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好きなものは好き3

「一護!」

金曜の夜になり、ルキアが現世にやってきた。

ルキアは最近金曜の夜に現世にきて、月曜の朝には尸魂界へと帰っていく。週末の休みの土日を、一護と共に現世で過ごすのだ。

「一護!うぃ~~~」

やってきてルキアは、べろんべんろんに酔っていた。

よく一護の家までこれからといいうほど酔っていて、すぐに水をのまされて、二日酔い止めの薬を飲ませて、ベッドに横にさせた。

「一護貴様も飲め~~」

酒はないのに、ルキアは飲め飲めとうるさかった。

「知っているのだぞ、一護。貴様が貧乳派であるということを!」

「悪酔いしすぎだぞ、ルキア」

「それとも、まさかの巨乳派なのか!?」

うるうると目を潤まされて、一護はきっぱり言う。

「貧乳派だ」

「おっしゃああ、恋次私の勝ちだ!あれ、恋次は?」

「はぁ・・・・・ここは現世の俺の家。恋次と飲んでたのか?」

少しだけ酔いの冷めたルキアが、首を縦に振る。

「恋次とだけではないぞ。松本副隊長と班目副隊長、あとは綾瀬川3席に、檜佐木副隊長と吉良副隊長だ」

「けっこう豪華なメンバーで飲んだんだな」

多分、檜佐木と吉良は松本目当てだろう。

「付き合っている男女が、同じベッドで眠るだけなぞおかしいのだと言われた。一護は、私を抱きたいとは思ぬのか?貧乳派なら、問題はあるまい?」

「あのな。俺はお前のこと大事にしたいんだ。まだ、お前には手を出さねーよ」

ルキアは、死覇装を脱ぎだした。

そして、一護を自分の方に倒れるようにひっぱった。

「あっぶね」

もう少しで、ルキアを押しつぶすところだった。

「なぁ、一護・・・貴様が、欲しい・・・・」

潤んだ瞳に見つめられて、一護の理性ももたなくなっていく。

「ルキア・・・・」

一護を押し倒す。

その上によじ登り、誘うように上半身の死覇装は脱いで、ぶらじゃ―に包まれたささやかな膨らみを押し付ける。

「一護・・・・欲しい・・・・」

甘く耳を噛み、吐息を吐いて、一護の首筋にキスマークを残した。

襲い受というやつだろうか。

「どうなっても、知らねぇからな」

ルキアにキスをすると、一護は自分も服を脱いで、ルキアの死覇装と下着を脱がせた。

「あ!」

敏感に感じ取っていくルキアが愛らしく、できるだけ優しく優しく扱った。

「んんう・・・・・」

ぴちゃりと舌を絡ませあう。

その日は長い夜になった。



「おはよう、ルキア」

「ん、一護?何故私は裸・・・・・はわわわわわ」

自分で言った言葉の数々や、抱かれた時の記憶が蘇る。

「とりあえず、服着ろ」

現世のワンピースではなく、室内着用に買ったスウェットの上下を差し出した。

昨日抜いだ下着も死覇装も洗濯されて、お日様の下で干されていた。

一護の部屋に、最近当たり前においてあるルキアの衣装専用タンスを漁り、新しい下着を着て、ルキアは真っ赤になって一護を見た。

「私と貴様は結ばれた・・・で、あっているよな?」

「ああ。お前の初めてを、俺がもらった」

「うきゃああああああ!」

真っ赤になって、ぼんと破裂したルキアは、ベッドで布団を被り丸くなった。

「後悔してるのか?」

少し悲しそうな一護の声に、ルキアがもそっと顔を出しながら、首を横に振る。

「いつか、着様に抱かれたかいとは思っていた。だが、あんな酒に酔っての勢いなど・・・・あああ、松本副隊長に散々いろいろ言われたからなぁ」

「乱菊さん、こういうこと楽しがるからな、酒に酔って勢いで迫っていけとか言われたんじゃないのか」

「うぐっ・・・・・」

まさにその通りだった。

一護と正式に付き合い始めて2カ月。

早いような気もするが、ルキアにも焦りがあった。現世には井上がいる。そして、井上は一護に惚れている。

既に何度か告白されたというが、ルキアと正式に付き合いだしたといっても、まだ告白してくるらしかった。

「これでお前はもう、俺のもんだ」

ルキアがもぐった布団ごしに抱き締められる。

「ひゃわっ!」

耳に息を吹きかけられて、ルキアは布団から這い出した。

そのまま腕をとられて、一護の胸の中に。

「優しくしたつもりだったけど、痛くなかったか?」

慈愛に満ちた、優しい眼差しだった。

「いや・・・・気持ちよかった・・・・」

「そっか」

ルキアの頭を撫でて、一護はちょっと遅い朝食を作りだした。

ベーコンエッグに、トースター、サラダに味噌汁。

さらに、朝から白玉餡蜜が用意されていた。

「今日を忘れねぇ」

「わ、忘れろ!」

「なんでだ。お前から求めてくれたじゃないか。もっともっとって・・・・」

「うきゃあああああ!記憶から消せ!」

真っ赤になったルキアは、結局一護に抱き締められていた。

「いつも、あんな風に素直ならかわいいけど、ま、ルキアは今のままが一番かわいいからな」

「たわけ!何を言っておるのだ!」

ルキアはもう許容量を超えてしまった恥ずかしさに、ボンと音をたててエンストした。

冷静になろうとすればするほどに、夜の出来事を思い出してしまう。

「冷めるから、早めに朝食食おうぜ」

「あ、ああ・・・・・」

味噌汁だけが何か和風のメニューでちょっとあっていなかったが、味はとても美味しかった。好物の白玉餡蜜を口していると、段々と落ち着いてきた。

「今日は昼からどっかいくか?それともこの部屋にいるか?」

「腰が重い・・・・・今日はこの部屋にいる」

「やりすぎたつもりなはいんだが、ごめんな。はじめてなのに2回もしちまった」

「い、いいのだ。私が望んだことでもあるのだから」

ルキアは微笑んだ。

自然な微笑みだった。一護も、柔らかく笑った。



好きなものは好きだから、許せる関係がある。

たとえ酒の勢いでも、好きだからこそなのだ。







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