払い屋京楽シリーズ2-2
「ふああああ、おはよう」
その日、浮竹は寝過ごした。
その前の日に、京楽に抱かれた。京楽の強い性欲に足腰が立たなくなるまで抱かれて、怒った浮竹は呪符で封じた鳥かごに、文鳥姿の京楽を放り込んでしまった。
「チュンチュン!」
「京楽は、しばらくそこで反省してろ」
「そりゃないよ浮竹!同意の上じゃないか!」
「だからって、6回はないだろ!おまけにねちねちと・・・・・」
「僕との愛を確かめ合っただけじゃないか」
「お前の場合、性欲がありすぎるんだ。いくら霊力をそそぎこまれても、回数が多すぎたら意味がない」
「チュン・・・・・」
京楽は、反省したのか文鳥としてのライフをエンジョイするかのように、水浴びをした。ばっしゃばっしゃと、水をはねて、わざと浮竹に浴びせた。
「マオの餌になるか?」
「ごめんなさい、反省してます」
マオとは、浮竹のもつ猫の式神の名だ。
マオはキャットフードを好む。無論、小鳥も食べる。
浮竹のもつ式神は、食すということを好んだ。
「主、今日はいい天気ですね。布団や毛布を干すので、ベッドはもう使えませんよ」
ルキアが、家政婦のように、海燕と共に屋敷の家事をしてくれた。
浮竹や京楽も手伝うこともあるが、基本、海燕とルキアに一任していた。
「ああ、天気もいいし散歩にでもいくか。なぁ、マオ」
「にゃあ」
召還された猫の式神は、嬉しそうに鳴いて、喉をごろごろならして、浮竹にすり寄った。
「いいなぁ」
「禁欲半月を守るなら、籠から出してやる」
「うーん。悩むなぁ。2週間かぁ」
「で、どうするんだ」
「キスとハグはありでいい?」
「いいぞ」
「じゃあ、籠から出して。禁欲半月守るから。鳥かごの中の生活って、凄くつらい」
浮竹は、京楽の入っていた鳥かごの呪符をはがした。
呪符で結界をはり、人型になって籠を破壊させないためであった。
鳥かごの入り口を開けると、ちょんちょんと出てきた文鳥の京楽が、浮竹の肩に止まる。
それを、マオが食べたそうに見ていた。
「ちょっとマオ、僕は餌じゃないよ!」
「にゃああ」
マオは、京楽を食べたそうにしていた。
「マオ、こんなの食べると腹壊すぞ」
「にゃあああ」
「こんなのって酷い!」
「いつまでも文鳥の姿でいるのか?」
「ううん」
ぼふんと音をたてて、京楽は文鳥から人型になった。
「今日は天気もいいし、桜も見頃だから、花見にでもいかない?」
「それはいいが、今からか?お弁当とか作ってもらってないぞ」
「コンビニのお弁当でいいじゃない」
「まぁ、暇だしな。ここ数日、依頼らしい依頼はないし・・・」
「主、外にでるのでしたら、牛乳をついでに買ってきてください。今夜はクリームシチューです」
ルキアの言葉に、京楽が顔を輝かせる。
「ルキアちゃんのクリームシチューはおいしいんだよねぇ」
「ああ、そうだな。花見にいくついでに、買ってくる」
そうして、浮竹と京楽は近くの桜が咲いている公園まで、花見に出かけた。
ビニールシートをひいて、コンビニで買った弁当を食べて、チューハイを飲んだ。
「あ、花鬼だ」
「あ、ほんとだ」
ちょこちょこと、子供の花鬼が、花見に訪れている人たちから少しずつ生気をもらって食事をしていた。
「あんな花鬼ばかりなら、退治の依頼なんて舞い込まないんだけどな」
「そうだね」
人を食べることに、その味を知ってしまった花鬼の中には、干からびるまで生気を吸い取って、殺してしまう者もいる。
さっきの花鬼は、誕生してまだ10年も経っていないだろう。
幼い妖に、浮竹と京楽は自然と顔が緩んだ。
「妖も、悪いのだけじゃないからな。いい妖もいる」
「うん」
「でも、人を食うやつも、人を殺すやつもいる。だから、俺みたいな払い屋や退治屋がいる」
「そうだね」
ちょこちょこと動いていた幼い花鬼は、こっちにやってきた。
「やぁ」
姿が見えていると分かって、びくりと幼い花鬼は小さくなる。
「別に、取って食おうってわけじゃない。どうか、大きくなっても今みたいな食事の方法を続けてほしい」
「・・・・・・・」
花鬼は、にこりと笑うと桜の花びらとなって散っていった。
桜の大樹があった。
そこに、吸い込まれていく。
「大樹から生まれた割には、幼かったな」
「見た目だけかもよ。もしかしたら、何百歳も年くった花鬼かも」
「でも、妖力が低かった。まだ生まれて10年も経ってないだろうな」
花鬼は、嫌いじゃない。
花をより一層美しくしてくれる。
でも、前に退治した花鬼のように、人を食うやつもいる。
妖とは、不思議な生き物だ。
人に害を成す者もいれば、平和を好み、人のいない場所で暮らしたり、人に交じって生きる妖もいる。
人に害を成す妖や霊を払うのが、浮竹の仕事である。
払い屋は、退治屋と違って必ずしも対象を駆逐するわけではない。封印で済むのなら、封印する。
退治屋は、依頼されれば、たとえその妖がいい妖でも、退治してしまう。
退治屋は、浮竹には向いていなかった。だから、払い屋になった。
「いい天気だなぁ」
空を見上げると、青空が広がっていた。
太陽はぽかぽかと輝いていて、眠気を誘う。
浮竹は、いつの間にか眠っていた。起きると、夕刻も近かった。
京楽も、寝ていた。
「おい、京楽、帰るぞ!牛乳かわなくっちゃ!」
ルキアの買い物のお願いを忘れるところだった。
牛乳を買って帰宅すると、「遅い」と、ルキアが頬を膨らませて怒っていた。
ルキアの作ってくれたクリームシチューは、とても美味しかった。
また、いつか花見にいってあの花鬼が成長しているか見てみたいと思う浮竹だった。そんな浮竹をハグして、京楽は禁欲2週間を守るために、我慢しながら浮竹に接するのであった。
その日、浮竹は寝過ごした。
その前の日に、京楽に抱かれた。京楽の強い性欲に足腰が立たなくなるまで抱かれて、怒った浮竹は呪符で封じた鳥かごに、文鳥姿の京楽を放り込んでしまった。
「チュンチュン!」
「京楽は、しばらくそこで反省してろ」
「そりゃないよ浮竹!同意の上じゃないか!」
「だからって、6回はないだろ!おまけにねちねちと・・・・・」
「僕との愛を確かめ合っただけじゃないか」
「お前の場合、性欲がありすぎるんだ。いくら霊力をそそぎこまれても、回数が多すぎたら意味がない」
「チュン・・・・・」
京楽は、反省したのか文鳥としてのライフをエンジョイするかのように、水浴びをした。ばっしゃばっしゃと、水をはねて、わざと浮竹に浴びせた。
「マオの餌になるか?」
「ごめんなさい、反省してます」
マオとは、浮竹のもつ猫の式神の名だ。
マオはキャットフードを好む。無論、小鳥も食べる。
浮竹のもつ式神は、食すということを好んだ。
「主、今日はいい天気ですね。布団や毛布を干すので、ベッドはもう使えませんよ」
ルキアが、家政婦のように、海燕と共に屋敷の家事をしてくれた。
浮竹や京楽も手伝うこともあるが、基本、海燕とルキアに一任していた。
「ああ、天気もいいし散歩にでもいくか。なぁ、マオ」
「にゃあ」
召還された猫の式神は、嬉しそうに鳴いて、喉をごろごろならして、浮竹にすり寄った。
「いいなぁ」
「禁欲半月を守るなら、籠から出してやる」
「うーん。悩むなぁ。2週間かぁ」
「で、どうするんだ」
「キスとハグはありでいい?」
「いいぞ」
「じゃあ、籠から出して。禁欲半月守るから。鳥かごの中の生活って、凄くつらい」
浮竹は、京楽の入っていた鳥かごの呪符をはがした。
呪符で結界をはり、人型になって籠を破壊させないためであった。
鳥かごの入り口を開けると、ちょんちょんと出てきた文鳥の京楽が、浮竹の肩に止まる。
それを、マオが食べたそうに見ていた。
「ちょっとマオ、僕は餌じゃないよ!」
「にゃああ」
マオは、京楽を食べたそうにしていた。
「マオ、こんなの食べると腹壊すぞ」
「にゃあああ」
「こんなのって酷い!」
「いつまでも文鳥の姿でいるのか?」
「ううん」
ぼふんと音をたてて、京楽は文鳥から人型になった。
「今日は天気もいいし、桜も見頃だから、花見にでもいかない?」
「それはいいが、今からか?お弁当とか作ってもらってないぞ」
「コンビニのお弁当でいいじゃない」
「まぁ、暇だしな。ここ数日、依頼らしい依頼はないし・・・」
「主、外にでるのでしたら、牛乳をついでに買ってきてください。今夜はクリームシチューです」
ルキアの言葉に、京楽が顔を輝かせる。
「ルキアちゃんのクリームシチューはおいしいんだよねぇ」
「ああ、そうだな。花見にいくついでに、買ってくる」
そうして、浮竹と京楽は近くの桜が咲いている公園まで、花見に出かけた。
ビニールシートをひいて、コンビニで買った弁当を食べて、チューハイを飲んだ。
「あ、花鬼だ」
「あ、ほんとだ」
ちょこちょこと、子供の花鬼が、花見に訪れている人たちから少しずつ生気をもらって食事をしていた。
「あんな花鬼ばかりなら、退治の依頼なんて舞い込まないんだけどな」
「そうだね」
人を食べることに、その味を知ってしまった花鬼の中には、干からびるまで生気を吸い取って、殺してしまう者もいる。
さっきの花鬼は、誕生してまだ10年も経っていないだろう。
幼い妖に、浮竹と京楽は自然と顔が緩んだ。
「妖も、悪いのだけじゃないからな。いい妖もいる」
「うん」
「でも、人を食うやつも、人を殺すやつもいる。だから、俺みたいな払い屋や退治屋がいる」
「そうだね」
ちょこちょこと動いていた幼い花鬼は、こっちにやってきた。
「やぁ」
姿が見えていると分かって、びくりと幼い花鬼は小さくなる。
「別に、取って食おうってわけじゃない。どうか、大きくなっても今みたいな食事の方法を続けてほしい」
「・・・・・・・」
花鬼は、にこりと笑うと桜の花びらとなって散っていった。
桜の大樹があった。
そこに、吸い込まれていく。
「大樹から生まれた割には、幼かったな」
「見た目だけかもよ。もしかしたら、何百歳も年くった花鬼かも」
「でも、妖力が低かった。まだ生まれて10年も経ってないだろうな」
花鬼は、嫌いじゃない。
花をより一層美しくしてくれる。
でも、前に退治した花鬼のように、人を食うやつもいる。
妖とは、不思議な生き物だ。
人に害を成す者もいれば、平和を好み、人のいない場所で暮らしたり、人に交じって生きる妖もいる。
人に害を成す妖や霊を払うのが、浮竹の仕事である。
払い屋は、退治屋と違って必ずしも対象を駆逐するわけではない。封印で済むのなら、封印する。
退治屋は、依頼されれば、たとえその妖がいい妖でも、退治してしまう。
退治屋は、浮竹には向いていなかった。だから、払い屋になった。
「いい天気だなぁ」
空を見上げると、青空が広がっていた。
太陽はぽかぽかと輝いていて、眠気を誘う。
浮竹は、いつの間にか眠っていた。起きると、夕刻も近かった。
京楽も、寝ていた。
「おい、京楽、帰るぞ!牛乳かわなくっちゃ!」
ルキアの買い物のお願いを忘れるところだった。
牛乳を買って帰宅すると、「遅い」と、ルキアが頬を膨らませて怒っていた。
ルキアの作ってくれたクリームシチューは、とても美味しかった。
また、いつか花見にいってあの花鬼が成長しているか見てみたいと思う浮竹だった。そんな浮竹をハグして、京楽は禁欲2週間を守るために、我慢しながら浮竹に接するのであった。
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