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始祖なる者、ヴァンパイアマスター39

勇者グレイセルが、魔国アルカンシェルをたって、1カ月が経とうとしていた。

やっとのことでガイア王国の、浮竹のいる古城までやってきた。

古城から出てきた二人の後をつけた。

やってきたのはS級ダンジョンであった。

何をしているのかと見ていれば、宝箱を漁り、ミミックに噛まれている構図だった。


ミミックに上半身を食われ、じたばたしていた。

それを、偽勇者であるはずの京楽が、助けていた。

「本当にもう、君はミミックに噛まれるのが好きだねえ」

ミミックを魔法で退治した魔王であるはずの浮竹は、古代の魔法書がドロップされてご機嫌だった。

「あれが偽勇者?あれが魔王?」

勇者グレイセルの中の、偽勇者と魔王の図がガラガラと崩れ落ちていく。

とりあえず、勇者グレイセルは同じSランク冒険者のソロのふりをして、二人の後をついていった。

「暗いよ狭いよ怖いよ息苦しいよ~~~」

宝箱が現れる度に、浮竹はミミックに食われていた。

もう間違いない。

あれは、魔王でもなんでもない、ただの始祖ヴァンパイアで、偽勇者はただのその血族だ。

そう答えに辿り着いた勇者グレイセルは、浮竹と京楽の前にくると、名乗り出た。

「私は勇者グレイセル。魔王浮竹と偽勇者京楽を倒しにきたんだけど・・・あなたたち、ただの始祖ヴァンパイアとその血族ね?」

浮竹は、それを聞かずに違うミミックにかじられていた。

「暗いよ狭いよ怖いよ息苦しいよ~~~」

勇者グレイセルは、聖剣イルジオンで、ミミックを倒した。

「あ、ありがとう。Sランク冒険者のソロか。よくこの階層までこれたな」

古代の魔法書がドロップされて、すぐに浮竹の関心はそっちに移った。

「なんか、勇者とか名乗ってたけど」

「この世界に、今は人間の勇者はいないはずだろう?」

「勇者グレイセルって聞いたことあるよ。30年前に、魔王カイザルを倒して、その後病で亡くなった女勇者だよ」

「つまりは、反魂・・・・藍染の手の者か!」

浮竹は威嚇しだした。

「待って。私は争うつもりはないわ」

その言葉も、浮竹がきょとんとなる。

「え、そうなのか」

「そう。私は死んでいたのね。藍染というやつに利用されたってことかしら。この反魂とやらは、効果はいつまでなの?」

「術者が死ぬか、対象者がダメージを負いすぎて、体が維持できなくなったら、終わりだ」

「つまり、争わなければ生きていけるのね?」

「そうなるな」

「やっほーーーい!!私、冒険者になりたかったの!仲間にいれてくれないかしら!」

「ええ、でも藍染の手の者なんだろう」

「あんなやつの言葉を信じた私がばかだったわ。せっかく生き返ったのだし、第2の人生を謳歌してやるんだから!」

勇者グレイセルは、お茶目というか前向きな考えの人間であった。

「勇者グレイセルとは、もう名乗れないわね。今日から私はアリス。アリス・マキナって名乗るから、気軽にアリスって呼んでちょうだい」

「アリス、いいのか?藍染に反魂で蘇らされたんだろう?俺たちをやっつけるためにきたんだろう?」

「そうだったんだけど、藍染が私に嘘をついていたの。あなたたちを魔王と偽勇者だと言っていたわ」

背後から襲い掛かってきら、グレータードラゴンを、アリスは一撃で仕留めてしまった。

「強いんだな」

「これでも、魔王カイザルを滅ぼした勇者よ。あ、元勇者になるのかしら」

「こっちの京楽は、魔王アレスを倒した勇者だ」

「魔王アレス!私の倒した魔王カイザルよりよほど強い魔王ね!そんな人と知り合いになれるなんて、私ついてるわ~」

こうして、元勇者であり反魂で蘇ったグレイセル・マキナは名をアリス・マキナと改めて、浮竹と京楽と一緒に、S級ダンジョンをもぐっていくのであった。

50階層までくると、ボスのブラックワイバーンの群れが襲ってきた。

「そっちにいったぞ」

任せてちょうだい。

アリスは跳躍して、ブラックワイバーンの背中に乗ると、聖剣イルジオンでブラックワイバーンの心臓を一突きした。

「ぎゃおおおお」

ブラックワイバーンが地面に倒れる前に、次のブラックワイバーンの背中にのって、心臓を一刺しだ。

「強いな・・・・敵じゃなくてよかった」

敵だったら、多分苦戦を強いられたことだろう。

ブラックワイバーンの群れは、結局ほとんどをアリス一人で倒してしまった。

「財宝の間だ」

ゴゴゴゴゴと開いてく、ボスを倒した報酬の財宝の間をはじめて見るアリスは、目を輝かせた。

「うわぁ、金銀財宝がいっぱい!」

「欲しいならもって行け。予備のアイテムポケットをやろう」

「いいの?私がもらったら、あなたたちの取り分がなくなっちゃうわよ」

「ブラックワイバーンはドラゴンではないが、素材としてギルドに持ち込めばそこそこの値段がつく。それに俺と京楽は、よくS級ダンジョンを踏破しているから、金銀財宝なんてはいて捨てるほどある」

「踏破!強いのね。敵じゃなくてよかったわ」

「あ、宝箱!」

財宝の間の中心に置かれた宝箱は、見るからにミミックだった。

だって、小刻みに動いていた。

「ミミックよ!私が倒すわ!」

「待って、アリスちゃん。浮竹の好きなようにさせてあげて」

「でも、ミミックに」

浮竹は、すでにミミックに上半身をかまれていた。

「暗いよ狭いよ怖いよ息苦しいよ~~~」

じたばたをもがく浮竹を、アリスは呆れた顔で見ていた。

「ミミックにかじられた浮竹はね、こうやって。よいしょと」

ミミックに更に押し付けると、ミミックはおえっとなって、浮竹を吐き出した。

「フレイムロンド」

「ぎゅいいいいい」

炎の魔法で燃やされて倒れていったミミックの後には、古代の魔法書が残されていた。

「魔法書!」

浮竹がそれを取ろうとすると、隣にあった宝箱のミミックが浮竹を噛んだ。

「暗いよ狭いよ怖いよ息苦しいよ~~~」

「またやってる・・・・・・」

「ごめんねぇ。浮竹はミミックにかじられるのが大好きなんだ。趣味みたいなものかな」

その言葉に、アリスが引き気味に顔を強張らせた。

「ミミックにかじられるのが趣味の、始祖ヴァンパイア・・・普通なら、怖いイメージしか浮かばないんだけど、ミミックにかじられるのが趣味って聞くと、なんだかかわいいわね」

「かわいくていいから、助けてくれ」

じたばたともがく浮竹を、京楽が助けた。

ミミックを倒すと、金よりレアな、神の金属であるミスリルのインゴットが出た。

「なんだ、ミスリルか・・・魔法書じゃないなら、いらないな」

「え、放置しておくの!?」

アリスが驚いていた。

ミスリルの値段は高い。そこらの金銀財宝よりも。

「いらない。欲しければアリス、お前がもっていけ」

京楽もいらないようで、アリスは唾をごくりと飲みこみながら、自分のアイテムポケットにミスリルのインゴットを入れた。

「結局、この財宝の間の魔法書は3冊だけか」

くまなく財宝の間を探索して、浮竹は隠し扉を見つけた。

「京楽、この奥に隠し扉がある!」

「仕掛けは?」

「この壁の窪みだと思う」

浮竹が壁の窪みを押すと、ガコンと壁が動いて、人が一人入れるだけの入り口ができた。

「危ないかもしれないから、浮竹はここで待ってて?」

「分かった」

先に、京楽が隠し部屋に入った。

「きても大丈夫だよ、浮竹、アリスちゃん」

浮竹とアリスは、隠し部屋に入った。

そこは賢者が住んでいたようで、いろんな書物が溢れていた。

魔法書から、古代のレシピ、創作の物語、日記まで。

「これは・・・・賢者メイエドの遺産だな」

「賢者メイエド?」

「今から700年くらいまでに、魔法を極め、3体の精霊王を従えたという伝説の賢者の名だ」

「その遺産が、こんなところに・・・・」

隠し部屋は、壁に光苔をはやしており、光はいらなかった。

「どうするの、浮竹」

「魔法書の他にも、気になる本とかある。全部、持って帰る」

「そう言うと思ったよ」

京楽は、諦めて自分のアイテムポケットの中に、棚にしまわれていた本を放り込んでいく。

一通り収納して、3人は隠し部屋からでた。

「いやぁ、収穫が多いと気持ちいいな」

「浮竹にはね。僕は早く深層まで辿りついて、古城に戻りたいよ」

「ミスリルのインゴットに金銀財宝・・・・ふふふふ」

アリスは、危ない扉を開けかけていた。

そのまま60階層まで潜り、ボスのブラックドラゴンを倒して、財宝の間に入ると、魔力が付与された武器防具がそろっていた。

「これは・・・ミスリル銀!」

ただのミスリルよりも上位の金属に、剣士であるアリスは目を輝かせた。

ミスリル銀でできた鎖かたびらと、胸当てがあった。

「これも、もらってもいいのかしら?」

「身に付けれそうなものがあったら、もっていけ。ただ、ミスリル銀は貴重なので、身に付けないものは回収する」

「じゃあ、この鎖かたびらと、胸当てをもらうわ。ミスリル銀の剣も欲しいけど、私には聖剣イルジオンがあるし」

「その聖剣とやら、一度見せてくれないか」

「いいけど、この子には意思があるわ。存在が隠だと、その存在を焼いてしまうの」

その言葉を聞きながらも、浮竹は聖剣イルジオンを触った。

最初は火傷したが、もっているうちに熱さが消えて、火傷は治ってしまった。

「あなたの存在は、隠だけど、けれどとても陽に近いのね。イルジオンが、そう言ってるわ」

「ふむ。聖剣を返す」

「ありがとう」

「僕は・・・駄目だね」

「そうね。イルジオンが言っているわ。あなたは残酷だって」

「まぁ、浮竹を傷つける者はみんな殺すからね」

残酷に笑う京楽に、アリスは背筋がぞくっとした。

その日は、60階層の財宝の間で一晩を明かした。テントは1組してもってきていなかったので、アリスに使わせた。

夕食は、来る前に京楽が作っておいたビーフシチューと、ドラゴンステーキだった。

浮竹と京楽は、硬い地面に直接布団をしいて、その上で毛布をかぶってねた。

その次の日は、最下層の90階層まで降りた。

「何故!何故、魔王カイザルがここにいるの!」

90階層のボスは、アリスが倒したはずの魔王カイザルであった。

「ある方の手で、復活をしたのだ。ここで会ったが運命!我を滅ぼした勇者グレイセルよ、覚悟せよ!」

「もう私は勇者じゃないわ。グレイセルという名を捨てた、ただのアリスよ!」

「アリスちゃん、ここは僕らに任せて?」

「でも、危険だわ!相手は魔王よ!?」

「いいから、任せて」

京楽は、自分が愛用しているミスリル銀の剣を抜いた。

「ある方って、どうせ藍染でしょう?」

「そうなのか、京楽?」

「あのゴキブリがしそうなことだよ。勇者が意のままに動かないから、その封印された魔王をもってくる。あいつがやりそうな手だね」

「藍染め・・・・」

アリスは、自分を反魂してくれたとはいえ、こんな形にもってきた藍染に呪詛のような言葉を吐く。

「絶対、許さない、藍染!」

「まぁ、おちついて」

「アリス、危ないからこっちにこい」

浮竹は結界を作り、そこにアリスを避難させた。

「フレイムロンド」

ぽっ、ぽっ、ぽっ。

京楽の周囲に、いくつもの鬼火のような青い炎が灯る。

それは意思をもち、魔王カイザルを燃やそうとした。

「く、我は魔王ぞ。復活したのだ、魔王ぞ」

「魔王アレスより格段に弱いんでしょう?死んじゃってよ」

「ぐ・・・お主の大切なものを殺してくれる!」

魔王カイザルは、魔力で満ちた矛を浮竹に向けた。

それは浮竹の張ったシールドをやすやすと貫いて、浮竹の肩を抉っていた。

「ぐ・・・・」

「大丈夫、浮竹!?」

アリスが、浮竹の傷を押させた。

すぐに血はとまり、再生していくが、魔王カイザルは目の前で立ち上る魔力の高さに、足を震わせいた。

「なんだ、足がいうことを聞かぬ」

「君の本能が言ってるんじゃない?浮竹を傷つけられた僕の力が怖いって」

「そんな馬鹿なことがあるか!勇者ならいざ知らず、たかが小物のヴァンパイア如きに・・・」

「ファイアオブファイア。ヘルインフェルノ。トライアングルボルケーノ」

立て続けに、3つの威力の高い炎の魔法を使われて、魔王カイザルの右手は炭化していた。

「ええい、ヴァンパイア如きが!」

魔王カイザルが、魔法を使う。

魔力の礫が皆に襲い掛かる。

それは、浮竹の放ったシールドで防がれた。

「ありがとう、浮竹」

京楽が、礼を言う。

「魔王カイザルって、こんなに弱かったかしら」

「いや、京楽が強すぎるだけだ」

浮竹は、京楽の、自分と同じ神に匹敵する魔力が、揺らぎながら尖っていくのを感じていた。

魔王カイザルは、奥の手だととっておきの魔法を放った。

「凍てついて死ぬがいい!エターナルアイシクルワールド!」

禁呪の氷の魔法に、残酷に笑った京楽が、魔法を放つ。

「エターナルフェニックス!」

それは、炎の最高位精霊を使った炎の禁呪。

「ぬおおおおおおおお」

氷は、不死鳥を模った炎に溶かされていた。

「我の負けだ!我を殺すな!我はまだ人間界に復讐をしておらぬ!汝とて、ヴァンパイア。人間を守る義理など、ないであろう?」

「勘違いしないで。僕は人間がどうなろうと知ったこっちゃないよ。ただ、君は浮竹を傷つけた。僕は、それが許せない。カイザーフェニックス!!!」

再び、炎の不死鳥が呼び出される。

「我が、我がこんなヴァンパイアごときにいいいいい」

その言葉を最後に、体の全てを炭化させて、魔王カイザルはボロボロと灰となり崩れていった。

それを、浮竹が不安そうな顔で見ていた。
「さぁ、終わったよ・・・浮竹?」
「お前、本当に京楽か?あの平和が大好きな京楽か?」
「僕は僕だよ」
そして腕の中に浮竹を抱きしめた。
浮竹は、仕方なく京楽の頭を撫でた。
「えへへへ」
「すごい。私があんなに苦戦した魔王カイザルを、あっけなく滅ぼしてしまうなんて。流石、魔王アレスを倒しただけはあるわね」
アリスは、京楽の魔力の高さとその冷酷さに、背筋の寒いものを感じながらも、浮竹に甘やかされてそれに甘える京楽の姿に、心のどこかでほっとしていた。

最後の財宝の間が開いた。

ミスリル銀のインゴットで溢れていた。

「きっかり3当分しよう」

もっともな浮竹の意見に、皆賛成した。

アリスは、大量の金になるものをアイテムポケットに入れいるので、辺りをきょろきょろと見回っていて、ちょっとした不審者に見えた。

「アリス。S級ダンジョンを踏破したんだ。もっと誇れ」

「でも、最後は私の出番はなかったわ」

「とりあえず、ガイア王国の冒険者ギルドに戻ろう」

3人は、ガイア王国の冒険者ギルドに戻った。

S級ダンジョンを踏破したとして、ギルドマスターに呼ばれいた。

「君が、浮竹と京楽の二人とS級ダンジョンを踏破した、アリス・マキナだね?」

「はい」

「ギルドは、君をSランク冒険者として認定しよう。このガイア王国の冒険者ギルドでの活躍を、今後期待しているよ」

浮竹と京楽は、今回のS級ダンジョン攻略で手に入れた魔物の素材を買い取ってもらった。

魔物素材には、ドラゴンも含まれていたので、大金貨2万枚になった。

「ミスリル銀製の武器防具があるんだが」

「全部、ギルドで買わせていただく!」

ミスリル銀のインゴットも売って、大金貨10万枚になった。

大金貨1枚で、4人家族で半年食べていける。
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「私、故郷には戻れないから、このガイア王国に住もうと思うの。どこかいい場所はないかしら」

「それなら、このアラルの町がいいと思うよ。僕たちの住んでいる古城から一番近い町なんだ。猫の魔女乱菊ちゃんも住んでるし、冒険者ギルドもあるし、Sランク冒険者として生きていけばいいと思う」

「そうね。この街はアラルというのね」

「そうだ。王都にある冒険者ギルドよりでかい冒険者ギルドがあって、冒険者で賑わっている町だ」

「私、決めたわ。せっかく再びこの世に生を受けたんですもの。今度は勇者じゃなく、普通の冒険者として世界を巡ってみたいわ!」

「それもいいね」

「ああ、それがいいだろう」

こうして、勇者グレイセル・マキナはアリス・マキナといしてアラルの町の冒険者ギルドのSランク冒険者として、名声を高めていくのであった。

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「勇者はいい手ごまだと思ったんだがな。自由意思をもたせたの失敗だったか。反魂の時に、コアをくり抜いて、こちらで保存しておけばよかった」

魔国アルカンシェルで、藍染はイライラしながら爪を噛んだ。

勇者グレイセル・マキナはいい駒だったが、結局浮竹と京楽と戦わずに終わってしまった。魔王カイザルの封印を解いて、ダンジョンに配置したはいいが、呆気なく京楽にやられてしまった。

「愛しいあなた。4番目の子も完成したわ。5番目の子を・・・・あの始祖ヴァンパイアから入手した血を元に、作りましょう?」

いつだったか、始祖浮竹を拉致した時に、その血液を大量に抜いて、魔族の戦士に与えて聖帝国へ攻め入らせた。

その時に残っていた血液を元に、ゼイラムという浮竹の細胞をもつ子どもを作りあげたが、失敗した。

今度は、基礎から浮竹の血をべースにした、ヴァンパイアの子を作ってみせるか。

藍染は、女神アルテナが宿った、寵姫のヴァンパイアを身ごもらせて、そのヴァンパイアをベースに、浮竹の血を大量に与えて、小さな浮竹のクローンのような存在になるように作り始めた。

「この子が完成するまで、時間を稼いでおいで。レキ、サニア」

3番目と4番目の女神アルテナと藍染の子は、やはり10歳くらいの体で、レキが男の子でサニアが女の子だった。

「「行ってきます、父上、母上」」

レキの体には銃火器を、サニアの体には自爆機能を備え付けておいた。

「今度こそ・・・・・・・」

サーラの世界からやってきた、女神アルテナの知識を頼りに、サーラの世界の武器を作り出し、それを我が子に植え付けた。

我が子に対しての愛情など、欠片もなかった。

ただ、始祖浮竹と京楽を、少しでも苦しめられるならそれでよかった。

レキとサニアは、古城に向かって歩きだす。

その頃、浮竹と京楽は血の帝国にいた。

ブラッディ・ネイが懐妊したのだという。それも、浮竹の子を。

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