恋い焦がれ 新しい歯車
井上が退院した。
しばらくして、また、身籠って一護の前に現れた。
一護は一切認知しないと言った通り、井上を無視した。
「黒崎君、黒崎君、ここにあなたの子供がいるのよ?朽木さんは死神だから、子供l産めないでしょ?だから黒崎君、こっちに・・・・・」
浦原のところで買ってきた、新しい強力な記憶置換を、ルキアは井上に使った。
「あれ?私、何してたんだろう・・・あなた、誰?」
「ただの通りすがりの者だ」
「そう。わざわざご丁寧にありがとうございます」
まるでさっきまでと人が違う井上に、一護がルキアに声をかける。
「記憶置換使ったのか・・・・俺たちのこと、記憶から消したのか」
「ああ。もう、友人にも戻れぬだろうと思ってな」
「そうか・・・・形はどうあれ、お前を一度は裏切った。許してくれるか?」
「許するも何も、井上の手で無理やりだろう。それでも許しが欲しいというのなら、私は一護、貴様の全てを許す」
「ルキア・・・・・」
唇が重なった。
一護に自宅に戻り、互いの服を脱ぎあって、体を重ねた。
「なぁ、ルキア・・・・」
「なんだ」
「井上、どうなるんだろう」
「多分、堕胎するのではないか。それから、大学はすでに違う大学に編入したということにしておいた。大学の学生の多数が、一護と井上の仲を知っているであろう」
「まぁ、そうだな」
苦肉の策であった。
本来なら、井上から一護の好きな感情だけを奪うつもりであったが、もう存在自体が受け付けれない。
目の前から、消えていなくなって欲しい。
それはルキアだけでなく、一護の願いでもあった。
「ん・・・・今日のお前は、少し激しい・・・・んん・・・」
「ルキア。お前だけだ。子供は、お前に産んで欲しい。ルキア、好きだ、愛してる・・.・」
「ああ!」
ルキアは嬌声をあげていた。
やがて行為が終わり、二人で熱いシャワーを浴びた。
ルキアは金曜の夜になってきて、月曜の朝に帰る。
ルキアのいない間は寂しいが、仕方のなことなのだ。
もともと、二人の生きる世界が違う。
尸魂界の住人であるルキアは、きっと一護が生きている間中も、あまり年をとらないだろう。
それも覚悟の上だ。
ルキアの、現世と尸魂界における2重の生活は、1年で幕を閉じた。
それは突然のことだった。
全てを思い出した井上が、一護を車に向かって突き飛ばしたのだ。
「あはははは!これで、黒崎君は永遠に私だけのもの!」
救急車とパトカーが呼ばれた。
パトカーで殺人の疑いで捕まった井上は、ずっと笑い続けていた。
救急車で運ばれた一護であるが、もう手の施しようがなく、ほぼ即死だった。
ゆらりと、魂魄がにじみ出る。
それを知らずに迎えにきたルキアは、相手が一護だと知って驚いた。
「一護!?何故貴様が死んだのだ!しかもこんなに若くに!」
「あー。なんかうろ覚えだけど、記憶置換使ったはずの井上が全てを思い出して、俺を車に向かって突き飛ばしたんだ。これで一生私ものだって笑ってた」
「むう・・・・記憶置換の使いすぎであろうか。それとも、そこまで井上の思いが強かったということか・・・・・」
「どうでもいいけど、こんな幽霊のままじゃ虚を呼び寄せちまう。早く魂葬してくれ」
「分かった」
ルキアは、袖の白雪の柄の先のを一護の霊体の額にあてた。
「ようこそ、尸魂界へ。貴様は記憶も霊圧ももったまま、尸魂界へと送られるだろう。では、先に尸魂界へ戻る」
一護の魂魄は、尸魂界へやってきた。
死んだ時の年齢は22歳。卒業が決まり、就職先も決まったところだった。
一護の姿は、17歳の頃に戻っていた。
「一護!」
「ルキア!」
「酷い恰好だな。死神化してみろ」
「どうやって」
「体から出ることを意識すればいい」
粗末なぼろい着物を着ていた一護は、死神化するイメージで、体を外に出すというイメージを抱くと、チャリと鎖を鳴らした卍解状態の天鎖斬月もつ死神の衣装になっていた。
「イメージが強すぎる。普通の死神をイメージしろ」
「普通、普通・・・」
次は、卍解してない状態の斬月を手に持った、死覇装姿に戻っていた。
「それでいい。しばらくは我が朽木家にこい。行く当てもないだろう」
「ああ、言葉に甘える」
「まもなく、隊首会が開かれるだろう」
「なんでだ?」
「馬鹿か貴様は。若くして貴様が他界などするからだ。私はちょっと用があるので、現世に出かける」
「あ、ルキア!」
ルキアは、穿界門をあけて現世に行った。
場所は、留置所。井上織姫は、黒崎一護殺害容疑で逮捕されていた。
その前に、ルキアが現れる。
「ふふ・・・朽木さん、何の用?黒崎君はね、今私のお腹の中にいるの・・・・」
「一護は、死んだ。魂魄となって、尸魂界へやってきた。私と一護は、特に一護は人生の二度目のやり直しだ。貴様のことを恨んでいないようだが、貴様は忘れていたのか?死すれば、その者の魂は尸魂界へくると」
「な・・・じゃあ、黒崎君は、尸魂界で朽木さんと・・・・?」
「愚かだな、哀れだな、井上。せいぜい、長生きして、こっちにはくるな。もっとも、きたくとも貴様は罪を犯した。死ねば、その魂は地獄に落ちるであろう。一護とは、永遠に会えぬ」
「いやああああああああああ!!!!」
泣き叫び、暴れ出す井上に、警察官が慌てだす。
その太腿から、血が流れだしていた。
「いやああああ、黒崎君が、黒崎君が流れてしまう!あいつを捕まえて!」
井上がルキアを指さすが、霊感のない警察官たちに、ルキアの姿は見えなかった。
「警察病院の手配を」
「はい、もうすぐ救急車が到着いたします」
結局、井上の身籠っていた一護の子は流れた。
井上は精神に異常をきたし、さばかれなかった代わりに、一生を精神病院で過ごすこととなった。
それを聞いた一護は、少し複雑そうな顔をしていた。
「元々は、俺が原因なんだよな・・・・・」
「そう悔やむことはない。全てが井上自分が招いたことだ」
「なぁ、隊首会でなんで俺まででなきゃいけないんだ?」
「ばかか、貴様は!尸魂界の恩人を腐らせておくほど、今の尸魂界は甘くない。人材不足なのだ!」
「え。まさか、俺に隊長や副隊長ををあしろと?」
ルキアはもう、13番隊長になっていた。その副官は小椿だ。
「まだ、死神になりたてのひよっこに、いきなり隊長副隊長はさせぬ。だが、席官入りは確実だ。覚悟しておけ」
やがて、隊首会が開かれて、今後一護をどうするかで言い争いあった。
「じゃあ、もうめんどくさいから、13番隊のルキアちゃんのところで引き取ってもらってことで」
京楽総隊長の言葉に、皆も一応納得したようだった。
「じゃあ、一護君、今日から君は13番隊の5席ね」
「え、あ、もっと低いほうが・・・・・」
「君ほどの力の持ち主を、席官にすること自体がおかしいんだよ。でも、本当の死神になりたてみたいだし」
「はぁ・・・・・」
こうして、一護は尸魂界での二度目の生を、13番隊の5席からスタートすることになった。
狂った歯車は、血と一緒に流れ落ちていく。
もう、メロディーさえも奏でない。
そして、新しい歯車が生まれた。
しばらくして、また、身籠って一護の前に現れた。
一護は一切認知しないと言った通り、井上を無視した。
「黒崎君、黒崎君、ここにあなたの子供がいるのよ?朽木さんは死神だから、子供l産めないでしょ?だから黒崎君、こっちに・・・・・」
浦原のところで買ってきた、新しい強力な記憶置換を、ルキアは井上に使った。
「あれ?私、何してたんだろう・・・あなた、誰?」
「ただの通りすがりの者だ」
「そう。わざわざご丁寧にありがとうございます」
まるでさっきまでと人が違う井上に、一護がルキアに声をかける。
「記憶置換使ったのか・・・・俺たちのこと、記憶から消したのか」
「ああ。もう、友人にも戻れぬだろうと思ってな」
「そうか・・・・形はどうあれ、お前を一度は裏切った。許してくれるか?」
「許するも何も、井上の手で無理やりだろう。それでも許しが欲しいというのなら、私は一護、貴様の全てを許す」
「ルキア・・・・・」
唇が重なった。
一護に自宅に戻り、互いの服を脱ぎあって、体を重ねた。
「なぁ、ルキア・・・・」
「なんだ」
「井上、どうなるんだろう」
「多分、堕胎するのではないか。それから、大学はすでに違う大学に編入したということにしておいた。大学の学生の多数が、一護と井上の仲を知っているであろう」
「まぁ、そうだな」
苦肉の策であった。
本来なら、井上から一護の好きな感情だけを奪うつもりであったが、もう存在自体が受け付けれない。
目の前から、消えていなくなって欲しい。
それはルキアだけでなく、一護の願いでもあった。
「ん・・・・今日のお前は、少し激しい・・・・んん・・・」
「ルキア。お前だけだ。子供は、お前に産んで欲しい。ルキア、好きだ、愛してる・・.・」
「ああ!」
ルキアは嬌声をあげていた。
やがて行為が終わり、二人で熱いシャワーを浴びた。
ルキアは金曜の夜になってきて、月曜の朝に帰る。
ルキアのいない間は寂しいが、仕方のなことなのだ。
もともと、二人の生きる世界が違う。
尸魂界の住人であるルキアは、きっと一護が生きている間中も、あまり年をとらないだろう。
それも覚悟の上だ。
ルキアの、現世と尸魂界における2重の生活は、1年で幕を閉じた。
それは突然のことだった。
全てを思い出した井上が、一護を車に向かって突き飛ばしたのだ。
「あはははは!これで、黒崎君は永遠に私だけのもの!」
救急車とパトカーが呼ばれた。
パトカーで殺人の疑いで捕まった井上は、ずっと笑い続けていた。
救急車で運ばれた一護であるが、もう手の施しようがなく、ほぼ即死だった。
ゆらりと、魂魄がにじみ出る。
それを知らずに迎えにきたルキアは、相手が一護だと知って驚いた。
「一護!?何故貴様が死んだのだ!しかもこんなに若くに!」
「あー。なんかうろ覚えだけど、記憶置換使ったはずの井上が全てを思い出して、俺を車に向かって突き飛ばしたんだ。これで一生私ものだって笑ってた」
「むう・・・・記憶置換の使いすぎであろうか。それとも、そこまで井上の思いが強かったということか・・・・・」
「どうでもいいけど、こんな幽霊のままじゃ虚を呼び寄せちまう。早く魂葬してくれ」
「分かった」
ルキアは、袖の白雪の柄の先のを一護の霊体の額にあてた。
「ようこそ、尸魂界へ。貴様は記憶も霊圧ももったまま、尸魂界へと送られるだろう。では、先に尸魂界へ戻る」
一護の魂魄は、尸魂界へやってきた。
死んだ時の年齢は22歳。卒業が決まり、就職先も決まったところだった。
一護の姿は、17歳の頃に戻っていた。
「一護!」
「ルキア!」
「酷い恰好だな。死神化してみろ」
「どうやって」
「体から出ることを意識すればいい」
粗末なぼろい着物を着ていた一護は、死神化するイメージで、体を外に出すというイメージを抱くと、チャリと鎖を鳴らした卍解状態の天鎖斬月もつ死神の衣装になっていた。
「イメージが強すぎる。普通の死神をイメージしろ」
「普通、普通・・・」
次は、卍解してない状態の斬月を手に持った、死覇装姿に戻っていた。
「それでいい。しばらくは我が朽木家にこい。行く当てもないだろう」
「ああ、言葉に甘える」
「まもなく、隊首会が開かれるだろう」
「なんでだ?」
「馬鹿か貴様は。若くして貴様が他界などするからだ。私はちょっと用があるので、現世に出かける」
「あ、ルキア!」
ルキアは、穿界門をあけて現世に行った。
場所は、留置所。井上織姫は、黒崎一護殺害容疑で逮捕されていた。
その前に、ルキアが現れる。
「ふふ・・・朽木さん、何の用?黒崎君はね、今私のお腹の中にいるの・・・・」
「一護は、死んだ。魂魄となって、尸魂界へやってきた。私と一護は、特に一護は人生の二度目のやり直しだ。貴様のことを恨んでいないようだが、貴様は忘れていたのか?死すれば、その者の魂は尸魂界へくると」
「な・・・じゃあ、黒崎君は、尸魂界で朽木さんと・・・・?」
「愚かだな、哀れだな、井上。せいぜい、長生きして、こっちにはくるな。もっとも、きたくとも貴様は罪を犯した。死ねば、その魂は地獄に落ちるであろう。一護とは、永遠に会えぬ」
「いやああああああああああ!!!!」
泣き叫び、暴れ出す井上に、警察官が慌てだす。
その太腿から、血が流れだしていた。
「いやああああ、黒崎君が、黒崎君が流れてしまう!あいつを捕まえて!」
井上がルキアを指さすが、霊感のない警察官たちに、ルキアの姿は見えなかった。
「警察病院の手配を」
「はい、もうすぐ救急車が到着いたします」
結局、井上の身籠っていた一護の子は流れた。
井上は精神に異常をきたし、さばかれなかった代わりに、一生を精神病院で過ごすこととなった。
それを聞いた一護は、少し複雑そうな顔をしていた。
「元々は、俺が原因なんだよな・・・・・」
「そう悔やむことはない。全てが井上自分が招いたことだ」
「なぁ、隊首会でなんで俺まででなきゃいけないんだ?」
「ばかか、貴様は!尸魂界の恩人を腐らせておくほど、今の尸魂界は甘くない。人材不足なのだ!」
「え。まさか、俺に隊長や副隊長ををあしろと?」
ルキアはもう、13番隊長になっていた。その副官は小椿だ。
「まだ、死神になりたてのひよっこに、いきなり隊長副隊長はさせぬ。だが、席官入りは確実だ。覚悟しておけ」
やがて、隊首会が開かれて、今後一護をどうするかで言い争いあった。
「じゃあ、もうめんどくさいから、13番隊のルキアちゃんのところで引き取ってもらってことで」
京楽総隊長の言葉に、皆も一応納得したようだった。
「じゃあ、一護君、今日から君は13番隊の5席ね」
「え、あ、もっと低いほうが・・・・・」
「君ほどの力の持ち主を、席官にすること自体がおかしいんだよ。でも、本当の死神になりたてみたいだし」
「はぁ・・・・・」
こうして、一護は尸魂界での二度目の生を、13番隊の5席からスタートすることになった。
狂った歯車は、血と一緒に流れ落ちていく。
もう、メロディーさえも奏でない。
そして、新しい歯車が生まれた。
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