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演劇

「おお、一護、あなたはなぜ一護なの」

「おお、ルキア、愛しの‥‥やってられっか!」

高校3年の最後の文化祭で、一護とルキアは演劇を担当することに、半ば強制的に決められた。

ロミオとジュリエットのパロディで、ロミオ役が一護、ジュリエット役がルキアだった。

「私もやめだ。なぜ貴様と愛し合う劇などしなければならぬ。井上にでもさせておけばよかろう」

「え、あ、私!?えええ、困るなぁ」

そう言いつつ、井上は相手が一護なので満更でもないようだった。

「俺もやめだ。井上、石田、ということであとは頼む!」

一護とルキアは、演劇の練習を切り上げて、虚出現の連絡を受けて、学校を飛び出す。

一護は一度自宅に戻り、コンを肉体にいれて死神化すると、待っていたルキアと合流した。

この地区を担当する死神には手のあまる、少し強い虚だった。

「行くぞ、ルキア。油断すんなよ」

「誰に向かって言っておるだ」

ルキアは、袖白雪で、虚を凍りつかせる。

そこに、一護が斬月で切りかかり、虚はあっという間に片付いてしまった。

「どうする?学校に戻るか?」

「バカを言え。また、あのくだらない劇の続きをさせられえるぞ」

「俺、お芝居じゃなかったら、ルキアを愛してるって言えるんだけどな」

「はぁ!?」

ルキアは、一護の言葉にトマトのように真っ赤になった。

「わ、私を、愛しているだと!?」

「愛しているっていうか、恋愛感情で好きだ」

「き、貴様、そのようなこと微塵も感じさせなかったではないか!」

ルキアが叫ぶと、一護も少し赤くなった。

「そりゃ、隠してたから」

「本当に、私のことが好きなのか?」

「好きでもない女と、一緒のベッドで眠ったりしない」

ルキアは、一護の妹たちの部屋をあてがわれていたが、一護の部屋で一護のベッドでいつも、一護に背後から抱きしめられて寝ていた。

好きだとか、そんな感情を真剣に考えていなかった。

「一護‥‥‥その、真剣に考えると、一護のことを思うと胸がどきどきするのだ。これが、恋というものなのか?」

「多分そうじゃね?」

一護は、ルキアを抱き寄せた。

「一護‥‥‥」

ルキアは、一護の腕の中で、おとなしくなった。

「どうしたんだよ。いつもなら、貴様何をするとか言って、蹴ったりするのに」

「わ、私とて好きな相手を蹴りまくったりはせぬ」

「俺たち、相思相愛ってことでいいんだな?じゃあ、付き合おうぜ」

「付き合うか‥‥‥しかし、兄様が」

「白哉のことは抜きで」

「わかった。今日から、私は貴様の彼女ということにしてやろう」

「素直じゃないやつ」

「う、うるさい!」

一護とルキアは、手を繋いで歩きだす。

死神の姿なので、霊感のある者以外見えなかった。

「帰ったら、ファミレス行こうぜ。白玉餡蜜おごってやるよ」

「本当か!?」

ルキアが目を輝かせる。

「一応、初デートってことで」

「う、うむ」

ルキアは、一護の手をぎゅっと握った。

一護は、あいていた手でルキアの頭を撫でた。

「演劇、明日からも続けるか?」

「くだらぬ劇だが、相手が貴様なのだ。続けてやってもいい」

本当に、ルキアは素直じゃないなと一護は思うが、口には出さない。

素直じゃないところも、かわいいのだ。

一度自宅に戻り、死神姿から人間の体に戻ると、ルキアとまた手を繋いで、ファミレスに向かう。

「チョコレートパフェも頼んでもいいか?」

「バイト代入ったばっかだし、好きなもん頼めよ」

「うむ」

ルキアは、白玉餡蜜の他にいろんなスィーツを注文して、一護の財布に大打撃を与えるのだった。

「ルキア、食いすぎだ」

「好きなものを頼めと言ったのは、貴様だぞ?」

「だからって、遠慮を知らんのか」

「心配せずとも、金なら私も兄さまにもらった分をもってきている」

背に背負ったチャッピーのリュックサックを開けると、100万円の束がでてきた。

「ばか、危ないだろ!そんな大金持ち歩くな」

「でも、あったほうが何かあった時、便利であろう?」

「持ち歩くのは、せいぜい10万くらいにしとけ。それでも多い」

「ふむ」

ルキアは首を傾げた。

そんな仕草すら愛らしく見えてしまう。

一護は、自分も大分末期だなと思った。

「そういえば、他の男子たちが胸の大きい井上がいいと言っておったのだ。貴様は、違うのか?」

「あー俺?俺巨乳に興味ねーから。どっちかっていうと、貧乳派‥‥あべし」

ルキアにアッパーを食らった。

「貴様、私が貧乳だから好きだとか、最低な理由で好きではないだろうな?」

「違う違う。ルキアだから好きなんだ。そのルキアがたまたま貧乳で‥‥あべし」

今度はエルボーをくらった。

「私は断じて貧乳などではない!」

「いや、さっき自分で貧乳って言ってたじゃねーか」

「聞き間違いだ!」

「はいはい、そういうことにしておく」

ファミレスで大分時間をつぶしてしまい、外に出ると真っ暗になっていた。

「帰ろうか」

「うむ」

また、手を繋いで歩きだす。

ルキアは、高校を卒業するまでは現世にとどまることを許可されていた。

一護は、ルキアが高校を卒業した後も、定期的に会いにいこうと思うのであった。





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