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小説掲載プログ
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安酒

高級料理店でもない居酒屋に、白哉の姿があった。

たまには、普通の店で飲みませんかと戯れに誘ったら、本当についてきた。

いつもは、みんな飲んで騒ぐうるさい居酒屋であったが、白哉がいるだけで店の気温がマイナスになったくらい、冷たく感じられた。

「この酒は・・・意外にうまいな。私のことは構わず、騒ぐがよい。今日は私が皆をおごってやろう」

そんな話になって、さっきまでの静けさが嘘のように、騒がしくなった。

ここぞとばかりに、店で一番高い酒や料理を注文する、恋次にとってはモブに等しいどうでもいい奴ら。

その居酒屋で、白哉はいつもの高級酒ではない日本酒を飲んだ。

けっこうなハイペースで飲んでいたので、心配になって白哉に声をかけてみる。

「隊長?」

「なんだ」

ほんのり頬が染まっていた。

「今日はこの辺にしておきましょう」

「分かった」

「というわけだから、今まで飲んで食った代金は払っていくけど、新しく注文した分は自分たちで払えよ!」

恋次がそう言って聞かせると、ブーイングが響き渡った。

居酒屋の日本酒は、高級酒のほうの日本酒よりも、アルコール度が高かった。

勘定をすませる。けっこうな代金になったが、白哉のもっているお金の2割にも満たない値段だった。

白哉は、足元がふらついていた。

「ああ、もう!」

恋次は、白哉を抱き上げて朽木邸にまでくると、白哉を下ろした。

「恋次・・・・今日は泊まっていけ」

「いいんすか、隊長」

「隊長命令だ」

白哉は、湯浴みをしてさっぱりすると、寝室で違う湯殿で風呂に入った恋次の膝に、寝転んでいた。

「恋次・・・好きだ」

白哉は、酔っぱらっていた。

「隊長・・・好きです」

押し倒して、口づけると、白哉の手が背中に回された。

深い口づけを繰り返したが、流石に抱くわけでもいかず、生殺しの状態だった。

「いつもの館にいきませんか。あんたを抱きたい」

「構わぬが・・・」

その言葉を聞いた時には、白哉を連れていつも睦み合う時に使う館にきていた、

今日は人を雇ってはおらず、真っ暗だった。

明かりを灯して、寝室にいき、布団をしくとそこに白哉を横たえた。

「ん・・・・」

薄い明かりに照らされた白哉は、綺麗だった。

中性めいた美貌に、白い肌と黒い髪が艶めかしい。

貴族の証も、衣服もはぎとる。

そのしっとりとした肌に舌を這わせながら、恋次は言う。

「やっぱ、安い居酒屋だと、酔いも早いですね」

「そうか?」

「いつもの半分の量で、今酔ってますよ、あんた」

「私には、分からぬ・・・ただ、何かふわふわした心地がする」

「それが寄っている証です」

鎖骨から胸元にキスマークを残していく。

「んんっ・・・」

全身の輪郭を確かめるように愛撫して、胸の先端をかりかりとひっかっくと、白哉が声をあげた。

「何故、私は抱かれているのだ?」

「あんた、抱いてもいいかって聞いたら、いいって答えたじゃないですか」

「覚えておらぬ」

「ああ、もう・・・・でも、今更引き返せませんよ」

白哉の花茎に手をかけて、しごいて先端に爪をたてると、白哉はあっけなくいってしまった。

「あああ!」

潤滑油で濡らした指が、白哉の体内に入る頃には、大分酔いも冷めてきたようだった。

「ん・・・もっと、奥だ]

「はい」

前立腺を刺激してやると、白哉の花茎はとろとろと先走りの蜜を零した。

「いれますよ。いいですか」

「ん・・・・・こい」

灼熱を、ゆっくりと埋め込んだ。

「んあ・・・・・」

痛みは少ないが、鈍痛に似たものを感じる、

一気に貫くと痛みは一瞬で終わるが、かなり痛い。

ぐちゅりと音を立てて、内部を犯していくと、白哉は恋次のキスを求めてきた。

それに応えてやる。

「愛してます、隊長・・・・」

飾立てた言葉を並べる必要はない。

「あ・・・・私も、愛している、恋次・・・」

白哉の太腿を肩に担いで、突き上げた。

「ああ!」

だんだん交わりが激しくなってくる。

ぐちゅぐちゅと音をたてて内部を突き上げる。

白哉の体がびくんとはねる。

白哉が精を放ったのを確認した後で、また前立腺を突き上げてやった。

「ん、あああ、あ、あ!」

後ろでもいかされて、白哉は快感に染まった思考で、恋次の背中に爪をたてた。

細やかな反抗のようなものだ。

「隊長、俺のものだ・・・あんたは、俺のだ」

「んんん!ああ!」

恋次は、白哉の腹の奥で熱を放った。それでも足らずに、白哉を貪った。

「あ・・・・あああ!」

くちゅくちゅと音を立てて、前立腺ばかりを突き上げてやると、また白哉の体が痙攣した。

「ひあ!あ、あ!」

精液を吐きだした後は、透明な蜜がトロトロと零れるだけで、もう限界だと分かった。

恋次は、白哉を突き上げる。

体勢を変えて、後ろから突き上げると、中を抉られて、白哉が鳴く。

「ああああ・・・・ひああ!」

何度か後ろから突き上げている最中も、白哉はドライでいったらしく、黒髪を乱していた。

「も、無理・・・・・・・」

何度目かも分からぬ熱を白夜の腹の奥にぶちまけて、恋次も満足した。

「あ、風呂の用意してきます!」

人を雇っていなかったので、湯をわかしていなかった。

白哉は、行為後は風呂に入るのがいつもの習慣だった。

30分ほどして湯の用意ができて、白哉を抱き抱えながら、一緒に風呂に入った。

白哉の中に吐きだしたものをかきだして、髪と体を洗う。そのまま湯に浸かった後、体をふいて新しい服に着替えた。

「安い酒の割には美味かったが、アルコール度が高いな」

「それが、あの店の売りでもあるんですけどね。強い酒が飲めるって有名な店です。隊長があんなに飲むとは思ってなかった」

「もう、あの店には行かぬ」

白哉は、まだ濡れた黒絹のよな髪を、恋次の手で水分をタオルでふいてもらっていた。

「多分それが正解でしょうね。隊長は高級酒のほうが似合ってるし、そっちのほうが好みっすよね」

「まぁ、安酒の割には、楽しめた。酔ったのは久しぶりだ」

「足元ふらついてましたからね」

「いつもはそこまで飲まぬからな。お前もいたし、少し羽目を外しすぎたな」

恋次は、白哉に口づけた。

「あんた、キス好きですよね」

「否定はせぬ」

「俺以外の前で、酔っぱらわないでくださいよ。何されるか分かったもんじゃない」

「馬鹿なことを。私は男だ」

「俺も男ですけどね。隊長は男でも惑わすような美人ですから」

「戯言を・・・・・」

白哉は、自分から恋次に口づけた。

噛みつくようなキスだった。

「私をこんな気もちにさせるのは、お前だけだ」

「特別なんだって、受け取っておきます」

次の日は仕事の日だったので、6番隊の執務室にいった。

二人とも、同じ匂いを漂わせていたせいで、気づく者はすでに気づいでいたが、沈黙がルールだったので、誰も何も言わない。

そんなこととは知らずに、二人は普通の上官と副官を演じるのだった。


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