忍者ブログ

プログ

小説掲載プログ
06 2025/07 1 2 3 4 7 9 11 1213 14 15 16 17 18 1920 21 22 23 24 25 2627 28 29 30 31 08

始祖なる者、ヴァンパイアマスター39

勇者グレイセルが、魔国アルカンシェルをたって、1カ月が経とうとしていた。

やっとのことでガイア王国の、浮竹のいる古城までやってきた。

古城から出てきた二人の後をつけた。

やってきたのはS級ダンジョンであった。

何をしているのかと見ていれば、宝箱を漁り、ミミックに噛まれている構図だった。


ミミックに上半身を食われ、じたばたしていた。

それを、偽勇者であるはずの京楽が、助けていた。

「本当にもう、君はミミックに噛まれるのが好きだねえ」

ミミックを魔法で退治した魔王であるはずの浮竹は、古代の魔法書がドロップされてご機嫌だった。

「あれが偽勇者?あれが魔王?」

勇者グレイセルの中の、偽勇者と魔王の図がガラガラと崩れ落ちていく。

とりあえず、勇者グレイセルは同じSランク冒険者のソロのふりをして、二人の後をついていった。

「暗いよ狭いよ怖いよ息苦しいよ~~~」

宝箱が現れる度に、浮竹はミミックに食われていた。

もう間違いない。

あれは、魔王でもなんでもない、ただの始祖ヴァンパイアで、偽勇者はただのその血族だ。

そう答えに辿り着いた勇者グレイセルは、浮竹と京楽の前にくると、名乗り出た。

「私は勇者グレイセル。魔王浮竹と偽勇者京楽を倒しにきたんだけど・・・あなたたち、ただの始祖ヴァンパイアとその血族ね?」

浮竹は、それを聞かずに違うミミックにかじられていた。

「暗いよ狭いよ怖いよ息苦しいよ~~~」

勇者グレイセルは、聖剣イルジオンで、ミミックを倒した。

「あ、ありがとう。Sランク冒険者のソロか。よくこの階層までこれたな」

古代の魔法書がドロップされて、すぐに浮竹の関心はそっちに移った。

「なんか、勇者とか名乗ってたけど」

「この世界に、今は人間の勇者はいないはずだろう?」

「勇者グレイセルって聞いたことあるよ。30年前に、魔王カイザルを倒して、その後病で亡くなった女勇者だよ」

「つまりは、反魂・・・・藍染の手の者か!」

浮竹は威嚇しだした。

「待って。私は争うつもりはないわ」

その言葉も、浮竹がきょとんとなる。

「え、そうなのか」

「そう。私は死んでいたのね。藍染というやつに利用されたってことかしら。この反魂とやらは、効果はいつまでなの?」

「術者が死ぬか、対象者がダメージを負いすぎて、体が維持できなくなったら、終わりだ」

「つまり、争わなければ生きていけるのね?」

「そうなるな」

「やっほーーーい!!私、冒険者になりたかったの!仲間にいれてくれないかしら!」

「ええ、でも藍染の手の者なんだろう」

「あんなやつの言葉を信じた私がばかだったわ。せっかく生き返ったのだし、第2の人生を謳歌してやるんだから!」

勇者グレイセルは、お茶目というか前向きな考えの人間であった。

「勇者グレイセルとは、もう名乗れないわね。今日から私はアリス。アリス・マキナって名乗るから、気軽にアリスって呼んでちょうだい」

「アリス、いいのか?藍染に反魂で蘇らされたんだろう?俺たちをやっつけるためにきたんだろう?」

「そうだったんだけど、藍染が私に嘘をついていたの。あなたたちを魔王と偽勇者だと言っていたわ」

背後から襲い掛かってきら、グレータードラゴンを、アリスは一撃で仕留めてしまった。

「強いんだな」

「これでも、魔王カイザルを滅ぼした勇者よ。あ、元勇者になるのかしら」

「こっちの京楽は、魔王アレスを倒した勇者だ」

「魔王アレス!私の倒した魔王カイザルよりよほど強い魔王ね!そんな人と知り合いになれるなんて、私ついてるわ~」

こうして、元勇者であり反魂で蘇ったグレイセル・マキナは名をアリス・マキナと改めて、浮竹と京楽と一緒に、S級ダンジョンをもぐっていくのであった。

50階層までくると、ボスのブラックワイバーンの群れが襲ってきた。

「そっちにいったぞ」

任せてちょうだい。

アリスは跳躍して、ブラックワイバーンの背中に乗ると、聖剣イルジオンでブラックワイバーンの心臓を一突きした。

「ぎゃおおおお」

ブラックワイバーンが地面に倒れる前に、次のブラックワイバーンの背中にのって、心臓を一刺しだ。

「強いな・・・・敵じゃなくてよかった」

敵だったら、多分苦戦を強いられたことだろう。

ブラックワイバーンの群れは、結局ほとんどをアリス一人で倒してしまった。

「財宝の間だ」

ゴゴゴゴゴと開いてく、ボスを倒した報酬の財宝の間をはじめて見るアリスは、目を輝かせた。

「うわぁ、金銀財宝がいっぱい!」

「欲しいならもって行け。予備のアイテムポケットをやろう」

「いいの?私がもらったら、あなたたちの取り分がなくなっちゃうわよ」

「ブラックワイバーンはドラゴンではないが、素材としてギルドに持ち込めばそこそこの値段がつく。それに俺と京楽は、よくS級ダンジョンを踏破しているから、金銀財宝なんてはいて捨てるほどある」

「踏破!強いのね。敵じゃなくてよかったわ」

「あ、宝箱!」

財宝の間の中心に置かれた宝箱は、見るからにミミックだった。

だって、小刻みに動いていた。

「ミミックよ!私が倒すわ!」

「待って、アリスちゃん。浮竹の好きなようにさせてあげて」

「でも、ミミックに」

浮竹は、すでにミミックに上半身をかまれていた。

「暗いよ狭いよ怖いよ息苦しいよ~~~」

じたばたをもがく浮竹を、アリスは呆れた顔で見ていた。

「ミミックにかじられた浮竹はね、こうやって。よいしょと」

ミミックに更に押し付けると、ミミックはおえっとなって、浮竹を吐き出した。

「フレイムロンド」

「ぎゅいいいいい」

炎の魔法で燃やされて倒れていったミミックの後には、古代の魔法書が残されていた。

「魔法書!」

浮竹がそれを取ろうとすると、隣にあった宝箱のミミックが浮竹を噛んだ。

「暗いよ狭いよ怖いよ息苦しいよ~~~」

「またやってる・・・・・・」

「ごめんねぇ。浮竹はミミックにかじられるのが大好きなんだ。趣味みたいなものかな」

その言葉に、アリスが引き気味に顔を強張らせた。

「ミミックにかじられるのが趣味の、始祖ヴァンパイア・・・普通なら、怖いイメージしか浮かばないんだけど、ミミックにかじられるのが趣味って聞くと、なんだかかわいいわね」

「かわいくていいから、助けてくれ」

じたばたともがく浮竹を、京楽が助けた。

ミミックを倒すと、金よりレアな、神の金属であるミスリルのインゴットが出た。

「なんだ、ミスリルか・・・魔法書じゃないなら、いらないな」

「え、放置しておくの!?」

アリスが驚いていた。

ミスリルの値段は高い。そこらの金銀財宝よりも。

「いらない。欲しければアリス、お前がもっていけ」

京楽もいらないようで、アリスは唾をごくりと飲みこみながら、自分のアイテムポケットにミスリルのインゴットを入れた。

「結局、この財宝の間の魔法書は3冊だけか」

くまなく財宝の間を探索して、浮竹は隠し扉を見つけた。

「京楽、この奥に隠し扉がある!」

「仕掛けは?」

「この壁の窪みだと思う」

浮竹が壁の窪みを押すと、ガコンと壁が動いて、人が一人入れるだけの入り口ができた。

「危ないかもしれないから、浮竹はここで待ってて?」

「分かった」

先に、京楽が隠し部屋に入った。

「きても大丈夫だよ、浮竹、アリスちゃん」

浮竹とアリスは、隠し部屋に入った。

そこは賢者が住んでいたようで、いろんな書物が溢れていた。

魔法書から、古代のレシピ、創作の物語、日記まで。

「これは・・・・賢者メイエドの遺産だな」

「賢者メイエド?」

「今から700年くらいまでに、魔法を極め、3体の精霊王を従えたという伝説の賢者の名だ」

「その遺産が、こんなところに・・・・」

隠し部屋は、壁に光苔をはやしており、光はいらなかった。

「どうするの、浮竹」

「魔法書の他にも、気になる本とかある。全部、持って帰る」

「そう言うと思ったよ」

京楽は、諦めて自分のアイテムポケットの中に、棚にしまわれていた本を放り込んでいく。

一通り収納して、3人は隠し部屋からでた。

「いやぁ、収穫が多いと気持ちいいな」

「浮竹にはね。僕は早く深層まで辿りついて、古城に戻りたいよ」

「ミスリルのインゴットに金銀財宝・・・・ふふふふ」

アリスは、危ない扉を開けかけていた。

そのまま60階層まで潜り、ボスのブラックドラゴンを倒して、財宝の間に入ると、魔力が付与された武器防具がそろっていた。

「これは・・・ミスリル銀!」

ただのミスリルよりも上位の金属に、剣士であるアリスは目を輝かせた。

ミスリル銀でできた鎖かたびらと、胸当てがあった。

「これも、もらってもいいのかしら?」

「身に付けれそうなものがあったら、もっていけ。ただ、ミスリル銀は貴重なので、身に付けないものは回収する」

「じゃあ、この鎖かたびらと、胸当てをもらうわ。ミスリル銀の剣も欲しいけど、私には聖剣イルジオンがあるし」

「その聖剣とやら、一度見せてくれないか」

「いいけど、この子には意思があるわ。存在が隠だと、その存在を焼いてしまうの」

その言葉を聞きながらも、浮竹は聖剣イルジオンを触った。

最初は火傷したが、もっているうちに熱さが消えて、火傷は治ってしまった。

「あなたの存在は、隠だけど、けれどとても陽に近いのね。イルジオンが、そう言ってるわ」

「ふむ。聖剣を返す」

「ありがとう」

「僕は・・・駄目だね」

「そうね。イルジオンが言っているわ。あなたは残酷だって」

「まぁ、浮竹を傷つける者はみんな殺すからね」

残酷に笑う京楽に、アリスは背筋がぞくっとした。

その日は、60階層の財宝の間で一晩を明かした。テントは1組してもってきていなかったので、アリスに使わせた。

夕食は、来る前に京楽が作っておいたビーフシチューと、ドラゴンステーキだった。

浮竹と京楽は、硬い地面に直接布団をしいて、その上で毛布をかぶってねた。

その次の日は、最下層の90階層まで降りた。

「何故!何故、魔王カイザルがここにいるの!」

90階層のボスは、アリスが倒したはずの魔王カイザルであった。

「ある方の手で、復活をしたのだ。ここで会ったが運命!我を滅ぼした勇者グレイセルよ、覚悟せよ!」

「もう私は勇者じゃないわ。グレイセルという名を捨てた、ただのアリスよ!」

「アリスちゃん、ここは僕らに任せて?」

「でも、危険だわ!相手は魔王よ!?」

「いいから、任せて」

京楽は、自分が愛用しているミスリル銀の剣を抜いた。

「ある方って、どうせ藍染でしょう?」

「そうなのか、京楽?」

「あのゴキブリがしそうなことだよ。勇者が意のままに動かないから、その封印された魔王をもってくる。あいつがやりそうな手だね」

「藍染め・・・・」

アリスは、自分を反魂してくれたとはいえ、こんな形にもってきた藍染に呪詛のような言葉を吐く。

「絶対、許さない、藍染!」

「まぁ、おちついて」

「アリス、危ないからこっちにこい」

浮竹は結界を作り、そこにアリスを避難させた。

「フレイムロンド」

ぽっ、ぽっ、ぽっ。

京楽の周囲に、いくつもの鬼火のような青い炎が灯る。

それは意思をもち、魔王カイザルを燃やそうとした。

「く、我は魔王ぞ。復活したのだ、魔王ぞ」

「魔王アレスより格段に弱いんでしょう?死んじゃってよ」

「ぐ・・・お主の大切なものを殺してくれる!」

魔王カイザルは、魔力で満ちた矛を浮竹に向けた。

それは浮竹の張ったシールドをやすやすと貫いて、浮竹の肩を抉っていた。

「ぐ・・・・」

「大丈夫、浮竹!?」

アリスが、浮竹の傷を押させた。

すぐに血はとまり、再生していくが、魔王カイザルは目の前で立ち上る魔力の高さに、足を震わせいた。

「なんだ、足がいうことを聞かぬ」

「君の本能が言ってるんじゃない?浮竹を傷つけられた僕の力が怖いって」

「そんな馬鹿なことがあるか!勇者ならいざ知らず、たかが小物のヴァンパイア如きに・・・」

「ファイアオブファイア。ヘルインフェルノ。トライアングルボルケーノ」

立て続けに、3つの威力の高い炎の魔法を使われて、魔王カイザルの右手は炭化していた。

「ええい、ヴァンパイア如きが!」

魔王カイザルが、魔法を使う。

魔力の礫が皆に襲い掛かる。

それは、浮竹の放ったシールドで防がれた。

「ありがとう、浮竹」

京楽が、礼を言う。

「魔王カイザルって、こんなに弱かったかしら」

「いや、京楽が強すぎるだけだ」

浮竹は、京楽の、自分と同じ神に匹敵する魔力が、揺らぎながら尖っていくのを感じていた。

魔王カイザルは、奥の手だととっておきの魔法を放った。

「凍てついて死ぬがいい!エターナルアイシクルワールド!」

禁呪の氷の魔法に、残酷に笑った京楽が、魔法を放つ。

「エターナルフェニックス!」

それは、炎の最高位精霊を使った炎の禁呪。

「ぬおおおおおおおお」

氷は、不死鳥を模った炎に溶かされていた。

「我の負けだ!我を殺すな!我はまだ人間界に復讐をしておらぬ!汝とて、ヴァンパイア。人間を守る義理など、ないであろう?」

「勘違いしないで。僕は人間がどうなろうと知ったこっちゃないよ。ただ、君は浮竹を傷つけた。僕は、それが許せない。カイザーフェニックス!!!」

再び、炎の不死鳥が呼び出される。

「我が、我がこんなヴァンパイアごときにいいいいい」

その言葉を最後に、体の全てを炭化させて、魔王カイザルはボロボロと灰となり崩れていった。

それを、浮竹が不安そうな顔で見ていた。
「さぁ、終わったよ・・・浮竹?」
「お前、本当に京楽か?あの平和が大好きな京楽か?」
「僕は僕だよ」
そして腕の中に浮竹を抱きしめた。
浮竹は、仕方なく京楽の頭を撫でた。
「えへへへ」
「すごい。私があんなに苦戦した魔王カイザルを、あっけなく滅ぼしてしまうなんて。流石、魔王アレスを倒しただけはあるわね」
アリスは、京楽の魔力の高さとその冷酷さに、背筋の寒いものを感じながらも、浮竹に甘やかされてそれに甘える京楽の姿に、心のどこかでほっとしていた。

最後の財宝の間が開いた。

ミスリル銀のインゴットで溢れていた。

「きっかり3当分しよう」

もっともな浮竹の意見に、皆賛成した。

アリスは、大量の金になるものをアイテムポケットに入れいるので、辺りをきょろきょろと見回っていて、ちょっとした不審者に見えた。

「アリス。S級ダンジョンを踏破したんだ。もっと誇れ」

「でも、最後は私の出番はなかったわ」

「とりあえず、ガイア王国の冒険者ギルドに戻ろう」

3人は、ガイア王国の冒険者ギルドに戻った。

S級ダンジョンを踏破したとして、ギルドマスターに呼ばれいた。

「君が、浮竹と京楽の二人とS級ダンジョンを踏破した、アリス・マキナだね?」

「はい」

「ギルドは、君をSランク冒険者として認定しよう。このガイア王国の冒険者ギルドでの活躍を、今後期待しているよ」

浮竹と京楽は、今回のS級ダンジョン攻略で手に入れた魔物の素材を買い取ってもらった。

魔物素材には、ドラゴンも含まれていたので、大金貨2万枚になった。

「ミスリル銀製の武器防具があるんだが」

「全部、ギルドで買わせていただく!」

ミスリル銀のインゴットも売って、大金貨10万枚になった。

大金貨1枚で、4人家族で半年食べていける。
---------------------------------------------------


「私、故郷には戻れないから、このガイア王国に住もうと思うの。どこかいい場所はないかしら」

「それなら、このアラルの町がいいと思うよ。僕たちの住んでいる古城から一番近い町なんだ。猫の魔女乱菊ちゃんも住んでるし、冒険者ギルドもあるし、Sランク冒険者として生きていけばいいと思う」

「そうね。この街はアラルというのね」

「そうだ。王都にある冒険者ギルドよりでかい冒険者ギルドがあって、冒険者で賑わっている町だ」

「私、決めたわ。せっかく再びこの世に生を受けたんですもの。今度は勇者じゃなく、普通の冒険者として世界を巡ってみたいわ!」

「それもいいね」

「ああ、それがいいだろう」

こうして、勇者グレイセル・マキナはアリス・マキナといしてアラルの町の冒険者ギルドのSランク冒険者として、名声を高めていくのであった。

----------------------------------------------

「勇者はいい手ごまだと思ったんだがな。自由意思をもたせたの失敗だったか。反魂の時に、コアをくり抜いて、こちらで保存しておけばよかった」

魔国アルカンシェルで、藍染はイライラしながら爪を噛んだ。

勇者グレイセル・マキナはいい駒だったが、結局浮竹と京楽と戦わずに終わってしまった。魔王カイザルの封印を解いて、ダンジョンに配置したはいいが、呆気なく京楽にやられてしまった。

「愛しいあなた。4番目の子も完成したわ。5番目の子を・・・・あの始祖ヴァンパイアから入手した血を元に、作りましょう?」

いつだったか、始祖浮竹を拉致した時に、その血液を大量に抜いて、魔族の戦士に与えて聖帝国へ攻め入らせた。

その時に残っていた血液を元に、ゼイラムという浮竹の細胞をもつ子どもを作りあげたが、失敗した。

今度は、基礎から浮竹の血をべースにした、ヴァンパイアの子を作ってみせるか。

藍染は、女神アルテナが宿った、寵姫のヴァンパイアを身ごもらせて、そのヴァンパイアをベースに、浮竹の血を大量に与えて、小さな浮竹のクローンのような存在になるように作り始めた。

「この子が完成するまで、時間を稼いでおいで。レキ、サニア」

3番目と4番目の女神アルテナと藍染の子は、やはり10歳くらいの体で、レキが男の子でサニアが女の子だった。

「「行ってきます、父上、母上」」

レキの体には銃火器を、サニアの体には自爆機能を備え付けておいた。

「今度こそ・・・・・・・」

サーラの世界からやってきた、女神アルテナの知識を頼りに、サーラの世界の武器を作り出し、それを我が子に植え付けた。

我が子に対しての愛情など、欠片もなかった。

ただ、始祖浮竹と京楽を、少しでも苦しめられるならそれでよかった。

レキとサニアは、古城に向かって歩きだす。

その頃、浮竹と京楽は血の帝国にいた。

ブラッディ・ネイが懐妊したのだという。それも、浮竹の子を。

拍手[0回]

PR
URL
FONT COLOR
COMMENT
Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
PASS

TRACK BACK

トラックバックURLはこちら
新着記事
(07/10)
(07/08)
(07/08)
(07/06)
(07/05)
"ココはカウンター設置場所"