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恋する瞬間 終章一瞬でいい

一護が大学を卒業した6月。

尸魂界では、豪華な結婚式を挙げた。

隊長副隊長がほぼ全員集い、白哉に付き添われた白無垢のルキアが入場する。

一護は、正装して袴をはき、ルキアと酒を飲み交わしあい、婚姻は大勢の祝福の中終わりを迎えた。

尸魂界での婚姻が終わった後は、現世での婚姻だった。

式場を探し、白哉が金を出して一流ホテルの結婚式場とロビーを貸し切りにして、現世でも結婚式を行った。

尸魂界ではこれなかった、井上、石田、茶虎、たつき、水色、啓吾もきていた。

一心と双子の妹もきていた。

「ルキア・・・・2回目の結婚式になるけど、しんどくないか?」

「貴様となら、何度でも結婚式を挙げてやる」

真っ白な純白のウェディングドレスとウェディングヴェールを被ったルキアは美しかった。

白無垢のルキアも綺麗だったけれど、一護としてはウェディングドレス姿のルキアの方が、個人的に好きだった。

誓いの台詞を口にして、結婚指輪をはめあい、キスをする。

あまりの幸せさに、ルキアは涙を零していた。

一護と一緒に、これからも生きていく。

そう、新たに誓った。

新居は、白哉が金を出して買ってくれたこじんまりとした一軒家だった。週末にしかこれないルキアのために、時折ちよが世話係をしてきてくれた。

幸せだった。

死神と人であるため、子はできなかったが、いつまでも一緒にいた。

やがて年月はあっという間に過ぎさり、一護は60手前で亡くなった。

魂葬をして、その魂魄を尸魂界へと導くルキア。

涙は流れなかった。

何故なら、ここからがまた新たなスタートだから。

尸魂界にきた一護は、17歳の姿になっていた。

「ルキア・・・・愛してる。永遠の愛を、お前に」

「一護・・・私も愛している。今度は、子が欲しいのだ。現世では子が成せなかったからな」

夕暮れのオレンジ色に染まる尸魂界で、一護は2回目になるプロポーズをした。

「ルキア。死神となった俺と、永遠を生きてくれ」

「一護・・・・ああ、私は貴様と共に歩く」

3回目になる結婚式を挙げて、ルキアと一護は二人の子供に恵まれて、一護は13番隊の副隊長に就任した。


「見てるかい浮竹・・・・ルキアちゃんに、家族ができたよ」

尸魂界で仲睦ましく過ごす一護とルキアを見て、京楽は浮竹の墓の前で報告をしていた。

「あれ、京楽さん?」

「おや、一護君にルキアちゃんじゃないか。どうしたんだい」

「いや、浮竹さんの墓参りに・・・・・・」

「京楽総隊長も、墓参りですか?」

そう聞いてくるルキアに、京楽は笑顔で、浮竹に報告していたんだと言ってくれた。

京楽が、一護の我儘を受け入れて、ルキアの高校生活を許してくれなかったら、今の一護とルキアは多分なかった。

ルキアは見合いの相手か恋次と結婚して、一護は井上と結婚していただろう。

もう、遠い話だが。

「一護君の霊圧は変わったね・・・・守るものができたせいか、更に強くなったかもしれない」

「あー。死神代行してた頃より、霊圧ちょっとあがってるみたいで」:

「京楽総隊長、一護は私の存在のせいで変わったというのです」

「まぁ、ルキアちゃん。守るものができると、男は強くなるものだよ。子供たちは元気かい?」

今日は子供たちの面倒は、ちよに見てもらっている。

「はい。二人ともやんちゃすぎるくらいで、元気です」

一護は、浮竹の墓に菊の花を添えて、おはぎを供えた。

「やあ、嬉しいねぇ。年月が経ったのに、一護君は浮竹の好物を覚えてくれてていたのかい」

「はい。お世話になったし」

「浮竹も、あの世で喜んでいるよ。13番隊の副隊長には、流石に慣れたでしょ」

こくりと、一護は頷いた。

今の13番隊の隊長はルキアだ。

もう、ずっと昔から。

ルキアは、まだ20代前半の容姿を保っていた。下手をすると10代でも通るかもしれない。

一方の一護は、17歳のまま時が止まったかのようだった。

一度死別して、尸魂界でまた巡り合い、実質3回目の結婚をした。

子供二人に恵まれて、幸せな家庭を築けている。

「じゃあ、俺たちはこれで」

「京楽総隊長、ではまた」

「ああ、またね」



恋する瞬間は、一瞬。

でも、恋した後は、ずっと恋が続くのだ。

だから、恋する瞬間は一瞬でいい。

一護とルキアは、ゆっくりと流れていく時間に身を任せながら、永遠の愛を誓い合い、寄り添いあうのだった。



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