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始祖なる者、ヴァンパイアマスター30-2

後日になり、西洋の浮竹と京楽は、改めて東洋の浮竹と京楽を招待した。

「この間はありがとう。おかげで、オロチ教とかいう変な宗教が壊滅した」

(オロチ教か・・・。それにしても、いきなりでびっくりしたぞ!)

東洋の浮竹は、西洋の二人にお土産にと持ってきたカップケーキを当たり前のように頬張りながら、口をもぐもぐさせていた。

「禁呪の連発で倒せないこともなかっただろうが、建物の中だったしな」

(それでボクを呼んだんだね)

「オロチ教というくらいだから、偽物に本物を見せてやりたかったんだ」

「人的被害は騒ぎ少しでたけど、まぁ許容範囲でしょ」

4人は、東洋の京楽のもってきてくれたカップケーキをお菓子にして、お茶会を開いた。

茶は、アッサムの紅茶と、なぜか麦茶だった。

(こっちの世界にも麦茶はあるんだな)

「緑茶もあるぞ?いい茶葉のものが揃ってる。持って帰るか?」

(いいのか?)

「この間に礼だ。それくらいお安い御用だ。ああ、お前からもらった本の栞は、使うことがないから世界三大秘宝をいれた宝石箱に直しておいた」

(せ、世界三大秘宝?大袈裟すぎないか)

「何を言う!東洋のお前の手作りなんだぞ!」

(ぅ、ありがとう…なんか照れるな)

と言いながら、頬を真っ赤に東洋の浮竹はする。

西洋の浮竹はさも嬉しそうに笑う。そんな笑みに釣られて、東洋の浮竹も笑っていた。

西洋と東洋の京楽は、そんな二人を見て微笑まく見守るのだった。


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「浮竹、浮竹」

揺り起こされて、浮竹は目を開けた。

「あれ、東洋の俺と京楽は?」

「お茶をして帰ってもらったじゃない。それより、侵入者だよ」

がばりと、浮竹は起き上がった。

「数は?」

「5人。手練れのヴァバンパイアハンターみたい」

「このまえ、ダニエルというAランクのヴァンパイアハンターを倒したからな。その報復か」

「そうかもね」

浮竹と京楽は、二手に別れた。

「助けてくれ!」

Aランクのヴァンパイアハンターだろうか。

少し顔見知りの人間を、人質にとっていた。

「俺は関係ないんだ!助けてくれ!」

「この古城に、食料を納めていたそうじゃないか。なぁ、ヴァンパイアロードさん?」

銀の短剣を舐めて、ヴァンパイアハンターは好色そうな目で浮竹を見た。

「なんなら、命を取らずに飼ってやってもいいんだぜ?」

「死ね」

浮竹は血の魔法で剣を作り、男の体を引き裂いていた。

「くーー、効くねぇ、さすがヴァンパイアロード」

ヴァンパイアハンターは、古城に食料を納める男を殺していた。

「お前も、魔人ユーハバッハの血を・・・・・」

「そうそう、ご名答。それが5人だ。さぁ、どうする?」

「どうもしない。殺すだけだ」

浮竹は、炎の精霊王と氷の精霊王を呼び出していた。

「炎の精霊王、氷の精霊王。俺の魔力を好きなだけ使っていいから、侵入者を排除しろ」

「我が友の命令とあらば」

「汝がそれを望むなら」

地獄の業火と、地獄の氷結を纏わせた二人に、ヴァンパイアハンターが顔を青くする。

「なんでだ!なんで、ヴァンパイアロード如きが、精霊王などを使役する!」

「それは俺が、ヴァンパイアロードではなく、始祖のヴァンパイアマスターだからだ」

「聞いていたのと話が違う!俺は逃げるぞ!」

「待て、仲間を置いていくのか!」

男たちは、醜くその圧倒的な存在に、我先にと逃げ出そうとしていた。

「精霊王たち、先に京楽の方のヴァンパイアハンターを倒してくれ。血の猛毒がきかいない分、不利になっている」

「承知した」

「汝の望む通りに」

炎と氷の精霊王は、京楽の元へ行ってしまった。

「精霊王がいなければ、こっちのもんだ。死んじまいな!」

銀の弾丸を何度も受けた。

だが、その傷の最初から癒えていく。

「なんだ、こいつ、銀がきかねぇ!」

「聖水だ!くらえ!」

ばしゃりと聖水をかけられるが、浮竹は平気だった。

「なぁ、もしかして、こいつは本当にヴァンパイアマスター?」

「嘘だろ・・・・でも、それならダニエルが死んだのも頷ける・・・・」

「逃げろ!」

「逃がすと思っているのか」

浮竹は、平穏を乱されて怒っていた。

ヴァンパイアハンターたちの下半身から上半身にかけて、血の杭を出して貫いた。

「魔人ユーハバッハの血をもらったのに・・・・・」

男たちは生きていたが、直に生命活動を停止させた。

くらりと、浮竹がふらつく。

二人も精霊王を召還したので、魔力が足りないのだ。

「浮竹!」

炎と氷の精霊王を連れて、京楽がやってきた。

「片付いたんだね。大丈夫?魔力切れを起こしてるの?」

「精霊王たち、戻っていいぞ」

「承知」

「分かった」

二人の精霊王を精霊界に戻して、浮竹は京楽の肩に寄りかかりながら、魔力を回復するポーションを飲み続けるのであった。


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「襲撃が東洋の僕らが帰った後でよかったよ。いらない戦いに巻き込むところだったね」

「あいつらも、藍染がけしかけてきたんだろうな」

「そうだね。魔人ユーハバッハの血を手に入れたんでしょ」

「封印されているといっても、生身の肉体のままなんだろうな。血を抜けるということは」

浮竹は、そう言いって人工血液を口にする。魔力回復ポーションも飲んだ。でもまだ足りないのだと、京楽を見た。

「魔力が足りない。お前の魔力をよこせ」

浮竹が、そう言いながら、寝室のベッドに上に京楽を押し倒した。

浮竹と京楽は、舌が絡み合うディープキスをしていた。

「んっ」

浮竹は唇を舐めて、京楽を見下ろした。

 「わお、こんな方法でも魔力は譲渡可能なの?」

「血族の魔力は主のものだ。触れているだけでも、その気になれば奪える」

「いいよ。僕の魔力全部君にあげる。君の中にいっぱい注いであげるから、受け止めてね?」

そう言って、京楽は浮竹の衣服脱がしていく。

「んんっ」

体全体の輪郭を確かめるように手で触れて、薄い胸の先端をつまみにあげる、

「あ!」

敏感に反応する浮竹に、京楽が笑う。

「ああ、君はこんなところでも感じるようになってしまったね」

「誰のせいだと、思っている」

「僕のせいだね。昂ってきた熱は、ちゃんと処理してあげるから」

京楽は、ゆるく勃ちあがりかけていた浮竹のものに舌をはわせて、手でしごきあげた。

「あああ!」

我慢できずに、浮竹は京楽の口の中に放っていた。

「今度は、俺がしてやる」

「え」

また押し倒されて、京楽が下になった。

すでにぎんぎに昂っているもに、おずおずと舌を這わせる。

「ああ、きもちいよ。もうちょっと上の方もなめてくれないかな?」

「こうか?」

あまりこういった行為を浮竹はしないので、京楽の言われた通りにする。

鈴口にちろちろと舌をはわせた。

「わっ」

ピュッと勢いよく京楽の精が弾けたせいで、浮竹の顔を汚してしまった。

「ごめん、ティッシュで拭くから」

「いい。これにもお前の魔力は宿っている」

浮竹は、自分の顔についた京楽のものを手にして、舐めとってしまった。

「ああ、君は本当に淫らだ」

浮竹を再び押し倒して、京楽はローションを手にとった。

人肌にまで温めて、浮竹の蕾にぬりこみ、自分の指と灼熱にも垂らした。

「んん・・・・あああ!」

指が入り込んできたことで、浮竹は体から力を抜いた。

「あ、あ!」

京楽の指は、わざと前立腺に触れずに解していく。

「やああ、中のいいところ、触って!」

「後でね」

京楽は、前立腺にふれずにかすめる程度にして、指を抜き去った。

「ああ・・・・・」

熱いものが触れてくる。

それで貫かれるのだと、快感を伴う行為の中、そう思った。

「ああああああ!!」

思っていた以上の質量と熱に、本来はそんなことのために使うはずでない器官が、排除するかのようにうねり、締め付けた。

「浮竹、ああ、だめだ出ちゃうよ」

「あ、あ、俺の奥で注げ!」

「無理いわないで」

ドクドクと、浅い部分で精液を注がれた。

京楽は、魔力が吸い上げられていくのを感じていた。

「もっと・・・」

唇を舐めて、京楽の背中に手を回してくる浮竹の色香にやられて、京楽は浮竹を何度も突き上げた。

「ああああ!!!」

前立腺をごりごりすりあげられて、待ち望んでいた快楽に涙を流した。

「春水、きもちいい、もっと」

「いくらでもあげるよ」

前立腺をこすりあげながら、京楽のものは浮竹の最奥まで入っていた。

ズルリと結腸まで入りこんできた京楽は、そこに熱を叩き込んだ。

「うあ、魔力吸われる・・・」

ドクドクと出していく精液と一緒に、京楽の魔力は吸い上げられいった。

「ふう、もう僕のには魔力ないよ?」

何度も浮竹の中に注ぎ込んだ。京楽の魔力はほぼ空になっていた。

「魔力なんてなくてもいい。お前の子種がほしい」

耳元でそう囁かれて、京楽は最後の一滴まで浮竹に注ぎこんで、横になった。

「満足かい?」

「ああ。大分魔力が回復した。満足だ」

「いや、僕とのセックスのこと」

「春水とのセックスは好きだぞ」

「そういえば、一度も噛んでなかったね」

京楽は半身を起き上がらせて、浮竹の首筋に噛みついて吸血した。

「ひああ!」

まだセックスの余韻に浸っていた浮竹は、大きな声を漏らしていた。

「この、不意打ちは、やめろ」

クタリとなった浮竹を抱きしめて、京楽はその長い白髪を手ですいていた。

「俺も喉が渇いた。血をよこせ」

他の者には猛毒なる血液を、主である浮竹は啜った。

浮竹にだけは、京楽の毒は効かなかった。

唇についた血液を舐めとって、満足そうに浮竹が離れていく。

その熱を共有したくて、京楽は浮竹を抱きしめ続けるのであった。


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「ラニ、レニ、元気にしているかい?」

「はい、お父様」

「はい、父上」

藍染の双子の子、ラニとレニは、父である藍染を見上げた。

半月前は赤子だったのに12歳くらいまで成長していた。

「成長促進の魔法がうまくいったようでよかったよ。ラニ、レニ、プレゼントがあるんだ」

「何、お父様?」

「父上のことだから、また力をあげる何かでしょ」

「レニの言う通りだね。魔人ユーハバッハの血液を固めた宝石だ。2人にあげよう」

「わぁ、綺麗」

「綺麗だわ、父上」

「何かあったら、その宝石を噛み砕きなさい。さぁ、僕の敵である始祖の浮竹を屠っておいで」

「はい、お父様」

「はい、父上」

成長促進の魔法をかけた双子の赤子は、美しい少女に育っていた。

魔女の血が濃く、藍染の血も引いているのに藍染の匂いは全くしなかった。

これなら、うまく古城に紛れ込み、始祖ヴァンパイアを殺すまではできなくとも、傷つけられるだろうと、父親である藍染は思った。

「仮にも私の子供だ。そうそううまく、倒せると思うなよ、始祖が」

闇の中、藍染の嘲笑がいつまでも木霊していた。








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