日番谷隊長の大冒険(嘘
俺の名は日番谷冬獅郎。自分でいうのもなんだが、天才だ。史上最少年で死神となった。
そんな俺は、ひょんなことで・・・・・異世界に飛ばされ、勇者を、やっていた。
その異世界だが、普通と違った。
最近の現世ではやっている、異世界ものの漫画や小説のような世界と思っていたら、瀞霊廷の人間がたくさんいるのだ。しかも、役が決まっている。
俺は、今日から勇者として魔王討伐に出かけるのだ
「日番谷勇者のおなり~」
ぱっぱらっぱー
ラッパの音が流され、日番谷が入ってくる。
国王藍染と、王妃市丸・・・・・・・・もはや、ここからして日番谷はつっこみたくて仕方なかった。頬の筋肉が、笑いをこらえることで引きつっていた。
「国王陛下と王妃殿下におかれましては・・・・・・・やってられねぇ。おい藍染何を企んでやがる!市丸もだ!」
「いややなぁ。僕、何もたくらんでへんで」
「そうだぞ、日番谷君。勇者といっても所詮は平民。図が高いぞ」
日番谷は、勇者の剣氷輪丸を抜くと、藍染に切りかかった。
「平民だの王族だの、関係ねぇんだよ」
切りつけると、藍染の顔から血の気が失せてきた。
「!?」
「残念だったな、冬獅郎。藍染は、俺がやっつけた後だ」
ごとりと音をたてて、藍色は倒れた。
「一護!」
本当の魔王、藍染は黒崎一護の手によって倒されていた。
「あら、どないしましょ。藍染様死んでしもた。俺も自由にさせてもらおうかな・・・・・
乱菊、どこにおるかしらへん?」
「城下町にいるんじゃねーか。ルイーダの酒場で女将やってるぞ」
そう答えると、市丸は風のように去ってしまった。
「一護!」
捕らわれていた姫、ルキアは一護に助け出されてしまった。
日番谷は勇者だ。でも、それがなんだ。勇者。ただそれだけだ。
真の魔王藍染が倒されたせいで、魔王京楽は、暇を持て余していた。
「今日も勇者、こなかったね・・・・・」
魔王城につくための船も出ているのに、くるのは観光者ばかりで。
「まぁいいんじゃないか。平和で・・・・現世に侵攻する計画はまだか?」
魔王四天王の一人、浮竹がお茶をすすっていた。
「まだだよ。人手不足で、とてもやってけないよ」
他の四天王・・・・清音と仙太郎、海燕は浮竹がLOVEすぎて、仕事は浮竹が与えたものしかしない。現世に侵攻など、性格もあいまってとてもできるものじゃなかった。
「そもそも、俺たちは何故に現世に侵攻しようとしているんだ?」
「いや、現世の食事が美味しいからでしょ?」
現世に侵攻しようという理由も、ばからしいものだった。
俺は勇者だ。多分偉い。でも、真の魔王藍染はアサシンの一護が倒してしまった。勇者とはいえ、一人ではやっていけないのが分かり、俺はルイーダの酒場にやってきた。
「隊長!どうしたんです?」
松元がやってきて、オレンジジュースをおごってくれた。
勇者として、勝手に人の家に入り込んでタンスやツボをあさって、アイテムをもっていくと、住民が泣くのだ。でも、勇者である俺が家中を物色することに抗うことははステム上できなくて、大泣きしたり罵倒を浴びせられた。
いい加減、モンスターを倒して金銭を得たいのだが、真の魔王藍染が死んだことでモンスターは絶滅してしまった。
仕方なく、他人の家に土足でふみこみ、家探しをする。
大人な水着なるものを手に入れて、さっそく道具屋に売ると2000Gにもなった。
その金を軍資金にして、残っている魔王京楽を倒すためのパーティーメンバーを募った。
集まったのは、アサシン一護、プリーストルキア、ウィザード恋次、スライム。
最後のスライムが気になったが、藍染も倒した一護もいるパーティーだ。どうにかなるだろう。
観光船が出ている、魔王京楽の城までやってきた。
モンスターは出なかった。
魔王の四天王といわれる、清音、仙太郎、海燕は・・・・海燕以外はざこだった。
「く、隊長のいるとこにはいかせない。今行くとやばいんだ」
なんとか海燕を倒して、城の最上階を目指した。
「やぁっ、京楽」
「またまた。ここがいいんでしょ?」
「だめだっ・・・・・人がきたらっ・・・・・・」
俺は。
俺は勇者だ。
扉の奥にいる、魔王と、魔王といちゃついているらしき四天王の一人、浮竹を倒さなければ・・・・・・。
・・・・・。
「あっ京楽・・・・・」
「きもちいいかい、浮竹?」
・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・。
「ああ、そんな、スライムだなんて!」
「いいでしょうこの子。さっき見つけたんだ。ほら、奥まで入る・・・・」
・・・・・・。
・・・・・・・・・。
仲間のはずの、スライムの姿を探してみる。いなかった。
スライムだけでなく、一護もルキアも恋次もいなくなっていた。
「ああっ、春水、もっと奥に!」
「十四郎、愛している」
・・・・・・・。
・・・・・・・・・。
「卍解!大紅蓮氷輪丸!」
俺は勇者だ。いかがわしいことをする魔王を倒さなければ。
俺は・・・・・・・・・・。
「・・・・・・・・・・・夢か」
がばりと起きると、全身にすごい寝汗をかいていた。
自分の屋敷に戻らずに、隊首室のベッドで横になっていたら、いつの間にか眠ってしまっていたらしい。
「京楽・・・・もしも、日番谷隊長が起きたら・・・・」
「大丈夫、起きないよ。ねぇ、もっと求めて?僕を」
「ああっ、春水!」
「愛してるよ、十四郎・・・・・・・」
「卍解!大紅蓮氷輪丸!」
執務室を、全壊してしまった。
宙には、衣服をいつの間にか整えた二人がいた。仲を邪魔されて不機嫌奏な京楽と、行為のせいで頬を上気させている浮竹の姿が見えた。
「ばか京楽、だからいっただろう!日番谷隊長が起きたらどうするって!」
「スリル、あったでしょ?」
「ばか!」
浮竹は、京楽の腕の中だ。京楽の頭をたたいていた。
俺は、勇者・・・・じゃない、10番隊隊長だ。
「風紀を乱す奴は許さん!」
氷輪丸を手に、逃げ出す二人をどこまでも追いかけていった。
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