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始祖なる者、ヴァンパイアマスター63

肉便器に入れられた浮竹の子種で、肉便器は妊娠し、1週間後に子供を産み落とした。

白い髪に翡翠の瞳をした、浮竹によく似た子供だった。

1カ月をかけて13歳くらいまで成長した浮竹の子は、男の子で名をアランと名付けられた。

ヴァンパイアマスターと女神の子であったが、ヴァンパイアロードであった。

ヴァンパイアマスターはこの世界でただ一人。

浮竹だけが、ヴァンパイアマスターだった。

ただ、アランは浮竹の血が濃いのか、限りなくヴァンパイアマスターに近かった。

「キララ」

「はい、藍染様」

名を呼ばれて、死神のキララは藍染を見た。

「アランと一緒に、浮竹と京楽を葬っていおいで」

ああ、ついにこの日がやってきた。

キララは死を覚悟した。

いっそ逃げ出そうか。そう思ったが、藍染の手からは逃れられないと察知して、死を覚悟の上でアランと共に行動を開始する。

死神。だからといって、全ての魂を狩りとれるわけではない。

特に自分より強い存在の魂は狩りにくい。

きっと、浮竹と京楽の魂を狩りとることはできないだろう。分かっていたが、黙っていた。そうでもしないと、もう用なしとして処分されるかもしれないから。

「あなた、キララの宝石は美しいのよ?宝石を生み出す子がいなくなるなんて嫌よ」

「女神オリガ、こんな時のために神族を3人ほど確保しておいた。キララより上質の宝石を生み出す者ばかりを選んだ」

「そうなの。じゃあ、キララは用済みね」

母親である女神オリガにそう言われて、一縷の望みであった希望は粉々に砕かれた。

実の母でさえ、キララを愛してなかったのだ。

「いこう、キララ。愛しているよ」

「アラン・・・・・」

キララに愛を囁くアランを、キララは愛した。

藍染と女神オリガの目を盗んで、逢瀬を重ねた。

キララの腹には、アランの子が宿っていた。

それを知らずに、アランもキララも、浮竹と京楽がいる古城に向けて出発するのであった。

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「るるるるるるーーー」

「りんりんりんーーーー」

2匹の古城で飼われてるミミックは、今日も楽しそうに古城の中を散歩していた。

「るるるるる」

「え、なんだって。古城の外でスライムの友達ができた?」

「りんりんりん」

「え、林檎をもらった?」

京楽には、ミミックたちが何を言っているの分からなかった。

ただ、るるるるるとりんりんりんと鳴いているようにしか、聞こえなかった。

「よかったなぁ、ポチ、タマ」

頭を撫でられて、ポチとタマは嬉いそうに浮竹にかじりついた。

「あっはっは、甘噛みでも少し痛いぞ」

「るるるーーー」

「りんりんーーー」

「ほう、また友達に明日会いに行くのか。果物と野菜が好物・・・この季節じゃなかなか売っていない桃がちょうどある。それをもっていけばいい」

ポチは、体内に桃を5ついれた。

なんでも、スライムを飼っている主の分も含まれているらしい。

林檎が好物だそうなので、タマが林檎を3つ体内にいれた。

「ねぇ、浮竹、ポチとタマが何を言っているのか分かるの?」

「ああ、分かるぞ。この異種族翻訳の魔法を使えば、モンスターも何を言っているのか聞こえる」

「え、なにそれ。僕も覚えたい」

「いいが、覚えるには相当な知識が必要だぞ。まずは古代文明の魔法文字が読めるのが基本だ」

「僕、浮竹が翻訳してくれたやつでいいや」

古代文明の魔法文字など、何年かかっても習得できそうにない。

諦めの早い京楽に、浮竹がスパルタで教え込むことにしたようで、次の日から古代文明の魔法文字を覚える授業がはじまるのであった。


「るるるるるる」

「りんりんりん~~~~~~」

「おう、そうか。スライムのプルンとかいう友達のところに出かけるんだな。くれぐれも人間に見つからないように」

「いってらっしゃい、ポチ、タマ」

ポチは体内に5つの桃を、タマは3つの林檎をもって、古城を飛び出し、草原や森をぬけて、友達であるプルンのいるロスピア王国の裏路地を進み、ロスピア王奥の片隅にある家で、ポチはるるる―と鳴いて、プルンを呼んだ。

「プルルン!」

プルンは喜んで玄関から抜け出すと、ポチとタマとい一緒に、草原までくると遊びだした。

「るるるるるるーーーー」

ポチが、プルンの飼い主の分まで桃をもってきたというので、それを受け取ってプルンは飛び跳ねて喜んでいた。

自分たちの分の桃を食べていく。

甘くて甘くて、ぷるんはもう1つ食べたそうにポチを見ていた。

「るるるーー?」

半分食べるかいと言われて、プルンは飛び跳ねて喜んだ。

ポチの分を半分もらい、更にはタマが出してきた大好物の林檎を3個出してもらい、3匹はそれぞれ林檎を食べた。

「プルルン!!」

追いかけっこや鬼ごっこをしているうちに、日が傾いてきた。

「りんりんりん」

タマが、そろそろ帰らないと言い出す。

それにプルンが哀しそうな顔をする。

「るるる?」

どうするの?っとポチが聞くと、プルンは飛び跳ねて、こういった。

泊まっていけばいい。

ポチとタマは、少し逡巡したが、プルンの家に1日だけ厄介になることになたった。

「るるるるるーーー」

「りんりんりんーーー」

プルンの主に自己紹介をして、ポチとタマは10畳はあろうかという広い寝室を飛び跳ねて散歩した。

「プルルン!」

その日の夜は、プルンはポチとタマの傍で、リビングのソファーで眠った。

「るるるーーー」

「りんりんりん」

次の日の朝、ポチとタマは林檎をもらい、それを食べて草原でプルンと一緒にまた遊んだ。

かくれんぼをしたのだが、草原なので隠れる場所がなく、すぐに見つかってしまう。

「るるるる」

ポチが、人間の町を探索しようと言い出す。

「りんりんりん」

タマが人間に見つかったら危ないよと言った。

「プルルン!」

結局、小さな村にいって、そこで住人に出くわさないように今度こそかくれんぼをして遊んだ。

「プルルルルン!」

プルンが鬼だった。

プルンが少し迷ったが、匂いでポチが隠れている段ボールを見つけると、それを持ち上げた。

「るるるる」

見つかってしまったと、ポチが残念そうだった。

ただタマには匂いはついておらず、いくらプルンが探しても、見つからなかった。

「プルル!」

降参だとプルンがいうと、タマは屋根の上から降ってきた。

屋根の上で、宝箱に擬態していた。

勝者はタマだった。

3匹は元のプルンの家に戻ると、そろそろ帰らなきゃいけないからと、ロスピア王国の片隅にあるその家から飛び出して、ガイア王国の浮竹と京楽が住む古城へと戻っていった。

「るるるるる」

「りんりんりん」

「ポチ、タマ、昨日帰ってこないから心配したんだぞ」

「るるるーーー」

「りんりんーーーーー」

ポチとタマは、林檎をもらって帰ってきていた。

「そうか。友達の家に厄介になったのか。林檎までもらうとは、こちらも何かお返しをしないといけないな。また遊びに行く時は言ってくれ。何が手土産をよこすから」

「るるる」

「りんりんりん」

2匹は、友達のプルンについていろいろ語った。飼い主のことは言わなかったが、きっと優しい飼い主であるのだろうと思った。

プルンのことを語り終えた2匹のミミックは、嬉しそうに自分たちの巣である暖炉にこもり、眠り出した。

興奮しすぎて、昨日の夜なかなか眠れなかったのだ。

今頃プルンは何をしているかなぁと思いながら、ポチとタマは眠った。


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ポチとタマがお土産にもらった林檎は、京楽がアップルパイにしてくれた。

それを3時のおやつの茶菓子にして、ポチとタマの友達のことに話を咲かせた。

「ポチとタマの友達は、スライムのプルンというそうだ。仲がとてもよくて、林檎が大好物で、他にも果物や野菜もたべて、肉は嫌いだそうだ」

「ベジタリアンなんだね。うちのポチとタマとよく気があったね。あの子たちドラゴンステーキが大好物の、まぁ人間の食べ物の好き雑食性だけど、どちらかというと肉食性なのに」

「そうだな。よほど気があったんだろう」

「異種族で仲良くなるのも珍しいね。まぁ、ダンジョンでは違う群れ同士を混合させて襲ってくるモンスターもいるから、必ずしも仲良くなれないわけじゃないけど。ミミックって基本単体で動くから、ポチとタマが仲良くなっただけでも珍しいのに、スライムの友達ができるなんて、まるで奇跡だね」

浮竹は、京楽の髪を引っ張った。

「早くポチとタマの言っていることが分かるように、今日も魔法文章の勉強だ」

「ええーもういいよ。ポチとタマが何を思っててもいいし」

浮竹はハリセンを持ち出すと、弱気な京楽の頭をばしばしと何回も叩いた。

「主たる者、例え相手がミミックでもちゃんと言葉を理解してやれ」

「はーい」

今日もまた、スパルタな浮竹の勉強が始まるのであった。


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「ねぇ、ここが浮竹と京楽住んでいる城?」

「はい、そのはずです」

アランとキララは、上空から浮竹と京楽が住む古城に来ていた。

そのまま中庭に降り立つと、マンドレイクがいっぱい生えていて、気味が悪かった。

「悪趣味・・・・」

「はい、そうですね」

ジリリリリリン。

警報のようなベルが鳴って、にわかに騒がしくなった。

最初に襲ってきたのは、浮竹の血で作られた戦闘人形たちであった。

魂がないので狩りとれず、キララは魔法を唱えた。

「ファイアアロー」

初歩的な魔法であるが、威力は十分に高く、戦闘人形たちを蒸発させていく。

「どんな奴がきたかと思えば、浮竹にそっくり。浮竹の子種でも盗んで、女神アルテナにでも産ませたのかい」

出てきた京楽の言葉は、それが最初だった。

「ああ、その通りだ。僕の名はアラン。始祖浮竹と女神アルテナの子だ」

「京楽、いくら俺に似ているからって、油断するんじゃないぞ」

「すでに遅いんじゃないの」

アランは、そこら中に血の糸を張り巡らせていて、それで浮竹と京楽をがんじがらめにした。

「今だよ、キララ。こいつらの魂を狩って」

「はい」

キララは死神の鎌を取り出して、まずは京楽の魂を狩ろうとした。

けれど、力の差がありすぎて、魂は狩りとれなかった。

「だめです、アラン様。私にはできません」

「なんだと?使えない死神だな」

「だって、私は1つを無理やり2つにされた。元の力の半分しかありません。元の力があれば、こんな奴らの魂を狩りとれるのに」

「それは聞き捨てならないねぇ。力があったら魂が狩りとれる?本当に、そんなこと思ってるんだ」

京楽は、血の魔法で自分と浮竹を戒める血の糸を切った。

「何故だ!僕はヴァンパイアマスターに限りなく近い。僕の血の糸を切れるだなんて」

「単純に、力の差だよ」

京楽は血の鎌を作り出すと、まずはアランの背を切った。

「ああああ!これしきの傷!」

アランもまた血の鎌を作り出して、京楽の鎌と切り結び合う。

その間に、浮竹はキララの相手をしていた。

「無理やり藍染に従わされている。違うか?」

「それは・・・・・・」

「どうやら、お腹に子がいるようだし、死神の力を一切使わず、もう俺たちの目の前に現れないと誓えるなら、見逃してやろう」

「え・・・」

意外な言葉に、キララが浮竹を見つめる。

「アランという、あれはどのみち処分する。父親があれだとしても、子には関係のないことだ。どうする?約束するなら、白金貨10枚を渡そう」

白金貨1枚あれば、一生裕福に暮らしていける。

キララが迷った末に、浮竹と交渉した。

「お金を、ください。もう二度とあなたたちの前には現れません」

「交渉成立だ。死神の鎌をこちらへ」

「はい」

死神の鎌と引き換えに、白金貨10枚を受け取り、キララはその場から逃げ出した。

「おい、キララ!」

「さようなら!」

「あの裏切者めええええ」

憤怒にもえるアランの周囲に、ぽっ、ぽっ、ぽっと鬼火が灯る。

「京楽、シールドの結界魔法だ!」

「分かったよ」

「ゴッドフェニックス、カイザーフェニックス、エターナルフェニックス・・・・トリプルファイアフェニックス!!」

「「マジックシールド!!」」

炎の最高位魔法を、二人はシールドで防いでしまった。

「なんだと、僕の最高の魔法が!」

「いくらヴァンパイアマスターに近いからと言って、力までそうだとは限らない」

浮竹が作り出した血の刃で、アランは胸を貫かれていた。

「父様・・・慈悲を」

「お前のような子供をもった覚えはない!」

「ああああああああ!!」

アランは持てる魔力の全てを槍に変えて、浮竹に向かって放つ。それはシールドを容易く破壊して、浮竹の心臓を貫いた。

「はははは、やったぞ、俺の勝利だ!」

「浮竹!よくも・・・・・・・」

浮竹は、心臓を破壊されながらも、平気そうに動いた。

血の槍を作り出し、アランの心臓を貫く。

「何故・・・何故、心臓を破壊したのに生きている・・・・・」

「知らなかったのか?俺は始祖である神の愛の呪いによって、不老不死だ」

「不老不死・・・、ならば、俺も!」

「無理だよ。君は不老不死じゃない。さよなら、哀れな浮竹の息子」

京楽は、作り出した血の刃でアランの体中を刺していた。

「藍染様・・・・・・」

その言葉を残して、アランは事切れた。

京楽は魔神の咢を開いて、その魂を貪る。

「カラミティファイア!」

浮竹は、アランの遺体を燃やして、灰にした。

「藍染の奴・・・・俺の子種を入手したようだ。しばらく俺の血を引く刺客がくるかもしれない・・・・って、京楽?」

「君のとても若い時ってあんなに可愛いんだね。今度あの年齢で僕の相手をしてよ」

「アホか!ずっとそんなこと考えていたのか!?」

「うん」

浮竹はアイテムポケットからハリセンを取り出すと、思い切り京楽の頭をばしばしと殴った。

「浮竹がいじめる~」

「戦闘の最中に、よくそんなことが考えられるな!」

「そういう浮竹こそ、死神のキララに金を与えて見逃した」

ぎくりと、浮竹が固まった。

「あれは、哀れだから・・・・・」

「いつか、子を産んでその子が敵討ちだって来ても、知らないからね」

「それくらい、承知している!」

浮竹と京楽は、もつれあいながら倒れた。

「あの子、すごい魔力だった。シールドを張るのに力を抜いていたら、きっと黒こげになっていた。君の血の力ってすごいね」

「正確には血統だろう」

「うん。君がまるで僕以外の伴侶と睦みあってできた子みたいで、嫉妬した。だから、君を抱くよ?」

「どういう理屈だ」

「さぁ、ただのこじつけかもね」


------------------------------------------------------------


「あ、あ!」

浮竹は、背後から京楽に貫かれて、ぽたぽたと精液をシーツの上に零していた。

「んあっ!」

ぐちゅぐちゅと、リズミカルに突き上げてくる愛しい伴侶の動きに合わせて、声が漏れる。

「あ、やだ、そこやだあああ」

嫌がる浮竹のいい場所を突きあげてやると、浮竹は背を弓ぞりにしあならせて、オーガズムでいっていた。

「ひあああああ!!」

京楽は気に留めることもなく、浮竹の奥へ奥へと熱い楔を打ちこんでいく。

ごりっと、最奥に入ってこられて、浮竹はまたシーツの上に子種をまき散らしていた。

同時に、京楽も子種を浮竹の胎の奥へ注ぎこむ。

「あ、もっと・・・もっと深く」

もっととねだる浮竹の最奥にぐりぐりと侵入したら、浮竹はびくんびくんと体をけいれんさせていた。

「あああ、やああああああああ!!!」

「君がもっと深くって言ったんだよ?」

「やあああ、深すぎるううう、だめえええ」

「でも、そこがいいでしょ?」

ゴリゴリッと奥を抉られて、浮竹はまた射精していた。

「ああああ!!!」

「んっ、僕もいくよ。受け止めてね」

「んああああ!!」

京楽の子種を最奥で受け止めて、浮竹は妖艶に笑う。

「もっと・・もっとくれ、春水、お前の子種を」

「仕方のない子だねぇ」

浮竹をあおむけにさせて、正常位から浮竹の右の太ももを肩にもちあげて、ずちゅりと音を立てて侵入する。

「あ、もっと・・・・」

「もうすぐあげるから、少し待ってね」

ずちゅりずちゅりと音を鳴らして、浮竹の中を出入りする。結合部はローションと互いの液体が混ざり合ったもので泡立っていた。

「んっ、いくよ。全部、飲み干してね」

「あ、飲む干すから、全部、俺の中に全部注いでくれ」

すでに3回は出したのに、京楽のものまだ硬くて、浮竹の奥にびゅるびゅると精子を注いだ。

「あ、や、いっちゃう!!」

子種を注ぎ込まれながら、オーガズムでいっている浮竹の太ももに噛みつき、吸血してやると、浮竹は泣いて嫌がった。

「やあああ、いってる時に吸血しないでえええ。頭が変になるうう」

「大丈夫、ただ気持ちいいだけだよ」

「やあああ、んあああああ!!!」

浮竹は盛大にいった後で、ぷしゅわあああと潮を漏らした。

「やああ、頭変になって、おもらし、しちゃった・・・・・」

「それはいけない子だ。お仕置きがいるね。愛してるよ、十四郎」

「俺も愛してる、春水・・・・・・」

ぐちゅりと中で円を描かれて、浮竹はまたいっていた。

「やああ、いくの、いくの止まらない、どうしてええ」

「さぁ、どうしてだろうね?」

別に媚薬も盛ってないし、普通のセックスだった。

京楽は硬さを失い、何も出なくなるまで、浮竹を犯した。

浮竹はぐったりしていた。

「大丈夫、浮竹」

「あんなにやられて、大丈夫なわけがないだろう。早く風呂に入れろ」

「はい、調子に乗りすぎました、ごめんなさい」

浮竹をシーツごと抱き上げて、風呂場に向かう。

前の古城より狭いが、それでも10人以上は入れそうな湯船にはたっぷりとお湯が満たされており、その中に浮竹は入れられた。

「あ、また湯の中でかき出すのか」

「そのほうが、かき出しやすし」

「んあああ、お湯が、お湯が中に・・・・」

「出る時に、お湯もかき出してあげるから」

浮竹は、京楽の指の動きだけでいってしまっていた。

「どしたの、今日の浮竹。すごいよ?」

「あ・・・・・昼に飲んだジュースj、血の帝国産のものだけど、きっとブラッディ・ネイが何か媚薬のようのものをいれたのかもしれない」

実際、その通りだった。

何気にお中元のように受け取って飲んだジュースは、媚薬入りだった。

「今度から、血の帝国か送られてきたものは食べないし、飲まない」

「まぁ、それが無難かもね」

京楽は、浮竹の中からお湯をかき出して、髪と体を洗ってやった。

「ん・・・・きもちいい」

「変な意味で?」

「違う。純粋に心地よいだけだ」

浮竹を風呂からあがらせると、その長い白髪の水分を拭きとって、体もふいてやり、寝間着に着替えさせた。

「ん」

「はいはい」

甘えられて、お姫様抱っこして、京楽は浮竹を寝室に連れ戻すと、いったんソファーに身を預けさせて、真新しいシーツをかけてその上に寝かせた。

「おやすみ」

「おやすみ、いい夢を、浮竹」

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「そうか。アランは魔法ではそこそこいけたが、キララが魂を狩り損ねたか」

「あなた、キララを探して。お仕置きをしないと」

「キララの死神の能力は役に立ちそうもない。もう用済みだ」

藍染は、キララを放置することにきめた。

「ミライ。あなたは、キララのようになっては駄目よ?」

「はい、オリガ母様」

「いい子だ、ミライ。絶対者を滅ぼすには絶対者を宛がう。お前は、絶対者だ。いずれ、浮竹を滅ぼしてもらう」

「はい、藍染父様」

歪に歪んだ藍染の世界で、狂った愛を受けながら、ミライは成長を続ける。

「次の子も、アランほど魔力が高ければいいが」

藍染は、肉便器に浮竹の子種を注ぎ、ついでに入手した京楽の子種も注いだ。

「双子だ。浮竹と京楽の子を産んでくれよ、女神アルテナ」

魂を失い、ただの肉便器と化したアルテナであった肉塊は、その言葉に嬉しそうに震える。

やがて、浮竹と京楽の子が生まれた。

二人は仲が良く、何処にいくのも一緒だった。

「あの二人は、まるで幼い浮竹と京楽のようだね」

普通ならっ微笑ましい光景だろうが、藍染にしてみれば、反吐が出るというやつだった。

「適切な教育を施そう」

そうして育った肉便器と浮竹と京楽の子たちは、瞳に色がない少年へと成長した。

「藍染様は絶対!藍染様は世界の全て!」

浮竹の子はシロと名付けられ、京楽の子はハルと名付けられた。

実際の浮竹と京楽の名前からきていた。

「さぁ、逃げてきたふりをして、自分の父親たちを葬るんだ。いいね?」

「「はい、藍染様」」

二人の哀れな子羊は、浮竹と京楽の元に向かうのであった。



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