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好きなものは好き

「その、今日はバレンタインの日であろう?失敗したが、チョコを作ってみたのだ」

ルキアが渡したチョコは、ラッピングもされておらず、焦げていた。

一護は、焦げたチョコを戸惑うことなく口に入れる。

「そ、その、ちゃんとしたやつを買ってくるから!」

「俺は、これでいい。ルキアの手作りってとこが一番いい」

「一護‥‥苦いであろう?」

「ガトーショコラだと思えばいい。ルキア、手作りチョコレートありがとな」

一護は文句も言わず、ルキアが失敗した手作りチョコを全部食べてしまった。

「無理をして、全部食べずともよかったのだぞ」

「ルキアが俺のために作ってくれたんだ。全部食うのが当たり前だろ」

「一護‥‥‥」

「ルキア、俺からもチョコやる」

「え?」

ルキアは目を瞬かせた。

「女性が男性におくるのが通常だけど、俺もルキアにチョコ渡したかったから、買ってきた。店員さんにかわいそうな目で見られてたけど」

「ふふっ」

ルキアは、おかしそうに笑う。

それから、一護からチョコを受けとって食べた。

「甘いな。おいしい。一護の愛がつまっている」

「ちゃんと、ホワイトデーにはお返しもするからな」

「すまぬな。あのようなチョコで」

「いいって。気にすんな」

一護が買ってきたチョコはハート型で、それを食べていたルキアが、ふと一護に口づけた。

「あめぇ」

「ふふ、おすそわけだ」

チョコを食べながら笑うルキアがかわいくて、一護はルキアを抱き寄せる。

「一護?」

「あー、もう、お前ってかわいいなぁ。食べてもいいか?」

「ちょこはもう食べたであろう?」

「違う。ルキアを食べたい」

ルキアは真っ赤になったが、コクンと頷いた。

「先に、一緒に風呂入ろうぜ」

「わかった]

そんなに広くない風呂場は、二人入るのが精一杯で、湯船に二人で浸った後、一護はルキアの髪を洗ってやった。

「私も貴様の髪を洗ってやる」

ルキアが、お返しにと一護の髪を洗う。

風呂から出て、髪の毛をドライヤーでかわかして、パジャマを着た。

「本当にいいのか?」

一護が聞くと、ルキアはコクンと頷いた。

初めてではないのだ。

だが、あまり抱かれることはないので、行為に慣れているわけでもない。

一護はルキアを大切にするあまり、セックスをあまりしなかった。

「貴様が欲しい」

そう言われて、一護のものも昂る。

「ああ!」

薄い胸の先端を甘噛みしてやると、ルキアが声をあげる。

「や‥‥」

「もう、こんなに濡れてる」

一護の手が、ルキアの秘所を触る。

「あ、一護」

「ルキア、好きだ」

「私も、一護が大好きだ」

秘所に指をいれられて、天井部分をこすられると、ルキアは快感のあまり頭が真っ白になった。

「ああああ!!!!」

「いれて、いいか?」

「う、うむ」

一護は、コンドームをつけて、ルキアの秘所に挿入する。

ゆっくりと、なるべく痛くないように。

「痛くないか?」

コクンと、ルキアは頷いた。

「もっと貴様が欲しい。もっと奥までこい」

「ルキア‥‥愛してる」

一護は、ルキアを突き上げて、揺さぶった。

「んああああ!!」

オーガズムの波にさらわれる。

「あ、あ、ああ!!」

一護を締め付けて、一護はコンドームの中に精液を出していた。

「コンドーム変えるな。ルキア、もう少し相手してくれるか」

「一護が、それを望むなら」

一護はルキアに口づけて、コンドームを変えるとまたルキアの中に侵入する。

「んあっ」

濡れた声を出すルキアは、快感でとろけていた。

「あああ、いやああ、もらしちゃうううう」

ルキアは、潮をふいていた。

「潮だ。もらしたわけじゃないから、安心しろ」

「ほんとに?潮とはなんだ?」

「あー、気持ちよくなりすぎたら出ちゃう、透明な液体」

一護もうまいこと説明できず、ルキアの額に口づけて、律動を再開する。

「あん、あ、あああ」

「もっと、声、聞かせて?」

「あああ、一護!」

「ルキア、愛してる」

「あ、私も愛している」

ルキアと一護は、一つになってお互い高みへと昇っていく。

一護がコンドームの中に二度目の精液を出していた頃には、ルキアは絶頂を迎えて、少し息を乱していた。

「大丈夫か?もう終わりだけど」

「あ、もっと、一護」

「ルキア‥‥」

一護は、ルキアの中でまた欲望をたぎらせる。

「あ、中で大きくなって‥‥」

「ごめん、ルキア。もうちょっと付き合ってくれ」

「わかった」

ルキアは、二度目の潮をふいて、一護から優しい口づけをもらっていた。

「ごめんな。俺ばっかいっちまって」

「そんなことはない。私も気持ちよかったし、何度もいった」

「そうか。ならよかった」

お互いを抱きしめあいながら、クスリと笑う。

「貴様は、私をあまり抱きたがらないから、異性として魅力がないのかと少し心配していたのだ」

「いや、ただ大事にしたいだけだ。セックスしだすと、夢中になってがっついてしまいそうで」

「それでも、別によいのだぞ?私たちは大人の関係だ」

「体が目的と思われたくねーんだよ」

一護は、優しくルキアの髪を手ですいた。

「一護は、そんな男じゃないことくらい、十分に知っている」

「そうか」

ルキアの体をぬれたタオルでぬぐい、一護は自分の体もふくと、パジャマをきて、新しくひいたシーツの上で、ルキアと一緒に横になる。

ルキアは体力を消耗していたのか、すぐに眠ってしまった。

「おやすみ、ルキア」

一護は、ルキアの額に口づけて、自分も寝ることにした。

明日は、ルキアが尸魂界に戻る日だ。

金曜の夜に現世にやってきて、土日を一護と過ごし、月曜の朝に尸魂界に戻る。

慌ただしいが、現世にいくことを許されている今が、一番幸福だった。


「ルキア、起きろ。朝だぞ」

「うーん、後10分‥‥」

「尸魂界に戻る時間、過ぎてるぞ?」

「へあ!?」

ルキアは飛び起きた。

「や、やばい。兄さまに叱られる」

「俺のせいだって言っとけ」

「そのような‥‥しかし、半分はそうだな」

ルキアは、尸魂界に戻る時間をとっくに過ぎているので、もう余裕で朝飯を食べてから、尸魂界に戻り、義兄である白哉から長いお説教をくらうのであった。



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