。

「昨日は可愛かったのに・・・・・」

「たわけ!」

少し遅めの朝食をとる。めんどくさいので、コーンフレークだった。

いつもは一護が作ってくれるが、一護もたまには手を抜きたい時もある。

「なぁ、ルキア」

「なんだ」

「もっと、お前を抱いていいか?」

まじまじとした顔で迫られて、ルキアは真っ赤になった。

「すすすすす、好きにすればよかろう!」

「じゃあ、週1な。まぁ、無理ならいいけど」

一護とて男。恋人と睦み合いたくもなる。

一護がそういうことを言ってくるのが珍しくて、ルキアは呆けた顔で一護を見つめていた。

ああ、私の一護はかっこいいな。

そんなことを思っていた。

「昼食、何食べたい?」

「白玉餡蜜!」

「昨日あんだけ食っときがら、まだ食い足りないのかよ」

「毎日でも食べれるぞ!」

「へいへい。適当にありあわせの食材で作るか」

一護は、炒飯を作った。

「なあ、ルキア」

「なんだ」

「パンツ、チャッピー柄はやめて、もうちょっと大人っぽいやつにしようぜ」

「たたたたたわけ!」

ぽかぽかと殴ってくるルキアの拳を受け止めて、一護は笑う。

「ルキアなら、もうちょっと大人っぽい下着でも似合うと思う。今度、買いにいこうぜ」

「貴様、恥ずかしくないのか!」

「恋人が好きなかんじの下着つけてくれてたら燃える。それを思えば、恥ずかしくない」

「たわけが・・・・・・」

顔を真っ赤にしながらも、翌日一護好みの下着を買いに行った。一護はけろっとした顔でランジェリーコーナーにいた。

「これなどどうだ」

きわどい布地の下着を選ぶルキアに、一護が首を振る。

「こっちがいいな」

少し大人っぱいかんじの下着だった。

「この程度のものでいいのか?」

「ああ。別にスケスケのネグリジェ着ろとかいうわけじゃねーんだし。こういうので十分だ」

一護が選んだ下着を数枚買って、帰宅する。

日曜日の夜、ルキアと一護は一緒にお風呂に入った。互いに体と髪を洗いあった。

えっちなことはなしだった。

一護が選んだ下着を身に着けるルキアに、一護はごくりと唾を飲み込んだ。

「やっべ。今すぐ脱がせたい」

「ま、まて、たわけ!昨日したばかりだろう!」

「あ、ああそうだな。あんまりがっつくのもなんだしな」

「でも、どうしても貴様がしたいと言うのなら・・・・・」

ルキアを抱き上げて、一護はルキアをベッドに押し倒していた。

「あ・・・・」

「誘ったのは、ルキアのほうだからな」

「分かっておる・・・・・」

一護は、最後まで優しかった。

とろとろに愛されて、ルキアは思う。

ああ。一護のものになってよかった。一護に愛されてよかった。

一護が少し大人っぽい下着を好むということが分かり、その後ルキアはそんな下着ばかりを身に着けるようになるのであった。




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