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始祖なる者、ヴァンパイアマスター28

「何故だ!何故、封印が解かれるのだ!異界の存在を、手に入れたというのか!」

魔国アルカンシェルで、藍染は荒れていた。

せっかく、血族を封印し、にっくき始祖のヴァンパイアを休眠に追い詰めれたのに。

「藍染様、エスタニシア様の魂がきております」

「消せ!用はない!」

「しかし・・・子を、藍染様の子を違う魔女に宿させたと・・・」

「私の子だと?」

ぴくりと、藍染が動きを止める。

「次の駒には、いいかもしれないな」

そんなことを、藍染は考え出していた。

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(びっくりだったぞ。いきなり呼ばれたんだからな)

(うん、ボクもびっくりした)

「すまない。説明もおざなりで、いきなり力をかしてもらったあげくに、すぐに戻ってもらって」

「でも、お陰で僕は助かったよ。ありがとうね、東洋の僕と浮竹」

(キミは、ボクのお気に入りだからね。封印されたままなんて、我慢できない)

(俺もだぞ。西洋の京楽のいない世界なんて、考えられないからな)

東洋の京楽は、4人分のお茶を入れて、茶菓子を出した。

「それで、改めてお礼を言うために、お前たちを呼んだんだ」

「うん。今回は、僕の封印を解くのに力を貸してくれて、ありがとう」

「本当に、ありがとう」

ぺこりとお辞儀する二人に、東洋の二人が慌てた。

(いいから!そんなに畏まらなくても!)

(そうだよ。ボクらは当たり前のことをしただけだよ)

「俺は、京楽を失うのかと思い、休眠に入りかけていた。ブラッディ・ネイに頬を叩かれて、異界の存在をって言われて、我に戻ったんだ」

「異界の存在って、思わないからね、君たちのこと」

「ああ。大切な友人であるが、異界の存在ということを失念していた」

「今頃、藍染は悔しがっているだろうね」

「そうだな」

西洋の浮竹と京楽は、悪戯を思いついた子供のように笑った。

(俺たちの存在は、他の者には知らせていないのか?)

「ああ。ややこしいから、すでに知っているブラッディ・ネイと一護君を除いて、記憶から消し去った」

(ちょっと残念。こっちの世界の白哉とかにも話をしたかった)

(無理なことを言っちゃだめだよ、十四郎)

「記憶の件もすまないと思っている。だが、2重存在だとばれたら、いろいろ問題がおこりそうだからな」

(そうだよ。ボクらの存在は、あくまで秘密でいいからね)

(俺もだ。この世界にきて、お前たちと会えるだけでいい)

「そう言ってもらえて助かる」

(そうそう、手土産をもってきたんだよ。召還された時に食べていたミルフィーユケーキだよ)

「お、お茶菓子にしよう。もう、礼とかそういう堅苦しいの抜きで、普通にお茶をしよう」

「そうだね」

西洋と東洋の浮竹と京楽は、お茶をした。

(それにしても、藍染はこちらの世界でも悪者なんだな)

「うん。しつこくて、困ってるんだよ」

(また、力が必要になったら、召還してくれて構わないからな?)

「なるべく、そんなことにならないように注意する」

「そうだね。君たちとは、仲良くお茶をしたり、買い物したり、泊まったりしてもらいたいよ」

「今日は、泊まっていけ」

(いいのか?)

(お言葉に甘えよう、十四郎。彼なりの、気遣いなんだよ)

「フルコースの料理でもてなそう。デザートは、京楽が作ってくれる」

(楽しみだな)

(うん、楽しみだね)

その日は、西洋の浮竹の戦闘人形のメイドが作った料理を食べて、西洋の京楽の作ったデザートの苺パフェを食べた。

(んー美味しい!)

’(ボクの分も食べる?)

(いいのか!?)

東洋の浮竹は、目をキラキラさせていた。

(いいよ)

いちゃいちゃしている東洋の浮竹と京楽を見ながら、西洋の浮竹と京楽もやりとりをした。

「苺だけもらっていく」

「あ、ずるい!僕が苺好きなの知ってるくせに」

「早い者勝ちだ」

「じゃあ、アイスをもらっていくよ」

「あ、ずるいぞ。俺がアイスを好きだって知っているくせに」

西洋の浮竹も京楽も、結局はいちゃつくのであった。

その日は、他愛のないことで笑いあいながら、就寝した。

「じゃあ、また!」

「またね!」

(東洋の俺、もっと俺を頼ってくれていいからな?)

「分かってる」

(東洋のボクも、頼ってくれていいからね)

(うん。その時は、助けを求めるよ、素直に)

別れを済ませて、東洋の浮竹と京楽は、元の世界に戻ってしまった。

「なぁ、京楽」

「なんだい」

「もう、俺を庇って封印されるよなことは、するなよ」

「うん。君を悲しませたくないからね」

二人は、口づけあい、互いが今のこの世界にいるのだと実感しあいがら、舌を絡ませあった。

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「やっ」

浮竹のものを舐めあげて、京楽は浮竹の耳元で囁く。

「僕がいないとだめな体に、してあげる」

「もう、十分お前がいないと、俺はこの欲望を鎮められない」

浮竹のものに舌を這わせて、京楽は先端を刺激してやると、浮竹は体をびくんと反応させながら、京楽の口の中で弾けさせていた。

「ああああ!!!」

背後から突き上げられる。

「ひあ!」

ずくりと入ってきた熱は、浮竹の前立腺をすりあげて、奥へと入っていく。

「やあああ!!!」

「十四郎、もっと感じて?」

「やああ!」

何度も貫かれ、揺すぶられ、抉られて、浮竹は精液をシーツに零しながら、オーガズムでもいっていた。

「あ、やあああ!春水の顔が見えない」

泣きじゃくり始めた浮竹をあやしながら、体位を変えて、正常位になった。

「あ、春水!」

浮竹は、京楽の顔を手で包み込んで、キスをしてきた。

「十四郎、かわいい」

「春水、春水」

浮竹は、何度もキスをせがんできた。

それに応えてやりながら、浮竹の奥に侵入する。

「ひああああ!!!」

浮竹は背をしならせて、いっていた。

「あ、ああ・・・」

同時に、京楽は浮竹の鎖骨に噛みついて、吸血した。

「やああああああ!!!」

大きな快感の海に飲まれて、一瞬意識が白くなった。

「あ、あ、や、あ!」

京楽が刻むリズムにあわせて、浮竹は声を出す。

ゴリゴリと奥を刺激されて、浮竹はまた泣いていた。

「春水、春水」

「どうしたの」

「俺の傍に、ずっといてくれ。俺の傍からいなくならないでくれ」

京楽が封印されたことを、まだ浮竹は恐れているようだった。

「十四郎、君が嫌っていっても、僕は君の傍にいるからね」

浮竹の頭を撫でてやりながら、京楽は浮竹の胎の奥に欲望を叩きつけていた。

「ああ、春水のが、いっぱいくる!」

「何度でもいっていいよ。最後まで中で出してあげるからね?」

「ああああ!!」

浮竹の首筋に噛みつき、吸血しながら京楽はまた欲望を浮竹の中に出していた。

「あ、あ、京楽のでお腹が・・・・」

たくさんの精液を出されて、少しだけぽっこりとした腹を、浮竹は愛おしそうに撫でる。

「春水のが、たくさん。ああああ」

浮竹の中に出し尽くして、硬度を失ったものが、浮竹の体から去っていく。

「やあああ、出ないでえええ」

逆流してくる京楽の体液を手で掴みながら、浮竹はまた泣きじゃくる。

「浮竹、僕はここにいるから。だから、安心して。ね?」

「あ、京楽・・・・・」

浮竹は、京楽の動脈に噛みついて、溢れ出る血をすすった。

「お前の命は、俺のものだ」

「そうだね」

動脈の傷を再生させながあら、京楽は浮竹を抱きしめるのであった。


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「エスタニシア」

(藍染様、何故私を手にかけたの)

「君が愛しかったからさ。全部、君のためだよ」

(私の腹に宿っていた藍染様の子は、私の妹のアリスタシアの腹にいるわ)

「アリスタシアか。その名前、憶えておこう」

藍染は、ふっと息を吹きかけた。

エスタニシアの魂は、かき消された。

「アリスタシアの腹の子・・・私の、子、か」

藍染は、狂ったように笑い出す。

「どんなに焦がれても得られなかった我が子が、魔女如きが宿すなど・・・・・」

アリスタシアを探し出し、魔国アルカンシェルに迎え、我が花嫁とする。

そう告げた藍染の言葉を、藍染の寵姫たちは絶望の顔で聞いていた。

子を成せなかった寵姫の末路は、死であった。




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