忍者ブログ

プログ

小説掲載プログ
10 2024/11 14 2324 25 26 27 28 29 30 12

始祖なる者、ヴァンパイアハンター10


赤子として転生した女帝ブラッディ・ネイは、その親であった少女を洗脳して、赤子を殺させた。

結果、ブラッディ・ネイは皇族の末席にいた少女の肉体に宿り、完全な復活を遂げた。

ブラッディ・ネイは今、ロゼ・オプスキュリテというヴァンパイアの貴族である少女に、夢中になっていた。

ルキアにも夢中であるが、全然振り向いてくれないので、ロゼを寵愛した。

ロゼは、特殊な能力を持っていた。

誰かの相手と、一時的に中身を入れ替えることができるのだ。

それに、ブラッディ・ネイが目をつけた。

愛しい兄を、抱きたい。そんな欲望を、生まれた時から抱いていた。

兄に抱かれるのではなく、抱きたいのだ。

兄妹としての関係は、すでに始祖であった頃から破綻していた。それでも、ブラッディ・ネイが真に愛するのは、実の兄浮竹十四郎、ただ一人であった。

「兄様待っていて。アハハハほんとにすごいね、ロゼ。君はボクの宝物だよ。だから、分かっているよね?隙をついて、兄様と入れ替わるんだよ」

ロゼ・オプスキュリテは、初めて自分を愛してくれる存在に出会い、言われた通りに行動した。

始祖である、浮竹十四郎の元へ行き、何度も通うことで敵対心をなくさせた。

「ロゼ・オプスキュリテと申します。ブラッディ・ネイ様の身の回りの世話を行っています。浮竹様も、何かあればこのロゼ・オプスキュリテに命じてください」

「いや、いいから。君は俺の愚昧の世話をしてくれているんだな」

「ブラッディ・ネイ様の寵愛をいただき、後宮で普段は暮らしています」

「あの愚昧が・・・・。嫌になったら、いつでも俺たちのいる古城においで。もう、友人だろう、俺たち」

ロゼは、頬を染めた。

「そんな、始祖であられる浮竹様とご友人など、恐れ多いです」

「俺は、君のこと、けっこう好きだぞ」

「私も、浮竹様を愛しています」

いい雰囲気を醸し出す二人に、京楽が黙っていなかった。

「ちょと、ロゼちゃん。僕の京楽が好きでも、あげないよ」

「おいおい、ロゼが恐縮してるだろう」

「いいや、はっきり言わせてもらうよ。浮竹は僕のものだ。僕を愛して、僕に抱かれて乱れる。そんな浮竹を、想像できるかい?」

ロゼは真っ赤になったが、臆することなく京楽を見た。

「私は、ブラッディ・ネイ様の御寵愛を一身に受ける身。たとえ始祖の浮竹様の血族であろうと、私の存在を無下にすることは許しません」

「言うねぇ」

京楽は、血の刃を作り出した。

「やめないか、京楽!女の子だぞ!」

「浮竹こそ、分かってないね。あのブラッディ・ネイの寵愛を受ける少女だよ。何をするか分からない」

その言葉通りだった。

光が煌めいた。

その時、その光を見た京楽は、無垢なる者になっていた。

「ボクは、ブラッディ・ネイ。君の主だよ」

まるで刷り込みの現象のように、現れた9代目ブラッディ・ネイに跪き、恭しくその手をとって口づける。

「京楽、しっかりしろ!」

浮竹が叫ぶが、浮竹の言葉は届いていなかった。

「ブラッディ・ネイ・・・・転生していたのか」

「兄様の呪いで、赤子に転生してしまったけど、その母親を洗脳して支配してボクを殺させた。赤子で死ぬなんて、初めての体験だよ。痛かったなぁ。その分、兄様をいじめるけど、いいよね?」

クスクスと、ブラッディ・ネイは笑う。

「さぁ、ロゼ。君も・・・・」

「はい、ブラッディ・ネイ様。あなたの御心のままに」


「なんだ?意識が―――」

浮竹は、気づくとロゼ・オプスキュリテになっていた。

「なんだこれは!」

「ウフフフフ。兄様、かわいいよ、兄様」

「近寄るな!」

「これで、兄様はボクのものだ。兄様、愛してる。ボクに愛されて、ボクの子を孕んで?」

女帝ブラッディ・ネイは同性愛者だ。年端もいかぬ少女か、十代前半の美しい少女を愛して、男の精子なしで、相手を懐妊させることができた。

「さぁ、ロゼ。いや、兄様。大事な血族の京楽を無事返してほしければ、ボクに抱かれて?」


-----------------------------------------


それはロゼがくる数日前。

浮竹は、ミミックのポチに餌をやっていた。

「ほーら、ポチの好きなドラゴンステーキだぞ。うわあああ!」

浮竹の叫び声に、慌てて駆け付けた京楽が見たものは、いつものようにミミックに食べられている浮竹の姿だった。

「暗いよ~怖いよ~狭いよ~息苦しよ~。でもなんかいい。ポチの中あったかい」

京楽は、慌てて浮竹を救出した。

「ちょっと、ミミックの中が居心地がいいとか、ポチに食べられすぎて脳みそいかれたの!?」

「京楽も食べられてみれば分かる」

どんと、突き飛ばされて、京楽もポチに食べられた。

「なにこれ・・・まるで真っ暗な闇の中、温泉にひたってるかんじ」

京楽は、自力でポチから脱出した。

「君の言いたいことは分かった。確かにミミックのポチの中は居心地がいいのは認めよう」

「じゃあもっかい食べられる!」

「あ、こら浮竹!」

「暗いよ~怖いよ~狭いよ~息苦しよ~。ああっ、宝石発見!」

ミミックのポチは、ドラゴンステーキを与えられる度に、小粒であるが上質の宝石をくれた。

「今日はエメラルドだ。わーい」

無邪気に喜ぶ浮竹をそれ以上怒れなくて、京楽は頭を抱え込むのだった。


冒険者ギルドに来ていた。

認識阻害の魔法をかけているので、他の皆からは浮竹はエルフの魔法使い、京楽はハーフエルフの剣士に見えた。

Sランクの冒険者ということで、それにあった依頼が舞い込んでくるが、浮竹はCランクの依頼を引き受けた。

内容は「ミミックの異常繁殖!駆除求む!」と書いてあった。

「やっぱり、それ引き受けると思った」

京楽は、ミミックと書かれた依頼書を見た瞬間から、あ、これ絶対浮竹が受けそうと思ったのだ。

「ミミックの駆除?Sランク冒険者さんでしょう?もっと、聖剣入手ができるSランクダンジョンのモンスター討伐依頼を受けたりしませんか?」

「いや、俺はこれがいい。というかこれしか引き受けない。これでいい」

ギルドの受付嬢は、エルフのイケメンに見える浮竹に頬を赤くしながも、その依頼を受けたものとして受理してくれた。

「あの、今度時間が空いている時に、お茶でも・・・・」

京楽は、受付嬢を睨みつけた。

「僕と浮竹はパートナーなんだよ。人生においてもね」

「し、失礼しました!」

受付嬢は、今度こそゆでだこのように真っ赤になって、浮竹と京楽をうっとりと見つめていた。

ヴァンパイアである時のほうが美しいが、認識阻害の魔法で作らせたエルフとハーフエルフの見かけも、浮竹は美しい青年であり、京楽は美丈夫であった。

「浮竹、なんでミミックなの。ポチがいるじゃない」

「世界のミミックは、俺を待っている!」

すでに、自分の世界に入り込んでいる浮竹を引きずって、冒険者ギルドから出た。

Sランク冒険者がCランクの依頼を受けたと、騒ぎになっていたからだ。

「ちょっと待たれよ!某(それがし)は、Sランクの魔剣士。Sランクでありながら、Cランクの依頼を受けるなんて、Cランク冒険者の邪魔をするようなもの!聞けば、以前も同じようにBランクの依頼を受けたとか」

「なんかわいてきたな」

「最近あったかくなってきたからねぇ。いろいろわくんだよ」

「な、某をボウフラのように言うでない!このことは、ギルドマスターに報告して、Sランクであるのかが正しいかを吟味して・・・・・・」

Sランクの魔剣士とやらは、フルチンになっていた。

「なああああ!いやああ、恥ずかしい!」

京楽が、血の刃で魔剣士の服をズタズタに斬り裂いたのだ。

「受付嬢さーん。ここに露出狂のSランク冒険者がいまーす!」

大声で呼ぶと、他の冒険者も一緒になってやってきた。

「きゃあああああ!フルチンよ!」

「フルチンのSランクだ。傑作だなぁ」

浮竹と京楽は、すでにその場にはいなかった。

少し遠い場所から、様子を見ていた。

「某が悪いのではござらん!さっきのSランク冒険者にきっとやられたのでござる!と、とにかく何か着るものを!」

浮竹は、魔法を使って近くにあった洗濯ものを干しているロープから、女性の下着のパンツをとると、それをフルチンで必死で股間を隠している魔剣士の頭に被せた。

「いやあああああ!!変態よ、変態だわ!このことは、ギルドマスターに報告させていただきます!」

「某が悪いのではござらん!エルフとハーフエルフのSランク冒険者のしわざでござる!」

「そんな冒険者いたっけ?」

「さぁ?」

認識阻害の魔法は、記憶にも阻害を与える。

「確かに見たのでござる。エルフと・・・エルフ?どんなエルフでござっただろうか。もう一人は人間だったような?あれ?」

結局、そのSランク冒険者は、露出の罪で三日間牢屋に入れられる羽目になるのであった。


「ここが、ミミックが異常繁殖しているダンジョンか」

古城のあるガイア王国から遥か北に来ていた。

空間転移の魔法陣を使い、C級ダンジョンに来ていた。

「少し、寒いな」

北国なので、無論温度が低い。

京楽は、寒がる浮竹に、アイテムポケットから取り出したマフラーを首に巻いてやった。

「すまない、京楽」

「君が風邪ひいたら、看病するのは僕だしね」

それに、むーっと、浮竹が頬を膨らませた。

「始祖だぞ、俺は」

「はいはい。始祖でも風邪ひくんだから、用心にこしたことはないよ」

以前風邪をひいた時、念のためだとルキアの聖なる力で癒してもらい、風邪を治してもらった。

ルキアの力は聖女としては、シスター・ノヴァに匹敵する力をもつ。

さすがにヴァンパイアの死者を蘇らことはできなかったが、重篤な病気でも癒すことができたし、聖女の祈りの聖水で再生できなかったり、いろんなことで再生できない怪我を癒した。

「さぁ、ダンジョンにもぐるぞ!」

「浮竹、これ身に着けといて」

「なんだこのペンダント」

「一度、命を守ってくれる。念のためのものだよ。始祖の君がいくら死なないと言っても、転生しないから、肉体が酷く傷つけば再生するのに時間がかかるから」

「ミミック如きに、殺される俺じゃないぞ」

「はいはい。先進もうか」

ダンジョンの中には、ずらーっと宝箱が並んでいた。

「あ、宝箱!」

「ちょっと、浮竹!」

ミミックに食われながら、浮竹は「ファイアボール」と呪文を詠唱して、ミミックを倒していく。

いつものミミックにかじられるだけの、浮竹ではなかった。

「おし、古代の魔法書ゲット。こっちは魔道具か」

浮竹は、ミミックを複数のファイアボールで倒していく。宝物を残すミミックと、そうでないミミックがいた。

それに、京楽が首を傾げた。

「浮竹、ミミックだよ?君の大好きなミミック」

「ああ。食われた分かったが、ミミックもどきだな。本物のミミックじゃない。本物のミミックは、暗くて狭くて息苦しい。なのに、ここのミミックもどきはかじると舐めてくるんだ。害はあまりないが、本物のミミックと勘違いされそうだから、ミミックもどきはファイアボールで倒す」

「うーん、僕には違いが分からないよ」

「かじられてみればわかる」

どんと、京楽を突き飛ばしてミミックもどきにかじらせた。

「なにこれ。舐めてきた。気持ち悪い」

京楽は、もっていたミスリルの剣でミミックもどきを倒した。

「なんだ、金銀財宝か」

浮竹は、ブラックドラゴンの住処で金銀財宝を大量に入手したので、興味なさげであった。

「金があれば、君の大好きな古代の魔法書や魔道具、古代の遺物が買えるよ?」

京楽は、その金銀財宝を自分のアイテムポケットに収納した。

「それもそうだな!きりきり、金になりそうなもの集めるぞ!」

浮竹の変わり具合に、京楽は苦笑するのだった。


「あ、これは本物の宝箱だ」

3階層まできていた。

モンスターは出たが、雑魚ばかりだった。

「本物の宝箱ってことは、いいもの入ってるってことだよね?」

京楽の言葉に、浮竹は首を傾げた。

「うーん、確かに本物の宝箱のほうがいいもの入ってる時はあるが、ミミックのほうが古代の魔法書やらを出してくれるから、俺はミミックのほうがいいな。あ、鍵かかってる」

「無理やり壊す?」

「いや、俺にはこれがある」

浮竹が懐から取り出したのは、針金だった。

それを鍵穴につっこんで、カチャカチャさせると、カチリと音をたてて宝箱が開いた。

「うわ、毒ガスだ!京楽を、息を止めろ!」

中には、毒ガスの罠があった。

「キュア!」

浮竹は、毒ガスを通常の空気に転換した。

「ふう、危なかった」

「浮竹、鍵穴をあけるスキルって、盗賊のだよね。どこで身につけたの、そんなの」

「何、8千年も生きていると、いろいろ身につくものだ」

浮竹は、何気に錬金術の金クラスの資格をもっていたりする。

京楽の知らない、浮竹の姿はまだまだありそうだった。

「中に入ってたのは・・・エリクサーか。これは貴重だ。ちょっと古くなってるけど、錬金術士に高く売れるだろう」

エリクサーは、別名神の涙と呼ばれた。どんな呪いも、ステータス異常も治してくれる、神の薬であった。

最高クラスである、ミスリル級の錬金術士が、金をかけて一生に数度くらいしか作り出せない、奇跡の薬だ。

浮竹は、それを懐にしまった。

結局、ミミックは3階層までで、それ以上はでなくなった。

4階層、5階層と進んで、5階層でケルベロスと会った。

「ボスか。ケルベロスは炎の属性だ。京楽、気をつけろ、火を吐くぞ!」

「あおーーーん!!!」

仲間を呼ぶケルベロスの三つの頭をかいくぐって、アイスエンチャントで氷をまとわせたミスリル製の剣で、京楽はケルベロスの心臓を突き刺していた。

どさりと、ケルベロスが倒れる。

ケルベロスの遠吠えでかけつけてきた雑魚モンスターを倒して、浮竹は京楽の頭を撫でた。

「ケルベロスは、最近貴族の女性に人気の毛皮だからな。心臓を刺して即死させれば、毛皮の傷みが少ない・・・んっ」

もっと撫でてと意思表示してくる京楽の頭を撫でていると、京楽が口づけしてきた。

「こんな場所で・・・・・」

「うん。キスだけだから」

「んっ・・・」

舌を絡めあってから、離れた。

「ケルベロスは、肉はまずくて食えないが、とにかく毛皮が高く売れる。あと、血は錬金術の材料になるし、爪は牙は武器の材料になる」

「うん」

京楽は、すでに疲れているようだった。

ここまでくるのに、50回ほどは浮竹はミミックに食われて、それを救出してきたのだ。疲れていても仕方ないだろう。

「今回は、この5階層で引き上げるか。これ以上潜ってもミミックは出なさそうだし、Cクラス冒険者の邪魔になるだろうしな」

5階層までのモンスターは、全部倒してきた。

素材になりそうなモンスターは、片っ端からアイテムポケットに収納した。

ダンジョンウォークという、ダンジョン脱出専門の魔法を使ってダンジョンを抜けると、外は雪が積もっていた。

「雪か。そうか、だからあんなに寒かったんだな」

ダンジョンの中の温度は一定に保たれているが、ダンジョンの外では雪が降っていた。

雪ではしゃぐ浮竹を、温かい目で京楽は見守った。

ガイア王国に戻り、冒険者ギルドの解体工房で、ケルベロスの遺体を見せると、受付嬢が顔を引きつらせた。

「これは・・・・懸賞金のかかっていた、ユニークボスのケルベロスですね。通常Sランクのダンジョンのボスとして登場するので、懸賞金がかかっています。遺体の状態もいい。高めに買い取らせていただきます」

懸賞金の報酬として、金貨2百枚をもらった。雑魚のモンスターで金貨8枚、ケルベロスの買取金が金貨40枚だった。

ドラゴンの素材が、どれほど高価であるか、京楽もようやく理解した。

「ねぇ、たまには人間社会のレストランに行かない?」

報酬金でほくほくの二人は、そんな会話をしていた。

「たまにはいいか」

「僕は、前から君を連れて行きたいレストランがあったんだよ。ちょっと高いけど、いいでしょ?」

「金は腐るほどあるから、いいぞ」

確かに高級なレストランで、オーダー見るとどれも金貨3枚以上からした。

適当に、魚介類を中心としたメニューを注文する。

やってきた料理はどれも新鮮で、美味しかった。

「なかなか美味いな。味は覚えた。今度から、戦闘人形が再現してくれるだろう」

「君の戦闘人形って、ほんとに便利だね」

「俺もそう思う」

そんなこんなで、浮竹はエリクサーを入手していた。


--------------------------------------------------


「さぁ、愛し合おう兄様」

「やっ」

ブラッディ・ネイにキスをされていた。

縮こまっった、浮竹の舌を、ブラッディ・ネイの舌が絡み、吸い上げていく。

実の妹の唾液は、とてつもなく甘かった。

ぼっと、ロゼ・オプスキュリテの体が火照るのが分かった。

「やめっ」

「やめないよ、兄様。ああ可愛いよ、兄様。ずっとそのままならいいのに。残念ながら、ロゼの精神交換は時間制御があるから」

柔らかな胸を、もみしだかれた。

先端をつままれると、全身に稲妻が走ったような感覚を覚えた。

「いやっ」

トロトロと蜜を零す女体の秘所に、ブラッディ・ネイの指が入ってくる。

「ああああ!!!」

陰核をつまみあげられて、浮竹は女の体でいっていた。

はぁはぁと、荒い息をついて、エリクサーのことを思い出した。

「京楽に、何をした」

「別に命の別状はないよ。ただ、混乱を与えて、ボクが主になっていることにしただけ」

浮竹はロゼ・オプスキュリテの体で、魔力を拳にこめた。

「さぁ、愛し合おう。続きをするよ、兄様。ぐっ!」

魔力をこめた拳で、ブラッディ・ネイの鳩尾を打つ。

ブラッディ・ネイは意識を失った。

「あ、ブラッディ・ネイ様!」

駆けつけてくる自分の体の懐からエリクサーを出して、まずは口移しで京楽のませた。

「あれ、僕は何を?」

「よかった、元に戻ったんだな」

「君はロゼ?何故、浮竹の匂いを・・・・・・」

「説明は後だ。こっちにきなさい、ロゼ・オプスキュリテ」

「はい・・・・・」

「この能力は、自分で解けるか?」

「できません」

「呪いの一種だな・・・・。エリクサーだ、飲め」

「でも」

「始祖の名によって名じる」

「はい・・・・・・」

浮竹の体のロゼは、エリクサーを一口、口にした。同時に、ロゼの姿の浮竹が、エリクサーを口にする。

お互いの体がぱぁぁぁと輝いて、精神は肉体を移動して、元に戻っていた。

「どういうこと、浮竹」

浮竹は京楽に、全てを説明した。

「ブラッディ・ネイにはしばらく謹慎させる」

浮竹は、ブラッディ・ネイに戒めの魔法を使うと、拘束した。

「ん・・・兄様?なーんだ、元に戻っちゃったのか、つまんなーい」

「ブラッディ・ネイ。反省しろ」

「嫌だね。ボクは、ボクのやりたいようにするし、好きなように生きる」

「ライトニング!」

「ぎゃあああああああああ!!!」

ブラッディ・ネイは感電していた。

ぱちぱちと火花が弾ける。

「く、兄様、魔法で無理やりボクを屈服させるつもり?その気になれば、ボクは自害して次のブラッディ・ネイになるよ」

「転生を続ける呪いか。呪いに呪いをかける」

浮竹は、蝙蝠の血やらトカゲの尻尾やらを取り出して、混ぜ合わせると薬を作った。

「飲め、ブラッディ・ネイ。一カ月転生を封じる薬だ。飲まないなら、10年間転生を封じる呪いをかける」

「えー。仕方ないなぁ。まぁ、それで兄様の気が収まるなら」

ブラッディ・ネイは飲むふりをした。

浮竹は眉を顰めて、中身を口にすると口移しでブラッディ・ネイに飲ませた。

「にがーい」

そう言って、ブラッディ・ネイは再び意識を失った。

「ロゼ・オプスキュリテ」

「はい!」

「始祖の名において命じる。ブラッディ・ネイを血の帝国の王宮の牢に入れて、1カ月監禁すること」

「でも、私の力では・・・・」

「白哉」

「ここにいる」

「浮竹、いつの間に?」

「ロゼに体を支配される一瞬の隙に、式を放っておいた」

白哉は、つい今しがた到着したばかりで、呼吸が乱れていた。

「ブラッディ・ネイが浮竹に何かしたのか」

「ああ、したとも。嫌なことをな。ということで、こいつを持って帰って、王宮の牢屋に入れておいてくれ。これは、始祖の名による懲罰書だ」

ブラッディ・ネイの体を受け取り、懲罰書を確認すると、白哉はブラッディ・ネイとロゼと共に帰ってしまった。

「ねぇ、浮竹・・・・・・・」

「京楽、今回のことは不測事態で・・・・・・」

にーこっりと、京楽は微笑んだ。

------------------------------------------------

「やぁ、もういかせてぇ!」

「だめだよ。そんな簡単にいかせたら、罰にならないでしょ?」

浮竹のものの根元を、魔力の通ったヒモが戒めていて、精液を出すことを許さななかった。

浮竹は目隠しをされていた。

京楽が突き上げる度に、びくんと体を反応させる。

「君がブラッディ・ネイなんかにいかされたなんて、僕が怒って当然でしょう?」

「あれは、ロゼ・オプスキュリテの体だった!」

「でも、精神は浮竹のものでしょ?」

「やぁっ!」

最奥の結腸をこじあけられて、どくどくと京楽は精液を注ぎ込んだ。

「やぁ、いきたい、いきたい。外してぇ」

「だーめ。最後の最後にとってあげるから」

「ああああ!!!」

真っ白な太ももに噛みついて、京楽は浮竹の血を啜った。

「あああ!」

弾けさせれない熱に、体がどうにかなりそうだった。

吸血による快楽を与えられながらも、これが実の妹のに好きなようにされた罰なのかと、遠のく意識の狭間で思う。

「あ・・・ああ・・・・・・」

目隠しは、いつもより快感を多く浮竹に与えた。

「やっ、もう限界!」

浮竹が、自分で戒めを外そうとするが、京楽の魔力が通っているせいでとれない。

「とってぇ、お願い、春水、春水」

かわいく啼く浮竹に、京楽は浮竹にディープキスをしながら、戒めを解いてやった。

「ああああああああああ!!!」

びくんびくんと、体がはねる。

大量の白い精液をシーツに零しながら、浮竹はいっていた。

「吸血、するよ?」

「やぁぁぁ、だめえぇっ」

いっている最中の吸血行為は、本当に気が狂いそうな快楽を浮竹に与える。

浮竹は、それが怖かった。浮竹がいっている最中に血を吸われることを嫌いだと承知の上で、京楽は浮竹の喉笛に噛みついて、血を啜った。

「ああ、甘い。君の血は、誰よりも甘い」

「あああ!京楽、おぼえ、て、ろ・・・・・・・・・・」

そうして、浮竹は意識を失った。


京楽は、正座をさせられていた。

「ごめんってば」

「謝れば済むと、思っているのか」

ぷんすかと怒る、意識を取り戻した浮竹が、衣服を着て最初にしたのは、京楽へのビンタだった。

根元を戒められて、目隠しをされたことがよほど気にくわなかったらしい

「2週間の禁欲と、俺への吸血禁止だ」

ぷりぷりと怒る浮竹は可愛かったが、いかせん京楽には重すぎる罰だった。

「そんなぁ。ああ、君の好きなミミックのいっぱいいるダンジョンへ行こう」

「何、ミミックがいっぱいだと?」

早速顔色を変える浮竹に、京楽はしめしめと思いながら、浮竹と一緒に朝食をとり、シャワーを浴びてから、二人でSランクのダンジョンにこもるのであった。


------------------------------------------

「聖女、井上織姫」

「はい」

「汝を、第15代目の使者として、血の帝国に派遣します」

人間社会もまた、変わっていく。

「血の帝国はもう、脅威ではない。血の帝国からの使者もいる」

にこにこと、血の帝国の使者は和やかに笑んでいた。その名を、呼ばれて「彼」は顔をあげた。

「始祖、浮竹十四郎」

「はい」

「井上織姫との婚姻を、ここに認めるものとします」

真っ白な長い髪をもつ美しい始祖は、ゆっくりと頷いた。

「彼」は井上織姫を抱きよせた。

「始祖の名において、彼女を血族として、愛することを誓います」





拍手[0回]

PR
URL
FONT COLOR
COMMENT
Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
PASS

TRACK BACK

トラックバックURLはこちら
新着記事
(11/22)
(11/21)
(11/21)
(11/21)
(11/21)
"ココはカウンター設置場所"